環境負荷低減に貢献するグリーン購入。印刷物においてもグリーン購入法に適合した用紙や印刷方法を選ぶことが重要です。本記事では、グリーン購入法の概要や印刷発注時に知っておきたい基礎知識を解説します。
グリーン購入法とは?簡単に説明
環境に配慮した製品やサービスを“選ぶこと”を促す法律
グリーン購入法(正式名称:国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)とは、国などの公的機関が物品やサービスを調達する際に、環境負荷の少ないものを優先的に選ぶことを定めた法律です。
これに基づき、環境省は「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」を策定し、特に重点的に調達を推進すべき物品(=特定調達品目)と、それぞれの判断基準や配慮事項を具体的に示しています。
この基本方針は、国(各省庁や国会など)および独立行政法人等の調達に関する基本的な考え方や方針を定めたものですが、地方公共団体などにおいても、これを参考に調達の推進に努めることが望ましいとされています。
印刷物もグリーン購入法の対象
印刷物もその中のひとつです。
使用する紙やインキ、印刷工程などで環境への配慮が求められており、「グリーン購入対応の印刷物」=環境負荷の少ない印刷物として位置づけられています。
企業の印刷発注との関係
企業の信頼や取引にも広がっている
グリーン購入法の対象は、国などの公的機関を中心としたものですが、企業や団体にとっても多くのメリットがあります。
近年では、一般企業でも「環境配慮調達方針」を定める動きが広がっています。
- CSR(企業の社会的責任)やSDGsへの取り組みとして、環境配慮を重視している
- 取引先や顧客からの信頼を得るために、環境対応を打ち出す
- サプライチェーン全体で環境対応を求めるようになっている
印刷物の発注においても、「価格」や「デザイン」だけでなく、「環境への配慮」が新しい判断基準となっています。
特に企業のプロモーションに関連するパンフレットやカタログは「企業の姿勢」を映す媒体でもあり、環境対応の印刷物を採用することは、社会的信頼を高める具体的なアクションのひとつです。
環境配慮型印刷に取り組むことで得られるメリット
企業がグリーン購入を実践することは、単に社会の流れに合わせるだけではなく、企業自身の価値を高める行動にもなります。
- 社会的責任(CSR)を果たせる
環境に配慮した印刷物を採用することで、企業としての責任を果たし、地域や社会への誠実な姿勢を示すことができます。 - ブランドイメージの向上
パンフレットなどのプロモーションツールで「環境にやさしい企業」という印象を発信することができ、顧客や取引先からの信頼や好感につながります。 - 社員の環境意識を高める
身近ところから環境配慮を取り入れることで、社員一人ひとりの環境意識が高まり、企業への愛着や誇りを育てることにもつながります。
グリーン購入法における印刷物の判断基準
「環境にやさしい印刷物」をどう判断するか? 5つのチェックポイント
印刷物をグリーン購入法に適合させるためには、主に次の5つの観点で環境への配慮が求められます。
以下は、国や自治体の調達基準をもとに、わかりやすく整理したものです。
- 印刷用紙が基準を満たしているか再生紙や森林認証紙など、環境負荷の少ない紙を使用しているか。古紙パルプ配合率などから算出した「総合評価値80以上」が目安です。具体的な用紙は環境省のホームページで確認できます。(印刷用紙に係る情報提供について|環境省)。
- リサイクル阻害要因がないか
多くの行政機関では、古紙のリサイクル適正ランクAが基本となっているため、それを目安にします。
(Aランク:紙、板紙へのリサイクルにおいて阻害にならない、Bランク:板紙へのリサイクルには阻害にならない、Cランク:紙、板紙へのリサイクルにおいて阻害になる、Dランク:微量の混入でも紙、板紙へのリサイクルが不可能になる) - 印刷物にリサイクル適性の表示があるか
「印刷用の紙にリサイクルできます」などの文言を記載します。 - 印刷工程において環境配慮の措置があるか印刷版のリサイクル、水なし印刷や湿し水循環システムの導入、輪転印刷のVOC処理装置の設置と適切な運転管理、オフセット印刷の損紙リサイクル80%以上など。各工程で、いずれかまたはすべてを満たすことが求められます。
- 事業者の環境マネジメント体制があるか
ISO14001などの環境マネジメントシステムの認証を取得しているか、環境報告書を公表しているか、またはグリーンプリンティング認定制度や環境推進工場認定制度による認定を受けているかを確認します。
グリーン購入法の基準値について
ちなみに、グリーン購入法の基準では「特定調達品目」の判断基準として、次のように設定されています。
| 基準値1 | 積極的に推進されるべきもの 支障や制約等がない場合において、高い環境性能の基準となる |
| 基準値2 | 最低限の基準となるもの |
| 配慮事項 | さらに配慮する事が望ましいとされる事項 |
印刷においては、基準値1は、上記すべての項目(1~5)を満たすこと、基準値2は上記1~4を満たすこととし最低限の基準としています。
よくある質問(FAQ)
一般企業で使用を制限されることはありません。
ただし、自治体や公的機関への納品・提案では「グリーン購入法適合品」が求められるケースがあります。
企業としても、将来的な取引やCSR対応を見据えて基準を意識しておくと安心です。
使用する紙やインクの種類によっては多少コストが上がる場合もあります。
しかし最近では、再生紙や森林認証紙など環境対応資材の流通が広がり、一般印刷との差がほとんどないケースも増えています。
「ISO14001認証」などを取得している会社は、環境対応の体制や実績が整っています。まずは「使用紙」や「印刷工程での環境配慮」について聞いてみることをおすすめします。
はい、可能です。持続可能な森林からの木材を原料とする認証紙(FSC認証紙など)を使用することで対応できます。種類や仕様によって条件が異なりますので、印刷会社に相談してみましょう。
最後に
実は、グリーン購入法では、事業者や国民に対してもこれを参考するように求めていますし、
現実として、いまや企業の印刷発注においても、環境配慮は大切な判断基準になっています。
この記事を読んで「難しそう」「面倒そう」と感じた方もいるかもしれません。
しかし、「グリーン購入法の基準値1をクリアしたい」と印刷会社に相談すれば、きっとすぐに対応してもらえるはずです。
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| 社名 | 株式会社ゼンリンプリンテックス |
| URL | https://zpx.co.jp/ |
| 設立 | 1947年 9月 |
| 事業所 | 東京、福岡、熊本 |
| 関係会社 | 株式会社ゼンリン、株式会社ゼンリンデータコム、株式会社ジオ技術研究所など 関係会社一覧 |

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