POINT
社史・記念誌の制作会社選びでは、Webサイトに記載されたサービス内容や制作実績だけでなく、実際に相談をしてみてその回答から判断することが大切です。質問への答え方には、その会社のノウハウ、伴走力、自社との相性、寄り添って考える姿勢が表れるからです。

記念誌制作の全体像については、【完全ガイド】記念誌の作り方|社史や年史との違い・目的・構成・発行まで解説もあわせてご覧ください。
【問題】制作会社の本当の実力はわかりにくい
社史・記念誌の制作会社を選ぶ際、多くの人がまず確認するのは、制作会社のWebサイトや過去の制作実績、制作された印刷見本です。もちろん、これらは制作会社のことを知るうえで重要な判断材料です。しかし、それだけで制作会社のノウハウや伴走力、自社への理解度まで判断することはできません。
①Webサイトの言葉だけではわからない
制作会社のWebサイトには、その会社のさまざまな強みが書かれています。
こうした情報は、制作会社の対応範囲や特徴を知るうえで参考になります。
しかし、きれいに作られたWebサイトや、それらしい説明を見ただけでは、実際の制作ノウハウや提案力までは判断しにくいものです。
例えば、「ブランディングに活用できます」と書かれていても、既存のブランド方針や採用方針、広報活動を踏まえてどのように考えてくれるのか。
「企画から対応できます」と書かれていても、自社の目的や課題に合わせて、どこまで具体的に考えてくれるのか。
そこまでは、Webサイトの言葉だけでは判断しにくいものです。
②制作実績だけではわからない
制作実績が多いことは、制作会社を選ぶうえで安心材料となります。過去にどのような社史・記念誌を制作してきたのか、どのような業種や規模の会社を担当してきたのかは、必ず確認しておきたい情報です。
しかし、実績が多い会社であっても、自社にとって最適なパートナーになってくれるかどうかは別問題です。
社史・記念誌は、企業ごとに予算、目的、読者、配布先、掲載内容、スケジュールなどが異なります。過去の事例や定番の構成をそのまま当てはめればよい、というものではありません。
大切なのは、過去の実績をもとにしながらも、目的や状況に合わせて自分達らしい社史・記念誌を考えてくれるかどうかです。
③完成物の見た目だけではわからない
過去に制作された社史・記念誌の実物を見ると、デザインや印刷の品質はある程度確認できます。
しかし、完成物の見た目だけでは、制作の途中でどのようなサポートがあったのか、本当に目的や課題に沿って設計されたのかまでは分かりません。
社史・記念誌の制作では、会社の歴史をどのように整理するのか、どの出来事を取り上げるのか、誰に取材するのか、古い資料や写真をどう扱うのか、社内確認をどのように進めるのかなど、途中で判断すべきことが多くあります。
原稿が集まらない、資料が不足している、社内確認が滞る、掲載内容の優先順位が決まらないといった問題が起こることもあります。
こうした場面で制作会社がどこまで一緒に考えてくれるのかは、完成した冊子の見た目だけでは分かりません。
【解決策】質問への回答から実力と相性を見極める
だからこそ、制作会社を選ぶ際は、Webサイトや実績、完成物の見た目だけで判断するのではなく、相談時に質問を投げかけ、その回答から社史・記念誌の知識やノウハウ、制作への姿勢、自社との相性を見きわめることが大切です。
制作会社の回答には、社史・記念誌づくりへのノウハウや理解度、制作に対する姿勢が表れます。
単に「企画から対応できます」「デザインが得意です」「印刷実績があります」などと自社の視点だけで答えるのか。
それとも、最適な社史・記念誌をつくるために、目的や読者、活用方法まで踏まえて、パートナーとして向き合おうとするのか。
この違いを見ることで、単に制作を請け負う会社なのか、知識やノウハウを持って自社に合った社史・記念誌づくりを一緒に考えられる会社なのか、自社との相性はどうかを判断しやすくなります。
次の章では、社史・記念誌の制作会社に確認したい具体的な質問例と、回答を見る際のポイントを紹介します。
【実践】制作会社への4つの質問と回答の見きわめ方
ここでは、社史・記念誌の制作会社に確認したい質問例と、その回答を見る際のポイントを紹介します。
すべてを聞く必要はありません。自社にとって特に確認しておきたいものを選び、相談時に質問してみてください。
質問1
社史・記念誌制作における、御社ならではの強みは何ですか?
