効果的なポスターの作り方:ポスターの基礎知識からデザインのコツ、印刷会社の選び方まで徹底解説

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ポスターはイベントや商品のプロモーションにおいて、非常に強力なツールです。
しかし、初めて作成する際、どのような手順を踏むべきか迷うことがあるかもしれません。
本記事では、企画からデザイン、印刷までのポスター作成において重要なポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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ポスター作成の企画段階のポイント

ポスター作成は、単にデザインを作成すれば良いというものではありません。目的やターゲットを明確にし、効果的に情報を伝えるプロセスを考えることが重要です。
ポスターの企画段階では、目的、ターゲット、伝えたいメッセージをしっかりと定めるようにしましょう。

目的とターゲット、メッセージを明確にして言語化する

ポスターの目的やターゲット、伝えるメッセージを明確にしておくことは、デザインの方向性を決める上で非常に重要です。
ターゲットの年齢層、性別、興味関心、ライフスタイルなどを考慮することで、よりターゲットに響くメッセージを伝えることが可能になります。例えば、子供向けのイベントポスターであれば、カラフルで可愛らしいデザインが効果的です。一方、ビジネス向けのポスターであれば、シンプルで洗練されたデザインが好まれやすいでしょう。

そして、何のために作成するのか、誰にどのようなメッセージを伝えたいのかが決まったら、それを言語化します。
ポスターに関わる人がそれを共有することで、ポスターのデザイン全体に一貫性を持たせることができます。
また、ポスター作成を外部に委託する場合には、依頼者と制作者の間でそれが共通認識となり、制作がスムーズに進みやすくなるという利点があります。

ポスターの仕様を決める際に大切なこと

ポスターの仕様を決定する際に考慮すべきことは、サイズ・用紙・費用などがありますが、ここで大切なことは、これらの決定においては、ポスターの役割や用途を十分に考慮するということです。

  • サイズ
  • 用紙
  • 費用

ポスターサイズの選び方

ポスターのサイズによって、デザインの構成や掲載可能な情報量が変わってきます。
また、用途や設置場所を考慮することも大切です。例えば、街頭であれば、遠くからでも視認できるよう、大きなサイズを選ぶことが重要です。選挙ポスターや貼付場所によって制約がある場合はそれに従います。

規格サイズ

ポスターのサイズとしては、A判(A2・A3など)、B判(B2・B3)などの規格サイズがあります。

規格サイズ
A0841×1189ミリ
A1594×841ミリ
A2420×594ミリ
A3297×420ミリ
A判ポスター
規格サイズ
B01030×1456ミリ
B1728×1030ミリ
B2515×728ミリ
B3364×515ミリ
B判ポスター

※参考:印刷の規格サイズには次のようなものがあります

印刷の規格サイズ一覧
印刷規格サイズ

変則サイズ

ポスターは、上記のような規格サイズ以外に変則サイズで作成されます。たとえば、学会用のポスターでは、1800×900mmなど大判サイズのものが使用されます。

(例)選挙ポスターのサイズ

選挙ポスターでは、420×400mm以下、もしくは420×300mm以下と言われています。実際はA3サイズ(420×297mm)で印刷することが多いです。

ポスターの用紙

ポスター印刷を依頼する際には、様々な種類の用紙を選べます。用途に合わせて、光沢のあるコート紙や光沢を抑えたマット紙から選択できます。一般的にマット紙は落ち着いた印象で、コート紙は鮮やかな発色です。
また、そのほかにも耐久性にすぐれ、選挙ポスターなどでよく使用される合成紙もあります。(選挙ポスターでは裏面にシールが付いたものが好まれます)
それぞれの用紙の特徴を理解し、ポスターの用途にあわせて最適な用紙を選ぶ必要がありますが、わからない場合は印刷会社に相談することをお勧めします。また、指定できる用紙の種類は印刷会社によって異なるため、事前に確認しておくようにしましょう。

