カタログ制作では、思わぬトラブルや手戻りが発生することがあります。
その多くは、制作工程が複雑だからではなく、制作の流れの中での判断が曖昧なまま進んでしまうことが原因です。
本記事では、カタログ制作の流れに沿って、特に失敗につながりやすいポイントを5つに絞って解説します。
ポイント①
企画段階から目的・ターゲットを共有し続ける
目的とターゲットは、決めるだけでは不十分
もし、目的やターゲットが「決まっている」と感じていても、それが文章として整理・共有されていない場合には、制作に関わるメンバーの理解は微妙にずれていきます。
特に、定期的にカタログを制作している場合は、「これまでと同じ」「分かっているはず」という認識から、制作前の確認や共有が省略されがちです。
もし、目的やターゲットが言語化されないまま進むと、
- デザインが感覚でしか評価されない
- カタログ全体にデザインの一貫性がなくなる
- 修正指示の理由が曖昧になる
- 構成、情報整理、カテゴリーが機能しなくなる
といった問題が起こりやすくなります。
その結果、「どこを目指して修正しているのか分からない」「何が正解なのか判断できない」という状態に陥ります。
目的やターゲットは、決めることだけでなく、制作の途中でも常に立ち返れる形で共有されていることも重要です。
ポイント②
構成の台割は合意形成にも活用する
台割は「何が決まっているか」を示す資料になる
台割(各ページに何を入れるか)や、コマ割り(各ページのどこに何をどのように配置するか)が曖昧なまま進むと、掲載内容の変更が全体修正に波及する、掲載商品の漏れや重複が校正で発覚するなどの問題が起こります。
このような問題を防ぐために、「どこに何を載せるか」を明確にすることは、台割の重要な役割のひとつです。
しかし、台割やコマ割りの役割は、構成を整理することだけではありません。
台割は、「ここまで決まっている」という認識を関係者間で揃え、合意を得るための基準にもなります。
台割やコマ割りを、構成や情報を整理・共有する資料としてだけでなく、どこまでを決定事項として扱うのかを明確にする資料として活用することで、制作はスムーズに進めやすくなります。
台割を合意形成に使うために決めておくべきこと
台割を合意形成の資料として機能させるためには、誰が判断し、どこのタイミングで承認するのかをあらかじめ明確にしておく必要があります。
誰が最終判断をするのか。これが整理されていないと台割で合意したはずの内容が後から覆り、進行全体に支障をきたします。
カタログ制作には、社内外の複数のメンバーが関わります。途中から別の意見や「想定外の判断」が入ること自体は、決して珍しいことではありません。重要なのは、それを嘆くことではなく、それを想定し計画の中に織り込んでおくことです。
例:あるカタログ制作チームの役割
| 担当 | おもな役割 |
|---|---|
| 【発注者】企画担当 | 企画・掲載内容の選定・校正(表記チェック等)・印刷仕様決定 |
| 【発注者】制作担当者 | 進行・スケジュール調整・社内調整・校正・デザイン等の承認 |
| 【印刷会社】デザイン担当 | コンセプト立案・デザイン制作など |
| 【印刷会社】DTP担当 | 組版・印刷用データ作成 |
| 【印刷会社】印刷管理担当 | 納期管理・品質管理 |
| 【印刷会社】カメラマン/ライター | 撮影・コピーライティング |
ポイント③
デザインは見た目だけで判断しない
企画段階で定めた目的とターゲットに立ち返って判断する
デザインを確認する際のポイントは、そのデザインが「目的」と「ターゲット」に合っているかどうかです。
デザインを見ると、かっこいいか、新しいかといった印象で評価してしまいがちですが、これらは判断基準としては曖昧です。
本来、デザインの方向性は、
- 誰に向けたカタログなのか
- どのような役割を果たすべきか
といった企画段階で整理した前提に照らして判断する必要があります。
ターゲット層の感性やブランドイメージを踏まえることで、一貫性のあるビジュアル設計を行えます。
もしこれらを曖昧なまま進めると、次のような状態になってしまいかねません。
- 「かっこいい」など人によって異なる評価基準で、納得のいく決定ができない
- 抽象的な表現にデザイン修正の理由を説明できない
デザインは「見た目」だけでなく、「読みやすさ」「使いやすさ」も含めて判断する
- 情報の優先順位が視覚的に整理されているか
- 見出しや余白、文字の強弱によって、情報のまとまりが伝わるか
- ページをめくったときに、どこに何があるか直感的に分かるか
どれだけ情報が揃っていても、このようなデザイン・レイアウトになっていなければ、カタログとしての機能性を表現できているとは言えません。
