※本記事の「採用パンフレット」には、採用を目的としたリーフレット等も含んでいます。
採用パンフレットの作り方の全体像については、選ばれるための採用パンフレット-作り方の基本と就活生の本音を紹介で解説しています。
採用パンフレットはフェーズに応じて役割を決める
採用パンフレットを制作する前に押さえるべきポイントは、デザインやページ数ではなく「役割を決めること」です。
「丁寧に作ったのに、説明会で配られて終わる」「学生の理解が深まらず応募につながらない」という状態に陥る原因は、デザインではなく“どのフェーズで、どんな役割を担わせるのか”という前提が曖昧なことにあります。
いくらデザインを整えても、役割を言語化できていない場合、そのパンフレットは“成果を偶然に委ねている状態”と言えます。
採用パンフレットは就活生の判断材料のひとつになる
就職活動を行う学生(就活生)にとって、採用パンフレットに求める情報は、認知から応募・選考までのフェーズによって変わります。
だからこそ、どのフェーズで使用するのか、どんな役割を担わせるのかを先に決めておくことが重要です。
役割が定まらないまま制作された採用パンフレットは、情報が増えるほど“何を伝えたいのか分からない資料”になります。
採用パンフレットは、ただの会社案内ではなく就活生が判断を行う際の材料となるのが理想です。
もちろん、フェーズごとに別のパンフレットを作るべきだという意味ではありません。使用するフェーズによって、どう機能させたいのか、その役割を明確にしていくという考え方です。
本記事では、一般的な採用プロセスを例に挙げながら、フェーズごとに採用パンフレットの役割を整理していきます。
※本記事の「採用パンフレット」には、採用を目的としたリーフレット等も含んでいます。
採用プロセス、フェーズ、タッチポイントとは
採用パンフレットの役割を決めるには、最初に「採用フェーズ」と「タッチポイント(学生との接点)」を整理します。
例えば、採用フェーズは「認知→興味・情報収集→比較・検討→応募・選考」、タッチポイントは、就活サイト、説明会、インターンなどです。
用語の整理
- 採用プロセス
企業の採用活動の流れ(説明会、インターン、選考、内定者フォローなど) - フェーズ
学生の意思決定の段階(認知→興味・情報収集→比較・検討→応募など) - タッチポイント
企業が学生と接触する場、接点(就活サイト、説明会、インターンなど)
就活生の行動・心理とタッチポイントの例
以下は、就活生の心理、行動、タッチポイントをフェーズごとに整理した一例です。
自社の採用戦略に合わせて見直してください。
| フェーズ | 心理状態 | 行動 | 主なタッチポイント(接点) |
|---|---|---|---|
| 認知 | 知りたい | 業界研究、サイト登録 | 就活ナビサイト/スカウトサイト/大学のキャリアセンター・就職課 |
| 興味・情報収集 | 理解したい | 企業検索、特徴の把握 | 企業採用サイト/会社説明会/合同説明会/SNS |
| 比較・検討 | 候補を比べたい | リアルな情報の深掘り | インターンシップ/就活ナビサイト/OB・OG訪問 |
| 応募・選考 | 応募を決める | エントリー、面接準備 | 就活ナビサイト(マイページ)/LINEなど |
表のように、「就活生の行動フェーズ」と企業が「採用プロセスに沿った接点」から考えてみると、各タッチポイントで「何を伝え、何を前に進めるか」が明確になってきます。
そして採用パンフレットが、どの場面でどのような役割を担うべきか見えてくるはずです。

SNSなどで継続的に接点をもつ企業の場合
タッチポイントの設計は企業ごとに異なります。
例えばSNSやオウンドメディアで継続的な接点をつくる採用活動では、企業理解や共感の醸成はデジタル上で進みます。この場合、採用パンフレットは「関係を作ること」よりも、「情報を整理し、比較・判断を支えること」に重心が移ります。
採用ファネル
このように、就活生の意思決定を段階に分けて捉える枠組みを「採用ファネル」と呼ぶことがあります。
採用ファネルは、認知から応募、選考、内定へと至るまでの意思決定の流れを段階的に整理したものです。
さらに、認知・興味などの「候補者を獲得する段階(ジェネレーション)」と、検討から応募に至るまでの「志望度を高める段階(ナーチャリング)」に分けて捉えることもできます。

