オフラインマーケティングの施策を解説!BtoBやBtoCで活用するためのポイントとは?

近年、ビジネス環境の変化に伴い、WEBマーケティングをはじめとするオンラインマーケティングの活用が加速しています。
しかし、オンラインマーケティングが常に万能とは限りません
意外に感じるかもしれませんが、オンライン施策はオフライン施策と適切に組み合わせることで、より効果的なプロモーションを実現できる場合もあります。

本記事では、このオフライン施策にスポットを当て、オンラインマーケティングの基本や方法、オンライン施策との効果的な組み合わせについて解説します。

オフラインマーケティングとは?

オフラインマーケティングとは、インターネットを介さずに、物理的な媒体や対面での接触を通じて行われるマーケティング活動を指します。
近年、WEBマーケティングなどのオンライン施策が広がる一方で、このような顧客との直接的な接点においていかに自社が選ばれる仕組みをつくれるか、つまりオフラインマーケティングの視点が必要とされています。
オフラインマーケティングの代表的な手法には次のようなものがあります。

オフラインマーケティングの方法

①テレアポ

電話を通じて直接コミュニケーションを取る方法です。
相手の反応を見つつ、ニーズを汲み取りながら柔軟にアプローチできます。
潜在層の顧客に対する営業となる場合が多く、架電する人の対応力やトークスクリプトの精度などで成果が左右されやすいこともあり、具体的な商談に進むことは少ない場合が多いです。
また、電話先の相手が望んでいない場合には、反感を買う可能性もありますし、関連する法律に違反した場合は、ペナルティを受けることにもなります。

②展示会・イベント

展示会やイベントに出展すると、新たな見込み顧客(リード)との接点ができます。
ただし、展示会やイベントには、情報収集段階の人から具体的な比較検討段階の人まで幅広く訪れるため、それぞれのニーズに応じた適切なアプローチが必要となります。

③セミナー

セミナーの内容によって目的は異なりますが、新規の見込み顧客獲得やその育成に効果的です。
例えば、ノウハウ共有のためのセミナーでは潜在層、自社サービスの説明であれば顕在層に向けたものが多いでしょう。
また、認知度向上のために行うセミナーもあります。

④ダイレクトメール(DM)・ポスティング

見込み顧客(リード)や既存顧客、新規顧客のリストをもとに、ダイレクトメールを送付します。チラシのポスティングや、FAXでの営業、手紙を送付したりする場合もあります。

⑤飛び込み営業

事前の連絡なしに直接顧客を訪問して商談を行います。
目の前で顧客の反応を確認できるため、商談を進めやすい場合がありますが、一方で、迷惑と感じられ、拒否されることも多いです。また、一日当たりの訪問数が限られるなど非効率な面があります。

⑥新聞・雑誌・屋外広告、折込チラシ

折込チラシや屋外広告は特定の地域において有効で、潜在層にも情報を届けられます。
テレビCMや新聞、業界誌に広告を出すことで、企業の信頼性やブランド価値を向上させることができます。

オフラインマーケティングのメリット・デメリット

オフラインマーケティングには、顧客との直接的なコミュニケーション、ニーズや課題を直接把握し信頼関係を築きやすい、五感への訴求といったメリットがあります。
ターゲット層によっては、オンラインよりも効果的な場合もあります。
一方、効果測定の難しさ、リーチの限定性(広範囲へのアプローチは高コストになる場合がある)といったデメリットも存在します。

BtoBのオフラインマーケティング

まず一般的なBtoBマーケティングのポイントを簡単に説明します。

BtoBマーケティングのポイント

①長期にわたる購買プロセス

BtoBビジネスでは、購買プロセスが複雑であり、意思決定には複数のステークホルダーが関与するため購買までに時間がかかります。感情だけでなく論理的かつ戦略的なアプローチが求められます。

②BtoBでは新規顧客獲得が大変

新規顧客に販売するコストは、既存顧客や紹介営業(リファラル顧客)に販売する場合の数倍かかると言われます。
新規顧客の場合は、まず「知ってもらう」「信頼してもらう」プロセスが必要だからです。
本格的に取り組んでも、結果が出るまでに時間がかかるため、途中で諦めてしまう企業も少なくありません。
また、見込み顧客を獲得しても、営業担当者が顧客や戦略を理解しないまま商談に臨んだために、うまく成約につながらないというケースもあります。

③BtoBでは、継続的関係構築が不可欠

前述のように、新規顧客はとても大変ですが、苦労して獲得した顧客との取引が、一度きりで終わってしまうのは非常にもったいないことですので、獲得した見込み顧客や新規顧客とは、継続的な関係を構築し、LTV(顧客生涯価値)を最大化することが不可欠です。

④価値は顧客が決める

「誰に、何を提供するのか」を明確にし、それに基づいた戦略を立てることが不可欠ですが、その際、ペルソナを設定したり、成功事例を深掘り分析し顧客像を具体化することが重要になります。
また、自社で「良いサービスだ」と思っていても、顧客が価値を感じなければ意味がありません。
常に顧客視点で提供する価値について考えることが大切です。
提供する価値を整理する際は、以下のフレームワークを活用してみてください。

