【学校案内パンフレット】魅力的な学校案内をつくる方法-掲載内容やデザイン・印刷について解説

学校案内パンフレットの作り方

「学校案内パンフレットをリニューアルしたいけど何から考えれば良いかわからない」
だから「前年のものを繰り返し修正している」
学校案内に掲載する内容を一から考えるのはとても大変です。
また、リニューアルの際も掲載内容だけでなく、デザインなど決めなければならないことは他にもたくさんあります。

本記事は、いざ学校案内をリニューアルする際の入門書として、魅力的なパンフレットを作成するために必要な基礎知識をまとめました。
学校案内パンフレットの目的とターゲットユーザー、記載する内容やポイントなどおさえておきたい基本的な事項など作成に役立つヒントをご紹介します。

この記事は次のような方におすすめします
  • 学校案内の作成をはじめて担当する方
  • 学校案内のリニュ―アルを任された方
  • 学校案内の基礎知識をおさらいしたい方
  • 学校広報のご担当者

あらためて目的やターゲットユーザーを確認する

学校案内パンフレットのターゲット
他のパンフレットと同様に作成する際は、目的やターゲットユーザーを明確にします

学校案内パンフレットはおもに入学希望者を集めるために作られます。大学や専門学校、高校などの生徒を募集するためのツールとして、ホームページでの資料請求や合同説明会で配付されます。また、高校や中学校、学習塾に対して行う学校説明用の資料としても使われています。

つまり学校案内パンフレットは、あらたな入学者を募るために、学校の様子や学校の価値を伝える重要なツールなのです。
だからこそ、手に取る生徒とその保護者の興味を引き、行動を喚起するために企画やデザイン、そして印刷物としてのクオリティを高めていく必要があります。

パンフレットに掲載する内容を考える

学校案内パンフレットに掲載する内容
他校のパンフレットを見るのはマネするためではなく、違いを明確にするためです

学校案内は、必要な情報を不足なく掲載することが求められます。
入学を検討する生徒が必要とする基本的な情報がそれにあたります。
学校案内の構成を考える時はそれらがもれなく掲載されているかチェックするようにします。
またそれ以外にも、学校の魅力を伝える内容、例えば力を入れていることや他校との違いが明確になるようなことを載せると良いでしょう。

[学校案内パンフレットに掲載する内容の例]

  • 学校の歴史
  • 使命やビジョン
  • カリキュラム
  • 通学に関する情報や周辺の環境
  • 施設や設備
  • 取得できる資格
  • 留学に関する情報
  • 卒業後の進路(就職・進学実績)や進路指導方法について
  • 学費や奨学金に関する情報
  • 学校生活の様子、サークルやクラブ活動
  • 在校生や卒業生の声

学校案内パンフレットの構成例

学校によって各コンテンツに割り当てるページ数は異なりますが、一般的な構成をご紹介します。

  • 目次
  • 理念・特色
  • 学部・学科情報
  • キャンパスライフ
  • 就職・キャリアに関する情報
  • サポートに関する情報
  • アクセス
  • その他、オープンキャンパス等の情報

学校案内パンフレットに適したデザインやポイントをおさえる

受け取った人にどのように感じて欲しいか?

生徒が必要とする情報をとにかく載せれば良いというものではありません。
ただ情報を詰め込んでいるような学校案内は、生徒が読み進めていくうちに飽きてしまうでしょうし、何よりそのような学校に入学したいと思うでしょうか。

志望校とする学校をまだ決めていない生徒に対しては、体験入学など、学校の雰囲気を感じてもらうための貴重な機会(生徒・学校双方にとって)があります。しかし、その機会を得るためには学校案内パンフレットやホームページなどを見た時に「もっとこの学校の事が知りたい」と感じてもらい、次の行動(この場合は学校見学会への参加)を喚起することが大切です。
また、距離的な問題などで学校見学会に参加できない場合もあります。その場合は学校案内パンフレットやホームページを見て、どれだけキャンパスライフや将来を想像してもらえるか、この学校に入学したいと感じてもらえるかがポイントとなります。(この場合は検討段階を引き上げる役割の一端を担うことになります)

学校案内パンフレットを手にした時、それは自校との貴重な接触の機会なのです。
その機会を無駄にしてしまうことがないよう、掲載内容はもちろん、デザインについてもよく考える必要があります。

