本記事では、病院案内パンフレット事例を比較し、それぞれのページ数や掲載内容、紙面配分を整理、病院広報の視点で見直す際のヒントを探ります。
この記事で分かること
- 病院案内パンフレットの事例
- 病床数だけでは説明できない、病院案内パンフレットの構成の違い
- 病院案内パンフレットを見直す際のポイント
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病院案内制作の基本とコツを知りたい方は、病院・医療機関のパンフレット作成のポイントが参考になります。

この記事は、弊社がお客様のプロモーション課題に取り組んできた経験をもとに執筆しています。
この記事の結論
病院案内パンフレットは、病床数やページ数だけで構成が決まるものではありません。重要なのは、病院の機能や役割に合わせて、何を主題にし、どの情報に紙面を使うかです。
調査対象|8つの病院案内パンフレットを比較
今回の調査は、患者や家族、地域の方などに向けて病院の概要や特徴を伝える病院案内パンフレットを対象としています。(採用パンフレットや医療機関向けの冊子等は対象外)
病床規模は200床台から500床超と幅があり、回復期・療養・地域包括ケア・介護医療院などの支援機能を持つ病院(下表A~D)もあれば、急性期医療、救急、がん診療、災害医療などを担う病院(下表E~H)も含まれています。
なお、今回の調査には、診療所のパンフレットは含んでいません。
| 病院機能・役割 | 病床 | 仕様 | ページ | 構成の特徴 | |
|---|---|---|---|---|---|
| A | 回復/療養 | 300床 | 巻三つ折 | 6 | 病棟構成と地域連携、病院全体を簡潔に |
| B | 療養/地域連携 | 300床 | 巻三つ折 | 6 | 医療病棟・介護医療院・地域医療連携が軸 |
| C | 療養/在宅支援 | 400床 | 中綴じ | 12 | 在宅療養後方支援やグループ施設連携を訴求 |
| D | 慢性期/長期療養 | 450床 | 中綴じ | 12 | 複数機能を病棟紹介とフロアマップで整理 |
| E | 急性期/地域中核 | 200床 | 中綴じ | 16 | メッセージ・診療機能中心に強みを表現 |
| F | 急性期/救急 | 250床 | 中綴じ | 28 | 診療科・設備・救急・看護・教育等総合力訴求 |
| G | 急性期/回復期 | 450床 | 中綴じ | 32 | 診療科紹介を中心に高度医療など総合力中心 |
| H | 急性期/地域中核 | 500床 | 中綴じ | 24 | 各領域別に公共性と中核機能を示す構成 |
※表中の「機能・役割」は、パンフレットの内容(診療内容・病床構成等)をもとに、比較のために整理した表現であり、公的な分類や正式な区分を示すものではありません。
調査結果(1) ページ数からみる傾向
①リーフレット(6ページ):全体像を簡潔に整理
6ページのリーフレットが2つあり、療養型の病棟や地域医療との連携などがコンパクトにまとめられていました。
詳細な説明よりも、病院全体の輪郭を短時間で把握してもらうことに向いています。
病院の機能が複雑であっても、限られた紙面の中で「どのような病院か」を整理して見せる必要があります。
②冊子(12〜16ページ):概要と特徴を両立
12〜16ページ程度ある冊子では、理念、院長挨拶、病棟紹介、診療科紹介、施設案内などを掲載しながら、病院の特徴もある程度伝える構成が見られました。概要だけで終わらず、かといって情報を詰め込みすぎることもなく、病院の基本情報と特徴をバランスよく配置しています。
例えば、フロアマップを用いて院内の機能を整理し、患者や家族が病院の全体像を把握しやすい構成にしている事例や、病院が地域の中でどのような役割を担っているかを伝える構成も見られました。
③冊子(24ページ以上):機能訴求や総合力を提示
24ページ以上の多ページ冊子では、診療科紹介、医療機器、救急、看護部、教育体制、人材育成など病院の全体像だけでなく機能や体制を詳しく伝える構成が見られます。
急性期医療、救急医療、がん診療、災害医療、チーム医療などを担う病院では、対外的に説明すべき機能が多くなるため、病院案内パンフレットも、単なる概要紹介ではなく、病院の総合力を示す冊子になりやすくなります。
