企業パンフレット作成で失敗しない!制作方法やポイントを詳しく解説

失敗しない企業パンフレット作成!目的別の活用方法と制作ポイントを解説する記事の見出し画像

本記事は、企業パンフレットについての正確な定義や一般論ではなく、より実践的で役に立つヒントをご提供することを目的としています。

企業パンフレットとは

「企業パンフレット」は、目的によって指すもの・意味が変わる

「企業パンフレット」は、例えば、会社案内パンフレット、商品・サービス紹介用パンフレット、採用案内などを指します。

「例えば」と書いた理由は、企業パンフレットは“あいまいな言葉”で、目的やターゲットによってとらえ方が変わるからです。
営業・マーケティング部門では「見込み顧客の獲得」、広報部門では「企業イメージの訴求」、人事部門では「採用活動における応募意欲の喚起」、経営部門では「他社との差別化による競争優位」など、それぞれの立場で異なる課題やゴールを抱えています。
それらの目的に応じて必要な「企業パンフレット」の種類や構成も変わってくるのです。

これらとは別に、企業のビジョンや価値観・独自性・ブランドメッセージを表現することに重きを置いたツールとして、もしくは、会社案内・サービス案内をまとめたものとしてなど、企業パンフレットは、目的やターゲット・活用フェーズに応じて柔軟に設計されます。

企業パンフレットの種類は
目的・ターゲットに応じて5つに分類できる

種類主な目的主な活用シーン
会社案内パンフレット信頼性の訴求商談のほか、利害関係者等に配付
商品・サービス案内商品理解・購入促進営業、資料請求、イベント
営業パンフレット営業活動促進商談、対面営業
採用パンフレット採用活動採用説明会
統合型パンフレット多目的に対応営業活動など汎用的に使用

大切なのは、パンフレットを分類することではなく、“目的に対してどのような内容と構成が必要か”“マーケティングプロセスやファネルのどの段階に位置づけるか”を明確にし、それに即した設計を行うことです。

会社案内パンフレット|企業の信頼力を高める

会社案内パンフレットは、企業の基本情報や理念、沿革、代表メッセージ、事業概要、組織図などを掲載し、社外に対してその企業が信頼に値する組織であることを伝えるための資料として使用します。

  • 営業活動支援
    営業担当が顧客や取引先との商談時に、自社の信頼性を説明する
  • 展示会・イベント用
    展示会やセミナーで配付することで、初対面の来場者に自社の概要を伝える
  • 企業情報の提供
    行政機関や金融機関、株主、パートナー企業など利害関係者に会社情報を提供する

商品案内・サービス紹介パンフレット|商品やサービスの魅力を伝える

商品案内パンフレットやサービス紹介パンフレットは、企業が提供する商品やサービスの内容を分かりやすく紹介するものです。単なる情報の伝達ではなく、顧客の関心を引き、理解を深め、購買意欲を高めるために重要な役割を担います。
そのため「なぜこの商品(サービス)が必要なのか」「導入によってどのようなメリットがあるのか」などの視点で構成されます。

営業パンフレット|営業活動を支援する

採用案内パンフレット|共感と応募意欲を高める

統合型パンフレット|多目的に活用される一体型のパンフレット

企業パンフレット制作前におさえるべき4つのポイント

1.目的・ターゲットを明確にする

パンフレットの最適な内容・構成を決めるためには、誰に何のために届けるのかを明確にすることが重要です。既存顧客か見込み顧客か、学生か中途採用者か、業界関係者か一般消費者かによって、伝えるべき情報やトーンが大きく変わるからです。

2.パンフレットの役割を定める

営業プロセスやファネルにおいてどの段階で使うのか、パンフレットの「役割」を設定します。認知段階ならブランドや世界観を伝えるパンフレット、比較検討フェーズなら導入事例や機能紹介が中心になります。

3.メッセージと設計を決める

誰に・どのフェーズで使うかが決まったら、「何をどのように伝えるか」を設計します。製品の強みや企業の価値観、差別化ポイントなど“価値”を明確にし、それに沿った構成・トーンを決めます。