デザインの基本について理解する

そもそもデザインとは、見た目だけにとらわれるものではなく、パンフレット本来の目的を達成することを前提に、思い描くものをビジュアル化していく作業です。
学校案内パンフレットのデザインでは、ターゲットユーザーがその学校に興味を持ち入学したいと感じさせるようなものが求められます。
また、イメージカラーやトーン&マナ-で学校の価値観をデザインに反映させる、他校との差別化を図る、保護者の存在を意識し安心させるなど、具体的に検討していく必要があります。

ところで、デザイン作成の過程では、いくつか注意すべきことがあります。
その中のひとつは、思いつきや見た目ばかりにこだわるような周囲の意見によって、制作途中に部分的な修正を繰り返してしまうことです。
デザインの本質を知っていれば、これがどのような結果を生じさせるかが予測できるでしょうし、それを回避する方法も分かるはずです。
しかしデザイナーなどデザイン業務に携わっている人でもない限り、それは本当に難しいことです。
そのような状況が懸念される場合は、プロのデザイナーにあらかじめ、そしてなるべく具体的に相談することをおすすめします。パンフレット作成の進め方について、アドバイスやサポートが得られるはずです。

質が高い写真やイメージにあったイラストを使う、動画を活用する

学校案内に豊富なビジュアルコンテンツを掲載することで、読者の興味を引きつけることができます。
例えば、学校施設や授業風景、部活動やイベント時の写真などを掲載します。このような写真は、学校の雰囲気や印象を伝える上で非常に重要です。
重要だからこそ、プロのカメラマンが撮影するような、魅力的で質の良い写真を載せるようにしましょう。
学校のイメージに合うオリジナルのイラストを作成するのもおすすめです。

またQRコードやARを活用すれば、パンフレットから動画に誘導することができます。
動画は情報をわかりやすく伝え、印象に残りやすくなるためおすすめです。

読みやすさにも配慮する

  • 目次や見出しを付ける
    パンフレットを読む人が、必要な情報をすばやく見つけられるように、目次や見出しを設けるようにします。
    タイトルや見出しは、大きめの文字や色を使って目立たせることがポイントです。
  • 読みやすいフォントを選ぶ
    パンフレットに使用するフォントは読みやすいもの、例えば、ユニバーサルデザインフォントを使用するなど工夫します。また紙面を通してフォントを統一することで、読み手が疲れずにスムーズに読み進められるようになります。
  • 文章はシンプルに
    掲載する文章はシンプルで読みやすいものにすることが大切です。
    長文になりがちな部分は、箇条書きや図表などを活用することで、わかりやすく伝えることができます。
  • レイアウトもシンプルに
    文字や画像の配置にも工夫が必要です。
    シンプルなレイアウトを心がけ、分かりやすいデザインを目指しましょう。

学校案内パンフレットは表紙も大事

学校パンフレットの表紙には一般的に、学校名、写真やイラスト、キャッチフレーズなどが掲載されますが、表紙をデザインする際には、いくつかポイントがあります。

まず、学校のブランドについて考えることが大切です。
学校について伝えたいメッセージは何なのか。表紙はそれを反映したものでなければなりません。

次に、表紙は視覚的に魅力的であるべきです。
入学希望者や保護者が最初に目にする学校案内パンフレットですが、特にその表紙で学校への印象が決まることもあるため、良い印象を与えることが重要です
また多くのパンフレットが手元に届いた時などは、表紙を見て「どのパンフレットを開くか」が決まることもあるため、読者の注意を引き、その学校についてもっと知りたいと思わせるものでなければなりません。

学校案内パンフレット作成の流れ

学校案内パンフレット作成の流れは次の通りです。

  • 目的とターゲットユーザーを明確化する
    まずは、誰が学校案内パンフレットを受け取るのか、パンフレットを受け取った人にどのように感じて欲しいか、またどのように行動して欲しいかなどをはっきりとさせます。
    今さらと思われるかもしれませんが、あらためてこれらを明確にし、関係者の間で共有しておくことで、同じ認識で掲載する内容や表現方法について検討を進めることが出来るようになります。
  • コンセプト・全体の構成・デザイン方針を決める
    学校案内パンフレット全体の設計図となる、コンセプトや全体構成、デザインの方向性を決めます。
    訴求する内容やそれをどのようにパンフレットの中で表現していくのかなど、骨子となるものを確認する重要な工程です。そのため、場合によっては複数案作成し、十分に検討する必要があります。
  • デザイン案(ラフ)や、具体的な掲載内容(テキスト原稿)を作成する
    パンフレットの骨子が決定したら、それに沿ってデザイン案や掲載する内容(テキスト)を決定、デザインを生かす印刷用紙や加工方法についても検討します。
    この段階で十分に検討・確認をしておかなければ、後の工程で修正を何度も繰り返すことになり、せっかく決めたコンセプトからぶれてしまう事態を招いてしまいます。
  • デザイン制作・写真撮影・イラスト制作
    企画コンセプト・構成プランをもとにデザイン、レイアウト作業を行います。
    必要に応じて、取材から原稿の作成、製品や人物などの写真撮影、イラストの作成やストックフォトなどの素材手配を行います。
  • 校正・デザインチェック
    テキスト・写真をレイアウトしデザインの制作を終えたら、出力紙をもとにデザインや掲載内容について確認します。修正があれば、デザインや掲載内容を修正、再度確認します。状況に応じてこれを繰り返します。
  • 色校正
    実際に印刷した際の色を確認するために色校正を行います。
    色校正は簡易的なものから、実際の印刷機・印刷用紙で刷るものまであります。
    *色校正について詳しく知りたい方は、「色校正は必要?|色校正とは何か。色校正の種類や指示の方法を解説」をご覧ください。
  • 印刷・加工
    色校正を終えると、印刷・加工を行い完成です。