リーフレットと冊子の違い
もっと詳しく知りたい方はお役立ち記事「パンフレットとリーフレットの違いとは?」が参考になります
調査結果(2) 紙面配分からみる掲載内容の傾向
ページ数別の傾向に加えて、各パンフレットがどの情報に紙面を使っているかも整理しました。
病院案内パンフレットは、掲載項目の有無だけでは構成の違いが見えにくい媒体です。同じ「診療科紹介」や「施設案内」が載っていても、そこに何ページ使っているかによって、冊子全体の印象は大きく変わります。
8つの病院案内パンフレットを集計し、掲載内容ごとの紙面配分を整理しました。
これは1冊のパンフレットの構成比ではなく、今回調査した8事例全体を合算したものです。
各ページの主な掲載内容をもとに分類しているため、厳密な面積比ではなく、構成傾向を見るための目安として整理しています。
| 内容 | ページ | 構成の特徴 |
|---|---|---|
| 診療・医療機能 | 48 | 35.3% |
| 基本情報・メッセージ | 34.5 | 25.4% |
| 地域連携・支援機能 | 18.5 | 17.6% |
| 施設・設備・院内案内 | 11 | 13.6% |
| 組織・人材 | 16 | 8.1% |
この結果から、病院案内パンフレットでは「診療・医療機能」が紙面の中心になりやすいことが分かります。
一方で、すべての病院案内が診療機能中心というわけではありません。回復期・療養・在宅支援などの機能を持つ病院では、地域連携や病棟機能、グループ施設との関係に紙面を使う傾向も見られました。
事例ごとに見ると、紙面配分の違いはさらに分かりやすくなります。
| 病院機能・役割 | 基本情報 メッセージ | 診療科 医療機能 | 地域連携 支援 | 施設・設備 院内案内 | 組織・人材 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| A | 回復/療養 | 1.5(25.0%) | 2(33.3%) | 1.5(25.0%) | 1(16.7%) | 0(0.0%) |
| B | 療養/地域連携 | 2(33.3%) | 0(0.0%) | 3(50.0%) | 1(16.7%) | 0(0.0%) |
| C | 療養/在宅支援 | 3(25.0%) | 3(25.0%) | 5(41.7%) | 1(8.3%) | 0(0.0%) |
| D | 慢性期/長期療養 | 4(33.3%) | 1(8.3%) | 5(41.7%) | 2(16.7%) | 0(0.0%) |
| E | 急性期/地域中核 | 7(43.8%) | 6(37.5%) | 0.5(3.1%) | 2.5(15.6%) | 0(0.0%) |
| F | 急性期/救急 | 5(17.9%) | 10(35.7%) | 3(10.7%) | 5(17.9%) | 5(17.9%) |
| G | 急性期/回復期 | 5(15.6%) | 18(56.3%) | 3(9.4%) | 2(6.3%) | 4(12.5%) |
| H | 急性期/地域中核 | 7(29.2%) | 8(33.3%) | 3(12.5%) | 4(16.7%) | 2(8.3%) |
※表中のカ括弧内の数値は、各事例の総ページ数に対する割合です。
この表を見ると、6ページのリーフレット型では、基本情報、病棟構成、地域連携、施設案内などを限られた紙面に分散させていることが分かります。
一方、24ページ以上の冊子では、診療・医療機能にまとまった紙面を使いながら、施設・設備、看護部、教育体制、人材育成などにも掲載範囲が広がっています。
特に、地域連携・支援機能の比率が高い事例では、病院単体の紹介だけでなく、地域の中でどのような受け入れ機能や支援体制を持つかを伝える構成になっています。
また、診療・医療機能の比率が高い事例では、診療科や救急、高度医療などを通じて「何ができる病院か」を示す構成になっています。
調査結果(3) 構成タイプからみる傾向
次は視点を変えて、構成面から整理します。
①全体像整理型:病院の輪郭を短く伝える
病院概要、病棟構成、診療科、施設案内などを簡潔にまとめるタイプです。
限られた紙面でも、どのような病院なのかを短時間で把握してもらいやすい一方で、病院ならではの強みや特徴を印象づけるには、見せる情報の優先順位を明確にする必要があります。
