Web社史とは?紙の社史・記念誌との違い、失敗しない進め方を解説

この記事のポイント

Web社史とは、企業の歴史などをWeb上で伝えるコンテンツです。
Web向けに編集している点で、デジタルブックのように冊子をそのままWeb上で読めるようにするものとは異なります。
また、Web社史や社史・記念誌を作れば、それだけでブランディングになるわけではありません。目的や読者、媒体ごとの役割分担を整理したうえで、ブランディング戦略の中で自社に合った形を検討することが大切です。

担当者

このお役立ち記事は、ゼンリンプリンテックスが社史・記念誌制作で得た知見に基づいて執筆しています。

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Web社史とは

Web社史とは、企業の歴史などを、Web上で伝えるためのコンテンツのことです。周年や節目を記念して作る場合は、Web記念誌と呼ばれることもあります。

社史や記念誌というと、紙に印刷された冊子を思い浮かべる方も多いかもしれません。
紙の社史・記念誌には、会社の歩みを形として残し、社員や取引先、関係者へ届けられるという変わらない価値があります。
一方で近年は、冊子として残すだけでなく、Web社史として公開し、採用・広報・社内共有・周年事業の情報発信に活用するケースもあります。また、完成した冊子をWeb上で読めるようにするデジタルブックや、周年事業全体を発信する周年特設サイトなど、目的に応じたさまざまな形式があります。

この記事では、Web社史の定義をWeb用に再編集したものとし、メリット、紙の社史・記念誌やデジタルブックとの違い、制作時の注意点、進め方をわかりやすく解説します。

Web社史のメリット

Web社史の大きなメリットは、紙の社史を配布していない人も含め、多くの人にも見てもらえることです。
紙の社史の場合、社員、OB、取引先、関係者など、あらかじめ決めた相手に配布する形が中心になります。
そのため、どうしても届けられる相手は限られます。
Web社史は、インターネットを通じて公開できるため、紙の社史を直接配布していない人にも見てもらいやすくなります。

Web社史は、周年事業の一環として活用できます。

創立50周年、100周年などの節目には、社内向けの記念行事だけでなく、社外向けの発信を検討することが多くなります。
そのような時に、Web社史を作ることで、企業の歩みや周年メッセージを、Web上でわかりやすく伝えることができます。また、Web限定の特別コンテンツを公開することもできます。
Web社史を公開することで、周年の取り組みに、より興味を持ってもらうことができるようになります。

Web社史では、紙面では表現できないWebならではの見せ方を取り入れられます。

  • 創業から現在までをたどるスクロール型年表
  • 代表者や社員のインタビュー動画
  • 昔の工場や店舗の写真アーカイブ
  • 商品・サービスの変遷を見せるギャラリー
  • 関連する事業紹介ページや採用ページへのリンク

歴史を文章だけで説明すると、どうしても硬くなりがちです。
動画や演出を組み合わせることで内容をわかりやすく魅力的に伝えられます。

紙の社史は印刷物ですので、一度発行すると内容を修正したり、情報を追加したりすることが難しくなります。
一方でWeb社史は、公開後に情報を追加したり、最新のメッセージを加えたりできます。
また、すべてのコンテンツを一度に公開するのではなく段階的に公開していくことも可能です。
例えば、周年事業の期間中にイベントレポートを追加する、次の節目に合わせて内容を更新するなど、さまざまな使い方ができます。

Web社史は、周年記念のコンテンツとしてだけでなく、広報、採用、社内コミュニケーションにも活用しやすいという特徴があります。
創業の背景、事業の変遷、困難を乗り越えたエピソード、社員の想いなどを伝えることで、会社の考え方や文化をより深く理解してもらうためのコンテンツになります。

採用活動では、採用候補者に自社の価値観や歩みを伝える材料として活用できます。仕事内容や待遇だけでは伝わりにくい会社らしさを、歴史やエピソードを通じて伝えられる点が特徴です。

社内コミュニケーションの面でも、社員が自社の歴史や先輩たちの歩みを知るきっかけになります。特に、拠点が複数ある会社や世代交代が進んでいる会社では、会社の歴史や価値観を共有するコンテンツとしても活用できます。

Web社史と
紙の社史・デジタルブック・周年特設サイトの違い

Web社史を検討するときは、紙の社史・記念誌、デジタルブック、周年特設サイトとの違いを理解しておくことが欠かせません。
いずれも企業の歴史や節目を伝えるための手段ですが、役割は少しずつ異なります。
どれか一つが正解というものではなく、「誰に、何を、どのように伝えたいのか」によって、最適な形式が変わります。