おすすめのサイズ・印刷用紙・綴じ方

サイズ

学校案内パンフレットのサイズは、A4(210×297mm)が用いられることが一般的です。
A4は規格サイズのため、クリアファイルに挟んだり、カバンに入れたりしやすいというメリットがあります。
規格外のサイズにして他のパンフレットに埋もれてしまわないようにする場合もあります。

印刷用紙

学校案内では、学校の魅力を伝える写真やイラストを使用するケースが多いため、それらがきれいに見える用紙をおすすめします。

  • コート紙
    表面に光沢加工が施されており、発色が良く鮮やかに再現します
  • マットコート紙
    表面の光沢が抑えられ反射が少ないため、読みやすく落ち着いた感じを演出することが出来ます

製本方法(綴じ方)

  • 中綴じ
    パンフレットを中心から2つ折りにし、ページの中央を多くはホチキス(針金)で綴じる製本方法(綴じ方)です。パンフレットで多く用いられます。コストが安く、パンフレットが開きやすいというメリットがあります。
    ただし、綴じられるページ数に限界があるなどのデメリットもあります。
  • 無線綴じ
    学校案内のページ数が多い場合は、無線綴じが用いられます。
    ページを束ねた背の部分と表紙を接着剤で固定する方法です。
    ある程度のページ数が必要ですが、中綴じより強度がある、背を作ることができるなどの特徴があります。

表紙加工

主な表紙加工として、PPフィルムを貼り付けてコーティング保護する加工法があります。
耐久性が増し見栄えが良くなり高級感が出るのが特長です。

  • グロスPP加工
    表紙の表面につやを出し色鮮やかに表現される
  • マットPP加工
    つや消しのしっとりと上品で落ち着いた感じに仕上がる
サイズA4(210×297mm)が用いられることが多い
印刷用紙コート紙:表面に光沢加工が施された用紙
マットコート紙:表面の光沢が抑えられ読みやすく落ち着いた感じ
製本方法中綴じ:ページの中央を多くはホチキス(針金)で綴じる
無線綴じ:ページを束ねた背の部分と表紙を接着剤で固定する
表紙加工グロスPP加工:表紙の表面につやを出す
マットPP加工:つや消し、しっとりと上品で落ち着いた感じに仕上がる
パンフレットの主な仕様

最後に

今回は学校案内パンフレットの基本的な作り方についてご紹介しました。
学校案内を一括請求するサービスもあり、生徒やその保護者は数多くの学校案内パンフレットを請求する傾向があります。

実は私にもその経験があります。実際には、十数校の学校案内パンフレットを請求しました。
その多くの中で興味を持った学校のパンフレットは、デザインはシンプルだけれども表紙加工が凝ったものでした。
またその学校からは、数週間後に学校見学会のリーフレットが送られて来たのですが、そのことも印象に残る要因の一つでした。(結局その学校の見学会に参加し入学することになりました)

どうすればパンフレットを開いてもらえるか?
自校の魅力を伝え、印象付ける方法は?
学校案内パンフレットをリニューアルする際はこれらの事を、ともに考え、ともに作り上げる最良のパートナーを探してみて下さい。

ゼンリンプリンテックスは伴走サポートします
具体的な内容が決まっていなくても、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人

このお役立ち記事は、私がこれまでにお客様のプロモーション課題に取り組んできた経験や、お客様からお寄せいただいた質問をもとに執筆しています。印刷をデザインやマーケティングの観点も交えながら、読者の方に少しでも分かりやすくお伝えする事を心掛けています。