②連携・支援型:地域の中での役割を伝える
地域医療連携、在宅療養後方支援、介護医療院、グループ施設などを重点的に紹介するタイプです。
診療科の多さよりも、どのような患者を受け入れ、地域の中でどう支えるのかを伝える構成のため、回復期・療養・介護との接続を説明したい病院に向いています。
③機能訴求型:何ができる病院かを伝える
診療科、専門センター、医療機器、救急、高度医療などを前面に出すタイプです。
病院の医療機能や専門性を伝えやすく、急性期医療や救急対応などを訴求したい場合に適しています。
ただし、診療科や設備を並べるだけでは、病院としての特徴が伝わりにくくなります。どの機能を強みとして打ち出すかを整理することが重要です。
④総合訴求型:病院全体の総合力を見せる
理念、病院概要、診療機能、地域医療、看護部、教育体制などを広く掲載するタイプです。
病院全体の厚みや公共性、組織としての総合力を伝える一方で、情報の羅列にならないようにするため、パンフレット全体の軸をぶらさないことが重要です。
| タイプ | 傾向 | 特徴 | 留意点 | |
| ① | 全体像整理型 | 病院全体の輪郭を端的に整理し概要の理解しやすさを重視 | 概要、診療科、病棟構成、施設案内などを比較的簡潔に伝えやすい | 情報を絞るほど、病院独自の強みや差別化要素は伝わりにくくなりやすい |
| ② | 連携・支援型 | 療養、回復期、介護医療院、在宅支援などの役割を中心に構成する | 地域医療連携、グループ施設との関係などを通じて、地域の中での役割を示しやすい | 診療機能や専門性の訴求は相対的に弱く見えやすい |
| ③ | 機能訴求型 | 診療科、設備、救急、高度医療などに紙面を厚く使う | 「何ができる病院か」をわかりやすく伝えやすく、医療機能の強さも表現しやすい | 項目を並べるだけでは病院としての主張が弱くなりやすい |
| ④ | 総合訴求型 | 理念、挨拶、概要に加えて、診療機能や地域的役割まで幅広く掲載する | 病院全体の総合力や公共性、中核性を立体的に伝えやすい | 情報が広がるほど、誰に何を伝えたいパンフレットなのかがぼやけやすい |
考察|病院の役割をどう見せるかでパンフレットの構成が変わる
病床構成を載せるだけでは、病院の役割は伝わりにくい
回復期リハビリテーション病棟、医療療養病棟、地域包括ケア病棟、介護医療院などの情報は、病院の機能を説明するうえで重要です。
ただし、それらを病床名や病棟名として並べるだけでは、読み手には「どのような患者を受け入れ、どのように支える病院なのか」までは伝わりにくいでしょう。
今回の調査でも、回復期・療養・在宅支援などの機能を持つ病院では、病棟構成に加えて、地域連携や在宅支援、グループ施設との関係まで含めて構成している事例が見られました。
病院案内では、病床構成を単なる情報として載せるだけでなく、病院の役割としてどう伝えるかが問われます。
診療機能が多いほど、伝える軸を整理する必要がある
急性期医療、救急、がん診療、災害医療、専門外来、医療機器などを持つ病院では、掲載したい情報が多くなります。
そのため、診療科紹介や機能紹介に多くの紙面を割く構成になりやすくなります。
しかし、診療科や設備を順番に並べるだけでは、読み手には「多くの機能がある」ことは伝わっても、病院としての特徴が伝わりにくくなります。
機能を多く持つ病院ほど、情報量ではなく、どの機能を中心に見せるかが重要になります。
多ページ化するほど、病院案内の役割が広がりやすい
24ページ以上の冊子では、診療科、設備、看護部、教育体制、地域活動、人材育成など、掲載内容が広がる傾向がありました。多ページ化によって病院の総合力が伝えやすくなります。
一方で、情報が増えるほど、病院案内がどのような役割を担う媒体なのかは曖昧になりやすくなります。
患者や家族に向けた概要案内なのか、地域や関係機関に向けた機能紹介なのか、採用や組織紹介の要素も含む総合冊子なのか。
その境界が曖昧になると、読み手にとっては情報量が多くても、何を理解すればよいのかがつかみにくいパンフレットになりやすくなります。
実践編|病院案内パンフレットを見直す際のポイント
この調査結果を踏まえると、病院案内パンフレットを見直す際には、掲載内容だけでなく、紙面配分や誰に何を伝えるのかといった軸を再確認することが重要です。
