周年記念のアイデア|周年記念事業を成功に導く定番企画を紹介

周年記念事業のアイデアを解説

POINT

  • 周年記念事業には、社史・記念誌、記念式典、記念品、動画、特設Webサイト、従業員参加型イベントなど、さまざまな企画がある
  • 施策を選ぶ際は、対象者と目的を明確にしたうえで、それぞれの特徴や自社との相性を考える
  • 異なる周年事業にも、自社の歴史や強みを生かすこと、対象者に合わせて伝え方を工夫することなど、参考になる共通点が見られる

「創業50周年を迎えるが、何をすればよいかわからない」
「周年記念にはどのような施策があるのだろうか」

周年記念事業は、企業にとって大きな節目となる取り組みです。しかし、数十年に一度の事業だけに、企画や準備の経験がある担当者は多くないでしょう。
周年記念事業には、記念式典や社史・記念誌の発行といった従来からの施策に加え、従業員参加型のプロジェクト、体験型イベント、記念サイトや動画による情報発信など、さまざまな選択肢があります。

一方で、企業にはそれぞれの歴史や文化、事業内容、地域性があり、他社で実施された企画が自社にも適しているとは限りません。周年記念事業に決まった成功パターンはありません。しかし、さまざまな取り組みを比較すると、自社の企画に生かせる共通点や工夫が見えてきます。

周年記念事業とは

周年記念事業とは、企業や学校法人、組合、自治体などの組織が、創業・設立から一定の年数を迎えた節目に実施する記念事業です。
これまでの歩みや成果を振り返り、従業員や顧客、取引先などの関係者に感謝を伝えるほか、企業の理念や将来のビジョンを共有する機会としても活用されています。
代表的な施策には、記念式典、社史・記念誌、記念品などがあります。実施する施策の種類や数は、周年事業の目的や規模によって異なります。

周年記念活動と周年記念事業

周年記念を行う際の規模(対象の範囲や期間、内容)により、「周年記念活動」と呼ばれることもあります。
例えば、一度限りの記念イベントや記念品の配布は、個別の周年記念活動として捉えられます。
一方で周年記念事業は、記念式典、社史・記念誌、動画制作など、複数の活動を組み合わせ、共通の目的に向けて進めるものと考えることができます。
ただし、両者に厳密な定義上の区分があるわけではありません。この記事では、個別の活動も含めて「周年記念事業」という言葉で説明します。

周年記念のタイミングは10年区切り?

周年記念事業は、創業・設立10周年、20周年、30周年、50周年、100周年など、10年単位の節目に実施されることが一般的です。

ただし、10年区切りでなければならないわけではありません。25周年や75周年などを記念する企業も多々あり、組織の状況や事業上の節目に合わせて実施時期を決めることもできます。

周年記念の成功のために明らかにしておくべきこと

周年記念事業の施策を選ぶ前に、対象者・目的・コンセプトの3つを整理しておきましょう。
例えば、従業員に感謝を伝えることが目的なら記念式典や表彰、企業の歴史を次世代に残したい場合は社史・記念誌の発行や歴史資料の整理などが考えられます。
誰に何を伝えたいのかによって、適した施策は異なります。
ここでは、周年記念事業の施策を選ぶために押さえておきたい3つの基本事項を紹介します。
なお、周年事業の考え方や企画決定までの流れについては、別の記事で詳しく解説しています。

1.周年記念事業の対象者を明確にする

周年記念事業の対象者には、従業員やその家族、顧客、株主、ビジネスパートナー、地域社会などが考えられます。
まずは、誰に向けた周年記念事業なのかを明確にしましょう。
対象者が異なれば、適した施策や伝えたい内容も変わります。
従業員を主な対象にするなら社内イベントや記念誌、顧客や取引先を対象にするなら記念式典や記念品なども候補に加えます。
複数の対象者を設定しても問題ありませんが、重点を置く対象者を2〜3程度に絞り、優先順位を決めるという方法もあります。

2.周年記念事業の目的を明確にする

周年記念事業の目的は、対象者に何を伝え、どのような状態を目指すのかによって決まります。

従業員を対象とする場合の目的の例

従業員向けの周年記念事業では、感謝を伝えることに加え、企業の歴史や理念を共有し、部署や世代を超えた交流の機会を設けることなどが目的になります。
例えば、記念誌を通じて企業の歩みを振り返ったり、従業員が参加するプロジェクトで将来のビジョンを考えたりする方法があります。

