パンフレット制作の基本とコツを知りたい方は、パンフレット制作の基本(つくり方の総合記事)も参考にしてください。
調査で見えた採用パンフレットの傾向
採用活動で採用パンフレットを活用する企業が増える一方で、「応募につながらない」「説明会で配って終わってしまう」といった課題を感じる企業も少なくありません。
製造業7社の採用パンフレットを調査・比較したところ、構成や情報量には違いがある一方で、会社情報を網羅的に伝えることよりも、「人」や「仕事」を通じて応募前の理解や関心形成を促す構成が多く見られました。
そこで本記事では、製造業7社の採用パンフレットを対象に、掲載内容、掲載順、ページ配分の傾向を整理します。
そのうえで、各社の構成から見えてきた特徴をもとに、自社の採用パンフレットを見直す際の視点をまとめます。
本記事では、製造業のおもに技術職採用を目的とした採用パンフレットを調査対象としています。
採用パンフレット制作の基本とコツを知りたい方は、「選ばれるための採用パンフレット-作り方の基本と就活生の本音を紹介」も参考にしてください。
調査概要|製造業7社の採用パンフレットを比較
今回の調査では、技術職採用を主目的とする製造業7社の採用パンフレットを対象に比較を行いました。
対象にはパンフレットだけでなくリーフレット形式も含まれ、ページ数は6ページから40ページまで幅がありました。
比較した観点は、次の3点です。
おもな調査・分析内容
- 掲載内容(どのような情報が含まれているか)
- 掲載順(どの順番で構成されているか)
- ページ配分(どこにボリュームを割いているか)
なお、各社とも採用パンフレットとは別に、会社案内などの媒体を併用していました。
調査結果|ページ数・掲載内容・ページ配分の傾向
ページ数には大きな幅があった
今回調査した7社の採用パンフレットは、6ページから40ページまでと、総ページ数に大きな差がありました。
大まかには、次の3つの傾向に分けられます。
- 情報量の多いパンフレット
30ページ以上で、社員紹介や対談、仕事紹介などに十分なページを割いている - 中間的なボリュームのパンフレット
15ページ前後で、メッセージ、事業紹介、社員紹介などをバランスよく配置している - コンパクトなパンフレット
10ページ未満で、掲載要素を絞り込み、要点を簡潔に伝えている
7社すべてに共通していた掲載要素
7社を比較すると、内容に違いはあっても、共通して掲載されていた要素がありました。
- 社員紹介(インタビュー・座談会など)
- 会社概要・事業紹介
- メッセージ(代表・人事など)
今回の調査対象では、これらが共通して見られた基本要素でした。
特に社員紹介は、形こそ異なっていても、すべての企業で採用されていました。
重点の置き方には差があった
共通して掲載されている要素がある一方で、どこに重点を置くかには企業ごとの差が見られました。
特に比重が大きかったのは、社員紹介です。
短い紹介にとどめている企業もあれば、複数ページを使って詳しく紹介する企業もあり、情報量や見せ方には差がありました。
一方で、意外にもキャリアに関する内容を明確に扱っている企業は限られていました。
入社後の成長や将来の見通しに関する情報は、相対的に少ない要素でした。
差が大きかったのは次の3点です。
- 社員紹介の内容の深さ(ページ数・具体性)
- 仕事内容の具体性(職種説明・プロジェクト紹介など)
- メッセージのボリューム
各社のページ配分を一覧にすると次のようになります。
| ページ | メッセージ | 事業 | 仕事 職種 | 社員 紹介 | 対談 | キャリア | 福利 厚生 | その他 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| A社 | 6 | 17% | 17% | — | 17% | — | — | — | 33% |
| B社 | 8 | — | — | — | 50% | — | — | — | 50% |
| C社 | 12 | 17% | 17% | — | 50% | — | — | — | 17% |
| D社 | 16 | 6% | 6% | — | 38% | 13% | — | 13% | 25% |
| E社 | 16 | 25% | 25% | 13% | 19% | — | — | 6% | 13% |
| F社 | 32 | 25% | 19% | 13% | 25% | 13% | — | — | 6% |
| G社 | 40 | 5% | 3% | — | 43% | 40% | 3% | 3% | 5% |
一覧からは、社員紹介の比重が高い企業が多い一方で、キャリアや福利厚生に明確なページを割いている企業は限られていることがわかります。
分析|採用パンフレットは4タイプに分類できる
今回の7社は、構成とページ配分の傾向から見ると、4つのタイプに整理できます。
| タイプ | 傾向 | 特徴 | 留意点 |
| 情報豊富型 | 30P以上、詳細の紹介 | 詳細理解につなげやすい | 読了負荷が高くなりやすい |
| バランス型 | 16P前後、網羅的 | 全体像を伝えやすい | 印象が分散しやすい |
| コンパクト型 | 8P未満、要点を絞る | 読みやすく配付しやすい | 情報が不足しやすい |
| ターゲット特化型 | 特定層を意識して設計 | 訴求対象に合わせて構成 | 対象外には響かない |
情報豊富型:詳細な理解につなげやすい
社員紹介や対談、仕事紹介などを充実させているタイプです。
掲載できる情報量が多く、詳細な理解につなげるための構成にしやすい特徴があります。
バランス型:全体像を伝えやすい
会社情報、人、仕事、制度などを広く掲載します。
掲載内容や構成に大きな偏りがなく、標準的な採用パンフレットといえます。
コンパクト型:要点を絞って伝えやすい
掲載内容を絞ったシンプルな構成で、手にとりやすい特徴があります。
