学校案内にブランディング視点を取り入れる方法とは

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人口の減少・進路の多様化、早期の進路選択が進み、これまで以上に「選ばれる」ための広報が必要となっているのではないでしょうか。
実際に、当社にもお客様から学校案内のリニューアルに関するご相談をいただくことが増えています
そこでこの記事では、ブランディングの視点から、魅力的な学校案内を制作する基本的な考え方を説明いたします。

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学校のブランディング

学校の入試広報の現状

現代の入試広報の背景として、人口の減少、進路選択の多様化、そして早期の進路決定などが挙げられますが、これらの状況下で、「選ばれる学校」となるために、多くの学校が従来以上に広報活動に力を注いでいます。
学校の公式ホームページ、学校案内のパンフレット、SNSでの情報発信、オープンキャンパスや説明会の実施など、多岐にわたる広報施策が一般的となっています。
一般的な学校の広報では、「自校の魅力や特色を明確に伝え、継続的なコミュニケーションを図り、受験生に認識してもらい、さらに興味を持ってもらうこと。その結果として、入学志願者が増加することを目指す。」といったことを目的とされる場合が多いようです。

学校ブランディングと入試広報

学校ブランディングの基本

学校ブランディングの目的は、その学校が他校と明確に区別されるような統一感のあるイメージを築くことです。
対象者が「〇〇と言えばこの学校」と瞬時に思い浮かべ、「私はこの学校に行きたい」と感じるような支持を得ることが最終的なゴールとなります。
このプロセスのために、広報活動の中で「戦略・コミュニケーション施策・コンテンツ設計」を主要な軸として捉え、学校の一貫したアイデンティティを構築します。
その第一歩は、他の学校との明確な差別化を図ること。受験生の興味や志向を理解し、学校独自の特色や価値を確立します。
その後、この特色を基に広報の全体的なコンセプトを策定します。
そして、このコンセプトを土台として、コミュニケーション施策の方向性を定め、メッセージやビジュアルの表現、そして具体的なコンテンツ制作に取り組むのです。

学校案内をブランディングの視点で考える

内部要因と外部要因を分析する

学校のブランディングの初歩として、他校との差別化を図りつつ、受験生の志向を的確に捉えることで独自性を際立たせ、伝えるべきコンセプトを明確にすることが重要です。
そのためには、まず自校の状況をしっかりと分析し、受験生に提供するベネフィットを整理することからスタートすると良いでしょう。特に、内部要因と外部要因の分析が欠かせません。

内部要因の分析では、学校の理念や歴史・沿革、カリキュラム、施設・設備、留学制度、授業料、主な就職先や、卒業生・在校生の声などの情報を深堀りします。これらの要素を客観的に検討することで、自校の強みや弱み、すなわち内部環境を詳細に把握することができます。

外部要因の分析においては、受験生の志向や興味、保護者の期待や行動、競合する学校の特徴・強み・弱み、教育界のトレンド、そして社会的背景としての価値観の変化などを検討します。これにより、学校が置かれている現状の外部環境を明確にすることができます。

内部環境と外部環境の両面からの分析が重要な理由は、単なる主観的な理解に頼らないようにするためです。
単に自分たちの視点だけでは、偏った見方や深い洞察を欠く可能性があります。
学校の状況を客観的に再評価することで、受験生との共感を得るポイントや、競合する学校との違いを明確にする要素が見えてきます。

SWOT分析を活用する

内部要因や外部要因の分析に際して、SWOT分析を活用すると良いでしょう。SWOT分析は、マーケティングの領域で広く用いられる代表的な手法の一つです。
この分析では要因を「プラス」と「マイナス」に分けて考えることで、より客観的な視点を持つ手助けとなります。
特に、内部環境に関しては、競合との相対評価として捉えるとさらに理解しやすくなるでしょう。
また、顧客(この場合、受験生)、競合校、そして自校を明確に整理し、成功に必要な要因を特定するための「3C分析」も参考にすると良いでしょう。

学校をSWOT分析した例
SWOT分析の例

学校案内のコンセプトを決める

内部要因と外部要因の分析結果をもとに、自校が持つ真の価値は何かを再評価します。
その結果を文章にまとめ、自校のアイデンティティの基盤を確認する材料として活用します。

自校の価値をまとめる

内部要因や外部要因を分析し、あらためて自校の価値を明らかにしたら、それをまとめ上げて文章化することをおすすめします。学校が持つ独自の特性や魅力、存在理由、どのような価値を提供するかなどを文章として表します。それは自校が伝えたいこと、もしくは抱いて欲しいイメージとも言えます。その際は、社会や地域とのつながりや受験生の将来、ステークホルダーとの関係といった観点も考慮すると良いでしょう。これらを明文化することで、広報のコンセプトとして活用でき、さまざまなコミュニケーション施策をぶれることなく行えるようになります。

タグラインを考える

自校の価値を明文化したものを短いメッセージに集約し、その学校の価値を強調し簡潔に表現するタグラインを作成します。タグラインは、個性や核となるメッセージを端的に表現し、深い印象を残し、さまざまなコンテンツにおいて一貫性のあるメッセージを提供する役割を果たします。短くて簡潔な表現は記憶に残りやすく、受験生や他のステークホルダーの興味を引くことができるものであれば、自校への認識・共感・信頼・支持につながり、競合他校との差別化を図る要素として機能します。

デザインポリシーを決める

受験生などのターゲットが、はじめてその学校と接し、第一印象を形成するのは、デザインが大きく関わります。デザインは視覚的なメッセージとも言え、イメージの伝わり方を左右する重要な要素です。タグラインに沿って、ビジュアル表現の方向性を慎重に検討する必要があります。 また、カラーや配色、レイアウト、写真のトーン、行送り、書体・文字の大きさ、要素の区切りなど、ビジュアルアイデンティティを設定し、コミュニケーション施策全体を通じ、一貫性を保つことも大切です。

学校案内のコンセプト

最後に-学校案内作成で大切なこととは

この記事では魅力的な学校案内を作成する際の基本的な考え方について、ブランディングの観点を交えて説明しました。
学校案内では、ターゲットの行動プロセス及びその段階を踏まえながら、受験生が知りたい情報を発信することが大切です。
その際は一貫したコンセプトに基づいたコミュニケーションが求められますが、それは一冊の学校案内においても同様です。

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この記事を書いた人

このお役立ち記事は、私がこれまでにお客様のプロモーション課題に取り組んできた経験や、お客様からお寄せいただいた質問をもとに執筆しています。印刷をデザインやマーケティングの観点も交えながら、読者の方に少しでも分かりやすくお伝えする事を心掛けています。