ポスターの費用

ポスター作成にはデザイン費用や印刷費用など、様々なコストが発生します。これを踏まえて予算を組みましょう。
デザインは自身で制作するのであれば基本的に費用はかかりませんが、印刷を業者に依頼する場合などには、データ作成方法にも注意が必要です。
印刷では、サイズや用紙、部数などで費用が変わってきますので、必要な枚数をよく精査し仕様を検討するとよいでしょう。

ポスターデザイン制作の基本

ポスターは、視覚的に訴求するツールです。そのため、インパクトのある画像やイラスト、キャッチコピーなどを効果的に配置することで、関心をひき付け、メッセージを効果的に伝えることができます。
ポスターデザインにおいては、レイアウトや情報設計などの要素も十分に考慮する必要があります。

ところで、ポスターのデザインに対する印象は人それぞれです。ある人はA案のポスターが、ある人はB案のポスターの方が良いということはよく起こります。こういった場合に、個人が感じた印象やセンスだけで判断することはおすすめしません。
多くのデザインは第三者(この場合はポスターを見る人)のために制作します。
ポスターを見る人がどのように感じるか、それが目的に合っているか、見る人に必要な情報が伝わるか、これらを主体としながら、デザインの基本ルールをもとに制作することが大切です。

センスだけで何とかしようとするのではなく、その目的やデザイン基本ルールを大切にする
センスだけで何とかしようとするのではなく、その目的やデザイン基本ルールを大切にする

情報の配置(レイアウト)

ポスターに掲載する情報は、視覚的に分かりやすく配置することが重要です。情報は整理し、優先順位を意識して配置しましょう。テキストは、読みやすく、簡潔にまとめることが大切です。フォントの種類やサイズ、色なども、情報を効果的に伝えるために重要な要素です。

図版と見出し、その他の文字要素を見やすく配置する

図版(写真や絵)と見出し、その他の文字情報の置き方によって、さまざまな効果が生まれます。また、それぞれの大きさや形を変えると受ける印象や効果にも違いが出ます。

ポスター例①:図版と見出しやその他の文字要素を分けて配置し情報を見やすくしたもの
ポスター例②:図版を全面に配置しながらコントラストをつけて見出しを強調

黄金比(黄金分割比率)を意識する

黄金比は、人間が無意識に美しいと感じるバランスの取れた比率、1:1.618を指します。
もしかすると、パルテノン神殿、ミロのヴィーナス、ピラミッドなどが、黄金比にかなり近い比率で作られていることを聞いたことがあるかもしれません。
この黄金比はデザインの現場でも使用されています。ポスターのデザインに黄金比を取り入れることで、視覚的な調和を生み出し、バランスの取れた仕上がりとなります。
※実は、前項でご覧いただいたポスター例、これも黄金比を意識してレイアウトしています。

黄金比(黄金分割比率)の説明

ちなみに、黄金比のほかにも白銀比(プラチナ比)があります。白銀比は、1:√2(およそ1.1414)の比率ですが、A4サイズ(210×297mm)は非常に近いものです。A4サイズを半分に折るとA5サイズになりますが、もちろん比率は同じです。
白銀比は、日本の美意識にも影響を与えたと言われ、法隆寺の五重塔など和風建築に使われていることは有名です。

イラストや写真の活用

イラストや写真はポスターをより魅力的にします。
イラストや写真を上手に活用することで、現実の世界をそのまま表現したり、ポスターのテーマをより具体的に表現できます。
また、イラストや写真の選び方、配置、サイズなどを工夫することで、ポスターのデザインをより効果的にすることができるでしょう。

イラスト

イラストは、ポスターのテーマやメッセージをより分かりやすく表現するのに役立ちます。オリジナルのイラストを作成したり、フリー素材を利用したりすることができます。

写真

写真は、ポスターのテーマやメッセージをより具体的に伝えるのに役立ちます。高画質で、ポスターのデザインに合った写真を選びましょう。

下のポスターをご覧ください。
同じようなレイアウトや要素のポスターであっても、メインビジュアルに写真を使用するか、イラストを使用するかで、受ける印象が違うことがわかるのではないでしょうか。

