カタログ制作会社を比較または検討する際は、“3つの判断基準”をもとにすることが、失敗しないためのポイントです。
なぜなら、カタログ制作会社(印刷会社・デザイン会社を含む)にはそれぞれ得意な分野があるため、その選び方を誤ると制作トラブルにつながりかねないからです。
そのため、まずは「制作会社に何を求めるか」を明確にしながら、最適な制作パートナーを選ぶ必要があります。
とはいえ、「どこに頼めばいいのか」「何を基準に比較すべきか」と迷ってしまう方が多いのも事実です。
そこで本記事では、はじめての方でも迷わずカタログ制作会社を検討できるよう、見極めに使える“3つの判断基準”をわかりやすく解説します。
※本記事は、当社(ゼンリンプリンテックス)が、流通小売・製造業をはじめとする多様な業種のカタログ制作に携わってきた知見と経験をもとに執筆しています。
カタログ作成の基本を知りたいなら
まずは3つの判断基準で簡単チェック
カタログ制作会社を比較・検討するときに迷ってしまう原因は、「どの制作会社が自社が置かれている状況に合っているのか」という視点がしばしば欠けていることにあります。
しかし実は、次の3つの基準でカタログ制作会社をチェックするだけで、“自社にぴったりな制作会社かどうか”が明確になります。
3つの判断基準
- カタログ掲載情報の“量”に対応できる制作体制はあるか?
商品点数が多い・ページ数が多い・修正量が多い場合などに重要 - デザイン表現力は十分か?
商品の魅力やイメージを伝えたい場合、デザインのクオリティが影響 - 課題を解決してくれる“改善力”はあるか?
制作フローの効率化、商品マスターとの整合、社内調整などに課題がある場合に重視すべき
このほかにも企画力など“質”に関する指標はいくつかありますが、本記事では特に重要度の高い上記3つにしぼって説明します。
なお、これら3つの基準は「どれか一つを選ぶ」ものではなく、カタログ制作にはいずれも欠かせない要素です。自社の課題に応じて「どの基準をより重視して制作会社を比較するか」という視点で整理すると判断がしやすくなります。
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判断基準1|カタログ掲載情報の“量”に対応できる制作体制はあるか?
カタログ制作に携わったことがある方なら、「情報が多いほどミスが増え、スケジュールが圧迫される」という経験を一度はされたことがあるのではないでしょうか。
実際、私自身も同じような場面に何度も直面してきました。
短期間で大量の情報を整理し、紙面へ正確に反映させられるかどうかは、制作会社の“体制”と“経験”に大きく左右されます。
1-1 自己チェックリスト
自社のカタログが下の項目にあてはまるか確認してみましょう。
- 商品点数やページ数が多い
- 校正で修正が何度も発生しやすい
- 仕入れ先や関連部署など、複数の関係者が原稿や校正に関与する
- 多くの画像を掲載する(写真点数が多い)
- 商品撮影の手配・管理も必要になる
1-2 この基準を重視すべき理由
商品カタログや通販カタログなど、大量の情報を扱うカタログでは、ミスの防止・作業効率がとても重要です。
一定の期間で多くの商品情報や画像を処理し紙面を形づくるためには、制作会社の体制や経験が大きく影響します。こうした状況に体制が追いつかない場合、品質にバラつきが出ることも少なくありません。
- 修正が追い付かない
- 修正モレが出る
- 表記やレイアウトにバラつきが出て、統一感が失われる
- 納期が遅れる
1-3 どんな制作会社が向いている?
情報量が多いカタログを制作する場合は、次の特徴を持つ会社が安心です。大量情報を扱うカタログに強みがある会社の強みとも言えます。
- 大量ページの制作実績が豊富
- デザイナーだけでなくDTPオペレーター(※)が在籍している
- 校正体制が整っている
- 紙面の整合性チェックも可能
- 画像補正・色補正を専門に行うスタッフがいる
※DTPオペレーター:デザイナーが作成したデザインをもとに、仕様どおりに印刷用データを組み上げる。決められたルールに基づいて、大量の情報を早く・正確にレイアウトできるため、大量情報を扱うカタログ制作に向いている。
判断基準2|デザイン表現力は十分か?
