なぜその印刷物では伝わらないのか?伝わらない印刷物に共通すること

この記事の結論

効果的な印刷物とは、何を伝えたいのかがすぐにわかる印刷物です。情報量が多くても、結局何を伝えたいのかが見えなければ、読み手には届きにくくなります。印刷物で成果を出すためには、見た目を整える前に、まず伝える内容の軸を明確にする必要があります。

この記事で分かること

  • 印刷物で「何を伝えたいのか」が見えなくなる原因
  • 伝わらない印刷物に共通する特徴
  • 読み手に伝わる印刷物を作るための考え方
  • デザインの前に整理すべきポイント
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会話も印刷物も、結論が見えなければ伝わりにくい

ポイント

「何が言いたいのか」を端的に示さず、相手に理解を委ねる状態では、意図は正しく伝わりません。

ビジネスの会話で、他の人の発言のあとに「〜で言うと…」と意見を続ける人がいます。
こうした話し方に、どこか引っかかりを覚えたことはないでしょうか。

この違和感の正体は、論点を整理しているようで、実際には自分の考えや判断をはっきり示していないことにあります。
結論や立場を明確にせず、断言を避けているように聞こえるからです。

本来、ビジネスの場では、「私はこう考える」「こちらが適切だ」と、自分の判断を明確に示すことが求められます。
それにもかかわらず、人の言葉や一般論を借りるようにして「〜で言うと…」と続けられると、聞き手は「この人は自分の判断を持っているのだろうか」「責任を持って発言しているのだろうか」と感じます。
その結果、疑念や不信感につながることもあります。

プロとしての権威性や信頼感は、知識量だけでなく、何をどう判断しているかが伝わることで生まれます。
聞き手に「結局何を言いたいのか」が見えなければ、それが真に伝わることはありません。

これは、会話だけの話ではありません。
チラシやパンフレット、会社案内などの印刷物でも、同じことが起こります。
情報や説明が並んでいても、趣旨や結論が見えなければ、読み手には何を伝えたいのかが伝わりません。

印刷物は、情報を載せるだけで伝わるものではありません。
誰に向けて、何を一番伝えたいのかが明確であってはじめて、伝わる印刷物になります。

なぜ「伝えたいこと」が見えにくくなるのか

印刷物でも、会話と同じように、結論や主張が見えなければ読み手には届きにくくなります。
では、なぜ印刷物では「何を伝えたいのか」が見えにくくなってしまうのでしょうか。

原因は、言葉選びやデザインの巧拙だけではありません。
多くの場合、企画や構成の段階で、誰に向けて何を伝えるのかが十分に整理されないまま制作が進んでしまうことにあります。

その結果、説明はあるのに結論が見えない、強みは並んでいるのに何を価値の中心としているのかがわからない、といった状態が起こります。
そして、読み手に届きにくく信頼も得にくい印刷物となってしまうのです。

伝わらない印刷物の共通点

何を伝えたいのかが見えにくい印刷物には、いくつかの共通点があります。
問題の多くは、デザインそのものではなく、その前段階の整理不足にあります。

誰に向けた印刷物なのか、何を一番伝えるべきなのかが曖昧なままでは、どれだけデザインを工夫しても、読み手には伝わりにくいままです。

ここでは、会社案内を例に、印刷物が「結局何を言いたいのかわからない」状態になってしまう主な理由を整理していきます。

誰に向けた印刷物なのかが曖昧

対象を絞っていない印刷物は、誰にも「自分に関係のある情報だ」と感じてもらいにくくなります。
新規見込み客に向けるのか、既存顧客に向けるのか、求職者に向けるのかによって、必要な情報もメッセージも変わります。
例えば、会社案内でも、初めて商談する見込み客に渡すのか、採用候補者に見せるのかで、優先すべき内容はまったく異なります。
誰に向けたものかが曖昧なままでは、内容は広く浅くなり、結果として誰にも強く届かない印刷物になります。

すぐにメッセージが理解できない

読み手がまず知りたいのは、「要するに何なのか」です。
要旨が見えないまま説明だけが続くと、内容を理解する前に読む負担が大きくなり、印象にも残りにくくなります。
会社案内でも、沿革や事業説明が先に長く続き、肝心の「この会社に相談する価値」が見えないと、読み手は途中で関心を失いやすくなります。
印刷物では、見たときに何を伝えたいのかがおおよそ理解できることが重要です。

読み手目線ではなく、作り手目線になっている

「高品質」「短納期」「柔軟対応」など、耳ざわりのよい言葉を並べても、それだけでは読み手に伝わる印刷物にはなりません。
作り手が伝えたいことを並べているだけで、読み手が知りたいことに沿っていないからです。

読み手にとって重要なのは、情報の多さではありません。
自分にとってどんな価値があるのかが、理解しやすい言葉で示されていることです。

情報量・役割を詰め込みすぎている

会社案内としても使いたい。営業資料としても使いたい。採用にも使いたい。
そのように複数の役割をひとつの印刷物に持たせると、伝える内容の優先順位が曖昧になります。

さらに、伝えたいことをすべて入れ込もうとすると、情報量ばかりが増え、全体の印象も散漫になります。
その結果、結局何を伝えたい印刷物なのかが見えにくくなります。

効果的な印刷物を作るための事前準備

伝わる印刷物を作るためには、デザインやコピーを考える前に、整理しておくべきことがあります。

誰に向けて作るのか

まずは、読み手を明確にします。
既存顧客なのか、新規見込み客なのか、求職者なのか、保護者なのか。
相手が違えば、伝えるべきことも伝え方も変わります。

何を一番伝えるべきなのか

「この印刷物で最も伝えたいことは何か」を決めます。
言い換えれば、「結論は何か」を先に定めるということです。

これが決まっていれば、どの情報を入れるか、何を削るかの判断もしやすくなります。
逆に、ここが曖昧だと、すべての情報が同じ重さに見えてしまい雑多な印象となります。

読み手にどう感じてほしいのか

信頼感を持ってほしいのか、親しみを感じてほしいのか、魅力を感じてほしいのか。
印刷物は情報だけでなく印象も伝える媒体です。
そのため、どのような印象を持ってもらいたいかも考える必要があります。

読んだあとにどう動いてほしいのか

問い合わせてほしいのか、応募してほしいのか、理解を深めてほしいのか。
読み終えたあとに期待する行動が明確であれば、必要な情報や導線設計もはっきりしてきます。問い合わせにつなげたいなら、読み手が不安に思う点を先回りして解消する情報が必要です。応募につなげたいなら、仕事内容や働く環境、入社後のイメージが伝わる情報が重要になります。

まとめ

「〜で言うと…」という言い方が繰り返されると、論点はあるようでいて、結局何が言いたいのかが見えにくくなります。
その結果、発言者の考えの軸や信頼感も伝わりにくくなります。

印刷物も同じです。
情報や説明が並んでいても、結局何を伝えたいのかが見えないものは、読み手に届きにくく、印象にも残りにくくなります。

だからこそ、効果的な印刷物を作るためには、デザインや仕様を考える前に、まず「この印刷物で何を伝えたいのか」を整理することが大切です。
誰に向けて、何を伝え、読んだあとにどう動いてほしいのか。
その軸が見える印刷物こそが、読み手に届きやすく、成果にもつながりやすい印刷物となります。
また、企業の考え方がきちんと伝わることで、読み手の信頼も得やすくなります。

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社名株式会社ゼンリンプリンテックス
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設立1947年 9月
事業所東京、福岡、熊本
関係会社株式会社ゼンリン、株式会社ゼンリンデータコム、株式会社ジオ技術研究所など
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