BtoBマーケティングは「設計」と「施策」で整理すると分かりやすい
BtoBマーケティングは「設計」と「施策」で整理すると理解しやすくなります。
設計では「どの企業にどうアプローチするか」を整理し、施策では「何をどのチャネルで届けるか」を設計します。
BtoBマーケティングでは、コンテンツを作っているのに成果につながらないケースが少なくありません。
その原因の多くは、コンテンツそのものではなく、
「誰に・どの段階で・どのような情報を届けるか」
というマーケティングの設計が整理されていないことにあります。
BtoBマーケティングでは、次の2つに整理すると理解しやすくなります。
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| 設計 | 誰に、どのようにアプローチするかを決める |
| 施策 | 何を・どこで・いつ届けるかを決める |
まずはマーケティングの設計を整理し、そのうえで施策を考えることが重要です。
BtoBマーケティングの特徴
BtoB企業では、ひとつの施策だけですぐに契約に結びつくことは多くありません。
その理由は、取引の規模が大きく、顧客の意思決定プロセスが複雑だからです。
そのため、顧客との接点を積み重ねながら、段階的に購買プロセスを前に進めていく必要があります。
重要なのは、「誰に」「どの段階で」「何を」「どのチャネルで届けるか」について、マーケティング全体から整理することです。
BtoB取引の特徴(BtoCとの違い)
BtoB取引には、BtoCとは異なる特徴があります。
この違いを理解すると、なぜBtoBマーケでは設計が重要なのかが見えてきます。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 検討期間が長い | 情報収集から契約まで数か月以上かかることがある |
| 関係者が複数存在する | 担当者だけでなく、決裁者、関係部署が関わる |
| 合理的な判断が重視される | 機能、費用対効果、導入実績などをもとに比較される |
| 社内の合意が必要になる | 稟議や社内説明を経て意思決定される |
| 信頼関係が重要になる | 企業としての信頼性が求められる |
このようにBtoBでは、顧客個人の関心だけで購買が決まるわけではありません。
BtoBの意思決定プロセス
BtoBの購買行動では、顧客は段階的に意思決定を進めます。マーケティング施策の役割は、この段階を前に進めることです。
| 顧客の段階 | 顧客の状態/行動 |
|---|---|
| 課題の認識 | 課題を認識、問題を特定する |
| 情報収集 | 解決策を探す |
| 解決策の理解 | 解決方法やサービス内容を理解する |
| 比較・検討 | 複数のサービスや企業を比較する |
| 商談 | 提供価値、信頼性を確認する |
| 決裁・契約 | 社内で検討し判断する |
ここで重要なのは、顧客の段階によって必要な情報が変わることです。
例えば次の通りです。
- 課題認識~情報収集:ノウハウ系など課題を整理するコンテンツ
- 比較検討:導入事例や比較資料
つまりBtoBマーケティングでは、同じコンテンツを全員に届けるのではなく、顧客の段階に応じて情報を出し分ける必要があります。

まずは「どの企業にどうアプローチするか」の整理が必要
ここまで見てきたように、BtoBマーケティングでは顧客ごとに価値や検討段階が異なる、必要な情報や接点も異なるという特徴があります。そのため、すべての企業に同じ施策を行っても、効率よく成果を出すことはできません。
また、自社のリソースをどこに集中させるかという問題もあります。
BtoBマーケティングでは、設計(Tier・ABM・スコアリング) → 施策(チャネル・コンテンツ)という流れで、まずは次のような「設計」について整理するようにします。
- どのような企業に重点的に投資するか
- どのような企業にどこまで対応するか
- どのタイミングで営業や施策を動かすか
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BtoBマーケティングの「設計」
Tier・ABM・スコアリング
前述のとおり、BtoBマーケティングでは、すべての企業に同じ施策を行うのは効率的ではありません。
企業によって取引価値(規模・LTVなど)や導入可能性が大きく異なるためです。
そこで、次の3つの考え方を使ってマーケティングの設計を整理します。
| 役割 | |
|---|---|
| Tier | どの企業が重要かを整理する |
| ABM | 重要企業をどう攻略するかを整理する |
| スコアリング | 顧客の検討度を整理する |
Tier:顧客企業の重要度を整理する
Tierは階層・ランクを意味する英単語です。聞いたことがある人は多いと思いのではないでしょうか。
ここでは、顧客企業を重要度で分類することを指します。
BtoBでは、企業ごとの取引規模や将来的なLTV(顧客生涯価値)が異なるため、すべての企業に同じ施策を行うとリソースが分散してしまいます。
そのため、次のように、企業を重要度で分類し、どの企業にリソースを集中させるかを決めます。
- Tier1:最重要顧客(高い取引価値が期待できる企業)
- Tier2:準重要顧客(一定の取引の可能性がある企業)
- Tier3:潜在顧客(既存顧客と類似する広範なターゲット、ホワイトスペース)
ABM:重要企業への個別アプローチ
ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)は、特定の企業(アカウント)をあらかじめターゲットとして絞り込み、その企業に最適化されたアプローチを行う手法です。
例えばTier1に分類した企業など、将来的な取引価値が高い企業に対して、営業とマーケティングが連携して関係構築を進めます。1件の案件を追いかける短期的な取り組みではなく、組織と組織の関係を構築していくという継続的な活動を重要視します。
スコアリング:顧客の検討度を判断する
スコアリングとは、顧客の行動データをもとに検討段階などを判断するものです。
主にMA(マーケティングオートメーション)などのツールで活用されています。