短時間で読みやすい一方で、他の媒体と組み合わせて使用することが前提になりやすいタイプです
ターゲット特化型:明確な訴求対象
特定の採用対象を意識して設計されているタイプです。
訴求対象を絞ることで、必要な情報をより明確に届けやすくなります。
考察|調査結果からわかること
今回の調査結果を見ると、採用パンフレットは会社情報を網羅的に説明することよりも、人や仕事を通じて理解を深める方向で設計されているケースが多いと考えられます。
7社すべてに会社概要や事業紹介は掲載されていました。
一方で、ページ配分を見ると、それらが最も大きな比重を占めるケースは多くありませんでした。
むしろ、社員紹介や対談など、「人」に関する情報に多くの紙面を割いている企業が目立ちました。
また、各社とも会社案内など別媒体を併用していました。
この点を踏まえると、採用パンフレットは企業情報を網羅する媒体というより、採用候補者に向けて必要な情報を絞って伝える媒体として運用されている可能性があります。
その役割は、会社説明に加えて、応募前の理解や関心形成を促すことにあると考えられます。
さらに、今回の調査では、企業規模が大きいほど採用パンフレットのページ数も多くなる傾向が見られました。
実際に、調査対象の中でも規模の大きい企業ほど、社員紹介や対談、事業紹介などに多くのページを割いているケースが見られます。
これは、事業領域や職種の幅、紹介すべき部署や人材の多さを考えると、自然な傾向といえます。
企業規模が大きいほど、採用候補者に伝えるべき情報も増えやすいためです。
ただし、ページ数を増やしたからといって、必ずしも効果が高まるとは限りません。
重要なのは、自社の採用ターゲットに対して、何をどの順番で、どの深さまで伝えるかを、採用プロセス全体の中で設計することです。
こうした点から、採用パンフレットの成果を左右するのは、ページ数そのものよりも、構成や見せ方であると考えられます。
実践|自社の採用パンフレットを見直す方法
今回の比較で見られた違いは、各社の特徴を整理したものであり、優劣や成果との因果関係を直接示すものではありません。
その一方で、調査結果を通して見ると、自社の採用パンフレットを見直す際のポイントが見えてきます。
人の情報がもっと「見える」状態にする
社員紹介は多くの企業で取り入れられていました。その一方で、どのように紹介するのかに差が見られました。
顔写真と短いコメントだけでは、人物像や仕事の実態は伝わりにくくなります。
入社理由、担当業務、仕事の難しさ、やりがいなどまで踏み込むことで、働くイメージが持ちやすくなります。
仕事内容は具体性を高める
仕事内容の説明にも差が見られました。
技術職採用では、何をする仕事なのかが見えにくいと、応募前の不安につながりやすくなります。
職種名だけで終わらせず、担当工程、1日の流れ、関わる設備や製品、仕事の面白さなどを具体的に示すことで、理解しやすくなります。
キャリア情報の要否を検討する
今回の調査では、キャリアに関する掲載は少ない傾向が見られました。
ただ、求職者にとっては、入社後にどう成長するか、どのような将来像が描けるかも重要な判断材料です。
そのため、育成の流れや数年後の姿、キャリアパスの例などを補うことで、応募前の不安を和らげやすくなります。
会社案内との役割を整理する
会社案内と採用パンフレットの内容が重複しすぎると、採用パンフレットの役割が薄れやすくなります。
企業理解のための情報は会社案内で伝え、採用パンフレットでは人や仕事に重点を置くなど、媒体ごとの役割を整理することが重要です。
チェックリスト|自社の採用パンフレットを見直すポイント
- 社員のリアルな声が掲載されているか
- 仕事内容が具体的にイメージできるか
- キャリアの流れが示されているか
- 求職者目線の内容、流れになっているか
まとめ
今回の比較で見られた違いは、各社の特徴を整理したものであり、優劣や成果との因果関係を直接示すものではありません。
ただ、採用パンフレットは情報を多く載せるだけで成果が決まるものではなく、何をどの順番で、どの深さまで伝えるかによって印象や理解は大きく変わります。
今回の比較結果を参考にしながら、自社にとって必要な要素と不足している要素を整理し、採用パンフレットの改善に活かしてください。
最後に、採用パンフレットを設計する際は、次の5つの観点で整理すると、内容の優先順位を決めやすくなりますで参考にしてください。
- 人:どんな想いを持った人がいるか(共感)
- 仕事: どんな難しさと面白さがあるか
- 会社:どんな環境で、どこを目指しているか(信頼)
- 将来:自分がどう成長できるか(キャリア形成)
- 安心:安心して働けるか、どんな生活を送れるか(ワークライフバランス・福利厚生)
採用パンフレット作成でお悩みの方へ
ゼンリンプリンテックスでは、パンフレットの制作・印刷に加えて、構成段階からのご相談も承っております。
- パンフレットの目的から整理し直したい
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このようなお客様からご相談いただいています。お気軽にご相談ください。
採用パンフレットの制作と印刷は、ゼンリンプリンテックスにお任せください
| 社名 | 株式会社ゼンリンプリンテックス |
| URL | https://zpx.co.jp/ |
| 設立 | 1947年 9月 |
| 事業所 | 東京、福岡、熊本 |
| 関係会社 | 株式会社ゼンリン、株式会社ゼンリンデータコム、株式会社ジオ技術研究所など 関係会社一覧 |

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本記事は、パンフレット制作の経験が豊富なスタッフ、デザイナーのノウハウをもとに執筆しました。

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