紙の社史・記念誌は、書籍・印刷物として手元に残ります。
企業の節目を形に残すものとして重みがあるため、会社の歩みを記録として残すだけでなく、周年や記念事業にふさわしい記念品としての存在感もあります

一方でWeb社史は、多くの人に見てもらいやすく、顧客、社内外の関係者、採用候補者など、紙の社史・記念誌を直接渡していない人にも企業の歩みを伝えることができます。
加えて、動画やアニメーション、スクロール型の年表などを活用することで、企業の歴史をより親しみやすく、関心を持ってもらいやすい形で伝えることも可能です。
つまり、紙の社史・記念誌は「形として残す」ことに向いており、Web社史は「広く伝え、活用する」ことに向いています。

紙の社史・記念誌Web社史
主な役割形として残す、贈呈する多くの人に伝える
主な読者社員、OB、取引先、関係者顧客、社内外の関係者、採用候補者も
表現方法文章、写真、年表、資料動画、スクロール演出、アニメーションを活用
特徴書籍としての品格や存在感があり、記念品として残しやすい多くの人に気軽に見てもらいやすく、企業の歩みに関心を持ってもらいやすい
向いている用途節目の記録として形に残す、関係者に贈呈する広報の一環として活用しやすい
注意点部数・配布先・保管に制限があるWebに適した見せ方が必要、保管方法は検討が必要

紙の社史・記念誌をWeb上でも見られるようにしたい場合、デジタルブックという方法があります。

デジタルブックは、完成した冊子をWeb上でそのまま閲覧できるようにしたものです。
冊子の内容をそのまま活用できるため、比較的取り入れやすく、紙の社史・記念誌をオンラインでも共有したい場合に向いています。
デジタルブックはあくまで「冊子をWeb上で読めるようにする」ものです。
冊子のレイアウトをそのまま画面上で表示するため、スマートフォンでは文字が小さく感じられることがあります。
また、採用ページや会社案内ページへ自然に誘導したり、動画やスクロール演出、アニメーションなどを組み合わせたりする場合には、見にくさや操作の煩雑さが伴う場合があります。

一方でWeb社史は、冊子をそのままデジタル化するものではありません。
企業の歴史や周年の歩みを、Webで読みやすく、伝わりやすい形に再編集するものです。
デジタルブックは「冊子をWebでも読めるようにする方法」。
Web社史は「企業の歴史をWeb向けに再編集して活用する方法」。
この違いを押さえておくと、自社に合った形式を選びやすくなります。

Web社史と混同されやすいものに、周年特設サイトがあります。
周年特設サイトとは、50周年、100周年などの節目に合わせて、周年事業全体を発信するためのWebサイトのことです。

Web社史は、企業の歴史や歩みを伝えることに重点を置いたコンテンツです。沿革、創業ストーリー、年表、写真アーカイブ、社員インタビュー、座談会などを通じて、企業がどのように歩んできたのかを伝えます。

つまり、周年特設サイトは「周年事業全体を発信する場」であり、Web社史はその中に含まれる「企業の歴史を伝えるコンテンツ」として捉えることができます。
例えば、創立50周年の周年特設サイト内に「50年の歩み」「創業ストーリー」「写真で見る歴史」「社員が語る会社の歩み」といったコンテンツを設ける場合、それはWeb社史としての役割も持っています。

Web社史周年特設サイト
目的企業の歴史や歩みを伝える周年事業全体を発信する
位置づけ歴史を伝えるコンテンツ
常設コンテンツとして残すこともある
周年期間に合わせて公開
関係周年特設サイト内の一部として設けられることがあるWeb社史を含むことがある

紙の社史・記念誌、デジタルブック、Web社史、周年特設サイトは、それぞれ役割が異なります。
整理すると、次のようになります。

媒体(形式)主な役割向いているケース
Web社史Web向けに社史を再編集して届ける採用・広報・社内共有などでより活用したい場合
紙の社史・記念誌会社の歩みを形として残す周年の記念品として贈呈、記録として残す場合
デジタルブック冊子をWeb上でも読めるようにする完成した社史・記念誌をオンラインで共有する場合
周年特設サイト周年事業をWebで発信する周年事業全体をWEBで発信したい場合

会社の歩みを形として残したいなら、紙の社史・記念誌が向いています。
冊子をオンラインで見られるようにしたいなら、デジタルブックが向いています。
周年事業全体を発信したいなら、周年特設サイトとして設計する方法もあります。
企業の歴史を採用・広報・社内共有・周年発信などで、より活用したいなら、Web社史という選択肢を検討するとよいでしょう。

