おしゃれなパンフレットに変える8つのポイント|デザインと印刷で差をつける

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おしゃれなパンフレットは、ただ洗練された見た目に整えられているだけではありません。
伝えたいことや企業の印象を、適切に伝達するために、構成やデザインの要素が意識的に設計された結果です。
本記事では、パンフレットをおしゃれに見せるための具体的なポイントや共通する特徴を紹介しながら、「なぜパンフレットに“おしゃれさ”が必要なのか」についても掘り下げていきます。

パンフレットの基本を知りたいなら

パンフレット作成

おしゃれなパンフレット 8つの特徴

おしゃれとは、単なる“流行りの見た目”を指すものではありません。
本当におしゃれだと感じるのは、トレンドを反映しつつ情報が整理されており、魅力的な表現で価値や印象、個性が自然と伝わってくるデザインです。
洗練されたおしゃれなパンフレットには、共通するいくつかの特徴があり、それが「おしゃれなパンフレットに欠かせない要素」なのです。

1.コンセプトが明確で一貫性がある

ターゲット層の嗜好や業種特性、商品・サービスの本質まで踏まえた明確なコンセプトがあれば、デザイン・コピー・色・写真に一貫性が生まれます。
コンセプトは、パンフレット全体を通じたトーンのほか、読み手に何を感じさせたいか、どのような印象を与えたいかといった点まで、十分に検討がなされていなければなりません。

2.情報設計(レイアウト)が美しく、整理されている

読みやすさ、視線の流れ、情報のグルーピングが整ったパンフレットは、高級感がありながらも、整然とした居室のような心地よさを与えます。
さらに、見出しや強調ポイントに強弱(メリハリ)をつけることで、視線が自然に誘導され、読み手のストレスを軽減しつつ、重要な情報を効果的に印象づけることができます。
こうした工夫が適切に施されたデザインは、「おしゃれ」と感じられる要素を備えていると言えます。

3.適切な余白がある

おしゃれに見えるデザインには、必ず「適切な余白」があります。
余白は、単なる空白ではありません。
情報を整理し、読みやすさを向上させるだけでなく、洗練された印象や信頼感を醸成する重要な役割を担います。

4.文字の扱いが適切である

フォントの選定・サイズ・行間・文字間・太さなど、これら細部への配慮がパンフレットの品を生み出します。文字はパンフレットの“空気感”をつくる要素のひとつと言えます。こうした文字まわりの設計は、前項「3.適切な余白」とも密接に関係しています。文字と文字、要素と要素の間に無理のない余白を取ることで、情報が整理され、洗練された印象が生まれるのです。

5.写真やイラストの質が高い

写真やイラストは、パンフレット全体の印象を大きく左右する要素です。
解像度・色調・構図に一貫性を持たせ、一定の品質を保つことで、デザイン全体に統一感が生まれ、パンフレットの魅力や信頼感がより高まります。

6.色使いが工夫されている

色は言葉よりも先に、人の感情に働きかける要素です。「信頼感」「高級感」「安心感」「楽しさ」などのイメージを形成するため、ターゲット層の特性や業界ごとの心理傾向を考慮した配色が求められます。計算された配色は、デザイン全体に調和と統一感をもたらします。

7.無駄がなく、洗練されている

意味のない装飾、過剰な色、多種フォントなどを“引き算”の視点でそぎ落としていく。余計な要素を省き、美しさと機能の両立を意識したデザインはおしゃれなデザインの本質です。

8.世界観を感じさせ、ストーリーがある

ページをめくる前から「この企業らしい」「このブランドらしさがある」と感じさせるパンフレットは、表紙からすでに世界観が伝わっています。さらに、中面では構成・コピー・ビジュアルが一体となり、物語性をもって情報を展開していきます。
単にトレンドや洗練されたデザインを取り入れるだけでなく、「個性」や「世界観」、「リアリティ」を表現すること。そして、用紙の選定や加工、綴じ方など仕様面でも存在感や遊び心を加えることで、記憶に残るパンフレットになります。これこそ“おしゃれなパンフレット”の重要な要素のひとつです。

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パンフレットはおしゃれな必要があるのか

“伝えたいこと、与えたい印象”を適切に届けるための手段

結論から言えば、ただ「おしゃれ」であること自体が目的ではありません。
重要なのは、おしゃれなデザインが伝えたいことや印象を、適切に届ける手段になっているかという点です。

「おしゃれなパンフレット」で何が実現されるのか?

