サービス紹介パンフレットの作り方｜デザインや作成手順などポイントを解説

サービス紹介パンフレットとは？商品案内パンフレットとの違い

まず、商品案内パンフレットは、「モノ（商品）」を紹介するパンフレットです。
実物の写真を用いて使用シーンをイメージさせたり、商品の詳細な情報を伝えます。
一方で、サービス紹介パンフレットは、無形のサービスを紹介するパンフレットです。
サービスには「実物」が存在しないため、機能やメリットを可視化し、顧客に具体的なイメージを持ってもらうことが重要になります。

よくある質問：パンフレットとカタログは違う？

パンフレットもカタログも同じような意味合いの言葉として使用されていますが、両者に違いはあるのでしょうか。
カタログは「商品などを並べて一覧性を持たせ、それぞれの違いをわかりやすくしたたもの」、パンフレットは「ターゲットの興味や深い理解を得るように作られたもの」とイメージしてください。
実は、パンフレットの定義としては「表紙を除き5ページから48ページまでのもの」などとされることもあります。
しかし、このような呼称にとらわれることなく、目的に応じたものを作成することが大切です。

サービス紹介パンフレットで押さえるべき5つのポイント

①パンフレットの目的や役割を明確にする

先に紹介したように、サービス紹介には様々な方法があるため、一見するとパンフレットは不要に思えるかもしれません。
しかし、営業プロセスの中で他のツールと組み合わせながら適切に活用すれば、欠かせない存在となることも多々あります。
Webサイトや動画が興味を引き、展示会が直接対話する機会を生み出す一方で、サービス紹介パンフレットは「手元に残る営業ツール」として、顧客がじっくり検討する際の重要な資料となります。
また、商談時の説明補助や、社内の決裁者への共有ツールとしても有効です。

営業プロセスにおいて最適なタイミングと方法で活用すれば、サービス紹介パンフレットは単なる営業補助ツールではなく、顧客の意思決定を後押しする不可欠な存在となるのです。
逆に、営業プロセスの中で適切な活用の場がなければ、単なる資料にすぎず、本来の効果を十分に発揮できないとも言えます。

例）サービス紹介パンフレットの目的

• 営業活動を支援する：商談や展示会での説明補助、持ち帰り資料として活用
• 顧客の意思決定をサポートする：導入のメリットや比較情報を提供し、社内稟議を円滑にする
• ブランドの認知：新しいサービスを広く知らせる

例）サービス紹介パンフレットの役割

• 営業プロセス、初期接点でのアプローチツール
  展示会や営業訪問で配布し、サービスの概要を伝え、興味を引く
• 比較検討時の情報提供ツール
  競合他社と比較する際に、導入メリットを明確にし、選ばれる理由を示す
• 意思決定時のサポートツール
  顧客が社内の決裁者に提案する際の資料として活用され、スムーズな導入につなげる

②パンフレットのターゲットを明確にする

より効果的なサービス紹介パンフレットを作成するためには、ターゲットの明確化が重要です。

BtoBのサービス紹介パンフレットを例に挙げて考えてみましょう。
会社における役割（意思決定プロセスの観点）から考えると、経営層・決裁者、購買部門・調達担当者、現場担当者などのターゲット層が想定されます。
さらに、顧客の業界や抱えている課題によって関心ごとや求める情報が異なるため、それらの要素を踏まえたターゲット設計も考えられます。
このように「会社における役割」×「業種」×「ニーズ（課題）」という視点でターゲットを設定すれば、それに応じて伝えるべき情報やデザインを最適化できるようになり、効果的なサービス紹介パンフレットにまた一歩近づくことができます。

