LIMEX(ライメックス) とは?紙・プラに代わる新素材-メリットデメリット・活用法・SDGsとの関係や選ばれる理由を解説

環境配慮型新素材LIMEX(ライメックス)でSDGsを実現
【この記事は次のような方におすすめです】
  • 環境問題やSDGsへの取組みを推進したい方、どうすべきか分からない方
  • 企業のCSRご担当者
  • 印刷物やノベルティグッズで環境への配慮を実現したい方
  • 新しいアイデア・企画を考えている方
  • 再生紙以外に環境配慮型素材の選択肢を探している方

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環境問題 ― まずは「いまできること」から

環境問題と言えば“カーボンニュートラル”という言葉が頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
いま世界規模の取組みとして、気候変動問題(気候危機)の原因となっている温室効果ガスを減らすため、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが進んでいます
日本においても、カーボンニュートラル先行地域から伝播させる、いわゆる「脱炭素ドミノ」によって全国に広がりをみせているところです。
世論調査の結果でも、「脱炭素社会を知っていた」と答えた人68.4%、「脱炭素社会に向けて取り組みたい」と答えた人91.9%となっており高い関心がうかがえます。 
内閣府「気候変動に関する世論調査」(令和3年3月発表)
そして、カーボンニュートラルを2050年までに実現させるために、革新的な技術を早期に社会へ実装することが望まれていますが、その一方でまずは「いま実現できること」を最大限に行うことが肝要とされています。

本記事では「いま実現可能なこと」として、CO2排出量の抑制などの環境問題に貢献できる新しい素材「LIMEX」を紹介します。

LIMEX(ライメックス)とは

LIMEX(ライメックス)とは、株式会社TBMが国内で自社開発(特許取得)した、石灰石などを主原料とする環境配慮型の新素材(炭酸カルシウムなど無機物を50%以上(重量ベース)含む複合素材)のことです。
環境に配慮できる日本生まれの素材として、現在10,000以上の企業や自治体等がLIMEXを採用しています。(2022年12月現在 TBM社による)
またLIMEXは、COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)で紹介されたほか、日本の優れた技術としてUNIDO(国際連合工業開発機関)のサステナブル技術普及プラットフォーム「STePP」 に登録されています。

石灰石を原料とする新素材LIMEX(ライメックス)

ところでLIMEXという名称は、石灰石が英語で“limestone”と表現されることに由来しています。
そして石灰石は地球上で豊富に存在しており、日本でも100%自給自足が可能と言われています。
つまりLIMEXは、石油や森林資源と比べ枯渇リスクが低い石灰石を活用した、私たちが直面している環境問題解決を前進させる新素材なのです。

*「LIMEX」は株式会社TBMの登録商標です

なぜLIMEXが選ばれているのか

官公庁では、SDGsや環境問題への取組みの推進やグリーン購入(調達)の観点から、再生紙や森林認証紙など環境に配慮した印刷物を作成することが増えています。
一般企業においても、身近な広報・販促ツールとして手にとられることが多い印刷物をCSRを体現化するものと捉える傾向があり、また環境配慮型の用紙を指定するだけでその姿勢を示すことができるという手軽さもあって、環境配慮型の印刷物へのニーズの高まりを感じます。
また、これまで以上に環境への配慮が求められる昨今では、以前から広く普及する再生紙以外の選択肢の必要性がより強く感じられます。
LIMEXは、SDGsまたは環境問題に貢献できる素材であることに加え、その特性や多様な製品、そして目新しさもあって環境配慮型素材の中でも注目されています。

LIMEXのメリット

【特長1】 幅広い活用範囲

LIMEXの製品には紙の代替とプラスチックの代替があり、さまざまな用途への利用が可能です。

▶[紙代替] 印刷用紙をLIMEXに替える

LIMEXは、メニュー表やポスター・マップ・名刺などの印刷媒体のほか、パッケージ・飲料カップなど紙の代替製品をつくることができます。
また通常のパルプ由来の紙と比較した場合、次のような特長が挙げられます。