この質問では、制作会社が自社の強みをどのように説明するかを確認します。
社史・記念誌の基礎知識をもとにした表面的な回答だけでなく、自分たちの社史・記念誌制作がどう変わるのか、制作の課題をどう解決できそうかをイメージしながら聞くことが大切です。
「デザインに自信があります」「実績が多数あります」といった回答だけの場合は注意が必要です。
これらは制作会社が自社の得意分野や実績を説明しているものにすぎず、依頼者が抱える目的や課題に対して、どのように役立つのかまでは分からないからです。
自社の強みを自分たちの視点だけで語る会社は、実際の制作に入ってからも、依頼者側の状況や課題より、自社の進め方や得意な方法を優先してしまうかもしれません。
回答で見極めるポイント
- あなたの何がどう変わるかが伝わるか。
- 社史・記念誌ならではの難しさを踏まえ、どのような姿勢・信念をもって、サポートしてくれるのか。
- 置かれた状況や課題をどのように理解し、解決しようとしているのか
!注意したい回答・NG回答例
- デザインが得意です
- 印刷までワンストップで対応できます
- 企画から周年イベント、ノベルティもお手伝い可能です
- 過去にも社史・記念誌を作った実績が多数あります
質問2
社史・記念誌をブランディングとしてどう活用できますか
この質問では、制作会社が「ブランディング」という言葉をうわべだけで使っていないかを確認します。
ブランディングという言葉は響きがよく、提案の場でも使いやすい言葉です。「相手にどう認識されたいかを設計し、その認識が積み上がるように一貫した価値を伝える活動」と言え、一貫したデザインや単にロゴを作るといったことだけではありません。
ブランディングという言葉は便利な一方で、具体的な意味や内容があいまいなまま使われることもあります。
「企業イメージが向上します」「会社らしさが伝わります」といった抽象的な回答ではなく、既存のブランドを理解し企業理念や採用方針、広報活動を踏まえて、社史・記念誌がどうあるべきか、その中で何をどう表現するのかまで説明できるかを確認しましょう。
回答で見極めるポイント
- なぜ、ブランディングの一環となるか、その根拠を答えることができるか
- 既存のブランド・採用・広報の方針、企業理念、周年事業の計画などを確認しようとするか
- 社史・記念誌だけでブランディングが完結しないことを前提にしているか
- 社内外の広報活動、採用活動、営業活動などとどのようにつながるかを説明できるか
!注意したい回答・NG回答例
- 社史・記念誌を作れば企業イメージが向上します
- インナーブランディングにも効果があります
- 会社の歴史を伝えること自体がブランディングになります
- 会社らしさが伝わるデザインにします
質問3
社史・記念誌制作では、まず何を決めるべきですか?
この質問では、制作会社が社史・記念誌づくりの出発点をどのように捉えているかを確認します。
ページ数、部数、サイズ、予算、納期などは、もちろん重要です。しかし、それらはあくまで制作を具体化するための条件です。最初に確認すべきなのは、社史・記念誌を通じて何を実現したいのかです。
回答で見極めるポイント
- ページ数や部数などの仕様の前に、目的や読者を確認しようとするか
- 社史・記念誌を通じて何を実現したいのかを整理しようとするか
- 目的に応じて、必要な内容や仕様が変わることを理解しているか
!注意したい回答・NG回答例
- まずページ数と部数を決めましょう
- 予算に合わせて仕様を決めましょう
- 原稿と写真がそろえば制作できます
質問4
掲載内容や構成はどのように決めるべきですか?
この質問では、制作会社が社史・記念誌の掲載内容や構成をどのように考えているかを確認します。
社史・記念誌には、代表あいさつ、沿革、年表、事業紹介、社員インタビュー、座談会、写真資料、寄稿、資料編など、よく使われる定番の構成があります。
定番の構成を知っていること自体は大切です。ただし、それをそのまま当てはめればよいわけではありません。
大切なのは、自社の目的や読者に合わせて、何を中心に伝えるのか、どの内容を厚くするのか、どの順番で見せるのかを考えることです。
回答で見極めるポイント
- 定番構成をそのまま当てはめるのではなく、自社に合った構成を考えられるか
- 沿革や年表だけでなく、会社らしさや価値観が伝わる内容を考えられるか
- 読み手が理解しやすい流れやストーリーを意識しているか
!注意したい回答・NG回答例
- 一般的にはこの構成ですので同じようにしましょう
- 原稿をいただければ、こちらでレイアウトします
- 他社の事例はこうです、これに沿ってつくりましょう
制作会社の回答を見るときに意識したいこと
ここまで、社史・記念誌の制作会社に確認したい質問例を紹介しました。
もっとも大切なことは、これらの質問に対して「正解」を答えられる会社を探すことではありません。
同じ「社史・記念誌を作る」という相談でも、目的は会社によって異なります。
周年記念として残したい、社員に会社の歩みを共有したい、採用や広報に活用したい、取引先や顧客に企業の信頼性を伝えたいなど様々です。
自社の目的に対して、どのように考え、どのように進め、どのような課題を想定しているのか。その説明があるかどうかを確認しましょう。
また、社史・記念誌制作では、途中で課題が出てくることも少なくありません。
原稿が集まらない、写真や資料が不足している、社内確認が滞る、関係者の意見がまとまらない、掲載内容の優先順位が決められない。
こうした場面で、ただ待っているだけなのか。
それとも、進め方や構成、取材、編集の工夫など一緒に考えてくれるのか。
この違いは、制作を進めるうえで大きな差になります。
制作会社の回答に対しては、実績や対応範囲だけでなく、社史・記念誌づくりに対する理解度、課題への向き合い方、自社に寄り添って考える姿勢も確認することが重要です。
もし、社史・記念誌の制作会社選びで迷ったら
特に、はじめて社史・記念誌を担当する場合は、次のような悩みを抱えやすくなります。
- どの制作会社に相談すればよいか分からない
- 何社かを比較検討したい
- とにかく失敗できない
ゼンリンプリンテックスでは、社史・記念誌の企画・構成から、取材、原稿作成、デザイン、印刷、製本まで一貫してご相談いただけます。
社史・記念誌の制作会社選びで迷っている方は、まずは目的や課題整理からお気軽にご相談ください。
まずはプロに無料で相談が近道です
| 社名 | 株式会社ゼンリンプリンテックス |
| URL | https://zpx.co.jp/ |
| 設立 | 1947年 9月 |
| 事業所 | 東京、福岡、熊本 |
| 関係会社 | 株式会社ゼンリン、株式会社ゼンリンデータコム、株式会社ゼンリンジオ技術研究所など 関係会社一覧 当社は、株式会社ゼンリン(東京証券取引所プライム市場)のグループ会社です |
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このお役立ち記事は、ゼンリンプリンテックスがこれまでに手掛けた記念誌制作・印刷の知見に基づいて執筆しました。



















