※本記事における「一括対応できる会社」とは、デザインと印刷の双方に精通し、パンフレットの完成品としての品質まで一貫して管理できる体制を指します。単に受託し、外部へ委託するのみの形態は含みません。
パンフレット制作の基本とコツを知りたい方は、パンフレット制作の基本(つくり方の総合記事)も参考にしてください。
パンフレットの依頼先は一括対応がおすすめ
パンフレット制作では、どうしてもデザインに目が向きがちです。
しかし、実際には、完成品(印刷物)としての品質も、成果を左右する重要な要素です。
社内調整やレイアウト修正を重ね、細部まで詰めてきたデザインであっても、印刷段階で色味や質感が想定とずれれば、その意図は十分に伝わりません。
制作段階で積み重ねた工夫が、仕上がりによって十分に活かされないこともあります。
優れたデザインも、それを適切に表現できる印刷品質が伴ってこそ、本来の力を発揮します。
だからこそ、デザインと印刷を分けずに一括で依頼し、はじめから最後まで一貫して品質をコントロールするという選択が、合理的な方法と言えるのです。
「デザインから印刷まで一括対応」とは何か
パンフレットの一括対応とは、企画・デザイン制作・印刷・加工・納品までのすべてを理解したうえで一貫して進行でき、さらに、デザインと印刷品質をコントロールできる体制を指します。
つまり、単に「デザインも印刷も受けられます」という意味ではなく、印刷工程を理解したうえでデザインを制作できること、そしてデザインの意図を理解したうえで印刷できることが、その本質と言えます。
また、パンフレット制作に必要な取材・撮影・ライティングについても、目的に応じて設計・進行できることが求められます。さらに、取材・撮影・ライティングにおいても、その品質を保証できる体制があれば、「内容(伝え方)」と「仕上がり(印刷表現)」を同じ視点で整えることができ、完成品としての精度がさらに高まります。
一括対応に含まれる主な業務
- デザインと印刷に関する提案全般
- 構成・ページ設計
- 取材・ライティング(原稿作成/コピー制作)
- 撮影(物撮り/人物/現場撮影など)
- デザイン制作
- 校正:内容・表記の確認、修正
- 印刷・製本・納品管理
つまり、デザイン制作に関することと、印刷・製本に関すること全般が範囲となります。
一括対応と別々発注の違い(比較)
| 項目 | 一括対応 | 別々に発注 |
|---|---|---|
| 仕上がり品質 | 安定しやすい、相乗効果を活かせる | ばらつく恐れがある |
| コスト | 最適化されやすい | 調整コスト増 |
| 責任の所在 | 明確 | 不明確 |
では、一括対応をおすすめする理由を見ていきます。
一括対応できる会社をおすすめする3つの理由
理由①仕上がり(完成品)の品質が安定するから
あなたがモニター画面やカラーコピーの出力紙を見て、そのデザインを美しく感じ満足したとしても、それが実際に印刷された時に同じように再現されるとは限りません。
なぜなら、モニターの色表現(RGB)と、一般的な印刷の色表現(CMYK)が異なるため、見え方にも差が生じるからです。
出力環境や印刷時の基準の違いによっても仕上がりは変わります。
さらに、印刷用紙の質感や白色度、加工方法や印刷方式に加え、印刷機の特性や色管理の運用によっても差が生じます。
そのため、デザイン段階から完成品を想定し、色校正(色の確認・調整)を含めて一貫してコントロールできる体制がなければ、パンフレットの品質は安定しません。
一括対応が可能な会社であれば、こうした違いを前提に、印刷結果を想定しながらデザインを制作できます。
また、デザインの意図を理解したうえで印刷品質を管理できるため、完成時のズレが起きにくく、品質が安定します。
理由②社内工数が減り、総コストが最小化されるから
パンフレット制作において、発注や制作に関する連絡先が一本化されると、やり取りがスムーズになります。
ここで注目したいのが、制作費用には表れにくい、社内で発生する見えないコストです。
例えば、デザイン会社と印刷会社を別々に依頼する場合、次のような調整が発生します。
- 印刷の仕様決定と共有
- 入稿スケジュール・納期の調整
- 色校正の必要性の検討
- 色調整などに関する情報の共有
- 印刷用入稿データの形式確認
こうしたやり取りが増えるほど、担当者は進行管理に追われます。
基本的に、デザイン会社はデザイン領域、印刷会社は印刷領域に専念します。一方で、完成度の高いパンフレットを目指すほど、両者をつなぐ役割が必要になります。
結果として、その橋渡しを発注担当者が担うことになり、担当者が本来注力すべき「内容の精査」や「ターゲットにどう伝わるか」といった本質的な部分に、十分な時間を割けなくなります。
一括で任せられる会社であれば、デザインと印刷の調整は依頼先の社内で完結します。担当者が橋渡し役になる必要がなくなるため、その分、戦略やメッセージのブラッシュアップなどに集中できる環境が生まれます。
理由③責任の所在が明確になり、対応や改善が早くなるから
デザインと印刷を別々に発注した場合、仕上がりに問題が生じた際に、責任の所在が曖昧になりがちです。
「デザインデータの問題なのか」「印刷工程の問題なのか」と原因の切り分けに時間がかかり、対応が後手に回ることがあります。
一括依頼であれば、デザインから印刷までを一社が管理しているため、問題発生時も原因の特定と対応が迅速に行われます。
さらに、制作意図と印刷結果を同じ視点で振り返ることができるため、次回制作時の改善点も明確になり、品質向上のサイクルを回しやすくなります。
ここでは3つの理由をご紹介しましたが、同じ一括対応でも体制に差があることを念頭に置いておかなければなりません。
印刷会社か制作会社かで迷ったときの考え方
印刷会社か制作会社かで迷ったときの考え方
