ユニボイス(Uni-Voice)の費用や依頼先を選ぶポイント、導入する際の検討事項まで徹底解説

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ユニボイス(Uni-Voice)の導入には、音声コードの作成方法と印刷物の対応方法という2つの主要なポイントを検討する必要があります。そして、これらの費用やコストと品質のバランスを考えることも重要です。
この記事では、ユニボイス(Uni-Voice)の導入にかかる費用やコスト、ユニボイス対応印刷物制作の依頼先についてわかりやすく解説します。

本記事中の音声コード「Uni-Voice」、音声コードUni-Voice作成ソフトウエア「JAVIS APPLI」は、特定非営利活動法人日本視覚障がい情報普及支援協会の登録商標です。

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はじめに-ユニボイス(Uni-Voice)とは

ユニボイス(Uni-Voice)は、日本視覚障がい情報普及支援協会(JAVIS)によって開発された技術です。
印刷された文字情報を二次元コードに変換し、スマートフォン用のアプリで読み取ることで音声情報として提供できるようになります。
この技術を利用することで、視覚に障がいを持つ方々や高齢者などさまざまな方が、印刷物の情報を得られるようになります。

ユニボイス(Uni-Voice)の特徴と活用例

ユニボイス(Uni-Voice)の主な特徴は、通信不要でコードの読み取りや音声読み上げが利用できることです。
また、文字情報は「音声読み上げ」と「テキスト表示」が可能で、読み取ったデータの保存やテキストのコピーもできます。
ユニボイス(Uni-Voice)の活用事例としては、国・自治体などの公的な通知(ねんきん定期便・マイナンバー通知カード・申請書等の通知書など)やハザードマップ、防災ガイドブック、保険会社や医療機関などの印刷物があります。

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ユニボイス(Uni-Voice)導入時に検討すべきポイント

音声コード「ユニボイス(Uni-Voice)」を導入する際は、2つのポイントを検討するようにします。

まずひとつ目は、音声コードをどのようにして作成するかという点です。
印刷物の文字などの情報を音声情報として提供するには、情報を二次元コードに変換し、それが読み取れる適切な音声コードを作成する必要があります。

そしてふたつ目は、印刷物自体をユニボイス(Uni-Voice)対応にさせるためにどうするかという点です。
ユニボイス(Uni-Voice)対応の印刷物にはルールがあります。そのルールに則ってデザインを制作し、印刷(加工)を行うことが必要となります。
それでは詳しく見ていきましょう。

ポイント1. 音声コードを作成する方法を検討する

ユニボイス(Uni-Voice)を導入して印刷物を対応させるには、音声コードの作成方法を考える必要がありますが、その方法は大きく分けて2通りあります。
それは、「音声コードを自分で作成する方法」と「音声コードを外部に委託して作成する方法」です。

【方法1】自分で音声コードを作成する

自分で音声コードを作成する場合、JAVISが提供する専用の音声コード作成ソフトウェア「JAVIS APPLI」を購入し、自身でデータを作成することになります。

メリット

  • コストが削減できる
    自分で音声コードを作成する場合、外部に委託する場合に比べてコストを削減することができます。
  • 柔軟に対応できる
    自分で作成することで、音声コードの内容の変更や修正を即座に行うことができるため柔軟に対応できます。

デメリット

  • 初期投資が必要
    音声コード作成のための専用の音声コード作成ソフトウェア「JAVIS APPLI」の導入には費用がかかります。
    ※自治体など一部の組織には無償で提供されますが、法人の場合は有償となります。
  • 専門知識が必要
    音声コードの作成には専門的な知識やスキルが必要です。スタッフのトレーニングや新たなスキルの習得が必要となる場合があり、それに伴う時間とコストが発生します。
  • 作業負担が増加する
    音声コードの作成作業は時間と労力を要します。
    複雑な内容のコード作成には、多くのリソースが必要となり、他の業務に影響を及ぼす可能性があります。
  • 品質の問題
    外部に委託する場合と比較して、自社内での作成は品質管理が難しい場合があります。
    特に初めて音声コードを作成する場合、品質のばらつきや不具合が発生する可能性があります。

このように音声コード作成用のソフトウェアの導入、グラフや図の音声コード化など、思いのほか手間がかかることがあります。

【方法2】外部に音声コード作成を委託する

外部に音声コードの作成を委託する場合、専門のサービス提供者に依頼します。
この方法では、依頼先の企業が必要な情報をもとに音声コードを作成し、納品してくれます。
これにより、自社での作業負担を軽減し、プロフェッショナルな品質の音声コードを得ることができます。