  • 耐水性・耐久性に優れ、雨にさらされる屋外や繰り返し使用される製品に最適(ラミネート加工を必要としない場合も)
  • なめらかな手ざわりと目新しさ、特別感や高級感が感じられる
LIMEXの用途と特徴
LIMEXの用途と特徴

▶[プラスチック代替] プラスチックをLIMEXに替える

一方プラスチック代替の代表的な製品は、クリアファイル・レジ袋・手穴付きの袋・ファイルバインダーなどがあります。そのほかにも、容器・文房具・アメニティグッズ・プラモデルなど、さまざまな製品に活用されています。

LIMEX-プラスチック代替使用例

【特長2】 環境問題に貢献する素材

LIMEXは、木材パルプから作られる普通紙や、石油由来成分によって作られる合成紙やプラスチックと異なり、石灰石を主原料としているため、石油資源や森林資源の使用を節約することにつながります。
それだけでも魅力的な素材なのですが、実はLIMEXにはそれ以外にも「水問題に貢献する」「CO2排出量の抑制に貢献する」という特長があります。

▶ CO2排出を抑制、石油資源を保全する

プラスチック代替の製造に使用する[LIMEX Pellet]は、炭酸カルシウムなど無機物を50%以上使用しているため、石油資源の使用量を削減することができます。

また、原材料の調達から処分(焼却)までのライフサイクル全体でCO2排出抑制が可能です。原材料調達工程では石油由来プラスチックと比較しCO2排出量を約98%抑えることができ、処分工程(焼却含む)においては燃焼時のCO2を約58%排出削減することができるとしています(TBM社)。

▶ 水資源の保全に貢献|水使用量を約97%削減する

紙代替製品としてのLIMEX(LIMEX Sheet)では、製造工程において機械の冷却以外には水を使用しないため、一般的な紙の製造時と比べて水の使用量を約97%削減することができます。

[知識 水資源問題のこと
世界で起こっている水資源問題の原因は「人口増加」「気候変動」「水紛争」だと言われています。そして今後も、製造業の工業用水(+400%)、発電(+140%)、生活用水(+30%)とさらに需要が増え、淡水はよりいっそう入手困難になり深刻な水不足に見舞われる。そして、2050年には深刻な水不足となる河川流域の人口は、39億人(世界人口の40%以上)となる可能性があると指摘されています。
出典:国土交通省「水資源問題の原因」

[参考] 水資源問題と日本
水資源問題は、日本ではあまりピンと来ないかもしれませんが「バーチャルウォーター」という考え方があります。これは、農産物などの食料や工業製品を購入した人が間接的にその製造に使用する水を消費したという考え方です。この考え方からすると、食料自給率の低い日本は多くの「バーチャルウォーター」を輸入していることになり、日本は海外の水資源に支えられていると言うことができます。
私たちは、安定して水を使用できているように思われますが、食料等の安定的な供給を考える上でも、世界的な水不足についてもっと意識を高め貢献していく必要がありそうです。

▶ 豊かな森をまもる|森林資源の保全に貢献

日本は紙の原料となる木材パルプの大半を輸入に頼っています。もちろんクリーンウッド法の下で輸入しており、その多くは製紙用に植林された人工林低質材ですが、紙に代わる選択肢として木を使わず国内で自給自足可能な石灰石を使用して製造されるLIMEXの存在は貴重です。

[知識 森林破壊のこと
FAO(国際連合食糧農業機関)によると1990年以来、推定4億2,000万ヘクタールの森林が、森林破壊、農業などの他の土地利用への転換によって世界中で失われたが、森林破壊はこの数十年間で大幅に減少した。しかし、依然として世界の大きな課題であることに変わりはないとしています。
現在、世界中で何百万人もの人々が森林に生計手段を依存していると言われている事から、森林を保護することは、生物多様性保全や気候変動だけでなく、食料生産・貧困緩和などにもつながるものと考えられています。
出典:農林水産省WebサイトーFAOグローバル森林資源評価2020

