MECEとは?|MECE(ミーシー)の具体例、フレームワークとの関係を解説

MECEとは?MECEの具体例やフレームワークとの関係まで解説する

この記事は4分で読めます

ロジカルシンキングの基本はこちらの記事をご覧ください

  • 売上アップや新企画の立案
  • 業務プロセスの改善
  • 業務で発生した問題の解決

私たちは、日々の仕事の中でこのような課題に直面します。
このような時に活躍するのが、「MECE(ミーシー)」です。
MECEはフレームワークや問題解決技法に共通する概念と言われています。
MECEはさまざまな場面で役に立ちますので、ぜひ最後まで読み進めていただければと思います。

MECEとは何か

MECE(ミーシー)を一言で表すと、「モレなく、ダブリなく」ということです
※MECEは“ミッシー”と読むこともあります

MECEは、”Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive”の頭文字を取った略語で「相互に排他的でありつつ、全体を網羅する」という意味を持ち、「互いに重複せず、全体にモレがない」という状態を示します
例えば、日本の人口を都道府県別に分けるとき、都道府県は相互に排他的であり、かつ日本全体を網羅しているので、MECEになっていると言えます。

MECEの基本的な考え方

モレやダブリがある場合の例-BtoC企業 A社の場合

では、「モレがある、ダブリがある」状態とはどのようなものでしょうか。
例えば、ある企業A社が女性向けの新サービスのキャンペーンの対象を検討しているとしましょう。
ミーティングでは、「1.働く女性」と「2.子育て中の女性」をターゲットで良いのではないかという意見が出ました。
参加しているメンバーは納得した様子でそのまま会議は進んでいきます。

ここでの問題は、まず論理的な思考や分析がないまま「思いつき」のみでキャンペーン戦略が決まっていくことです。
そしてMECEの観点からするとモレもダブリもある状態になってしまっています。

【ダブリ】
働きながら子育てをしている女性は、「1.働く女性」と「2.子育て中の女性」の両方に該当する

【モレ】
働いていなくて子供がいない女性は、どちらにも含まれない

なぜこのようなことになってしまうのでしょうか。
主な原因として、思いつきや思い込み、主観的な判断基準が挙げられます。
また、慣習的な思考やクリエィティブやひらめきを重視する場合、時間的な制約なども理由かもしれません。
しかしながら、戦略を考える全体を把握し論理的な思考が必要とされるこのような場面では、部分的な検討しかなされなかったことが、大きな機会損失を招く可能性があるのではないでしょうか。

BtoB企業 X社の場合

次は、BtoB企業であるX社の売上アップを議題とした会議を覗いてみましょう。

X社では売上アップを目指して営業担当のAさん、Bさん、Cさんの3人で会議をしています。
活発に意見を交わしたことで、本人たちも大変満足している様子です。

Aさん

売上アップなら新規顧客だな、新規顧客開拓に力を入れよう。

Bさん

そうですね。新規顧客を開拓だから広告を出す必要がありますね。

Cさん

広告には、返金保証のオファーを提示してはどうでしょうか。

こうして決定した施策を実行しましたが、思うような成果を上げることが出来なかったようです。

この議論の問題点は、Aさんの発言以降「新規顧客」についてだけを掘り下げていることです。
「新規顧客」だけがフォーカスされ垂直的に議論が進み終始してしまいました。
売上アップを考える議論の場で、はじめから新規顧客だけにフォーカスして良かったのでしょうか。

X社の場合「顧客」を(1)新規顧客(取引が全くない)、(2)既存(継続)顧客、(3)離脱顧客(過去に取引があったが現在はない)などに分類することが考えられます。
既存の顧客であっても、企業内ホワイトスペースがないかを検討する余地があるかもしれません。
この他にも、リファラル(紹介・委託)営業や一般消費者への販売という可能性はないのでしょうか。

全体像を捉えず一部分だけを見て、別の可能性や本来重要な要素が抜け落ちてしまう、このようなことがないようにしなければなりません。

MECEの考え方が重要な理由

  • ダブリがあると、同じことを二度以上分析する必要があり、無駄な時間や労力を消費する
    また、分析結果が矛盾する可能性があるため信頼性や正確性が損なわれる
  • モレがあると、問題の一部が分析されないままになり、重要な情報や洞察を見逃す可能性がある
    また、モレた部分が問題の原因や解決策に関係する場合、効果的な問題解決ができない

とは言え、意外とMECEで考えることは難しいものです。
完璧に要素を網羅できているという事にこだわり過ぎるのもよくないので、ある程度のところで先にすすむ事も大切です。

MECEとフレームワークとの関係

ここまでMECEの概要を説明してきましたが、次はフレームワークについて見てみましょう。

フレームワークとは

フレームワークとは、問題解決や議論を進める際の枠組みで、新しい発想や分析を効率的・効果的に進めるためのツールとしてビジネスで用いられています。
フレームワークにはさまざまな種類があり、アイデア発想、事業の分析、タスクの洗い出しなどの目的で使用されます。

例えば、SWOT分析は、強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の4つの要素に分けて事業環境を分析するフレームワークです。
その他に、3C分析(顧客・競合・自社)、4P分析(製品・価格・販売促進・流通)、5W2H(誰が・何を・いつ・どこで・なぜ・どんな方法で・予算)、STP分析(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)、PEST分析(政治的・経済的・社会的)などがあります。

MECEとフレームワーク

実はフレームワークは、必要な視点を漏らすことなく網羅的に考えるために設計されています。
私たちは、フレームワークに当てはめて考えると合理的な答えを導きやすくなります。
つまりフレームワークは、MECEの思考プロセスをよく汎用的に具現化したものと考えることが出来るのです。
ですから、もしあなたがMECEを会得したら、自社に合わせたオリジナルのフレームワークを作ることも不可能ではありません。

MECEはフレームワークを活用する時にも役に立つ

もちろんMECEは、実際にフレームワークを使用する際にも役立ちます。
MECEを念頭に置いておくことで、フレームワークをより効率的に活用することが出来るようになります。

例えば、STP分析では、セグメンテーションの際に同じ市場や顧客が複数のセグメントに入らないように(排他的)、また、市場や顧客がどれか一つのセグメントに必ず入るようにします(網羅的)。
SWOT分析では、各要素をMECEに分類することで、モレやダブリを防ぎ、戦略立案に役立てることができます。

このように、MECEとフレームワークは相補的に活用され、より論理的かつ効果的な戦略立案などビジネスで大変役立に立ちます。

最後に

本記事では、MECEやフレームについてその概要を説明してきました。

MECEは相互に排他的で全体を網羅するという原則に基づいており、分析や思考の際にはモレやダブリがないようにすることが重要です。これにより、論理的な戦略立案や問題解決が可能となります。

一方、フレームワークはこのMECEの原則を具体化したツールで、ビジネスにおける分析や戦略立案を効率的かつ効果的に進めるための枠組みを提供します。SWOT分析や3C分析、4P分析などのフレームワークは、それぞれ特定の観点からビジネスを分析するための手法です。

MECEとフレームワークを組み合わせて使用することで、ビジネスの視点を網羅的に捉えることができます。これにより、より的確な戦略立案や意思決定が可能となるでしょう。
まずは実践することが大切です。ぜひチャレンジしてみてください。

おすすめの記事

この記事を書いた人

このお役立ち記事は、私がこれまでにお客様のプロモーション課題に取り組んできた経験や、お客様からお寄せいただいた質問をもとに執筆しています。印刷をデザインやマーケティングの観点も交えながら、読者の方に少しでも分かりやすくお伝えする事を心掛けています。