写真をメインに使用したポスターは写真が映えてとても印象的に映っている
写真案は、秋桜が映えてとても印象的に映る
イラストをメインにしたポスターは、見出しや文字要素をイラストの上に配置しても違和感を感じない
イラスト案は、見出しや文字要素を優しい秋桜のイラストの上に配置しても違和感を感じない

効果的な配色

ポスターの配色によって、印象や雰囲気が大きく変わります。ターゲットやテーマに合った配色を心がけます。

  • 心理効果
    色には、それぞれ心理的な効果があります。例えば、赤色は活力や情熱を、青色は落ち着きや信頼感を、黄色は明るさやポジティブさを、それぞれイメージさせます。ターゲットやテーマに合わせて、適切な色を選びましょう。
  • コントラスト
    コントラストをつけることで、ポスターの視覚的なインパクトを高めることができます。例えば、明るい色と暗い色を組み合わせたり、太い線と細い線を組み合わせたりすることで、コントラストを生み出すことができます。
  • 70-25-5の法則
    全体の70%をベースカラー(おもに背景や余白)、25%をメインカラー(イメージを決定する色)、5%をアクセントカラーとして配色することで、バランスが良く、視覚的に安定したデザインを作ることができます。
    メインカラーを最初に決めると、上手くいくことが多いです。
  • 色相環の活用
    色相環は、色の組み合わせを考える際に役立ちます。
    例えば、補色(色相環で反対の位置にある色)を使うと、視覚的に目をひくデザインが可能です。
    類似色(色相環で隣り合う色)を使うと、調和の取れた落ち着いた印象を与えます。
    3色配色(トライアド配色)という、色相環で正三角形を描きその頂点に(等間隔に)位置する3色を使用する配色もあります。3色配色(トライアド配色)では、1つの色をメインカラーに、残りの2色をサポートとして使うのが一般的です。
    また、色の明るさや濃淡で視覚的なバランスを取ることが大切です。
色相環とは色相を環状に配置したもので色を体系化する時に用いられる。色が光の波長で変化するがそれを表したもの。

フォントの選び方

フォントは、ポスターのメッセージを伝える上で重要な要素です。フォントの種類、サイズ、太さを工夫することで、ポスターのデザインがより効果的になります。

  • 可読性
    ポスターのテキストは、読みやすく、理解しやすいフォントを選びましょう。
  • 印象
    フォントの種類によって、ポスターの印象が変わります。例えば、ゴシック体は現代的・力強さ・フラットな印象を与え、明朝体はフォーマル・伝統的・上品で落ち着いた印象を与えます。この2つは大きく印象が変わるため、与えたい印象によって使い分けると同時に、全体のイメージとの調和も考慮する必要があります。
    また、文字の左右・中央揃えによっても見え方や印象が変わります。
書体や揃え方で印象が変わる
ポスターの見出しや会期など情報の揃え方(左→揃え・中央揃え)でも印象が変わる

視線誘導のテクニック

ポスターでは目線の流れを意識したレイアウトも非常に重要です。
視線誘導とは、ポスターを見た人の視線を、意図した方向に誘導するテクニックです。
視線誘導を効果的に行うことで、ポスターのメッセージが一層伝わりやすくなります。

見る人の視線が自然とポスター全体をくまなく見ていくようなレイアウトにすることで、メッセージがより効果的に伝わりやすくなります。例えば、左上から右下へ、または右上から左下へと視線が流れるようなレイアウトにすることで、自然な視覚の流れを作り出すことができます。また、重要な情報やキャッチコピーを目立つ場所に配置したり、視覚的にアクセントとなる要素を配置したりすることで、視線を誘導することができます。