例えば、Webサイトに訪問し記事を読んだ、資料をダウンロードした、サービスページを閲覧した、価格ページを閲覧したなどの行動から、顧客の関心度を整理し、アプローチのタイミングを判断します。
BtoBマーケティングの「施策」
チャネルとコンテンツ
Tier・ABM・スコアリングによって、マーケティングの設計が整理できたら、次に考えるのが具体的な施策です。
施策は、次の2つの要素で整理すると理解しやすくなります。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| チャネル | 情報を届ける接点 |
| コンテンツ | 顧客に提供する情報 |
例えば、同じ導入事例というコンテンツでも、Web記事として公開する、ホワイトペーパーとしてダウンロード提供する、事例冊子として配布する、ウェビナーで紹介するなどの方法が考えられます。
BtoBにおける主なチャネル
代表的なチャネルには次のようなものがあります。
- Web広告(検索広告・SNS広告)
- コンテンツマーケティング(記事、ホワイトペーパー、事例、動画)
- メール
- セミナー/ウェビナー
- 展示会・イベント
- 営業活動
重要なのは、これらを単独で考えないことです。
BtoBでは、顧客の意思決定プロセスに合わせて、複数のチャネルを組み合わせることが一般的です。
例えば、記事で課題を認識してもらい、ホワイトペーパーで理解を深め、セミナーや営業で比較・検討を進め、必要に応じてカタログや事例冊子で社内共有を支援します。
BtoBの代表的なコンテンツ
BtoBマーケティングでは、顧客の検討段階によって最適なコンテンツが変わります。
| 顧客の段階 | 主なコンテンツ |
|---|---|
| 課題の認識 | 記事コンテンツ、調査レポート |
| 情報収集 | 記事コンテンツ |
| 解決策の理解 | 記事コンテンツ、ホワイトペーパー、セミナー |
| 比較・検討 | サービス資料、導入事例、比較資料 |
| 商談 | 提案資料、カタログ |
| 決裁・契約 | サービス資料、稟議用資料 |
このように、顧客の段階に合わせてコンテンツを用意することで、意思決定を前に進めやすくなります。
BtoBマーケティングにおける印刷物の役割
このようなコンテンツの中で、特に印刷物は次のような役割を果たします。
- 理解を深める資料
- 社内共有用の資料
- 意思決定を進める資料
BtoBの意思決定では、まずは担当者に理解してもらうことが先決ですが、それだけでなく複数の関係者が関わるため、情報を社内で共有できる資料が重要になります。
そのため、印刷物は次のような場面で活用されています。
- 展示会での配布資料
- 商談時の説明資料
- 社内共有用の資料
- 稟議資料
BtoBでは複数の関係者が意思決定に関わるため、担当者が社内で説明できる資料が必要になります。
そのため、カタログや事例冊子などの印刷物は、商談後の社内検討や稟議を進めるためのコンテンツとして活用されることが多いのです。
FAQ
BtoBマーケティングとは、企業が企業に対して商品やサービスを提供する際のマーケティング活動のことです。BtoCと比べて意思決定に関わる関係者が多く、検討期間が長いことが特徴です。そのため、単発の施策ではなく、顧客の検討プロセスに合わせて情報提供や接点を積み重ねていくことが重要になります。
BtoBマーケティングでは、企業ごとに取引規模や導入可能性、検討段階が異なります。そのため、すべての企業に同じ施策を行っても効率的に成果を出すことはできません。どの企業に重点的にアプローチするのか、どのタイミングで営業や施策を動かすのかを整理することが重要です。
BtoBマーケティングでは、カタログや事例冊子などの印刷物は、社内共有や意思決定を支援する資料として活用されることが多くあります。BtoBの購買では複数の関係者が関わるため、担当者が社内で説明したり回覧したりできる資料が重要になります。印刷物は商談後の社内検討や稟議の場面で役立つコンテンツです。
記事、ホワイトペーパー、セミナー、導入事例、サービス資料、カタログ、提案資料
などが代表的なコンテンツです。顧客の検討段階に合わせて、適切なコンテンツを提供することが重要です。
BtoBマーケティングは、必ずしも専門のマーケティング担当者がいなければ取り組めないものではありません。
また、マーケティングにはさまざまな考え方や手法があり、必ずしも一つの正解があるわけではありません。
重要なのは、試しながら改善を重ねていくことです。難しく考えすぎる必要はありません。誰にアプローチするのか、顧客の検討段階はどこなのか、どのコンテンツをどのチャネルで届けるのかといった基本的な整理から始めてみましょう。
まとめ:BtoBマーケは「設計」と「施策」で整理する
BtoBマーケティングでは、コンテンツや施策を増やすこと自体が目的ではありません。
重要なのは、誰に・どの段階で・どのような情報を届けるかを整理し、マーケティング全体を設計することです。
BtoBの購買では、意思決定までの期間が長く、複数の関係者が関わります。
そのため、単発の施策ではなく、顧客の検討プロセスに合わせて接点を積み重ねていく必要があります。
この記事では、BtoBマーケティングを次の2つの視点で整理しました。
設計(誰にどうアプローチするか)
- Tier(企業の重要度)
- ABM(企業ごとのアプローチ)
- スコアリング(検討度)
施策(何をどこで届けるか)
- チャネル:Web、セミナー、営業、展示会などの接点
- コンテンツ:記事、ホワイトペーパー、事例、資料などの情報
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本記事は、パンフレット制作の経験が豊富なスタッフ、デザイナーのノウハウをもとに執筆しました。
| 社名 | 株式会社ゼンリンプリンテックス |
| URL | https://zpx.co.jp/ |
| 設立 | 1947年 9月 |
| 事業所 | 東京、福岡、熊本 |
| 関係会社 | 株式会社ゼンリン、株式会社ゼンリンデータコム、株式会社ジオ技術研究所など 関係会社一覧 |



