顧客を対象とする場合の目的の例

顧客向けの周年記念事業では、長年の利用に対する感謝を伝えることや、企業への理解を深めてもらうことなどが目的になります。例えば、記念キャンペーンや顧客参加型イベント、企業の技術やサービスを紹介する動画などが候補になります。
顧客向けの企画では、企業が伝えたいことだけでなく、顧客にとって参加する意味や価値があるかも考えておきたいところです。

参考:インナーブランディングとアウターブランディング

3.周年記念事業のコンセプトを明確にする

周年記念事業のコンセプトとは、複数の企画や施策に共通する基本的な考え方や方向性のことです。
「これまで支えてくれた人々への感謝」を中心に据えるなら、記念式典、記念品、記念誌なども、その考え方に沿った内容にします。
コンセプトを明確にしておくと、施策ごとに内容やデザインがばらばらになることを防ぎやすくなります。
周年ロゴやスローガンの制作にも活用できるため、施策を具体化する前に整理しておくことをおすすめします。

周年記念の企画のアイデアをご紹介

周年記念企画のアイデア

周年記念事業の代表的な周年記念事業の企画をご紹介します。
施策を選ぶ際は、何を制作・実施するのかだけでなく、誰に何を伝えるための企画なのかを考えることがポイントです。

まず、代表的な10種類の施策について、それぞれの特徴と主な目的を整理しました。

施策主な特徴目的
記念誌・社史企業の歴史や出来事を記録歴史の継承、企業文化の共有
マンガの活用人物や出来事を物語として表現創業の思いや歴史の理解促進
社内報特別号身近な媒体で周年を紹介社内交流、従業員参加
式典・イベント関係者と節目を共有感謝、交流、表彰
記念グッズ手元に残る形で感謝を伝える感謝、記念、ブランド認知
Webサイト情報をまとめて公開情報発信、企業理解
記念動画映像や音声で企業の姿を伝える歴史・理念・技術の紹介
コンセプトブック企業の理念や価値観をまとめる理念共有、社内浸透
VI開発企業のイメージを表現周年の統一感、ブランド発信
コラボレーション他社と共同で企画新しい接点づくり、交流

ここからは、各施策の内容や活用方法を詳しく紹介します。

周年記念誌・社史を発行する

記念誌は、記念すべき節目やお祝い事、大きな変化があった際に、これまでの軌跡やその出来事自体を記録するために作られる書籍です。周年のタイミングで発行される記念誌を周年記念誌といいます。
社史は、企業の歴史を中心に記したもので、編纂にあたっては会社の歩みを掲載することが基本とされます。創業からの経緯や事業の変遷、経営上の出来事などを体系的に記録し、資料として残す役割があります。

周年記念事業で社史・記念誌を発行する意義には、次のようなものがあります。

  1. 企業の歩みや重要な出来事を整理し、記録として残す
  2. 従業員が自社の歴史や企業文化を知る機会をつくる
  3. 部署や世代を超えた交流の機会をつくる
  4. 企業の理念や将来のビジョンを共有する
  5. 関係者の経験や証言を次世代に伝える

例えば、従業員の一体感づくりを目的とするなら、社員インタビューや座談会、エピソード募集などを取り入れる方法があります。
一方、企業の歴史を正確に残すことが目的なら、資料収集や事実確認、年表の整備などを重視した構成が適しています。
ゼンリンプリンテックスが実際に発行された50周年記念誌15冊を調査したところ、資料編は15冊すべてに掲載されていました。また、総ページ数は48〜372ページと幅があり、写真や寄稿、座談会などの扱い方にも違いが見られました。
この調査からも、同じ50周年記念誌であっても、目的や残したい情報によって構成が大きく異なることがわかります。

社史・記念誌は、発行後も保存資料や社員教育などに活用できる媒体です。誰に読んでほしいのか、何を残すのかを整理したうえで制作すると、構成や掲載内容を判断しやすくなります。

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インナーブランディングにも活用される記念誌。
記念事業の一環として記念誌を発行されたお客様にインタビューしました。

