この記事では、BtoB企業のプロモーションとそれを支援するツールとしてのBtoBホームページについて説明します。ホームページをリニューアルする際に重要なポイントを知りたいBtoB企業の方々におすすめの記事です。
- BtoB企業にお勤めの方
- BtoBのプロモーションについて知りたい方
- BtoB企業のホームページについて知りたい方
プロモーションの基礎知識
マーケティングにおいて「プロモーション」は、商品をどうやって認識させ購買に導くかという、企業(組織)と顧客や消費者間の総合的なコミュニケーションのことを指すマーケティング4P※のひとつとされます。
プロモーションは、「広告」「販売促進(セールスプロモーション)」「人的販売」「PR(パブリックリレーションズ)」の大きく4つに分類されます。ビジネスの場では、「販売促進(セールスプロモーション)」を指してプロモーションと言う場合が多いでしょう。
※マーケティング4Pとは、①Product(商品戦略):どんな商品・サービスを、②Price(価格戦略):いくらで、③Place(流通戦略):どこで、どのような手段で、④Promotion(販促戦略):商品・サービスをどのように伝えるかという、4つのマーケティング要素を組み合わせて考えるフレームワークです。
プロモーションのおすすめ記事
BtoBとBtoCプロモーション
BtoB(B2B)プロモーションとは
BtoBとはBusiness to Businessのことで、BtoBプロモーションは、企業間取引を促進するマーケティング活動の一つです。このアプローチは、企業が他の企業に製品やサービスを提供する際に使用されます。
※BtoBはB2Bと表記されることもあります。
BtoBプロモーションの目的は、潜在的なビジネスパートナーや顧客に対して自社の価値を伝え、製品やサービスの購入、またはビジネス関係の構築を促すことにあります。
BtoC(B2C)プロモーションとは
一方でBtoCは、Business to Consumerを略したものです。BtoCプロモーションは、企業から一般の消費者向けのマーケティング活動を指します。
※BtoCはB2Cと表記することもあります
BtoCプロモーションでは、一般消費者をターゲットにしており、商品の魅力を最大限に伝えることで、ブランド認知度の向上、顧客基盤の拡大、そして最終的には売上の増加を目指します。BtoCプロモーションは日常的に私たちの周りで見ることができ、テレビCM、ソーシャルメディア、ネット通販など、様々な形態で消費者の注意を引きつけています。
BtoB取引とBtoC取引の違い
BtoBとBtoC取引では、ターゲットとなる顧客層が異なるため、そのプロモーション戦略にも違いがあります。
ここでは、それぞれの特徴について説明します。
BtoB取引の特徴
BtoB取引の主な特徴には次のようなものがあります。
顧客と購買プロセス
BtoB取引では企業や団体などが顧客となりますが、一つの購買決定に多くの関係者が関与することが一般的です。これには管理職、技術スタッフ、財務部門、購買部門などの異なる部署の人々が関与します。各関係者の合意を得るためには、ミーティングやプレゼンテーション、承認プロセスを経る必要があり、その結果、検討期間が長くなる傾向があります。
また、顧客は課題やそれに関する知識、解決策となる製品・サービス、価格、サポート等の包括的な情報を求めます。
顧客心理
BtoB取引の場合、取引価格が高くなる場合も多いため、製品やサービスの機能性、コストパフォーマンスなど合理的な意思決定に向けた情報や、顧客の課題解決に役に立つ情報の提供を求めるでしょう。
また、一度の取引よりも長期的なビジネス関係の構築が重視されるため、信頼性、品質、長期的なコスト効率、継続的なサポートなどが評価されます。
BtoC取引の特徴
次にBtoC取引の主な特徴を見てみましょう。
顧客と購買プロセス
BtoC取引では、一般消費者が製品やサービスの提供を受けます。これには、多様な顧客ニーズや好みに対応する必要性が伴います。購買決定には感情的な要素が大きく影響することがあり、消費者は即時に欲求を満たすため購入を決定することもあります。購入決定は個人レベルで行われ、企業や組織の決定プロセスよりもはるかにシンプルです。
顧客心理
BtoC取引では、ブランドのイメージや感情的な魅力が購買決定に大きく影響します。消費者は自分のアイデンティティや価値観に合致する製品を好む傾向があります。消費者はメッセージやプロモーションによって、「衝動買い」として計画外の購入を行うこともあります。
BtoBとBtoCの違い一覧
BtoC | BtoB | |
---|---|---|
顧客 | 一般消費者(個人) | 企業や団体 |