  • 視覚的な要素
    大きな画像、明るい色、太い線など、視覚的に目立つ要素を使うことで、視線を誘導することができます。
  • 配置
    情報の配置によって、視線を誘導することができます。例えば、重要な情報は、ポスターの中央に配置したり、目立つ場所に配置したりすることで、視線を誘導することができます。
  • その他の要素
    例えば、矢印を使って、重要な情報や行動を促すメッセージに視線を誘導することができます。

ポスターテンプレートの選び方と注意点

ここまでは、ポスターデザインの基本的なポイントをご紹介しました。
しかし、これらはポスターデザインの一部にすぎません。専門的な知識・技術がない方が、質の高いポスターデザインを制作することは、やはり難しいものです。
それでも、ポスターのデザインを自分で作りたい場合は、デザインソフトやオンラインツールで提供されているテンプレートを活用する方法があります。テンプレートを活用することで、デザイン初心者でも簡単にポスターを作成することができます。
しかし、テンプレートを選ぶ際には、少なくとも以下の点に注意する必要があります

ポスターのデザインテンプレートを選ぶポイント

  • デザインの統一感
    テンプレートのデザインが、ポスター全体のテーマやメッセージと合っているか確認しましょう。
  • オリジナル性
    テンプレートに頼りすぎず、オリジナル要素を加えることで、より魅力的なポスターに仕上げることができます。
  • 著作権
    テンプレートによっては、無料となっていても商用利用が制限されている場合があります。利用規約をよく確認しましょう。

ポスター印刷会社の選び方

ポスターを印刷する際には、多くの場合印刷会社を利用することになります。
次は、印刷会社を選ぶ際のポイントをご紹介します。

印刷品質は適当か

せっかくのデザインが印刷されると、残念な仕上がりになることがあります。
これはよくあるポスター印刷の失敗の一例です。

この理由のひとつは、ポスターのデザインを制作している段階では、カンプ(デザイン確認のための見本)や、モニター上でデザインを確認(承認)することが多いためです。しかし、カラープリンターやモニターで見る色は、実際に印刷された色とは異なることが多いため、期待した色がそのまま再現されるとは限りません。
通常、色にこだわりがある場合は、印刷機で刷った時の色に近い色で出力したものや、実際に印刷機で刷ったもので色を確認(色校正)します。
色校正について詳しくはこちらの記事をご覧ください

関連記事
【色校正とは何か】色校正の意味や種類による違い・修正指示の方法

色校正とは

また、オフセット印刷、インクジェット・オンデマンドなど、印刷方式によっても品質が異なる場合がありますが、この場合、部数と費用のバランスを考える必要があります。
そして、ポスター印刷失敗のもうひとつの原因は、依頼先の印刷会社によって仕上がり品質が異なるためです。
これらをせっかくのポスターを高品質で印刷したい場合には、価格だけで選ばずに、いくつかの印刷会社に相談してみることをお勧めします。

関連記事
オンデマンド印刷とオフセット印刷の違い-オンデマンド印刷の基本を解説

提供するサービスはどのような内容か

印刷会社によって、提供されているサービスが異なります。
例えば、前述の色校正やデザイン制作、データの修正、配送サービスなど、様々なサービスが提供されています。
特にポスターにこだわる方や、初めてポスターを作成する方にとって重要なのは、『相談できるか』という点です。

ポスターを印刷する際には、これらの点を考慮して、あなたにとって最適な会社を選びましょう。

ゼンリンプリンテックスのポスター印刷について

ポスターは、その会社やイベントのイメージ決める大切なツールです。
だからこそ、せっかくのデザインが印刷品質で台無しになってしまうのは避けたいところです。
ゼンリンプリンテックスは、印刷品質にこだわった高品質なポスターをご提供します
私たちは、お客様の疑問の解消はもちろん、課題やニーズにこたえるべく全力でサポートしています。

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この記事を書いた人

このお役立ち記事は、私がこれまでにお客様のプロモーション課題に取り組んできた経験や、お客様からお寄せいただいた質問をもとに執筆しています。印刷をデザインやマーケティングの観点も交えながら、読者の方に少しでも分かりやすくお伝えする事を心掛けています。