社史や記念誌にマンガを活用する

社史や記念誌にマンガを取り入れると、企業の歴史や出来事を、人物やストーリーを通じて伝えられます。
例えば、創業者の挑戦や新製品の開発、困難を乗り越えた経験などをマンガで表現すれば、文章だけでは伝えにくい当時の状況や登場人物の思いを描けます。創業時のエピソードや事業の転換点などをストーリー性のあるマンガでわかりやすく、興味深く伝えられるようになります。

マンガを使用するメリット

マンガには、主に次のような特徴があります。

  • 視覚的に伝えられる: 人物や場面を絵で表現できる
  • 内容を理解しやすい: 出来事の経緯や人間関係を順序立てて伝えられる
  • 人物の思いを描ける: 挑戦や苦労をストーリーとして紹介できる
  • 読み始めるきっかけになる: 文章中心の冊子に変化を持たせられる

ただし、歴史的な出来事を題材にする場合は、取材や資料に基づく事実確認が必要です。創作部分が事実と誤解されないようにすることも欠かせません。

ゼンリンプリンテックスは
マンガ制作や漫画活用をサポートします

社内報特別号を発行する

社内報を発行している企業では、周年を記念した特別号を制作する方法があります。
過去の社内報を振り返る特集、従業員アンケート、OB・OGへのインタビュー、部署ごとのメッセージなどが考えられます。従業員同士の交流や社内コミュニケーションを目的とする場合は、企画や取材に従業員自身が参加する方法もあります。

【事例】30周年を迎えた企業の場合

創立30周年を迎えたA社では、若手社員を中心に、社内報の30周年特別号を発行しました。
彼らはユニークな視点でアンケートやインタビューを進め、企画や構成を検討しました。
社内の反応は、若手社員の熱意に対しとても好意的で協力的なものでした。
紙面では、従業員の率直な声や知られざるエピソード、普段見せない一面が描かれ、内容が社内の結束を深め、活性化につながりました。
この社内報特別号の成功は、若手社員の努力と、彼らの活動を支える会社の姿勢によるものです。
若手社員の成長や組織の活性化を目指し、彼らが自由に取り組める環境を会社が提供し、その成果を尊重したからこそ導かれた結果と言えるでしょう。

担当より

周年記念式典、講演会などのイベントを開催する

周年記念式典やイベントは、従業員や顧客、取引先などの関係者と節目を共有し、感謝を伝えるための代表的な施策です。

  • 記念式典: 経営者のメッセージや表彰、コミュニケーション、節目として共有
  • 講演会・セミナー: 企業の事業や理念に関係するテーマで学びの機会
  • 社内交流イベント: 部署や世代を超えた交流の機会をつくる
  • 地域向けイベント: 地域住民や地元企業との交流を図る

周年記念グッズを作り配布する

感謝の気持ちを伝える広報ツールとして、イベントの記念品や記念誌とともに、マグカップやエコバッグ、ボールペン、クリアファイルなどを関係者に配布します。さらに、記念イベントで着用するTシャツなどのアイテムも用意されることがあります。
記念品を選ぶ際は、配布する相手や用途に合わせて、実用性、デザイン、予算などを検討します。
業員向けなら日常的に使いやすいもの、取引先向けなら企業の特徴が伝わるものなど、対象者によって選び方は変わります。周年ロゴやスローガンを使用する場合は、記念誌や特設Webサイトなどとデザインを統一することで、周年事業全体に一体感を持たせられます。

特設WEBサイトを制作し公開する

周年記念の特設Webサイトは、企業の歴史や周年事業の情報をまとめ、社内外に発信するための媒体です。創業から現在までの沿革、歴代の製品やサービス、経営者のメッセージ、記念イベントの案内などを掲載できます。写真や動画を組み合わせたり、年代ごとに企業の歩みを閲覧できるようにしたりと、Webならではの表現も可能です。また、周年事業の予定や実施報告を随時公開することで、複数の施策を紹介する情報発信の拠点としても活用できます。
特設サイトの制作では、周年期間終了後の扱いも考えておきましょう。期間限定で公開するのか、企業の歴史や理念を紹介するページとして残すのかによって、掲載内容や運用方法が変わります。