購買に関与する人 | 少ない(基本は個人) | 多い(稟議決裁が必要な場合が多い) |
検討プロセスと検討期間 | 短い | 複雑で長い |
購買価格 | 単価が安い | 単価が高い |
購買心理 | 心情・衝動的行動が影響 | 合理的な意思決定を行いたい 信頼・品質・長期的コスト効率・継続的サポートを望む |
BtoBプロモーションでは信頼感を大事に
このように、BtoB取引では購買までの検討プロセスが長く、複雑であり、合理的な意思決定が求められます。そのため、新たな企業との取引を開始しようとする際には、これらの特性を踏まえたアプローチが必要です。また、新規顧客の獲得には多大な労力が必要であり、獲得した顧客と長期にわたって取引を継続することが、BtoB企業にとっての重要な課題の一つです。この状況下で、企業活動やBtoB企業のプロモーションにおいては、認知度と信頼の構築が非常に重要になります。
BtoB企業の戦略の例
例えば、BtoB取引におけるマーケティングでは、見込み顧客を獲得し、自社や製品・サービスへの興味・関心を高めると同時に、見込み顧客を育成する戦略が採用されます。単に製品やサービスを売り込むだけでなく、顧客企業に必要な情報や役立つ情報を提供することで、認知と信頼を獲得するマーケティング戦略が重要です。
このようなマーケティング戦略を中心に据えたプロモーションを展開する際は、戦略を十分に理解した上で実施することが前提となります。信頼は短期間で得られるものではなく、長期的な視点で取り組む必要があります。しかしながら、この戦略を単なる短期的な施策と見誤ると、数年後に「思ったような結果につながらない」という理由で諦めてしまう企業が少なくありません。これは、マーケティング戦略を担当者や担当部署のみならず、企業全体の戦略の一環として捉えることの重要性を示しています。
なお、このような取り組みは、リードジェネレーションやリードナーチャリングとも呼ばれます。
リードジェネレーションとリードナーチャリング
リードジェネレーションやリードナーチャリングという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
知らない、意味は良くわからないという方でも、実は知らないうちにリードジェネレーションやリードナーチャリングを行っていることもあります。
リードジェネレーション
リードジェネレーション(Lead Generation)は、見込み顧客(=リード)を獲得するための取り組みのことです。
えば、ホームページ、SNS、Web広告、展示会などを通じて、将来自社の顧客となりうる見込み顧客を獲得します。
リードナーチャリング
リードナーチャリング(Lead Nurturing)は、新規で獲得した見込み顧客と継続的なコミュニケーションを取り、自社に対する信頼を高めて、製品・サービスの検討段階を上げていくことです。顧客育成とも呼ばれ、顧客の検討期間を通じて、ホワイトペーパー・メールマガジン・セミナーなどによってコミュニケーションを取り続け、自社の信頼を高めながら、いよいよ購入するとなった時に自社を選んでもらうための施策です。
これらの活動にリードクオリフィケーション(見込み顧客の絞り込み)を組み合わせると、これらは一般に「デマンドジェネレーション(営業案件の創出)」と呼ばれます。リードジェネレーションにより獲得した見込み顧客をリードナーチャリングによって育成し、リードクオリフィケーションで見込み顧客をスコアリングするなどして絞り込みを行います。BtoB企業のマーケティングで見られる手法です。
BtoBプロモーションコンテンツ-オウンドメディア
前項のような顧客との信頼を高めるためのマーケティング戦略においては、様々なコンテンツを使用することになりますが、自社にあったもの、効果が出るものを選択する必要があります。
こここでは、BtoB企業のコンテンツや施策として代表的なものからいくつかオウンドメディアとペイドメディアに分けて紹介します。
広義において、オウンドメディアは企業が独自に運用するメディア全般を指します。
企業のウェブサイト(ホームページ等)、SNS、カタログ、パンフレット(会社案内など)、広報誌などがそれにあたります。最近では、企業ブログなど情報発信を目的とするメディアも、狭義のオウンドメディアとして分類されることが増えています。
広告費を支払って掲載するメディアのことで、リスティング広告(検索連動広告)やディスプレイ広告などがあります。
上記のオウンドメディア・ペイドメディアに、「アーンドメディア」を加えてトリプルメディアと言います。
アーンドメディアには、クチコミサイトやレビューサイトなどがあり、その特徴は、企業が直接コントロールできないことです。
では、ここからはオウンドメディアのひとつ、BtoB企業のホームページについて、さらに掘り下げていきます。