自社の目的に合わせて、これら紙・デジタルブック・Web社史・周年特設サイトを組み合わせることが重要です。

Web社史の注意点

Web社史には多くのメリットがありますが、制作時に注意したい点もあります。

Web社史で最も注意したいのは、目的が曖昧なまま作ってしまうことです。

通常のWebサイトも、目的やゴールが曖昧なまま制作すると、誰に何を伝えるためのサイトなのかが分かりにくくなります。Web社史も同じです。
「とりあえず会社の歴史をWebに載せる」という考え方では、単なる沿革紹介のコンテンツになってしまいます。

Web社史を作る前に、次の点を整理しておく必要があります。

  • 誰に読んでもらいたいのか
  • 何を伝えたいのか
  • 読んだ後にどのような印象を持ってほしいのか
  • 採用、広報、社内コミュニケーションなど何に活用したいのか
  • 紙の社史や記念誌とどう役割を分けるのか

Web社史(紙の社史や記念誌も含めて)を作れば、それだけでブランディングになるわけではありません。
これは当然のことのように思えますが、実は、いつのまにか「作ること自体が目的となってしまう」こと、「作っただけでブランディングになると勘違いしてしまう」ことが少なくありません

社史や記念誌、Web社史をブランディングに活用するという考え方は間違いではありません。会社の歴史や価値観、創業の背景、事業の変遷などを伝えることは、取引先、採用候補者、社員に対して、会社の考え方や文化を伝えるきっかけになります。
しかし、ブランディングは、これらのコンテンツを作れば完結するものではありません。

例えば、採用に関するブランディングであれば、採用したい人物像を明確にし、自社のどのような価値観や魅力を伝えるのかを整理したうえで、発信内容に一貫性を持たせることが重要になります。
社史や記念誌、Web社史は、企業の歴史や価値観、文化を伝えることで、採用ブランディングを支えるコンテンツの一つになります。
ただし、それ単体で採用ブランディングが完成するわけではありません。採用活動全体の中で、どのような役割を持たせるのかを整理できていなければ、採用ブランディングを支えるコンテンツとして十分に機能しないものとなってしまいます。

つまり、自社のブランド戦略や採用戦略の中で、社史や記念誌、Web社史をどのような役割で活用するのかを整理しておくことが大切です。
もし、制作会社から「ブランディングに活用できます」と提案された場合は、具体的にどのような戦略の中で活用するのかまで確認するとよいでしょう
誰に、何を伝え、どの媒体と連携し、どのような印象形成につなげるのか。社史や記念誌、Web社史を単体の制作物として考えるのではなく、ブランド戦略や採用戦略の中でどう位置づけるのかまで提案してもらうことが重要です。

Web社史は、公開範囲を事前に決めておく必要があります。

すべての内容を一般公開するのか。
社員や関係者だけが見られるようにするのか。
採用候補者にも見せるのか。

また、紙の社史・記念誌で掲載許可を得ている場合でもWEBでの公開を許可を得ていることにはなりませんのでこちらも注意が必要です。そのため、Web社史として公開する場合は、あらためて掲載可否を確認しておくことが大切です。

Web社史は、紙の社史・記念誌とは読まれ方が異なります。

紙の社史や記念誌は、ページをめくりながらじっくり読まれることを前提に構成できます。一方でWeb社史は、パソコンやスマートフォンでスクロールしながら読まれるため、最初から最後まで順番に読まれるとは限りません。また、Web社史では、見出し、写真、年表、図版、リンクなどを組み合わせ、内容を整理して見せることが大切です。
スマートフォンでの閲覧を想定する際に、1画面に情報を詰め込みすぎず、スクロールしながら内容を理解しやすい構成にするなどの配慮が必要です。

Web社史で活用できるコンテンツと見せ方

紙の社史では、ページ構成や限られた紙面の中で情報を整理しデザインします。
一方でWeb社史では、スクロール、動画、リンク、ギャラリー、アニメーションなどを使いながら、読者が見やすい形に再編集できます。

掲載内容役割
沿革・年表スクロール型の年表や、年代ごとに開閉できる構成にする
創業ストーリー写真や短い見出しを組み合わせ、読みやすいストーリーとして見せる
メッセージテキストだけでなく、動画メッセージとして掲載する
写真資料写真アーカイブやギャラリーとして整理する

Web社史では関連ページへの導線を設けることもできます。例えば、事業の変遷を紹介したあとに現在の事業紹介ページへつなげるなど、Web上で見やすく、伝わりやすく、活用しやすい形に再編集することが重要です。