顧客の検討段階も考慮する

初めて訪れる企業のWebサイトで、記載された内容すべてを細かく読み込むことは少ないのではないでしょうか。
多くの人は、興味を持った部分だけを拾い読みする傾向があります。
パンフレットも同様に、すべての内容が細かく読まれるとは限りません。
そのため、営業プロセスのどの段階でパンフレットを活用するかを考え、それに適した情報設計を行うことが重要です。
例えば、比較検討段階の顧客には、サービスの詳細や導入メリットを具体的に記載し、意思決定をサポートする内容が求められます。一方で、展示会など初回接点で配布するパンフレットでは、「このサービスが解決できる課題」を端的に示し、興味を引くことを優先するのが効果的でしょう。
営業の各フェーズに応じて、パンフレットの役割を最適化することで、顧客にサービスの魅力をより効果的に伝えることができます。
ですから、サービス紹介パンフレットの制作を広報や販促担当の方に任せきりというのはおすすめできません。
パンフレットを実際に使用する人の意見や経験を反映させるようにすると良いでしょう。

③何を解決できるのか、すぐにわかるようにする

サービス紹介パンフレットの効果を最大化するには、顧客が「このサービスで自社の課題が解決できる」と直感的に理解できることも重要です。前述の通り、多くの読者はパンフレットのすべての情報を細かく読むわけではないため、やはり端的に要点を伝える工夫が必要です。
顧客は「このサービスが自分に関係がある」と直感的に理解できると、さらに詳しく知りたいと思うようになります。
その際、単にサービスの特徴を羅列するのではなく、「どんな問題を解決できるのか」を明確に示すことで、顧客の関心を引き、より深く検討するきっかけを作ることができます。

④どのような行動を起こして欲しいかを明示する

サービス紹介パンフレットは、単なる情報提供ツールではなく、顧客に具体的なアクションを促すことを目的とすることが多いです。そのため、読んだ後に「次に何をすればよいのか」が直感的に伝わるように設計することも重要です。

例えば、資料請求を促したい場合は、資料請求フォームへ直接アクセスできるQRコードを掲載する、電話での問い合わせを促したい場合は、目立つ位置に電話番号を配置し、すぐに連絡できるようにするなど、次のステップへの障壁を取り除く工夫が必要です。また、顧客が行動することで得られるベネフィットを伝えることも、次のアクションへとつなげるために効果的です。

⑤競合との違いを明確に示す

市場に類似サービスが存在する場合、自社のサービスが競合とどう違うのかを明確に伝えることが重要です。
そのために、USP（ユニーク・セリング・プロポジション）＝独自の売りや強みをパンフレットにしっかり記載しましょう。
機能、サポート体制などで「他社と何が違うのか」を具体的に示し、顧客に「なぜこのサービスを選ぶべきなのか」を明確に伝えることが大切です。
また、その際は、顧客の視点で考えることが重要です。
自社が強みだと思っていることが、本当に顧客にとって魅力的かどうかを見直すことで、より効果的なアピールができます。
自社にとって当たり前と思っていることが、実は競合にはない大きな強みである可能性もあります。

さらに効果的な工夫とは

目に見えないサービスだからこそ、心理的・視覚的なアプローチを工夫することで、より伝わりやすく、魅力的に訴求できます。

そのサービスでお客様はどう変わるかを伝える

サービス紹介パンフレットでは、単に機能や仕組み、メリットを説明するのではなく、顧客がサービスを利用した後の未来をイメージできるようにすることも大切です。

「このサービスを利用すると、あなた（顧客）はどうなるのか？」
「あなたが手に入れられるものは何か？」
「あなたに、どのような未来が待っているのか？」

こうした視点を提示することで、顧客の期待感を高め、より強い関心を引き出すことができます。
例えば、「このシステムを導入すると、作業時間が1時間削減できます」という説明では、メリットは伝わるものの、実際の効果が実感しにくいでしょう。
しかし、「このシステムを導入すれば、毎日の煩雑な業務から解放され、本来の業務に集中できる時間が1時間増えます」と伝えることで、顧客自身がサービスを利用した後の具体的な変化を想像しやすくなります。
機能の優位性を伝えるだけでなく、顧客の未来の姿を描くことが、より強い興味を引き、購買意欲を高めるポイントです。