【a.顧客名】は、【b.欲求や理想】を達成したい。
しかし、【c.問題・原因】のせいで実現できない。
だから、【d.課題解決方法】が価値を持つ。


【a.中堅企業の経理担当者】は、【b.業務のデジタル化を進め生産性向上】を達成したい。
しかし、【c.導入コストや社内のITリテラシー不足】のせいで実現できない。
だから、【d.低コストで簡単に導入できるクラウドツール】が価値を持つ。

BtoBの購買行動におけるオフラインの役割

先に述べたように、BtoBビジネスの購買プロセスは、複雑で意思決定までに時間がかかります。
また一般的に、複数の関係者が購買に関与するため、オンライン施策だけではカバーできない部分が出てきます。
そこで重要となるのが、オフラインマーケティングです。
オフライン施策は顧客との対面接点をつくり、信頼関係の構築や自社製品・サービスの理解を深めるのに効果的です。

具体的には、展示会・イベントでの直接的なコミュニケーション、パンフレットや会社案内などの印刷物を通じた情報提供、さらにはダイレクトメール(DM)を活用した潜在顧客へのアプローチなどがあげられます。

BtoBにおいてもオンライン施策が主流になる中、オフライン施策とオンライン施策を適切に組み合わせ、顧客企業にとって最適なマーケティング導線を設計することが大切です。

BtoCにおけるオフラインマーケティング

BtoCの購買行動におけるオフラインの役割

BtoCマーケティングでは、消費者の感情や体験が購買行動に大きな影響を与えます。
そのため、オフライン施策が非常に重要です。

  • 店頭プロモーションの活用
    実店舗でのプロモーションやポップアップストアは、ブランド認知度向上や即時購入の促進に効果的です。
  • 試供品・ノベルティの配布
    実際に商品を手に取ることで、消費者の購入意欲を高めることができます。
  • ダイレクトメール(DM)・チラシの活用
    特定のターゲット層に直接アプローチできるため、BtoCにおいて効果の高い手法となります。

代表的なオフラインマーケティングのツール

オフライン施策で使用するツールをご紹介します。

商品パンフレット・カタログ

商品パンフレットやカタログは、自社の商品やサービスの魅力を詳細に伝えるためのツールです。商品や製品の特長や仕様、導入メリット、魅力などを分かりやすくまとめ、潜在顧客や見込み顧客の関心を高め、商談のきっかけを作ります。また、展示会やセミナー、訪問営業時などにも配布され、情報を手元に残すことで検討を促進する役割もあります。

会社案内

会社案内は、初回訪問や展示会・セミナーなどに活用され、企業の信頼性向上や理解促進に貢献します。特にBtoBビジネスにおいては、取引先が企業としての信用や安定性を重視するため、会社案内が重要な役割を担います。

ダイレクトメール(DM)

ダイレクトメールは、ターゲット顧客に直接情報を届けるツールです。
個別に送付するため、よりパーソナライズされた情報提供も可能で、顧客の反応を高める効果があります。

FAX DM

FAX DM(ファックスを利用したダイレクトメール)は、特にBtoB企業間における新規顧客獲得や既存顧客への定期的な情報提供などで使用されます。

チラシ

折り込みや対象地域へのポスティング、店舗・イベントでの配布など、狙ったエリアやターゲット層に情報を届けられます。

ノベルティ・サンプル・記念品

ノベルティやサンプル、記念品は、顧客に自社の商品やブランドを、長期間にわたって記憶に残すためのプロモーションツールです。展示会やセミナーなどのイベントにおいて配布したり、商談時や店舗来店の際のプレゼントとして提供します。サンプルは、商品への理解と購入意欲を直接的に高める効果があります。

広告媒体

新聞、雑誌、看板、ポスター、交通広告などがあります。新聞や業界誌への広告掲載は企業の信頼性や認知度向上に有効であり、屋外広告は地域性を活かした訴求が可能です。

オフライン×オンライン戦略:効果的なマーケティング導線設計

単独のオフライン施策だけでは不十分な場合、オンラインと組み合わせることで効果の最大化を目指すことができます。

QRコード付きダイレクトメール(DM)

ダイレクトメール(DM)にQRコードを印字し、デジタルと連携することで、さまざまな効果が得られます。

※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です

①オンラインへ誘導できる

ダイレクトメールに特定のLP(ランディングページ)などに誘導するQRコードを印字しておくことで、ECサイトに誘導したり、さらにくわしい情報や動画などのリッチコンテンツを提示することができます。

②反応を測定できる

ダイレクトメール(DM)は効果測定が難しいと言われていますが、QRコードをダイレクトメールに印字することで、QRコード経由の流入データを計測し、ダイレクトメールの反応が計測しやすくなります。

③顧客行動が可視化できる

パーソナライズ化したQRコードを活用してユーザーのWEB上での行動データを分析し、興味レベルを推測することで、次のマーケティング施策に活用できます。

最後に

このようにオフラインマーケティングは、デジタルマーケティングが主流となる現代においても、オフラインマーケティングの重要性は変わらず、むしろその価値は再認識されています。
オンラインとオフラインのマーケティングを組み合わせることで、顧客に対してより包括的なアプローチが可能になり、顧客満足度を高めることができます。

ゼンリンプリンテックスについて

関連記事

関連資料ダウンロード

この記事を書いた人

このお役立ち記事は、私がこれまでにお客様のプロモーション課題に取り組んできた経験や、お客様からお寄せいただいた質問をもとに執筆しています。印刷をデザインやマーケティングの観点も交えながら、読者の方に少しでも分かりやすくお伝えする事を心掛けています。