ここでは、病院案内を見直す際の視点を3つに整理します。
ページ数ではなく、紙面の使い方を考える
今回の比較では、6ページ、12ページ、16ページ、24ページ、28ページ、32ページとページ数に幅がありました。
6ページの事例では、病棟構成や地域連携、診療科、施設案内などを絞り込み、病院全体の輪郭を短く伝える構成になっていました。
一方で、24ページ以上の事例では、診療科、救急、医療機器、看護部、教育体制、人材育成など、掲載内容が広がっていました。
見直すべきなのは「何ページにするか」ではなく、そのページ数の中で何に紙面を使っているかです。
自院のパンフレットでも、最も紙面を使っている項目が、伝えたい病院像と合っているかを確認する必要があります。
病院の機能・役割と掲載内容が合っているかを見る
今回の比較では、回復期・療養・在宅支援などの機能を持つ病院では、病棟紹介、地域連携、在宅療養後方支援、介護医療院、グループ施設などの説明が目立ちました。
一方で、急性期、救急、がん診療、災害医療などの役割を持つ病院では、診療科紹介、医療機器、救急、高度医療、人材育成などを厚く扱う傾向がありました。
このことから、自院の病院案内を見直す際は、病院の機能・役割とパンフレットの掲載内容が対応しているかを確認するとよいでしょう。
療養や回復期、在宅支援が重要な病院であれば、診療科紹介だけでなく、病棟機能や地域とのつながりをどう見せるかが重要になります。
急性期や救急、専門医療を打ち出したい病院であれば、診療科や設備を並べるだけでなく、どの機能を病院の特徴として見せるかが問われます。
多ページ化する場合は、主役と補足を分けてみる
24ページ以上の事例では、診療科や医療機器に加え、看護部、教育体制、人材育成、地域活動などまで含まれていました。
多ページ化すると、病院の総合力を見せやすくなります。
ただし、情報が広がるほど、病院案内としての焦点はぼやけやすくなります。
そのため、多ページの病院案内を作る場合は、掲載項目を増やす前に、どの情報を主役にするかを整理する必要があります。
診療機能を前面に出すのか、地域医療上の役割を見せるのか、病院全体の総合力を伝えるのか。
その主役を決めたうえで、看護部、教育体制、人材育成、沿革、地域活動などを補足情報としてどう配置するかを考えると、構成の軸がぶれにくくなります。
まとめ
病院案内パンフレットは、ただ情報を多く載せるだけで伝わりやすくなるものではありません。
何をどの順番で、どの程度まで伝えるかによって、読み手の理解や印象は大きく変わります。
カタログとパンフレットの違いで考えると分かりやすいかもしれません。
カタログは、商品やサービスの仕様・機能・価格などを、比較しやすいように整理して見せる媒体です。つまり、情報を一覧化し、選びやすくすることに向いています。
一方で、パンフレットは、単に情報を並べるだけでは十分ではありません。
読み手に「何を理解してほしいのか」「どのような印象を持ってほしいのか」を意識して、情報の順番や見せ方を設計する必要があります。
つまり、カタログが情報を比較しやすく整理して見せる媒体だとすれば、パンフレットは、情報を通じて役割や価値を伝える媒体と考えることができます。
病院案内パンフレットも同じです。
病床数、診療科、設備、病棟構成を一覧のように並べるだけでは、病院の役割や特徴は伝わりにくくなります。
大切なのは、それらの情報を通じて、病院が地域の中でどのような役割を担い、どのような患者や家族を支えるのかが伝わるように編集することです。
今回の比較結果を参考にしながら、自院の病院案内パンフレットに必要な要素と不足している要素を整理し、見直しや改善に活かしてください。
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| 社名 | 株式会社ゼンリンプリンテックス |
| URL | https://zpx.co.jp/ |
| 設立 | 1947年 9月 |
| 事業所 | 東京、福岡、熊本 |
| 関係会社 | 株式会社ゼンリン、株式会社ゼンリンデータコム、株式会社ジオ技術研究所など 関係会社一覧 |

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