BtoB企業のホームページ
企業ホームページが必須とされる時代
現代では、企業ホームページの保有は必須とされる時代になりました。
自社ホームページを開設している企業の割合は91.8%に達しています。特に、従業員数が1000人以上の大企業では、ほぼ100%が自社のホームページを保有しています。
しかし、すべての企業がホームページを持っているとはいえ、その全てが見込み顧客獲得(リードジェネレーション)などの明確な目的で運用しているわけではありません。
ホームページを活用するBtoB企業
BtoB企業におけるホームページの重要性が増している現代、ホームページをリニューアルする理由の一つに、見込み客の獲得や顧客関係の強化があります。最近では、自社サイトを活用したWebマーケティングに取り組み、ホームページからの集客を考える企業が増えています。
この背景には、企業間取引における新しい製品やサービスの検討過程で、ウェブサイトを通じた情報収集が一般的になっていることがあります。
以前は、関心のある製品について企業の営業担当から直接情報を得ることが一般的でした。
しかし現在では、まずインターネットを使って自ら情報を収集し、ホワイトペーパーやウェビナーを通じて理解を深め、資料請求や直接の問い合わせを通して比較・検討するという流れが定着しています。特に、新型コロナウイルス感染症の流行以降、この傾向はより明確になっています。
企業のホームページと言ってもコーポレートサイト、サービスサイトなど種類があります。マーケティング戦略に応じてどのようなものにするかを選択します。
【参考になる記事】
【Webサイトの種類とは?】目的別で選ぶ最適な種類とその役割|ホームページとの違いも解説
Webマーケティングに取り組むBtoB企業
デジタルマーケティングの重要性が高まる中、多くのBtoB企業がホームページのリニューアルとWebマーケティング戦略の強化に力を入れています。
従来のプッシュ型営業手法、例えば展示会での積極的な製品紹介や飛び込み営業、そして紹介を通じた新規顧客獲得は、営業スタッフの能力に大きく依存します。
一方で、プル型営業は顧客自身が製品やサービスに関心を持つよう促す戦略であり、企業ホームページを中心としたWebマーケティングがその鍵を握っています。
Webマーケティングの取り組みには、SEO対策による検索エンジン最適化、ターゲット顧客に合わせたコンテンツマーケティング、ソーシャルメディアを活用したエンゲージメントの促進などがあります。これらの施策を通じて、企業はホームページへの集客を増やし、リードの獲得から購買に至るプロセスを最適化します。
これは、既存顧客にも当てはまります。顧客は常に情報を求め、新たな解決策やサービスついて知りたがっています。既存の顧客との関係を深めロイヤルティを高めるためには、定期的なコミュニケーションと情報提供が不可欠です。顧客が自社のウェブサイトを定期的に訪問することは、製品やサービスへの関心を持続させるだけでなく、クロスセルやアップセルの機会を創出する上でも重要です。
注意!ホームページは魔法の杖ではない
ただし、ホームページは万能なコンテンツではありません。
見た目を最新のトレンドに合わせてホームページをリニューアルするだけでは、必ずしもアクセス数の増加や売上の向上に直結するとは限りません。
先ほど、BtoBのマーケティングでは、企業の戦略のひとつと捉えなければ失敗に終わってしまうことが多いと述べました。
企業戦略に基づき、ホームページが果たすべき具体的な役割を明確に定義し、その目標を達成するためにリニューアルを計画すべきです。
ホームページは大変重要なマーケティングコンテンツですが、その一方で、目的を達成する戦略のためのコンテンツのひとつに過ぎません。
ホームページは売り上げがアップする魔法の杖ではないのです。
そのため、マーケティング担当者だけでなく、組織全体でマーケティングの大局的な戦略、営業プロセス、ホームページを含む各コンテンツの具体的な役割を深く理解し、協力して取り組むことが極めて重要です。
さもければ、戦略全体のある一部分だけを見て「これは失敗だ」とあきらめたり、CSF(Critical Success Factors/重要成功要因)を見誤ることになりかねません。
デザインにとらわれたBtoB企業の失敗例
ホームページリニューアルを検討する際、多くの企業が最初に行うのは他社のサイトを参考にすることです。しかし、このプロセスにおいて最も重要なのは、どのような視点でサイトを評価するかです。
美しいデザインはブランドイメージを高めますが、Webマーケティングの取り組みにおいては、単なるデザインの美しさだけがリニューアルの目的であってはなりません。特にBtoB企業では、見た目だけのリニューアルが新たなビジネス機会を生み出すことは少ないです。