例えば、採用案内パンフレットでは「洗練されたビジュアル」が企業のイメージを表す武器になります。
また、BtoB企業の会社案内では、「整理された余白と色づかい」が信頼性や技術力の高さを間接的に訴求します。
やはり、伝えるための手段としてデザインがあり、伝えたいことを適切に伝えるためにおしゃれなパンフレットが有用だということです。

企業パンフレットに求められる「第一印象」

パンフレットは、多くの場面で、見込み顧客が企業にはじめて本格的に触れる際の情報ツールとなります。
この最初の接点で「信頼できそう」「品質が高そう」と感じてもらえるかどうかは、デザインの印象にかかっています。

「デザイン性」で差別化したい企業の増加

商品やサービス自体の差別化が難しくなる中、パンフレットでの見せ方=デザインが、企業の独自性を表現する手段として注目されています。
特にBtoB領域では、競合との違いを端的に伝える手段として、「おしゃれで洗練されたデザイン」は大きな武器になります。

このように、「おしゃれなパンフレット」は単なる装飾ではなく、企業の価値や信頼性を伝えるための有効な手段です。見た目の美しさだけでなく、情報の整理や印象を形成するために意識することで、その効果を発揮することができます。

おしゃれなパンフレットがもたらす効果

ブランドイメージの向上

洗練されたデザインは、企業のブランドイメージを高め、信頼感の醸成につながります。
例えば、ある住宅設備機器メーカーにおいては、美しい写真と高品質なレイアウトにより、製品の持つ魅力や技術力を効果的に訴求しています。

顧客への訴求力アップ

印象的なビジュアルは、顧客の目を引き、手に取ってもらうきっかけを創出します。
例えば自然をテーマにした製品を扱う企業では、オーガニック素材の質感を活かしたナチュラルなデザインにより、商品の世界観やこだわりを伝えることができます。

競合他社との差別化

独自のスタイルを持つデザインは、競合他社との差別化を図り、企業の個性を際立たせます。
大手企業だけでなく中小企業においても、パンフレットを通じた洗練された表現により、自社のブランド価値や世界観を他社と差別化する施策の一つとしています。

このように、ブランドイメージを高めたい、競合と差別化したい、信頼感や品質感を演出したいなど、そうした目的に対して、おしゃれなデザインが有効に働きます。

注意!“仕上がり”次第で
おしゃれなパンフレットが台無しに

データをモニター画面で見た時や、カラーコピー機で出力した紙では美しかったのに、いざ印刷物として仕上がると、「色が沈んで見える」「思ったより安っぽい印象になった」——そんな経験はありませんか?

実は、パンフレットを印刷した後、冴えない印象に変わり、高級感や洗練された雰囲気が感じられず、「なぜこんな仕上がりに?」と、がっかりさる方は多いです。
パンフレットは、手に取って“質感”で伝えるメディアですから、パンフレットの完成度には「デザイン」だけでなく印刷品質も関係してきます。
つまり、パンフレットの完成度はデザイン×印刷品質の掛け算で決まり、そのどちらか一方が欠ければ、期待した成果にはつながらないのです。

よくある失敗例

  • 色が沈んでしまう
    肌の色がくすんで見えるなど、本来意図していた色が沈んでしまうことで、パンフレット全体の印象が暗くなり、魅力が十分に伝わらなくなることがあります。
  • 粗い写真
    パンフレットの仕上がりがぼやけて見え、全体の印象にプロらしさや高級感が欠けてしまいます。
  • 紙質が用途や目的に合っていない
    表現すべき世界観やブランドイメージに対して、紙の厚みや質感が見合っていないと、信頼感や品質感が十分に伝わらなくなります。

印刷の視点で考えるおしゃれなパンフレット

おしゃれなデザインを“体験”に変える、紙と印刷の力

印刷された紙のパンフレットには、いくつもの利点があります。
例えば、持ち帰って何度も見返せる、情報の一覧性に優れている、印象に残りやすい──そして、そのひとつが「手に取った瞬間に体験が始まる」ことです。ここで、私の体験をご紹介します。

先日、二十歳になる娘に成人祝いのネックレスを贈ろうと、妻と一緒に百貨店を訪れ、いくつかのジュエリーブランドの店舗を回りました。
どのブランドも魅力的でしたが、あるお店では、装丁の美しい、おしゃれな紙のパンフレットを丁寧に手渡してくれました。
ひと通り見終えて休憩していたとき、妻とそのパンフレットをめくっていると、ページをめくるたびに自然とワクワクした気持ちが湧いてきました。
そして気づけば、私たちは迷うことなく、そのブランドのネックレスを娘に贈ることに決めていたのです。
妻はネットやデジタルにあまり慣れていないこともあり、一緒に手に取ってめくれる「紙のパンフレット」だったからこそ、感動を共有できたのだと思います。
しかもそのパンフレットは、装丁の美しさはもちろん、紙の質感や印刷の仕上がりもとても上質で、手に取った瞬間から“特別なものを選んでいる”という気持ちにさせてくれるものでした。

おしゃれなパンフレットには、デザイン性だけでなく、紙の質感や印刷の美しさといった「印刷表現の力」も深く関わっています。
それらが一体となってブランドそのものの記憶として心に残る──この経験は、まさにそのことを私にあらためて実感させてくれるものでした。

