魅力的な会社案内の作り方-制作の流れから紙の選び方まで!ポイントをわかりやすく解説

会社案内の作り方
【この記事は次のような方におすすめです】
  • 会社案内の基本が知りたい方
  • 会社案内作成をまかされたご担当者様
  • 会社案内のリニューアルを検討中の方

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「会社案内のつくり方」

企業(会社)を紹介する会社案内は、はじめて顧客と接点をもつ際に自社を紹介・説明するためのツールで、企業の第一印象を決め、顧客に渡した後にも手元に長く残る重要なものです。

会社案内の役割は、まず自社のメッセージを伝え自社のことをよく知ってもらうこと、そして、自社に対する不安を払拭し、信頼性や企業価値の向上につなげることです。
そのため、掲載する内容や構成、デザインをよく考えて作成する必要があります。

本記事では、会社案内の基礎知識から、作成する際に注意する点までくわしく解説します。

会社案内の種類と役割

会社案内の種類と役割

会社案内は企業を代表する重要なコミュニケーションツールです。営業支援、採用促進、ブランドイメージの向上など多面的な役割を担い、企業の理念、強み、提供価値を潜在的な顧客やパートナー、求職者に効果的に伝えることができます。以下、会社案内が果たす主要な役割について説明します。

営業ツールとして

会社案内は、「対面営業で自社の強みや優位性をプレゼン・アピールする」「展示会やイベントで配布する」「DMに同封して送付する」など、さまざまな顧客との接点において、営業ツールとして使用されます。
会社案内は営業活動において重要なツールです。見込み顧客に対し企業の理念、強み、提供する製品・サービスの価値を伝えるものです。
また、Push型営業においては、営業スタッフと同様、自社のイメージや信頼感を得るために必要なものとして位置づけられています。
自社の特徴や強み・優位性、理念を的確に伝え、信頼感やブランドイメージを醸成、顧客の「不安」を払拭し「期待感」に変えるのが、営業ツールとしての役割と言えます。

② 採用のためのツールとして

就職活動を行っている人、おもに学生に自社を知ってもらうための基本的なツールとして会社案内が使用されます。
新卒採用では特に馴染みのない業界の場合、会社説明会や資料請求で営業ツールとして使用している会社案内を配布しても、自社の事業内容や企業理念が伝わりにくいため、採用向けの会社案内(採用パンフレット)を作成することが多くなっています。
就職活動で求職者は多くの企業と接点を持つため、事業内容や福利厚生だけでなく、先輩社員の声やキャリアアップの入社後の自分がイメージできるコンテンツをわかりやすく表現し、他社との差別化を図ることが重要です。
採用ホームページや就職サイトと違い手元に残る会社案内は、本人が読み返すだけでなく家族が手にすることもあります。採用ツールとしての会社案内は、求職者やその関係者の不安を払拭し、最終的に入社を決定づける要素のひとつとなる重要なものです。

③ 企業PRツールとして

昨今、SNSやプレスリリースを通じたPR(Public Relations)や広報活動が活発になり、顧客だけでなく株主や取引先、金融機関などのステークホルダーに対し情報を発信する必要性が増しています。そのような中、会社案内は企業イメージをつくりPRするための基本的なツールとしてなくてはならないものです。

会社案内は、社会に対する信頼構築やブランディング強化の効果的な手段となります。取引相手や新規のビジネスパートナーに企業の理念や取り組み、過去から現在までの軌跡など事業内容を総合的に伝えるため、細部にわたる情報を巧みに丁寧に組み立てることが求められます。
会社案内では、社会貢献やCSR活動など企業が社会に与えるプラスの影響も織り交ぜ、価値ある情報提供を心掛けます。これにより、企業情報の羅列にとどまらず、企業の人間的な側面や価値観も伝わります。例えば、感情に響くストーリーテリングを取り入れることで共感を呼び起こすことができるでしょう。

会社案内に掲載すべき内容

新規顧客獲得で営業ツールとして、会社案内を使用する場面を考えてみます。
新たな会社と取引を開始することに心理的な障壁を感じる方も多いようです。
その企業と取引をしても大丈夫なのかという不安感、新たに口座を開設する手続きの手間…等々。

まず会社案内で重要なのは、あなたの会社のことをよく知らない新規のお客様に「この会社と取引をしても大丈夫」という信頼感を得ることです。
「この会社大丈夫?」と疑念を抱かれると、いくら製品やサービスに興味を持ってもらえたとしても、新たに取引を開始するのは難しいでしょう。
「この会社と、新たに口座を開設して取引を開始したい」と思っていただけるように伝える必要があります。

会社案内パンフレットに掲載する内容の例

どのような会社なのかを掲載する

会社案内パンフレット作成時には、必要な情報として自社やサービスの概要を適切に掲載する必要があります。
まず、掲載すべき基本情報として、社名、設立年月日、資本金、代表者名、従業員数などのデータが信頼を構築する上で不可欠です。また、企業理念やビジョン、ミッションといった情報は会社の目標と価値観を示し、顧客や社会への貢献を表現することが重要です。