ストーリーで伝える

データやスペックだけでは伝わらない感情的なつながりを生み、顧客とのエンゲージメントを高めるために、ストーリーを活用することは非常に有効です。
例えば、以下のようなストーリーを盛り込むことで、共感を呼び、サービスの価値をより深く伝えることができます。

• なぜこのサービスを開発したのか（誕生の背景や開発者の想い）
• サービス開発の裏側にある情熱や努力、試行錯誤（どのような課題を乗り越えてきたのか）
• サービスによって課題が解決された顧客の変化（実際の導入事例や成功体験）

これはPR活動でもよく用いられる手法です。
こうした具体的で共感できるエピソードを伝えることで、単なる情報提供ではなく、「記憶に残るサービス紹介」が実現できます。ストーリーを通じて、顧客はサービスに対する興味や信頼を深め、「このサービスを使ってみたい」と感じるきっかけを得るのです。

デザインで魅せる：視覚的な訴求力を高める

サービス紹介パンフレットのデザインは、シンプルで分かりやすく設計することが重要です。
シンプルなデザインは、読者の負担を軽減し、必要な情報をスムーズに理解できるようにするために不可欠です。
複雑な情報を整理し、視覚的に訴求力の高いデザインを心がけることで、パンフレットはより効果的なコミュニケーションツールになります。

画像・イラスト・図表を活用

適切な画像やイラスト、図表を活用することで、視覚的に分かりやすく伝えることができます。
文章だけでは伝わりにくい概念やプロセスを、フローチャートやアイコンを使って表現することで理解度が向上します。

フォント・カラー・レイアウトの統一

フォントやカラー、レイアウトはパンフレットの印象を大きく左右する要素です。
例えば、企業のブランドイメージに合ったデザインを採用することで、パンフレットは企業の「顔」としての役割を果たします。

視線の流れに沿ったレイアウトを意識する

読者の視線の流れに沿って整理することで、情報が直感的に伝わりやすくなります。
例えば、次のような流れが考えられます。

1. キャッチコピーで興味を引く（一番最初に目に入る場所に配置）
2. メリット・解決策を簡潔に伝える（最初に概要を示し、興味を持たせる）
3. 詳細情報・特徴を整理する（適切な区分でブロックごとにまとめる）

サービス紹介パンフレットの作成手順とポイント

ステップ1:目的とターゲットを明確にする

サービス紹介パンフレットを作成する際に、最初に行うべきことは「目的」と「ターゲット」を明確にすることです。
この段階を疎かにするとターゲットに響きにくくなる可能性があります。

ステップ2:掲載内容を整理する（構成を決める）

サービス紹介パンフレットを効果的に作成するためには、伝えるべき情報を整理し、読み手が理解しやすい構成を考えることが重要です。
どのような流れで情報を提示すれば、サービスの価値が正しく伝わるのかを意識しながら、構成を組み立てる必要があります。

ステップ3:キャッチコピーを考える（読者の興味を引く）

サービス紹介パンフレットでは、ターゲットが最初に目にするキャッチコピーを磨き上げなければなりません。
パンフレットを手に取った瞬間に「これは自分に関係がある」と思わせなければ、最後まで読んでもらえない可能性が高くなります。そのため、サービスの強みを一言で表し、ターゲットの興味を引くコピーを考えることが必要です。
多くの場合、キャッチコピーは、パンフレットの表紙や最初のページに目立つ形で配置します。
ターゲットの課題を明確にし、サービスの魅力を端的に伝えることも忘れてはなりません。
シンプルで分かりやすい言葉を選び、顧客が「これは自分に必要なサービスだ」と直感的に意識するようにします。

ステップ4:デザインを制作する

サービス紹介パンフレットは、ただ情報を詰め込むだけではなく、視覚的に整理されたデザインとレイアウトによって、伝えたい内容がスムーズに理解できるようにします。
適切なデザインであれば、パンフレットを手に取った人が興味を持ち、読み進めやすくなります。
また、見やすさや分かりやすさは、サービスへの信頼感にもつながります。