Webマーケティングに取り組むBtoB企業の多くは、認知度の向上、顧客エンゲージメントの促進、リードの獲得、売上の増加などを目指します。その場合、ホームページは、一目でその企業が何を提供し、どのような価値を顧客にもたらすのかが分かる、顧客が得たい情報がある、信頼感を感じさせるなどが重要となります。もちろん、デザインもホームページの重要な要素のひとつです。
しかしそれが、デザインを優先するあまり、ユーザー(訪問者)が得たい情報がない、サイトが使いにくい、表示速度が遅い、SEO(検索エンジン最適化:検索結果でのランキングを高めること)が犠牲となってしまっては、そのサイトは必ずしも最適とは言えないでしょう。
ホームページのデザインを刷新しそれに満足できたとしても、それは必ずしもホームページリニューアルの成功ではないことを肝に銘じる必要があります。
BtoB企業のホームページでありがちな失敗
ホームページリニューアルを行う際、自社の内部視点に固執しすぎることで、最終的には顧客のニーズや期待を反映しない“自社満足のホームページ”を作り上げてしまうリスクがあります。この現象は、企業が自己の価値観や成果に満足してしまい、顧客目線を失うことによって生じます。
次は少し視点を変えて考えてみましょう。
「嫌われ上司」からホームページを考えてみる
先日あるネット記事を読む機会がありました。それは「ダメ上司・嫌われ上司」の特徴について言及したものでした。
現代は、働き方の多様化などの理由で「求職者が会社を選ぶ時代」と言われることもあり、特にスキルの高い求職者や特定の専門分野での人材は、自分にとって最適な職場環境や上司を選ぶようになりつつあるのだそうです。
嫌われ上司の特徴
私は、このネット記事と「自社満足のホームページ」の間に共通点を感じたため、さらにいくつか書籍を手にしてみました。そこで分かったのは次のようなことです。
嫌われ上司の特徴
- 明確に方向を示さない!「ノープラン上司」
多くは上手く行かなかった時の言い訳のために方向性を明確にしない、自分では行動しない - 保身と責任逃れの「信頼0(ゼロ)上司」
自身の決定に対して責任を認めず部下や他人に責任を転嫁する、誠意や信頼が感じられない - 自分のスキルや実績を誇示したい!「自慢上司」
自己スキルや過去の成功体験の自慢話ばかり - プライドや自己評価が高い!「ナルシスト上司」
社交辞令を鵜吞みにして、周囲からの冷ややかな視線や本当の評価に気付けない - 他者の批判と批評で自己優位性を示す!「ディスカウント上司」
部下の短所に焦点をあてるなど他者の批判・批評で自分をアピールする
※ディスカウント:他人の価値を下げることで、相対的に自分の価値を高めようとすること(心理学) - これら(上記)は、自分には無関係だと思い込んでいる
このような上司は、会社組織における本来の役割や目的に対して行動するのではなく、自己中心的な思考や損得勘定で行動している場合が多いのだそうです。
「嫌われ上司」と「自社満足のホームページ」の共通点
これを企業のホームページに置き換えると、本来の目的やマーケティング戦略における役割を見失った、自社満足のホームページと考えることができます。
嫌われダメ上司 | 自社満足のホームページ |
---|---|
ノープラン上司 | 目的や方向性が明確に定まっていないホームページ |
信頼0(ゼロ)上司 | 売り込みばかりで信頼感や誠意が伝わらない、またはセキュリティに問題があるホームページ |
自慢上司 | 製品・商品情報や実績を並べるだけで、顧客が本当に欲する情報がないホームページ |
ナルシスト上司 | デザインに満足し放置され、アクセス分析等の結果による改善が行われないホームページ |
ディスカウント上司 | 企業または製品・サービスの独自の価値を自らの言葉で伝えていないホームページ |
もちろん、マーケティング戦略によってホームページの役割は異なるため一概に言うことはできませんが、少なくともリード獲得や売上拡大を目的としたWebマーケティングに取り組むホームページにおいては、これらは最適とは言えないでしょう。
「よいホームページ」を優秀な営業マンの視点で考える
ここでは、よい企業ホームページとはどのようなものかを考えていきます。ここで言うホームページは、見込み客獲得のための「サービスサイト」と考えてください。
優秀な営業マンの特徴
先ほどは、自社満足なホームページをダメな上司に例えましたが、よいホームページの場合は「優秀な営業マン」を想像するとわかりやすいと思います。
ではさっそく、優秀な営業マンの特徴を見ていきましょう。
(メディアの情報や当社の営業スタッフ、私個人の意見を加えてまとめてみました)
優秀な営業マンの特徴
- 説明がわかりやすい
- 顧客と信頼関係が築ける