誰に何を提供しているのか、他社と何が違うのかを掲載する

製品やサービスの紹介では、提供している価値と特徴、対応するニーズを具体例を用いて詳しく説明します。
会社の強みや特色、成功事例を掲載することで、他社との差別化ポイントとなり、企業の魅力をより強調することができます。

相手の不安を払拭する内容を掲載する

どのような顧客と取引をしているのか(業種・業界、社名)、技術や研究開発、特許や認証の取得状況、受賞歴などは企業の専門性や信頼性を示す情報となります。
オフィスや工場、店舗の環境を写真を用いて紹介することで、事業をより現実的に親しみを持って伝えることができます。
社員や社内の雰囲気を伝えることで親近感を与えることができるでしょう。

[おすすめ]更新頻度が高い情報は別紙にする

会社案内を作成し、数年間は同じものをそのまま使用することもあるでしょう。その際は、更新頻度が高い情報はメインの会社案内とは別の印刷物として準備することをお勧めします。
例えば、従業員数や事業所などの更新頻度が高い企業情報は別紙にして差し込むようにすれば、変更のたびに会社案内全体を刷り直さなくてよくなります。その別紙のみを更新していくという使い方は、常に最新の正しい情報を伝えるのにも有効です。
また、ポケットフォルダー付の会社案内にすれば、新商品チラシを差し込むなど利便性が上がり活用の幅も広がるでしょう。

会社案内作成の流れ

会社案内パンフレットを作成する際の一般的なプロセスは以下のようになります。

  1. 会社案内の目的・対象者を明確にする
    会社案内を通じて何を誰に伝え、何を達成したいのかを明確にします。
    ブランド認知の向上、製品やサービスの紹介、新規顧客の獲得なのか。それによって構成やデザインが変わってきます。
  2. 内容や構成、ページ数などを考える
    会社の紹介、製品/サービスの詳細、企業文化、事例などを含むコンテンツの枠組みを考えます。
    制作会社と一緒に考えると良いでしょう。
  3. コンセプト・デザインの方向性を決める
    デザインコンセプトの策定: 会社のブランドイメージに合うデザインの方向性を決めます。
    制作会社がデザインカンプ(見本)を提示し、イメージのすり合わせを行います。
    専門のライターが在籍する制作会社であれば、コピーや文章作成を依頼できます。
  4. デザインを制作する
    制作会社が実際に会社案内を制作します。
    写真撮影が必要であれば制作会社に相談してみましょう。
  5. レビュー・校正
    出来上がったデザインを確認し、フィードバック、最終承認を行います。印刷の仕上がりを確認するために色校正も行います。
  6. 印刷・納品
    制作会社は、依頼者からのフィードバックを反映し最終確認を行います。
    問題なければ印刷を行い納品となります。

会社案内の制作会社を選ぶ際のポイント

https://zpx.co.jp/article/com-brochure-request/

会社案内作成のポイント

会社案内パンフレット作成のポイント

目的や用途、ペルソナを設定する

前述のように、会社案内の用途は大きく分けても、営業ツール・採用ツール・企業PRツールの3通りありますが、営業ツールだけ見ても、対面営業で使用される場合、展示会での配布用、ホームページのダウンロード用などさまざまです。
そのため、会社案内を作成する際は、会社案内を作る目的や主に使用する場面を基本軸として決め、会社案内を読む人の人物像(ペルソナ)を設定することからはじめなければなりません。そうすることで、掲載する内容や構成、デザイン、サイズや冊子の形状などを決める際、思いつきや担当者の好みに左右されず、その企業にとって本来あるべき会社案内の姿に近づけることができます。

掲載内容は要点をおさえる

会社案内の目的や用途、ペルソナの設定を終え掲載する内容を考え進めるうち、あれもこれもと伝えたいことが膨らんでくることはよくある事です。しかし、それらすべてを掲載しようとして、もっとも伝えたい、重要な部分のアピールが不足してしまうケースがよく見られます。
このような場合は、ページを増やすことも一つの手ですがその前に、再度読み手の立場で本当に読み手が知りたいことにしぼった内容に精査する必要があります。その際、コーポレートサイトとの違いに着目し、紙の会社案内パンフレットの特長である「情報を一目で、コンパクトに伝えられる」「ページ順にストーリーとして伝えられる」「回覧性が高い」という点を考慮しながら情報を整理すると、掲載する内容を精査しやすくなります。

会社案内のデザインは信頼感・安心感をベースにする

デザインやレイアウトに凝りすぎて、メッセージが読みにくくなってしまっては意味がありません。
デザイン戦略・ビジュアル・レイアウトは、企業のブランドイメージを表現しつつ信頼感や安心感を醸成する、シンプルなものから検討します。そして、目的や用途・利用シーン、読み手に応じてさらに掘り下げ具体的に設計していきます。
例えば、対面営業がメインであればその場面を想定し「もっとも訴えたいことを、開きやすい真ん中のページに見開きで表現」したり、ターゲットの性別・年齢層を考慮し「やわらかいデザイン」としたり、ブランドイメージを押し出すために「ページ順にストーリー仕立てで構成」とするなど、それぞれの状況から考えられる様々なアイデアを形に変えていきます。
また、会社案内のデザインは「冊子(パンフレット)全体で考えること」も大事です。統一感のないデザインは、読み手を混乱させるだけでなく、企業のブランドイメージを十分に醸成することが出来なくなってしまいます。