デザインの依頼先は、専門のデザイン制作会社や印刷会社、広告代理店などがあります。
印刷会社に依頼する場合は、その印刷会社にデザイン部門がある会社をおすすめします。
デザイン知識と印刷知識の両方を持っていることは、印刷物をつくる上で大きなメリットだからです。

ステップ5:校正（デザイン、文字、印刷の色）

デザイン・レイアウト、文章の誤字脱字、実際に印刷した際の色など、関係者間で確認するために校正を行います。
なお、印刷物の色確認は「色校正」と呼ばれ、簡易的なものから、実際の印刷機・印刷用紙で刷るものまであります。

ステップ6:印刷・製本、表紙の加工など（印刷会社）

内容の確認がすべて完了したら、いよいよ印刷工程に進みます。
せっかく時間と労力をかけて作成したデザインが、印刷の仕上がりによって残念なものにならないよう、印刷会社の選定は慎重に行います。
高品質な印刷を求める場合は、印刷会社の実績やこだわりを確認し、品質を重視する会社を選ぶようにしましょう。
印刷コストを抑えるために、多くの案件をまとめて印刷することがあります。
これは比較的安価で印刷できるメリットがありますが、その一方で、色の仕上がりが想定と異なる場合があるため注意が必要です。
印刷に関するトラブルを防ぎ、仕上がりのクオリティを確保するためには、パンフレット制作の初期段階で印刷会社に相談することをおすすめします。印刷用紙や加工の選択肢が広がり、デザインとの整合性も確保しやすくなります。

サービス紹介パンフレットの活用方法

サービス紹介パンフレットは、直接手渡しや郵送、イベントでの配布、デジタル配布など、さまざまな方法で活用できます。
パンフレットの目的、ターゲット層、予算を考慮し、最適な配布方法を選びましょう。

商談などで顧客に手渡しする

顧客に直接パンフレットを手渡すことは、内容を説明しながら相手に届けることができるため非常に効果的です。
ただし、配布範囲が限定される点がデメリットです。

見込み顧客などに送付する

遠方の顧客や見込み顧客に対してサービス紹介パンフレットを送付することで、広範囲にパンフレットを届けることができます。直接顧客とパンフレットを見ながら話ができるわけではないので、次の行動を喚起することが大切です。

イベントで配布する

展示会やセミナーなどのイベントで多くの顧客に配布できます。
イベントの規模やターゲット層によって、配布効果が変わるため、事前にイベントの特性を把握することも大切です。

ウェブサイトに設置する

ウェブサイトにパンフレットを設置することで、顧客はいつでもアクセスできるようになります。
PDFとして表示しそれをダウンロードできるようことができますが、この時にぜひ検討いただきたいのが、eBook(デジタルブック)です。
eBookは、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスで閲覧できるデジタルコンテンツです。
特徴的なのは、Web上でまるで紙媒体を読んでいるかのようにページをめくるような感覚で利用できる点です。
紙の商品パンフレットと同じ感覚で閲覧しつつも、デジタルならではの機能があり、拡大・縮小、検索、ページ印刷といった操作が可能です。また、動画を埋め込むこともできるため大変便利です。

まとめ

本記事では、サービス紹介パンフレットの役割、構成のポイント、作成手順、活用方法について解説しました。
サービス紹介パンフレットは、単なる資料ではなく、顧客とのコミュニケーションの第一歩となるものです。
パンフレットを手に取った顧客が、サービスの価値を直感的に理解し、「これは自分に必要なものだ」と感じることができれば、次のアクションへとつながります。
また、パンフレットは作成して終わりではなく、常に改善を続けることが大切です。
顧客に選ばれるサービス紹介パンフレットを作成し、継続的な関係構築につなげていきましょう。

とは言っても、実際にサービス紹介パンフレットを作ろうとすると、わからないことや迷うことも多いのが現実です。
そのような時は、早めに専門の会社に相談することが成功の鍵となります。

この記事がサービス紹介パンフレット制作のお役に立てば幸いです。

＼ゼンリンプリンテックスはパンフレット作成が得意です／

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