おしゃれなデザインを“おしゃれなまま”印刷物として表現できるかどうかは、紙の選択、色の再現性や印刷技術に左右されます。デザイナーと印刷現場が連携し、最低限のポイントを押さえるだけでも、仕上がりの印象は大きく変わります。

印刷で“おしゃれ”を再現するポイント

用紙は最適な選択をする

用紙は、見た目だけでなく手に取ったときの印象を左右する重要な要素です。
デザインの意図やブランドイメージに合わせて、最適な種類と厚みを選ぶことが求められます。

  • コート紙を使えば発色が鮮やかになり、写真が映える
  • マット紙を使い、落ち着いた印象を表現し、余白の美しさが引き立てる
  • 用紙の厚みを調整することで、手に取った瞬間の「信頼感」や「高級感」が変わる

このように、紙の選び方ひとつで、デザインの印象はまったく異なって伝わります。

色校正で意図した色に仕上げる

印刷物では、画面で見た色がそのまま再現されるとは限りません。
だからこそ、色校正を行うことで、本番印刷前に色味を確認することをおすすめします。
モニターでは明るく見えていた色が印刷では沈んでしまう、肌色やブランドカラーがくすんで見えるなどのトラブルを避けることができます。

色校正をもっと詳しく

色校正とは

そのほか印刷加工など

また、PP加工(光沢・マット)や箔押しなどの表面加工を活用することで、印象的な演出が可能です。
さらに、FSC認証紙のような環境に配慮した素材を選ぶことで、企業姿勢やブランド価値を伝えることもできます。
このように、印刷会社は目的やブランドイメージに応じた最適な加工・素材を提案できる点も、大きな強みです。

パンフレットのデザインや印刷に関する
その課題、ゼンリンプリンテックスに相談してみませんか?

よくある質問

Q
「おしゃれなパンフレット」とは具体的にどのようなものですか?
A

単に流行を取り入れたデザインではなく、情報が整理され、読みやすく、企業の価値や世界観が視覚的に伝わるものを指します。整った余白や統一感のあるビジュアル、印象に残る仕上がりが特徴です。

Q
おしゃれに見えるパンフレットをつくるには、どんな点に注意すればよいですか?
A

デザイン面では、視線の流れ・余白・文字設計・写真の一貫性などがポイントです。印刷面では、紙質や色再現性、加工方法を丁寧に選ぶことが大切です。

Q
おしゃれなパンフレットを依頼したい場合、どんなことを伝えるべきですか?
A

「何を伝えたいのか」「どんな印象を与えたいか」を明確に伝えることが第一です。そのうえで、ターゲットや使用シーン、仕上がりのイメージなどを共有すれば、適切な提案を受けやすくなります。

経験から学んだ「おしゃれ」パンフレットの本質

「とにかく高級感とおしゃれさを出せばいい」と思っていた過去

私は以前、百貨店をはじめとした販促物(パンフレット・カタログ・ポスター・チラシなど)の制作に携わっていました。
当初は「おしゃれであること」こそが最も重要だと考えていました。
特に百貨店では、高級感やトレンド性が強く求められるため、“とにかくおしゃれに見せる”“高級に仕上げる”ことを優先していたのです。

目的が見えたとき、「おしゃれ」の意味が変わった

制作を重ねる中で、ある課題に直面しました。
それは「おしゃれに見えても、伝わらない」パンフレットが存在するということです。
例えば、お中元ギフトのカタログで本当に求められているのは、「上品さ」や「商品の持つ世界観そのもの」。
つまり、“百貨店が提供するその空気感”を正確に伝えるための手段として、“おしゃれ”が必要とされていたのです。
その本質を見失い、「見た目だけをおしゃれに見せる」ことばかりに傾倒した結果、かえって商品やメーカー本来の魅力を伝えきれないという事態に陥ってしまいました。

「おしゃれさ」は目的に従って設計されるべきもの

この経験から得た最大の学びは、「おしゃれさ」は装飾ではなく、目的を伝えるための設計要素であるということでした。
そして、その印象を左右するのはデザインだけでなく、印刷品質・紙の質感・加工の精度といった“仕上がり”までを含めた総合的な設計です。
私はこの経験を通して、次のように考えるようになりました。

本当におしゃれなパンフレットとは、“目的にかなった見た目”であり、印刷で完成するものである。

悩んだらゼンリンプリンテックスにご相談ください

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この記事を書いた人

このお役立ち記事は、私がこれまでにお客様のプロモーション課題に取り組んできた経験や、お客様からお寄せいただいた質問をもとに執筆しています。印刷をデザインやマーケティングの観点も交えながら、読者の方に少しでも分かりやすくお伝えする事を心掛けています。