記念動画を制作する

周年記念動画は、企業の歴史や理念、経営者のメッセージなどを映像で伝える施策です。
創業からの歩みを写真や資料で振り返る動画や、従業員インタビューを通じて企業文化を伝える動画などがあります。創業当時の挑戦や事業の転換点を、物語として描く方法も考えられます。動画の利点は、人物の表情や声、製造現場の雰囲気など、文章や写真だけでは伝えにくい情報を表現できることです。
記念式典で上映するほか、特設Webサイトや採用活動で使用したりする方法もあります。
制作前に出演者の肖像や、使用する写真・音楽などの権利についても確認しておく必要があります。

コンセプトブックを発行する

コンセプトブックは、企業の理念や価値観、目指す姿などを、文章や写真、デザインを用いて一冊にまとめた冊子です。
社史・記念誌が企業の歩みや出来事の記録を重視するのに対し、コンセプトブックは企業が何を大切にし、これからどのような方向を目指すのかを伝えることに重点を置きます。周年という節目に、企業の考え方を改めて整理し、関係者と共有したい場合に適した施策です。

VI(ビジュアルアイデンティティ)を開発する

VI(ビジュアルアイデンティティ)は企業や組織が外部に対して一貫したイメージを表すための視覚的要素です。シンボルマークやロゴ、カラースキームなどが含まれます。周年記念事業のタイミングで、これらを刷新したり、周年記念用のシンボルマークやロゴを作成することもあります。
周年ロゴは、記念式典、記念誌、特設Webサイト、記念品など、複数の施策で使用できます。早い段階で制作しておけば、周年事業全体で統一したデザインを展開しやすくなります。ただし、企業全体のVIを刷新することと、周年専用ロゴを制作することは、目的も影響範囲も異なります。

既存のブランドイメージを見直す必要があるのか、周年の節目を表現するだけでよいのかを整理したうえで検討しましょう。

コラボレーションする

他のブランドやアーティストとコラボレーションを行い、周年を祝う特別な商品やサービスを提供することで、記念イベントをさらに印象深いものにします。

例えば、創業100周年を迎えた東レ株式会社はユニクロのチャリティTシャツプロジェクト「PEACE FOR ALL」とのコラボレーションに参加。Tシャツには東レの創立当時の社章がデザインされ企業としての思いを表現していました。
個人的には、ユニクロの製品といえば東レという印象がありましたが、今回のコラボレーションも、そうした関係を生かした取り組みとして興味深く感じました。
周年という節目に、自社の歴史やこれまで築いてきた企業間の関係を生かすことも、企画を考えるうえでのヒントになりそうです。

周年記念事業のスケジュール例

インナーブランディングを主な目的とした、ある企業の周年記念事業のスケジュールをご紹介します。
周年記念として、記念誌やコンセプトブックの発行、特設WEBサイトや記念動画の制作、記念品配布などさまざまな施策に取り組まれていますので参考にしてみてください。

1年目

  • 4月
    周年記念事業のプロジェクトチーム立ち上げ、企画検討を開始
  • 9月
    社内告知(特設サイト公開)・従業員アンケート実施

2年目

  • 3月
    周年記念ロゴ・スローガン発表
  • 10月
    記念動画公開・ブランドコンセプトブック配布

3年目

  • 7月
    記念イベント開催・記念品配布
  • 9月
    記念誌発行

最後に

周年記念事業は、企業や組織が重要なマイルストーンを迎え、その歴史や成果を振り返り、未来に向けたビジョンを共有するための重要なイベントです。節目は伝統的に10年や50年とされがちですが、実際には組織の価値観や目標によって異なることもあります。このような記念事業は、一回限りのイベントから複数の活動を組み合わせたプロジェクトまで様々ですが、成功の鍵はその対象者・目的、コンセプトを明確にすることにあります。

これらを通じて、内部からのブランド強化や顧客ロイヤルティの増進を促し、組織の一体感と誇りを育むことができます。また、記念誌や社史の発行、社内報特別号の作成など、社員が参加し企業文化を深く理解する機会を設けることも有効です。これらの施策は、社内コミュニケーションを促進し、将来に向けた組織のビジョンを共有する上で大きな役割を果たします。
本記事が、皆さまの周年記念事業のお役に立てば幸いです。

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