デザイン工程では、「見ため」だけでなくカタログとしての一覧性や検索・比較がスムーズにできるかという視点も重要です。
カタログの機能性を損ねることがないよう見やすさに配慮しながら、さらに感情や価値観に訴えかけることができれば、カタログを見た人の行動に影響を与えることができるでしょう。
ポイント④
校正は確認ではなく最終判断と捉える
校正は誤字脱字を直すだけでなく最終判断の場と考える
校正では、文字や表記のチェックに加え、必要に応じて色校正を行い、実際の仕上がりを想定しながら内容を確認します。
この工程は、単なるチェック作業ではなく、印刷へ進むことを確定させる判断の場とも言えます。一度、印刷へ進むことを承認(責了・校了)すると、原則として内容の修正はできなくなります。
この意識がないまま校正を進めてしまうと、
- 修正が何度も繰り返される
- 判断が先送りされる
- 結果として、進行やコストに影響が出る
といった事態につながりやすくなります。
校正の工程では、「この内容で印刷するかどうか」を判断している、という認識を持つことも重要です。
ポイント⑤
印刷の仕上がりは事前の選択が鍵
用紙や加工の選択で、仕上がりの印象は大きく変わる
印刷工程に入ってからは、発注者が直接調整できることはなく、印刷会社の専門領域になります。
そのため、印刷工程で重要なのは、「何かを調整すること」ではなく、どのような印刷仕様を選択し、どのような印刷会社に依頼するかです。
例えば、用紙の種類や厚み、表紙にどのような加工を施すかによって、写真の印象や手に取ったときの質感などが大きく変わります。同じデータをもとに印刷しても、選ぶ用紙や加工が違えば、仕上がりは別の物になります。
印刷品質は偶然ではなく、選択の結果
印刷物の仕上がりは、デザインや印刷仕様だけで決まるものはありません。
同じデータ、同じ仕様(用紙や加工方法)であっても、仕上がりに違いが出ることがあります。
これは、印刷工程で、用紙や加工に合わせてどのように調整するのか、どの程度の誤差を許容するのかなどの判断基準が印刷会社や進め方(色校正の方法など)によって異なるためです。
例えば、一般的にネット印刷は、あらかじめ決められた基準のもとで、一定の品質を効率よく提供する特徴があります。
一方で、一般の印刷会社では、用途や目的に合わせた色調整、用紙や加工を踏まえた仕上がりの調整、実物を見ながらの微調整まで可能な場合が多くあります。
もちろん、一般の印刷会社にも一定の品質基準がありますが、その基準を土台に、色校正などを通じて案件ごとに調整を行うことができます。
その結果、そのカタログに適した品質で仕上げることができるのです。
しかしながら、印刷物としてカタログが完成した後、仕上がりに違和感を覚えたとしても、その時点で出来る事はあまりないでしょう。つまり、カタログの品質は、印刷会社や仕様を選択する段階でほぼ決まっていると言えます。
だからこそ、自社にとってカタログはどのような位置づけなのか、どこまで品質にこだわるのかを事前に整理し、それに合った印刷会社を選択することが重要になります。
印刷会社では、仕様の相談から受け付けている場合が多いので、ぜひご活用ください。
まとめ|失敗しないためのチェックポイント
カタログ制作で何か課題を抱えている場合は、次のチェックポイントをいま一度確認してみましょう。
- 目的とターゲットを、最後まで共有できているか
- 台割を、構成資料ではなく合意形成の基準として使えているか
- デザインを、見た目だけでなく目的や機能性で判断できているか
- 校正を、確認作業ではなく最終判断の工程として扱えているか
- 印刷の仕上がりが、事前の選択で決まることを理解しているか
カタログは、単に情報を並べた印刷物ではなく、目的を持って使われるコミュニケーションツールです。
上記を意識することで、「なんとなく進んで、なんとなく修正を繰り返す」制作から変わるための第一歩を踏み出すことができるはずです。
カタログ制作も印刷も、ゼンリンプリンテックスにお任せください
| 社名 | 株式会社ゼンリンプリンテックス |
| URL | https://zpx.co.jp/ |
| 設立 | 1947年 9月 |
| 事業所 | 東京、福岡、熊本 |
| 関係会社 | 株式会社ゼンリン、株式会社ゼンリンデータコム、株式会社ジオ技術研究所など 関係会社一覧 |

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本記事は、弊社でカタログ制作の経験が豊富なスタッフ、デザイナーのノウハウをもとに執筆しました。

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