【特長3】 マテリアルリサイクル-印刷物がスマホケースに

そしてLIMEXの特長として特筆すべきなのは、マテリアルリサイクルです。
例えば通常の紙の場合、使用した紙を回収し再生紙として再利用します(水平リサイクル)。
LIMEXの場合は「LIMEX製品や端材を回収→再資源化→LIMEXプラスチック代替品として再製品化」することで、使い終わったものを別のものに生まれ変わらせることができます(アップワードリサイクル)。
例えば、「使い終わったLIMEX製印刷物を回収し、スマホケースに生まれ変わらせる」「使用済みのLIMEXでつくった横断幕でノベルティグッズをつくる」など、さまざまなアイデアを実現できます。
※使用済み製品や生産工程で出る端材を新たな製品の原材料として使用しあらたにモノを生み出す

【特長4】 SDGsに貢献できる

SDGsへの取り組みにLIMEXを選ぶ利点として
①取り組みやすい、②アピールしやすい、③環境への配慮と機能性を両立できるなどが挙げられます。

LIMEXが貢献するSDGsのゴール
LIMEXが貢献するSDGsのゴール

LIMEXはSDGsの次の8つの目標に貢献します。

[目標6] 安全な水とトイレを世界中に
すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する

[目標8働きがいも経済成長も
すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する

[目標9産業と技術革新の基盤をつくろう
強靭なインフラを整備し包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに技術革新の拡大を図る

[目標12つくる責任 つかう責任
持続可能な消費と生産のパターンを確保する

[目標13気候変動に具体的な対策を
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

[目標14海の豊かさを守ろう
海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する

[目標15陸の豊かさも守ろう
陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

[目標17パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

西日本ナンバー1のLIMEX印刷実績

LIMEXのデメリット

デメリットは、通常の紙と比較して割高な場合があるということです。
コスト面のみを考えると、どうしても大量生産を行う紙のほうが安価なことから、LIMEXの採用を断念する場合があるようです。
他方では「だからこそLIMEXをもって社会的責任を果たそうとする企業姿勢を、明確にステークホルダーに示すことができる」という考え方もあります。

もちろん必ずしもLIMEXでなければならないということはありません。
企業それぞれの考え方やCSRの方向性(中核課題に対する考え方)・取り組み度合いなどを検討し、ステークホルダーにとって最善の選択をすることが大切なのではないでしょうか。

LIMEXの使用事例

LIMEXを使用した印刷物や製品は数多くあります。
大手ホームセンターレジ袋、外食チェーンのメニュー表、自治体発行の商品券、企業のパンフレットやクリアファイル。またイベントでは、ガイドマップ、リストバンド、飲料カップなどさまざまな形で活用されています。

LIMEX製品事例
当社が製作したLIMEXの事例を一部掲載しています
LIMEXの事例をみる

最後に

再生紙を使えば環境への配慮は十分と言えるのか。
再生紙は通常の紙と比べ、品質やコストあるいは環境面でデメリットがある。
このような意見を耳にすることがありますが、少なくとも古紙のリサイクルは、私たちの環境に対する意識や行動を変えてきたのは事実で、その役割や存在はとても大きなものだと感じます。

LIMEXも再生紙もある側面だけを捉えるのではなく、メリットやデメリットを理解したうえで、目的や目標に応じた活用をしてはじめて、その価値が発揮されます。
冒頭で述べたとおり、目前に迫った危機に対し「いま出来ることを確実に、最大限行うこと」が私たちの責務だとするなら、LIMEXはその選択肢のひとつとなる素材であることは間違いなさそうです。

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このお役立ち記事は、私がこれまでにお客様のプロモーション課題に取り組んできた経験や、お客様からお寄せいただいた質問をもとに執筆しています。印刷をデザインやマーケティングの観点も交えながら、読者の方に少しでも分かりやすくお伝えする事を心掛けています。