「印刷用紙」「表紙加工」を工夫する

会社案内は印刷する紙の種類や厚さによって、仕上がりの質感や色の表現が異なり、受け取った方の印象もかなり変わります。

多くの会社案内パンフレットで選ばれるのが、厚めのコート紙またはマットコート紙です。
コート紙は、なめらかなツヤがあり明るい印象、写真や彩度の高い印刷に向いておりポスターなどの一般的な商業印刷にも多く用いられています。

マットコート紙は、光沢が抑えられ落ち着いた感じ、表面が反射しにくいので文字が読みやすいのが特徴です。
どの紙を選ぶかは、デザインや訴求イメージによって異なるためよく検討が必要です。
不安がある場合は本機校正を依頼すれば、実際に使用する印刷機、紙、インキを用いた確認が可能です。

また、表紙に加工を施すかどうかによっても、会社案内の仕上がりが大きく変わってきます。
特に表紙は会社案内の顔であり、高級感が出るまたは思わず開きたくなるような加工をおすすめします。
表面をコーティングし高級感と同時に耐久性を向上させる、PP加工やニス加工が一般的ですが、疑似エンボスと呼ばれるニス加工の一種では、独特な手触りと見た目を表現することができます。

[事例] 会社案内のリニュ―アル K社の場合

とは言え、あなたがここまで記したことを理解したとしても、実際に会社案内を作成するのはなかなか難しいものです。
そのような時は、あなたを上手に導いてくれるパートナーを探すことをおすすめします。
パートナーを選ぶポイントは、一緒に考えてくれるかです。ですから、

  • 「デザインはこうあるべき」と固執する
  • 「どうしますか」と聞いてくるだけ

このような会社はあなたのパートナーとしておすすめ出来ません。
自分事と捉えて一緒に悩み考えてくれる、そんなパートナーを選ぶことが成功への第一歩です。

K株式会社様(敬称略以下K社)は、土木工事をメイン事業として全国に支店を持ち、従業員140名を抱える企業です。
創立50周年を迎えるにあたり、会社案内を刷新することにしました。
しかし、どのように作成すれば効果的なパンフレットになるのか迷われていました。
そこで、初回のミーティングでは、質問をしながら一つひとつ紐解いていくことにしました。
例えばこのような感じです。

質問1 「今回の会社案内リニューアルの目的は何ですか」

すると、このような回答が返ってきました。

K社 「古くなったので掲載する内容やデザインを変えたいんです」

もちろんこれも目的のひとつです。
でもそれだけではもったいないと感じ、質問を変えてみました。

質問2 「会社案内は誰に読んで欲しいですか?それはどういう状況だと思いますか?」

K社 「特に新規顧客開拓の時に使いたいです。あと既存のお客様やパートナー企業にも渡します」

なるほど…。

質問3「では、その人に何を知って欲しいですか?また、どのように感じて欲しいですか?」

K社「当社の技術と実績、提案力を知ってもらい、安心して任せられる会社だと思って欲しい」

つまり、K社の今回の会社案内のリニューアルの真の目的は、技術力を強みとしてアピールし、新規顧客獲得で営業ツールとして活用できるようにするということ。既存顧客に対しては信頼度向上を目指すということです。

この後も、ペルソナは?ブランドイメージは?デザインは?と深掘りさせていただきました。
意識を共有できるまで言葉を変え何度もヒアリングさせていただき、ひと通りヒアリングを終える、次はこれらを文章化し、経営層の皆さまと共有させていただきました。
こうしてK社の会社案内を無事完成させることが出来たのです。

ホームページがあれば会社案内はいらない?

会社案内とホームページを併用することで、より幅広い情報を提供し、顧客やパートナーとのコミュニケーションを強化することができます。
例えば、会社案内にQRコードやURLを記載することで、読者はスマートフォンやパソコンからコーポレートサイトに簡単にアクセスできます。このように、会社案内はホームページへの誘導としての役割を果たすことができます。
一方、ホームページは会社案内の補完としての機能を果たすことができます。ホームページに会社案内のPDFファイルをダウンロードリンクとして掲載しておけば、読者はそれを手元に保存するだけでなく、他の人にも配布することができます。

【もっと詳しく】
会社案内とホームページの関係や同時リニューアルをおすすめする理由

まとめ

よりよい会社案内を作成することは、自社をあらためて見つめ直す機会でもあり、外部の目によってあらたな魅力や強みが見出されるチャンスです。
経験豊富なプロの眼と第三者の目線を兼ね備え、スタートから完成までをサポートするパートナー選びも会社案内づくりには重要です。

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この記事を書いた人

このお役立ち記事は、私がこれまでにお客様のプロモーション課題に取り組んできた経験や、お客様からお寄せいただいた質問をもとに執筆しています。印刷をデザインやマーケティングの観点も交えながら、読者の方に少しでも分かりやすくお伝えする事を心掛けています。