記念誌作成のコツ|記念誌のデザイン・アイデア・企画の事例まで

記念誌作成のコツ-デザイン・アイデア・事例
この記事は次のような方におすすめします
  • 記念誌作成の担当者になった方
  • 記念誌のデザインやアイデアを知りたい方
  • 記念誌の作り方のコツを知りたい方
  • 記念誌の制作パートナーをどう選ぶか迷っている方

本記事では、はじめて記念誌の作成を担当される方へ、
よりよい記念誌を完成させるための具体的な方法をご紹介します。

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記念誌作成で困らないために

深化する記念誌の活用

昨今は自社の企業理念やブランド価値を社内に浸透させるインターナルブランディング(インナーブランディング)がより意識されるようになり、さらにその重要性が高まっています。そして周年事業もインターナルブランディングの一環と捉えられるようになりました。

そのため、周年事業で発行する記念誌においても、

  • 従業員に未来への期待感を持たせ、モチベーション向上やエンゲージメント(信頼関係・つながり)を高める
  • 「過去」を記録するだけでなく「現在」そして「未来」の3つの軸で構成する

などと、具体的に考えた上で制作パートナーに依頼するケースも増えてきました。

記念誌作成で大切なこと

しかしこれらを紙面上で適切に表現することができなければ、せっかくの記念誌が台無しになってしまいます。
実は記念誌の作成においては、パンフレットやポスターの制作とは異なる、記念誌作成に特化した知識やディレクション、デザインの能力が求められます
また、記念誌の作成に長けたデザイナーやライター、カメラマンなどをアサインするためのネットワークも必要とされています。そして、周年事業全体を俯瞰して捉える視点やロードマップを理解することは何より重要です。
これは制作会社に求められる能力です。

これから記念誌を担当する皆さんは、まずは記念誌に関するさまざまな基礎知識を得ること、その上で自分たちに合ったパートナー(制作する会社)を的確に見極めることが大切です。

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記念誌デザインの基本

記念誌のデザインに求められること

書籍や雑誌などページ数が多いものは、内容を整理すること、フォント・文字のサイズ・余白・レイアウト・配色など読みやすいものにすること、そして視覚的にも美しくデザインすることが大切です。
多ページにわたる印刷物は、ページ数や紙面のサイズ、製本方法などによりさまざまな制約が発生します。
チラシやポスターなどの一枚もの印刷物とは異なる部分が多いため、書籍の印刷や編集についてより深く理解しデザインすることが求められます。

読みやすく、統一感のあるデザインに

前項のとおり、記念誌はページ数が多くなる傾向があります。
ページ数が多くなると本の中央(綴じ部分・ノド)は開きにくくなるため、ページ数を考慮し文章や写真をレイアウトする必要があります。
これはページ数が多いカタログなどの基本ですが、経験の少ないデザイナーは意外と見落としがちな点です。
また読みやすい紙面にするには、余白や文字の大きさ、行間・字間のバランス、書体選び、配色などさまざまな要素を考慮する必要があります。
コンセプトに沿ったトーン&マナーを定めてデザインすることで、一貫性があり読みやすい、また存在感のある記念誌を作成することができます。

写真をより美しく表現する

記念誌を作成するために、過去資料を整理し掲載する写真を収集したり、時には関係者などから借用することがあります。
収集した写真プリントやポジフィルム(リバーサルフィルム)はデジタル化することが可能です。
ただし、デジタル化したデータをそのまま印刷物に使用すると品質面で思わぬトラブルにつながることがあります。
記念誌に掲載する場合には、印刷物として写真を美しく表現するために、デジタル化したデータをさらに印刷用のデータとして適切に処理(色分解)をしなければなりません
もし色分解が適切でない場合、実際の印刷物を手にした時にがっかりするような仕上がりとなってしまいます。
印刷物で画像をより美しく表現するためには、技術力の高い印刷会社に依頼するのがベストです。

記念誌作成のアイデア

1. 昔の白黒写真をカラー化する

[白黒写真のカラー化]

日本でカラー写真が一般的になったのは1960~1970年代。
それ以前の写真は白黒写真がほとんどです。
白黒写真は、その当時の趣が感じられるという利点がありますが、人の記憶と同様に抽象的でもあります。
当時の様子をより鮮明に表現する方法として、白黒写真をカラー化するという選択肢があります。
カラー化した写真で人の表情や風景がより豊かにいきいきと感じられるようになり、
その当時を知る人は情景が蘇ってくるように感じられるようです。
また当時を知らない人は、教科書やテレビ、身内の古いアルバムなどで目にする白黒の映像や写真の印象により、その時代をモノクロでイメージすることがあります。そのような人にとっても、モノクロイメージの時代がカラーで表現されることで、とても新鮮で印象的に映ることになります。

白黒写真のカラー化
変色と汚れがある白黒写真をAI処理によってカラー化。さらに画像専門スタッフによる補正を加えたもの

[印刷物にカラー化した写真を載せる場合の注意点]