フェーズ別のポイント
採用パンフレットの役割を決める考え方
ここからは、認知〜応募・選考までの各フェーズで、採用パンフレットが果たすべき役割の例を見ていきます。
ただし、フェーズごとに別のパンフレットを用意したり、内容を大きく作り替えたりすることが目的ではありません。
重要なのは、就活生の意思決定を一歩進めるために、パンフレットにどの役割を担わせるのかを明確にすることです。役割が定まってはじめて、採用パンフレット制作のスタートラインに立てます。
同じ冊子であっても、「理解を深める資料」として使うのか、「判断材料」として使うのかによって、強調すべき情報や導線は変わります。
どのフェーズでどのように採用パンフレットを使用するかは、採用プロセスやタッチポイント、ターゲット像によって異なります。自社の採用戦略やプロセス、タッチポイントを意識して読み進めてください。
フェーズ① 認知:第一印象と記憶のフックを作る
キャリアセンターや合同説明会、スカウトなど、はじめての接点が生まれるのがこのフェーズです。「パンフレットを手にしやすい」タッチポイントが多い段階でもあります。
認知の目的は深い理解ではありません。「気になる会社」として記憶に残すことが重要です。
採用パンフレットは、一目で業界や特徴が伝わること、目を引く表紙、手に取りやすいサイズ感、次の行動につながる導線など工夫が必要です。
キャリアセンターでは、クリアファイル入りやリーフレット型など、持ち帰りやすい形が採用されることが多いです。
認知フェーズでは精読より「覚えてもらう」ことが目的なので、厚い冊子よりも手に取られやすさと次の行動につながる導線を優先します。
採用パンフレットのデザインについては、新卒採用パンフレットはデザインで差をつける!選ばれる企業になるために知っておくべき知識で解説しています。
フェーズ② 情報収集・興味:全体像を見せ、興味・理解を得る
この段階では、就活生が興味を持った会社の採用サイトや会社説明会で情報を集め、さらに関心を抱いた企業に対しては、情報を集めて理解を深めていきます。
このフェーズの就活生は、「なんとなく気になる」から一歩進んで、会社の全体像を理解したいという状態に入ります。
採用パンフレットでは、事業の全体像、職種の大枠(職種ごとの違い)、働くイメージなどを伝えます。
すべてを事細かに伝えるより、その企業の全体像や関係がありそうな部分について理解してもらうことを優先します。
フェーズ③ 比較・検討:「判断材料」を揃え「働く自分」を想起させる
このフェーズでは、比較や検討のためのリアルな情報を求めています。
企業の価値観や将来性、仕事内容、成長できる環境かなどの観点で「自分に合うか」を判断して候補を絞り込んでいきます。「他社との違い」をシビアに見ているため、ここでは情緒的な表現より「具体的な事実」が求められます。
例えば「どのような毎日を送るのか」「どのような仕事をするのか」「どのように成長できるのか」といった問いに答える情報です。リアルな1日の流れ、職種別の成果物、3年後の任され方、評価の考え方、福利厚生の使われ方、先輩社員の具体的なエピソードなどが判断材料になります。
このフェーズでは、採用パンフレットは就活生の手元に残る資料として、より強い意味を持ちます。Webで見比べた情報を、応募前に「自分の判断」に落とし込むための最後の手元資料になり得るからです。
フェーズ④ 応募・選考:応募の後押し/面接準備の支援
応募・選考フェーズでは、採用パンフレットは通読される資料というより、「応募の最終判断」と「面接準備」のために必要箇所が参照される資料として機能します。
まず、応募直前の段階では、迷いを整理し、意思決定を後押しする役割を担います。比較フェーズで集めた情報を改めて確認し、「なぜこの会社なのか」を自分の中で言語化するための材料になります。パンフレットに示された事業の強みや価値観、社員の言葉が、応募を決める最後の一押しになることがあります。
次に、ESや面接における志望動機などを考える際の参考資料になります。
企業が何を大切にしているのか、どのような人材を求めているのかが具体的に示されていれば、学生はより深い準備ができます。
余談ですが、近年では保護者に企業内容を説明するための資料として活用されるケースも見られます。
「オヤカク(親の確認)」という言葉もあり、内定前後のフェーズで保護者向けの専用パンフレットや案内資料を用意する企業も増えています。
採用パンフレットの役割まとめ
| フェーズ | パンフの役割 |
|---|---|
| 認知 | 記憶に残す/次の行動へつなぐ |
| 興味・情報収集 | 情報を整理し、理解の入口を作る |
| 比較・検討 | 判断材料を揃え、働く自分を想起させる |
| 応募・選考 | 安心材料を渡し、意思決定を支える |
役割を決める3ステップ
採用パンフレットの役割を決める際は、次の順で整理します。
- 学生の状態(フェーズ)と採用プロセスを整理する
- それに対し、タッチポイント(接点)を戦略に応じて設置する
- フェーズやタッチポイントを考慮し、採用パンフレットの内容を決める
よくある質問
必須ではありません。まずは自社の採用プロセスを設計することが先です。そのうえで、各フェーズでパンフレットに担わせたい役割を決めます。役割が決まれば「1冊で足りるのか」「リーフレット+冊子の2種類が必要か」が自然に判断できます。目的が曖昧なまま種類だけ増やすことはおすすめできません。
採用パンフレットとWebは優劣ではなく役割の違いです。Webは中心として最新情報を更新したり、動画や詳細コンテンツで深掘りする役割、パンフレットは要点を整理し、比較・検討の判断材料として手元に残すなど紙媒体の特性を活かした役割を担うなど、それぞれの特性を考慮します。
まとめ
採用パンフレットは、ただ作れば成果が出るものではありません。
採用パンフレットを制作するにあたっては、まず就活生の行動フェーズに合わせて役割を決めてスタートすべきです。
役割が明確になると、掲載する情報と削る情報の選択、デザインの方向性にも影響してきます。そして、採用パンフレットは“読まれる資料”へと変わります。
まずは自社の採用フェーズとタッチポイントを整理し、パンフレットに担わせる役割を言語化することからはじめてみてください。
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ゼンリンプリンテックスでは、パンフレットの制作・印刷に加えて、構成段階からのご相談も承っております。
- パンフレットの目的から整理し直したい
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このようなお客様からもご相談いただいていますので、お気軽にご相談ください。
パンフレットの制作と印刷は、ゼンリンプリンテックスにお任せください
| 社名 | 株式会社ゼンリンプリンテックス |
| URL | https://zpx.co.jp/ |
| 設立 | 1947年 9月 |
| 事業所 | 東京、福岡、熊本 |
| 関係会社 | 株式会社ゼンリン、株式会社ゼンリンデータコム、株式会社ジオ技術研究所など 関係会社一覧 |

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本記事は、パンフレット制作の経験が豊富なスタッフ、デザイナーのノウハウをもとに執筆しました。

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