4.どのように使用するかを明らかにする

商談資料として手渡すか、展示会で配付するか、郵送もしくはどこかに設置するのかなど、パンフレットをどこでどのように渡すかは印刷仕様決定の重要な要素になります。

企業パンフレット制作の進め方|基本的な流れ

1.企画:目的・ターゲット、役割、仕様などを明確にする

前項「パンフレット制作前に考えるべきこと」の内容を明確にしておく

2.構成案、ラフ作成

どの情報を、どの順番で、どう見せるか。ページ構成や大まかなレイアウトの骨子、デザイン方針を策定する

3.原稿・写真の用意とデザイン制作

原稿や写真を準備し、デザインを制作していく

4.校正(確認と調整)

誤字脱字チェック、デザイン調整を行い完成させる

5.印刷、納品

完成したデータを印刷する

魅力的な企業パンフレットをつくるデザインのポイント

企業パンフレットのデザインで大切なのは、単なる「かっこよさ」ではありません。
大事なのは「誰に」「何を」伝えるかを意識し、見た人の心に残る表現をすること。
そのためには、以下のようなポイントを意識します。

1.ブランドイメージを伝える「顔」としてのデザインにする

企業パンフレットは、企業の「顔」とも言える存在です。
ロゴやカラー、フォント、写真のトーンなどを統一し、一貫性のあるブランドイメージをつくりましょう。

  • スタイリッシュな印象にしたいならシンプルで余白を活かす
  • 信頼感を重視するなら落ち着いた配色と整然としたレイアウト

など、「自社らしさ」を視覚的に表現することが重要です。
こうしたブランドの“らしさ”を表現する際には、パンフレット全体を通じたトーンやスタイルの一貫性(トーン&マナー)も重要になります。トーン&マナーについては後述します。

2.視覚的な訴求力を意識する

高品質な写真やイラストを使用することで、企業パンフレットの視覚的な訴求力を高めることができます。
人は文章よりも先に「視覚情報」に反応します。
視覚的な要素は、読者の興味を引きつけ、パンフレットの内容を理解しやすくする効果があります。

3.表紙で心をつかむ

ほんの数秒パッと見て、かつ興味を引くビジュアルやコピー。
パンフレットの第一印象を決める表紙は、最も重要な要素の一つです。
表紙は、読者がパンフレットを手に取るかどうかを決定します。
目を引くデザインやコピーなどを効果的に配置し興味を引きつけましょう。

4.情報の「優先順位」と「流れ」を整理する

「見出し」や「配置」「視線の誘導」に配慮し、読者が自然と概要を把握し、さらに「読んでみようかな」と思えるような構成にします。

そもそも、パンフレットは必ず“熟読される”とは限りません。
よほど関心があるか、必要に迫られない限り、最初から最後までしっかり読まれることは少ないのです。

だからこそ、伝えたいことが多くても、あれもこれもと詰め込んでは、必ず伝えたい情報が、かえって埋もれてしまい逆効果となります。

  • 興味を引くキャッチ → 伝えたいメッセージ → 説明・行動喚起
  • 視線の流れを想定したレイアウト(Z型・F型など)
  • ストーリーをもたせる(共感→解決策→実績など)

このように、情報に「優先順位」と「流れ」を与えます。

5.トーン&マナーの統一が信頼感を生む

どんなに内容が良くても、ページごとに雰囲気や表現のスタイルがバラバラだと、パンフレット全体の印象が崩れてしまいます。そこで重要になるのが、「トーン&マナー(トンマナ)」です。

トーン&マナー(トンマナ)とは、パンフレット全体における“印象”や“雰囲気”を統一させるためのルールやガイドラインのことです。デザインや文章表現に一貫性を持たせることで、プロフェッショナルで信頼性のある印象を与えることができます。トーン&マナー(トンマナ)には、次のようなものが含まれます。

  • 配色
    会社やブランドのカラーを意識し使用する色を統一する
  • レイアウト
    見出し・文章・画像などの配置、余白の取り方に一貫性を持たせる
  • フォント
    使用するフォントの種類や大きさ、強調表現(太字・斜体など)を統一する
  • 言葉づかい
    丁寧語/カジュアル/ビジネス調など、文章のトーンをそろえる
  • 写真やイラスト
    色調や構図などを統一し雰囲気や世界観を合わせる