メリット

  • 専門知識と経験を活用できる
    専門のサービス提供者に委託することで、高品質の音声コードを作成できます。
    これらの企業は音声コード作成における豊富な経験と技術を持っており、品質のばらつきが少なく、信頼性の高い結果を提供します。
  • 作業負担を減らせる
    外部に委託することで、社内での作業負担が軽減され、従業員は他の重要な業務に集中することができます。
    特に大量の音声コードを短期間で必要とする場合に有効です。

デメリット

  • 費用が必要となる
    外部に委託する場合、自社で作成する場合と比較してコストが高くなる可能性があります。
  • 即時対応が難しいことがある
    自社での作業と比較して、外部に委託する場合は、音声コードの即時作成や修正が難しくなります。

ポイント2. ユニボイス対応印刷物の依頼先を検討する

印刷物をユニボイス(Uni-Voice)に対応させるためには、音声コードを印刷物上に適切に配置し、利用者がアクセスできるようにすることが重要です。
そのために、音声コードの位置やそれが手触りで位置を特定できるようにするための工夫・ルールがあります。(ルールについては後述します)
そして、印刷物のデザインや内容を音声コードに合わせて調整し、音声コードが読み取りやすい品質で印刷されなければならなりません。
このように、デザイン制作や印刷においてはユニボイス(Uni-Voice)に関する知識や実績を持つ業者を選ぶことが、成功の鍵となります。

ユニボイス(Uni-Voice)依頼先の選び方

デザインは、ユニボイスの知識がある会社に

ユニボイス(Uni-Voice)に精通したデザイナーや会社であれば、これまでに述べたようなルールを前提に、スムーズに制作を進行することができるでしょう。
その結果、無駄な費用やコストがかかることを防げますし、はじめて依頼する場合にも安心して任せることができるでしょう。

印刷も、ユニボイス知識がある印刷会社がおすすめ

ユニボイス(Uni-Voice)に対応に関する知識がある印刷会社であれば、切り欠き加工と二次元コードの位置に不具合が発生しないように留意してもらえます。
また、もしその印刷会社がデザインの制作から依頼できる場合は、デザインから印刷まで一気通貫で請け負ってもらえるため、安心して任せられるでしょう。

【重要】依頼先を選ぶ際の注意点

特に、ユニボイス(Uni-Voice)対応印刷物など、知識やノウハウが必要とされるものを制作する場合、「制作会社だけがわかっている」もしくは「印刷会社だけがわかっている」という状況では、効率面や品質面で問題が発生する場合がありますので注意するようにします。

たとえば、ユニボイス(Uni-Voice)の知識を持った制作会社に依頼する場合、多くの場合、印刷は外部の印刷会社に委託することになります。その際、ユニボイス(Uni-Voice)に必要なルールに則った印刷品質までコントロールし保証することは難しいかもしれません。
ですから、そのような場合には、ただ「印刷まで手配できる」制作会社ではなく、「ユニボイス(Uni-Voice)対応印刷物としての印刷品質まで保証できるかのか」をあらかじめ確認しておくことをおすすめします

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ユニボイス(Uni-Voice)音声コード作成に必要な費用やコスト

では、ユニボイス(Uni-Voice)に対応するために必要な費用はどれくらいなのでしょうか。
まずは、ユニボイス(Uni-Voice)の音声コード作成に必要な費用から見ていきます。

音声コードを自分で作成する場合の費用・コスト

先述のとおり、音声コードを作成するには、自分で作成方法と外部に委託する方法があります。
自分で音声コードを作成する場合は、まず音声コード作成ソフトウェアを導入する必要があります。
音声コード作成ソフトウェアは「JAVIS APPLI」という、特定非営利活動法人 日本視覚障がい情報普及支援協会(JAVIS)が提供しているものを使用します。
JAVIS APPLIは、一般法人向けには有償(1ライセンス(1PC)あたり99,000円)で提供されており、国や自治体向けには無償で提供されています。
※一部の自治体においては、事業者向けに無償で提供している場合があります。

音声コード作成ソフト「JAVIS APPLI」(2024年8月現在)
・特定非営利活動法人 日本視覚障がい情報普及支援協会(JAVIS)が提供
・法人向け: 有償で提供、1ライセンス(1PC)あたり99,000円(税込)
・自治体向け: 無償提供

音声コードを作成する際には、時間と労力が大きなコスト要因となります。
具体的には、作業に従事するスタッフの育成やスキル習得に伴うコスト、そして実際に音声コードを作成するために必要な作業時間にかかるコストがあります。