Web社史の作り方・進め方

Web社史の進め方は次の通りです。

  1. 目的を決める

    まず決めるべきことは、Web社史の目的です。目的が曖昧なまま進めると、掲載内容もデザインも決められません。

    • 周年事業の一環として発信したい
    • 採用活動で会社理解を深めたい
    • 企業の信頼性や歴史を社外に伝えたい
    • 紙の社史や記念誌の内容をWebでも活用したい
    • 社内の歴史や文化を次世代に共有したい
  2. 読者を決める

    次に、誰に読んでもらうのかを決めます。Web社史の読者は、社内だけとは限りません。
    誰に向けるかによって、言葉の使い方や公開範囲が変わります。

  3. Web社史の役割を整理する

    紙の社史や記念誌も作る場合は、紙とWebの役割を整理します。
    ただ、紙とWebで同じ内容にするのではなく、それぞれの役割に合わせて見せ方を再度検討するようにします。

  4. 掲載するコンテンツを決める

    目的と役割、読者が決まったら、掲載内容を整理し、何を載せるか、何を載せないかを決めます。
    Web社史では、読者に伝えたいテーマに合わせて内容を選ぶことが大切です。

  5. 既存素材を整理し、必要に応じて追加取材を行う

    紙の社史・記念誌をベースにWeb社史を作る際には、既存の素材を整理します。Web限定のコンテンツを入れる場合は、追加取材が必要になることもあります。
    例えば、社員インタビューを動画で掲載する、写真アーカイブに当時のエピソードを添える、採用候補者向けに会社の価値観が伝わるストーリーを加える、といった場合です。
    もちろん、紙の社史・記念誌を制作する段階で「冊子に載せる内容」と「Webで活用する内容」を整理しておくことがベストです。

  6. Webに適した構成・デザインにする

    原稿や素材がそろったら、Webに適した構成とデザインに落とし込みます。Web社史は、採用候補者や社外の人がスマートフォンで見る可能性もあります。文字量、写真サイズ、余白、スクロールの流れを考えて設計する必要があります。

  7. 公開後の更新体制を決める

    Web社史は、公開後の情報を更新や管理を誰が行うのかを決めておく必要があります。
    Webページは公開したら放置ではなく、その後の運用まで考えておきます。

Web社史が向いている会社

周年事業を社内行事だけで終わらせず、社外にも発信したい会社にもWeb社史は有効です。周年の節目は、企業の歩みや感謝を伝える良い機会です。
Web社史として公開すれば、取引先、顧客ほかステークホルダーに周年のメッセージを届けられます。

過去の写真、映像、商品資料、社内報などが多く残っている会社は、Web社史に向いています。紙面では掲載点数に限りがありますが、Webであればギャラリーやアーカイブとして見せることもできます。

歴史の長い企業や、地域に根ざして事業を続けてきた企業などは、これまでの歩みそのものが採用広報の材料になる場合があります。ただし、先述した通り、社史や記念誌、Web社史を作れば、それだけで採用ブランディングになるわけではありません。

まとめ

Web社史は、企業の歴史や創業から現在までの歩みを、Web上で伝えるためのコンテンツです。周年や節目を記念して作る場合は、Web記念誌と呼ばれることもあります。

紙の社史・記念誌は、会社の歩みを形として残し、社員や取引先、関係者へ届けられる点に大きな価値があります。一方でWeb社史は、企業の歩みをWeb向けに再編集し、採用・広報・社内共有・周年事業の情報発信などに活用しやすい点が特徴です。

また、完成した冊子をWeb上で読めるようにするデジタルブックや、周年事業全体を発信する周年特設サイトとも役割は異なります。どれが優れているかではなく、目的や読者に応じて、それぞれの媒体を使い分けることが大切です。

ただし、Web社史を作れば、それだけでブランディングになるわけではありません。誰に、何を伝え、採用・広報・社内共有などの中でどのような役割を持たせるのかを整理したうえで制作する必要があります。

社史・記念誌を制作する際は、冊子として残すのか、Webでも公開するのか、デジタルブックとして共有するのか、周年特設サイトと連携させるのかを検討し、自社に合った形を選ぶことが重要です。

冊子として残すのか。
デジタルブックとして公開するのか。
採用や広報にも活用できるWeb社史として設計するのか。

目的によって、最適な形は変わります。

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社名株式会社ゼンリンプリンテックス
URLhttps://zpx.co.jp/
設立1947年 9月
事業所東京、福岡、熊本
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当社は、株式会社ゼンリン(東京証券取引所プライム市場)のグループ会社です

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