カタログの大きな特徴のひとつは「一覧性」にあります。しかし一方で、特集ページや企画ページでは、より高いデザイン性が求められます。さらに、カタログの目的が「商品の魅力を伝える」「ブランド価値を高める」ことである場合、デザインやコピーライティングはより重要な要素となります。
2-1 自己チェックリスト
- 新商品を魅力的に見せたい
- トレンド感あるデザインにしたい
- 競合と差別化したい
- 写真・イラストのクオリティも重視したい
- ブランドガイドラインに沿った提案が欲しい
これらにあてはまる場合は、デザインやコピーライティングなど、クリエイティブ力を重視するとよいでしょう。
2-2 この基準を重視すべき理由
デザインのクオリティは、商品の売れ行きやブランドイメージにも直結します。どれだけ制作体制が整っていても、デザイン力が弱い制作会社に依頼すると、思うような成果につながりにくい場合があります。イメージを形成するデザインが、次のような「望ましくない仕上がり」となる場合があるため、注意が必要です。
- 商品の魅力が伝わりにくい
- ターゲットを想定していない
- 文字量・構成のバランスが悪く読みづらい紙面
- 画一的で、ブランドイメージが伝わらない
2-3 どんな制作会社が向いている?
- デザイナーが在籍している(DTPオペレーターだけではない)
- カタログデザインの実績が多い
- ターゲットや目的に基づいたデザイン提案ができる
- コピーライティング、写真撮影も可能
カタログのデザインについては、こちらの記事がおすすめです
判断基準3|課題を解決してくれる“改善力”はあるか?
カタログ制作効率化に課題がある方にとって、この基準はとても重要なポイントになります。
改善力のある制作会社は、単に“つくるだけ”ではなく、制作そのものを効率化し、長期的に負担を減らしてくれるパートナーになります。
3-1 自己チェックリスト
カタログ制作における課題解決は、どうしても後まわしになりがちです。
その理由は、カタログ制作には社内外の多くの関与者が関わるため調整が難しいこと、そしてプロセスの見直しには新たな知見やノウハウが必要となることにあります。
そのため、日々の業務に追われる担当者だけでは改善が進みにくいという現実があるのではないでしょうか。
- 商品マスターの整合が大変
- 校正の修正が多い
- 各部署、外部への校正手配が大変
- 制作フローが複雑
3-2 この基準を重視すべき理由
カタログ制作における課題を解決することは、限られたリソースを有効に使い、より良いカタログを作るために欠かせません。例えば、制作フローを見直すことで、次のような効果が期待できます。
- 担当者の負担が軽くなる
- ミスが減る
- 時間に余裕が生まれる
特に、これまで「とにかく間違えないこと」に多くの時間を割いていた場合でも、その時間を“より魅力的な紙面づくり”に充てられるようになります。
3-3 どんな制作会社が向いている?
カタログ制作に関して改善力のある制作会社は、単に“つくるだけ”ではなく、制作そのものを効率化し、長期的に負担を減らしてくれるパートナーになります。
- 業務効率化の方法を提案できる
- カタログ制作に特化したノウハウがある
- 課題を正確に把握し的確な提案ができる
- 制作に関わるシステムの提案やマスタデータ作成なども請け負える
さらに、迷ったときに見るべきポイント3つ
それでもカタログ制作の依頼先を比較・検討する際に迷った場合は、次の3つをあわせてチェックすると判断がしやすくなります。
①制作実績(自社と近いものがあるか)
近い業界・商品点数・ページボリュームの実績があるか
②コミュニケーションの丁寧さ
ヒアリングや説明をどれだけ丁寧にするか、質問に対してなんと答えるか、要望にどのように応えるか
③印刷に関する知識と責任
デザインだけでなく印刷の知識もあり、仕上がり品質まで責任を持てるか
制作会社の選び方を知りたい方へ
印刷会社、デザイン会社、カタログ専門制作会社のそれぞれの強みと最適なシーンを明らかにするこの記事もご覧ください
カタログ制作会社の選び方|カタログ制作担当者の悩みと最適な依頼先
カタログは制作も印刷もゼンリンプリンテックス
| 社名 | 株式会社ゼンリンプリンテックス |
| URL | https://zpx.co.jp/ |
| 設立 | 1947年 9月 |
| 事業所 | 東京、福岡、熊本 |
| 関係会社 | 株式会社ゼンリン、株式会社ゼンリンデータコム、株式会社ジオ技術研究所など 関係会社一覧 |

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