昨今は、白黒写真のカラー化はAI技術により身近な存在となっています。
白黒写真をカラー化したものを印刷物でより美しく表現するためには、印刷を熟知した技術者による色補正をおすすめします。
印刷する用紙や印刷機の特性をふまえた写真データ処理を行えるかどうかは、印刷物の仕上がりに大きく影響します。特に記念誌などの保存性の高い印刷物では留意したい点です。

[記念誌にカラー化した写真を掲載する効果]

記念誌で白黒写真をカラーで表現すると、当時を知る人の話の種にもなるでしょうし、興味深い企画のひとつになります。
ただし、白黒写真のカラー化は、必ずしも必要というわけではありません。印象的な表現のためにモノクロで表現する場合、また、あえて白黒で撮影した写真もあるかもしれません。
目的や効果を考えて白黒写真のカラー化を検討するようにしましょう。

ゼンリンプリンテックスでは白黒写真のカラー化を承っております
[AI(人工知能)×画像補正] 白黒写真のカラー化

2. 記念誌を映像(動画)化する

周年などの記念映像を制作し、記念式典や周年特設サイトで公開する企業が増えています。
映像で表現することは、視聴者の理解を助け心に残りやすいというメリットがあります。

[記念誌を動的にみせる]

多くの企業は周年の機会に、創業時の精神や受け継ぐべき理念を再確認します。
理念自体を時代にあわせて見直したり、解釈を進歩させるべく取り組むこともあります。
このような時、ストーリー性のある映像を活用することで、この先従業員の道しるべとなる企業理念やコンセプトをわかりやすく伝えることができます
そして、映像と記念誌のデザインコンセプトや写真、文章などを共有すれば、周年事業としての統一感を損なわない一体感のあるコンテンツとなります。
さらに、記念誌と映像を公開するタイミングを連動させるような仕掛けとして周年事業のロードマップに落とし込めば、それぞれは「点」から「面」で捉えられるようになり相乗効果が見込めます。

記念誌の事例

事例1: 社員が主役のカジュアルな記念誌

50周年では歴史の記録を中心とした社史を発行したA社。
60周年では企画ものを中心とした記念誌を制作し、社員とその家族向けに配付しました。
編集委員は人事部長のほか各部署から選出された若手社員が担い、「いま」と「未来」に焦点を合わせた企画を中心に構成、社員のモチベーションやロイヤリティ向上を目指して作成されました。

  • [デザイン] 写真を多く掲載。ビジュアルを重視したデザイン
  • [企画] 若手社員による座談会。自分たちが思う「会社の未来像」について語り合い、その結果を「未来予想図」としてイラストで紹介
  • [社員紹介] 一人ひとりの笑顔がテーマ。ポーズは自由で、普段見られない笑顔を引き出す
  • [社員スタイリング企画] スタイリストが社員の服装や髪型までコーディネイトし、いつもと違う一面を演出する

事例2: 記念イベントと記念誌を連動させる

70周年の節目を迎えたB社は、全国にある営業所およびグループ会社の従業員が一堂に会し「ひとつになる」をテーマにした周年イベントを行いました。
イベントでは自社のアイデンティティを表現し伝えるための映像を上映、映像には著名人からのメッセージも収録されており、イベントを大いに盛り上げました。

イベントが終了した後日、周年記念誌を発行。
記念誌には、周年イベントの準備から当日の様子を躍動感のある写真を中心に掲載するなど、記念誌とイベントを連動させる工夫で一人ひとりにとって思い出の一冊となるように企画しました。
そしてB社の周年事業は、従業員の印象と記憶に残りモチベーションを向上させ、また今後の目標に向かって全員が一丸となるという意識を高めるものになりました。

【記念誌事例】ダウンロード
100周年記念誌を制作されたお客様へのインタビューを「事例資料」としてまとめました。社史や記念誌制作をご検討中の方に参考になる資料です。
>【お役立ち資料】記念誌事例|西南女学院様100周年記念誌制作

記念誌制作事例-学校法人西南女学院様

最後に

ここまでお読みいただいてありがとうございました。
記念誌を作成する業務は、はじめて担当する方がほとんどです。
「記念誌ってなに?」
「そもそも記念誌は何のためにつくるの?」
「他社はどんな記念誌をつくっている?」・・・
など疑問や不安でいっぱいなのではないでしょうか。

そのような時は、記念誌制作の実績が多数あること、トータルで対応できること、そして気軽に相談ができることを目安に、まずは制作会社に相談することをおすすめします。
よりよい記念誌のために、本記事がご参考になれば幸いです。

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記念誌制作にかかる費用とは?制作会社を選ぶ時のポイントも

当社がお役立に立てること

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この記事を書いた人

このお役立ち記事は、私がこれまでにお客様のプロモーション課題に取り組んできた経験や、お客様からお寄せいただいた質問をもとに執筆しています。印刷をデザインやマーケティングの観点も交えながら、読者の方に少しでも分かりやすくお伝えする事を心掛けています。