- 顧客ニーズを捉えた提案ができる
- 目標達成するため方法や手順、トークスクリプトがある
- 自分の行動と結果に対して振り返り、つねにPDCAを繰り返す
- 自意識過剰ではない(自分や自社の弱みも理解している)
「優秀な営業マン」と「よいホームページ」の共通点
優秀な営業マンの特徴をいくつかあげましたが、これらのことは、見込み客獲得を目的とした企業ホームページにとっても、必要なことです。
「優秀な営業マン」と「よいホームページ」のおもな目的のひとつは、いずれも顧客獲得です。
ですからある意味必然的に、顧客との効果的なコミュニケーション、関係構築、情報提供の面で多くの共通する部分が生じることになります。
両者ともに顧客のニーズに対応し、満足度を高め、最終的には企業の目標達成に貢献する重要な役割を担っています。
BtoBホームページのポイント
BtoB企業がホームページで集客や見込み顧客を獲得しようとする際のポイントのうち、最も重要なことのひとつをご紹介します。それは、顧客視点で考えるということです。
例えば、顧客がホームページを訪れた際、すぐにこの会社はどのような(何を提供する)会社か、顧客の課題にどう寄り添いどう解決するかが伝わるようにすると良いでしょう。また、ホームページには顧客が知りたい情報や、自社が顧客にとってどのような価値があるのかを伝えるようにします。これには製品の仕様やサービスの詳細、ケーススタディ、顧客の声、FAQセクションなど、顧客が製品やサービスを選択する上で知りたいと思う情報を網羅的に提供することが重要です。
そして顧客が「この会社に相談したい」「話を聞いてみたい」と思った時にすぐ相談できるようにしておくことも大切です。
このように「顧客の視点」で考えることで、独りよがりの自社満足ではないホームページを検討してはいかがでしょうか。
Aside.「そのファーストビューの写真、なんのため?」
ホームページのファーストビューに美しい画像を掲載することは一般的な戦略です。確かに、魅力的なビジュアルは訪問者の注意を引く効果があります。しかし、ファーストビューの最も重要な役割は、訪れた顧客に対して、その企業や提供する製品・サービスが何であるかを即座に理解させ、関心をひき出すことにあります(特にサービスサイトの場合)。
美しい画像は効果的ですが、それに加えて、顧客が直面する課題への理解や解決策を示唆する内容が含まれていることが、訪問者を引き付け、サイト内での行動へと導く鍵となります。
おすすめの記事
最後に
この記事では、BtoBプロモーションの枠組みと、その中でのBtoBホームページの役割に深く焦点を当ててきました。マーケティングの4Pの一角としてのプロモーションは、商品やサービスの認識から購買に至るまでの全過程にわたり、企業と顧客との間の総合的なコミュニケーションを担います。
BtoBプロモーションでは、企業間取引を促進し、潜在的なビジネスパートナーや顧客に自社の価値を伝え、製品やサービスの購入、あるいはビジネス関係の構築を促すことにあります。一方でBtoCプロモーションは、企業から一般の消費者へ向けたマーケティング活動であり、商品の魅力を最大限に伝えてブランド認知度の向上や顧客基盤の拡大を目指します。
また、BtoB企業のホームページは、見込み顧客の獲得や顧客関係の強化、売上向上へのカギを握るコンテンツとして活用することができます。しかし、美しいデザインに囚われすぎることなく、実質的なコンテンツと機能性を兼ね備えたウェブサイトが求められます。
最終的には、BtoB企業が自社のホームページを通じて実施するプロモーション活動は、長期的な視野に立ち、戦略的にアプローチする必要があります。リードジェネレーションやリードナーチャリングのような取り組みは、見込み顧客を獲得し、育成する過程で不可欠ですが、これらは単独の活動ではなく、企業全体のマーケティング戦略の一部として統合的に管理されるべきです。
総じて、BtoB企業にとってホームページは、顧客との強固な関係を築き上げるための重要なツールです。その有効活用には、顧客のニーズに寄り添った情報提供、直感的なナビゲーション、そして信頼性の高いコンテンツが必要とされます。このようなホームページを構築することで、BtoB企業は市場における競争力を高め、持続可能な成長を実現できるでしょう。
最新の印刷設備とクリエイティブチームであなたのご要望に応える-ゼンリンプリンテックスにご相談ください
多量印刷から少量の印刷まで幅広くご利用いただいています
関連記事
このお役立ち記事は、私がこれまでにお客様のプロモーション課題に取り組んできた経験や、お客様からお寄せいただいた質問をもとに執筆しています。印刷をデザインやマーケティングの観点も交えながら、読者の方に少しでも分かりやすくお伝えする事を心掛けています。