パンフレット制作を検討する際、「印刷会社に依頼するべきか」「制作会社に依頼するべきか」で迷うことがあります。
そのようなときは、会社の種別ではなく、デザインと印刷を一貫して理解し、品質を管理できる体制があるかという視点で判断してください。
印刷会社であっても、デザインが弱ければ成果は限定的になってしまいます。
デザイン会社であっても、印刷をコントロールできなければ、完成品の品質は安定しません。
つまり、会社の肩書きではなく、完成品の品質を一括でコントロールできるかどうかが判断基準です。
では次に、会社選びで確認すべき具体的な判断基準を解説します。
一括で依頼できる会社を選ぶときの判断基準
デザイン力や取材・撮影・ライティングの対応力はもちろんですが、それに加えて、印刷物としての完成度(品質)と安心感(進行・責任)を担保できる体制がポイントとなります。
① デザインが成果との関係で制作されるか
デザインは、見た目の印象だけでは判断できません。「なぜこの構成なのか」「なぜこのビジュアルなのか」を、目的やターゲットと結びつけて説明できるかどうかが重要です。
成果につながるデザインは偶然生まれるものではありません。意図が明確であるほど、説得力は高まります。
② 仕上がり品質を「印刷結果」から逆算できるか
デザインが画面上の見た目だけで考えられていないかを確認します。印刷の仕上がりを想定せずに制作されたデザインは、完成時にズレが生じやすくなります。
③ 校正・色の確認プロセスが明確か
品質確認が仕組みになっているかを確認します。色の見え方には主観が入りやすいため、数値などの客観基準で管理しているかが重要です。
また、色校正や仕上がり確認の方法について明確に説明できない会社は、品質をコントロールできないだけでなく、問題が起きたときに原因を究明できません。
④ 用紙・加工・製本まで含めた提案が出せるか
目的と予算に合わせて最適な仕様を提案できるかを確認します。
例えば、ブランドイメージを高めたい場合の用紙選定、高級感を出したい場合の加工選定、コストを抑えながら印象を維持するための代替案など、目的と予算に応じた提案ができ、その理由まで説明できるかという点をチェックしてください。
よくある質問
完成品の品質にこだわる場合、制作会社と印刷会社を別々に手配し、その間の調整を行うには、想定以上の手間や確認工程が発生することがあります。その結果、見えにくい社内コストや手戻りが増えるケースも少なくありません。一方で、デザインから印刷まで任せられる会社に依頼することで、総コストが抑えられる傾向があります。
もちろん、価格だけを重視する場合はその他の選択肢がありますが、パンフレットの完成品質まで含めて最適化したい場合には、一括依頼が合理的な選択となることが多いのが実情です。
デザイン制作チームのある印刷会社は、印刷再現まで考慮したデザインを制作することが得意としています。
一般的なデザインスキルに加え、「印刷」に関する深い知識と経験を持っているからです。そのため、用紙や印刷加工などの条件を踏まえ、仕上がりの再現性まで考慮した設計ができ、印刷物の色味や質感などの要素において一貫した品質を保つことができます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
デザインは確かに重要です。構成やビジュアルの設計によって、パンフレットの印象や伝達力は大きく変わります。
しかし、そのデザインが意図どおりに再現されなければ、本来の効果は発揮されません。色味のズレや紙質との不整合が生じれば、設計された印象は変わってしまいます。
つまり、デザインと印刷品質は対立するものではなく、成果を生み出すための両輪です。
優れたデザインも、それを支える印刷品質があってこそ、はじめて完成品として力を発揮します。
すべての案件に同じレベルの品質が必要とは限りません。
目的や予算によって、求められる水準は異なります。
例えば、短期使用の告知用パンフレットであれば、コスト重視の選択も合理的です。
一方で、企業ブランドや営業活動の要となるパンフレットでは、印刷品質が印象や信頼感に直結します。
重要なのは、「どの案件に、どの水準が必要か」を判断することです。
まとめ
パンフレットは、デザインだけで評価されるものではありません。完成品(印刷物)としての品質が、成果を左右します。
だからこそ、デザインと印刷を分けず、一括対応できる会社に依頼することが合理的な判断となります。
一括で依頼するメリットは、窓口が一本化されることだけではありません。
完成度を高め、社内工数を減らし、万が一の対応や改善まで含めて、安心して成果に向き合える状態をつくることにあります。
パンフレット作成でお悩みの方へ
ゼンリンプリンテックスでは、パンフレットの制作・印刷に加えて、構成段階からのご相談も承っております。
- パンフレットの目的から整理し直したい
- 現状のパンフレットをリニューアルしたい
このようなお客様からもご相談いただいていますので、お気軽にご相談ください。
パンフレットの制作と印刷は、ゼンリンプリンテックスにお任せください
| 社名 | 株式会社ゼンリンプリンテックス |
| URL | https://zpx.co.jp/ |
| 設立 | 1947年 9月 |
| 事業所 | 東京、福岡、熊本 |
| 関係会社 | 株式会社ゼンリン、株式会社ゼンリンデータコム、株式会社ジオ技術研究所など 関係会社一覧 |

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本記事は、パンフレット制作の経験が豊富なスタッフ、デザイナーのノウハウをもとに執筆しました。

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