外部に音声コード作成を委託する場合の費用

外部の会社に音声コード作成を委託する場合、費用は依頼内容や委託先の企業によって異なるため、一概に申し上げることができません。そのため、まずは依頼する要件を整理し、対応可能な会社に見積もりを依頼するとよいでしょう。
その際は、依頼したい内容と見積条件との間に齟齬が生じていないかを十分に確認することが重要です。
また、安価な見積もりを提示された場合には、見積もりに含まれる内容だけでなく、その会社とコミュニケーションが取りにくくないか、約束が守られないことはなかったかという点にも注目してみてください。
特に、ユニボイス(Uni-Voice)など、自分たちの知識が少ない場合には、信頼できる業者を選ぶことが、後々のトラブルを防ぐための最善策です。

ユニボイス(Uni-Voice)対応の印刷の費用

印刷物のデザイン費用

印刷物をユニボイス(Uni-Voice)に対応させるには、音声コード(二次元コード)を紙面上に適切に配置するなどの知識が必要となります。
ですから、紙面をデザインする際には、ユニボイス(Uni-Voice)対応の印刷物であることを前提に、制作をはじめることが望ましいでしょう。
デザインの途中、もしくは完成後にユニボイス(Uni-Voice)対応させようとすると、デザインに影響を及ぼす場合があり、修正費用が発生する可能性もあります。
その点に気を付けていれば、ユニボイス(Uni-Voice)の知識を持ったデザイナーならば、通常のデザイン料金で対応できることが多いでしょう。

  • 切り欠き加工
    音声コードユニボイス(Uni-Voice)に対応していること、もしくは音声コードの位置を示すために、印刷物に切り欠き加工を入れる。
  • 音声コード(二次元コード)の配置
    印刷物の端から25ミリの位置に切り欠きの半円とコードの中心を結ぶ位置になるように配置。
  • 音声コード(二次元コード)の表示
    コードの周囲4ミリにはテキストや文章などがかからないようにする。
  • 説明文(キャプション)を表記する
    音声コードであることを示すための説明文を表記する。

印刷費用

一般的に、印刷物の制作費用は、印刷物の種類、印刷する紙、色数(モノクロ・カラー)、部数などによって異なります。
また、印刷会社によってこれらの費用は異なるため、通常は見積もりを依頼することになります。

ユニボイス(Uni-Voice)対応印刷物の印刷においては、切り欠き加工の費用が発生します。
そのため、ユニボイス(Uni-Voice)対応で切り欠き加工が必要である旨をしっかりと伝え、見積もりを依頼するようにします。

ユニボイス(Uni-Voice)を読み取るアプリの費用

音声コード・ユニボイス(Uni-Voice)を読み取るためには、専用のスマートフォンアプリが必要です。
アプリは一般の方向けの「Uni-Voiceアプリ」と、視覚に障害のある方向けの「Uni-Voice Blindアプリ」がありますが、どちらも無料で提供されています。
そのため、ユニボイス(Uni-Voice)を利用する一般ユーザーは無料で機能を利用することができます。

まとめ

ユニボイス(Uni-Voice)は、視覚に障がいを持つ方々や高齢者にとって、印刷物の情報を得られるようにするための重要なツールです。その導入には、音声コードの作成方法と印刷物の対応方法という2つの主要なポイントを検討する必要があります。

音声コードの作成方法には、自分で作成する方法と外部に委託する方法があります。自分で作成する場合は、費用を抑えつつ柔軟に対応できますが、専門知識やスキルの習得、作業負担が増加するという課題があります。一方、外部に委託する場合は、高品質の音声コードを専門知識をもって得ることができますが、費用がかかります。

また、印刷物の対応方法では、ユニボイス(Uni-Voice)対応のルールを遵守しつつ、デザインや印刷の段階で適切な処理が必要です。専門知識を持ったデザイナーや印刷会社に依頼することで、再作成や刷り直しといった、無駄な費用やコストを避けることができます。

ユニボイス(Uni-Voice)を導入する際には、コストと効果をしっかりと見極め、最適な方法を選択することが成功の鍵となります。
信頼できる業者と連携し、計画的に進行することで、トラブルを回避しつつ、ユニボイス(Uni-Voice)の効果を最大限に活用できるでしょう。

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この記事を書いた人

このお役立ち記事は、私がこれまでにお客様のプロモーション課題に取り組んできた経験や、お客様からお寄せいただいた質問をもとに執筆しています。印刷をデザインやマーケティングの観点も交えながら、読者の方に少しでも分かりやすくお伝えする事を心掛けています。