これらをパンフレット全体で意識することで、読み手に安心感・信頼感を与える効果が高まります。逆にトンマナが統一されていないと、「雑な印象」「一貫性がない」といったマイナスイメージを与えてしまいます。

企業パンフレット作成の注意点

見た目はおしゃれ、でも読まれない・使われないパンフレットはNGです

いくらおしゃれな企業パンフレットであっても、目的や用途が不明確では、「誰にも使われない」「誰にも読まれない」自己満足のパンフレットになりがちです。
目的・ターゲット・役割は十分に検討して作成すること、パンフレットを使用する人もその意図を十分に理解することが欠かせません。

誤字脱字のチェックは入念にする

誤字脱字は、企業の信頼性を損なう原因となります。
入念なチェックを行い、誤字脱字がないことを確認しましょう。特に、企業名、製品名、連絡先などの重要な情報については、細心の注意を払いましょう。

印刷会社の選定は慎重に

企業パンフレットの品質を左右する印刷では、信頼できる印刷会社を選定することが重要です。
ただし、印刷会社によって得意分野は異なります。依頼内容によって十分に比較検討するようにしましょう。

分かりやすいコンテンツを心がける

企業パンフレットでは、専門用語を避け、読む人が理解できる言葉で情報を伝えるようにします。
専門用語は、特定の分野の知識を持つ人しか理解できません。そのため、ターゲットが理解できるかを検討する、注釈を付けるなどして理解を助けるようにします。
箇条書きや図表を用いて情報を整理し、視覚的に分かりやすくすることも効果的です。
分かりやすいコンテンツは、読者の理解を深め、パンフレットのメッセージを効果的に伝えることができます。

企業パンフレットでよくある質問

Q
企業パンフレットの種類は?
A

「企業パンフレット」には、会社案内パンフレット、商品・サービス紹介用パンフレット、採用案内などがあります。また、企業のビジョンや価値観、独自性、ブランドメッセージを表現することに重きを置いたツールを企業パンフレットとして位置づけたり、会社案内・サービス案内をまとめて企業パンフレットとすることもあります。目的やターゲット、活用フェーズに応じて柔軟に設計されるため、実践的な意味で企業パンフレットの種類や構成は指すものが変わります。

Q
企業パンフレット制作時のポイントは?
A

企業パンフレットを制作する時には、まず次の4点をきちんと整理することが大切です。

  • 目的・ターゲットを明確にする
  • パンフレットの役割を定める
  • メッセージと設計を決める
  • どのように使用するかを明らかにする

これらは、実際にパンフレットを制作する際に核となる情報です。魅力的な企業パンフレットをつくるために欠かせませんので、一つひとつ明らかにしていかなければなりません。

Q
企業パンフレットで注意することは?
A

見た目はおしゃれ、でも読まれない・使われないパンフレットにならないように、目的・ターゲット・役割は十分に検討して作成することが大切です。もちろん、パンフレットを使用する側も、その意図を十分に理解することが必要です。
また、誤字脱字や印刷物としての品質も、企業イメージに関わりますので配慮が必要です。

まとめ

企業パンフレット制作を成功させるには、以下の観点を押さえることが重要です。

  • 目的とターゲットを明確にする
  • マーケティングプロセスの中での役割を定める
  • メッセージと構成・デザインを設計する
  • 使用シーンに応じて仕様を最適化する

どんなにデザインが洗練されていても、「使われないパンフレット」では意味がありません。本記事で紹介した考え方や制作ステップを参考に、自社に最適なパンフレットの形を見つけてください。そして、「何を作ればいいかわからない」と悩んだときは、本記事に立ち返ってみてください。

パンフレットのことはゼンリンプリンテックスに相談

ゼンリンプリンテックスについて

関連記事

この記事を書いた人

このお役立ち記事は、私がこれまでにお客様のプロモーション課題に取り組んできた経験や、お客様からお寄せいただいた質問をもとに執筆しています。印刷をデザインやマーケティングの観点も交えながら、読者の方に少しでも分かりやすくお伝えする事を心掛けています。