広報誌の印刷|用紙・サイズ・製本・部数の決め方と発注前のポイント

POINT

  • 広報誌の印刷は、サイズ・ページ数・用紙・製本方法・部数で決まる
  • 印刷用紙や製本方法は、誌面の印象、読みやすさ、重量、費用、配布方法で考える

広報誌を印刷するときは、サイズやページ数、用紙、製本方法、部数などを決める必要があります。

これらの仕様は、仕上がりだけでなく、読みやすさや配布方法、費用にも関わります。例えば、写真を多く掲載する場合は写真の見え方を考えて用紙を選び、郵送する場合は冊子の重さも考慮します。公共施設などに設置する場合は、手に取りやすさや置きやすさもサイズを決める材料になります。

この記事では、サイズ、用紙、製本方法、部数などの選び方から、印刷費用、入稿、納品まで、広報誌を印刷するときに確認しておきたいポイントを解説します。

▼ 表示する

広報誌の印刷に関する見積もりや発注をする際は、サイズ、ページ数、用紙、製本方法、部数、納期などの情報が必要です。

必要な情報例主に影響するもの
サイズA4、B5、AB判など情報量、配布方法、費用
ページ数表紙を含めた総ページ数情報量、製本方法、費用
用紙種類・厚さ写真や文字の見え方、費用
印刷色フルカラー、モノクロなど表現、費用
製本方法中綴じ、無線綴じ、スクラム製本など開きやすさ、ページ数、費用
部数配布・設置・保管する数印刷方法、費用、在庫
校正色校正の有無・方法色の確認、納期、費用
納期校了日、納品日など制作・印刷スケジュール
納品方法一括納品、仕分け、複数拠点への納品など配送、必要日数、費用

最初からすべてを決めておく必要はありません。
例えば、「A4で8ページ程度」「年4回発行」「約3,000部」といった条件までわかれば、それをもとに用紙や製本方法、印刷方法を印刷会社に相談し、最終的に決定すればよいでしょう。
※地域別に内容を差し替えるページなどがある場合は、事前に伝えておくと正確な見積に役立ちます

担当

ゼンリンプリンテックスでも、発行の目的やご使用方法、ご予算などから最適な冊子の仕様をご案内しています。

広報誌のサイズは、誌面に載せられる情報量、配布の仕方、保管に関わります。
新しく広報誌を作る場合やリニューアルする場合は、誌面の見え方だけでなく、どこでどのように配るのかまで考えて決めます。以下が代表的なサイズです。

サイズ寸法特徴
A4210×297mm情報量を確保しやすく写真や文章を配置しやすい。
B5182×257mmA4よりひと回り小さく、比較的コンパクト。
AB判210×257mmA4と同じ横幅を保ちながら、高さを抑えたサイズ。
A5148×210mm1ページに載せられる情報量は少なくなる。
  • 手渡しするのか、ラックなどに設置するのか
  • 郵送するのか、読後に保管してもらうことを想定しているのか
  • 文章量が多いのか、写真を大きく見せたいのか

広報誌では、中綴じがよく使われますが、その他にも無線綴じやスクラム製本という方法もあります。

中綴じは、二つ折りにした用紙を重ね、冊子の中央を針金で留める製本方法です。ページ数が少なく、ページを大きく開いて読みたい広報誌で使いやすい方法です。
中綴じでは、1枚の用紙を二つ折り(一度折る)にすると両面で4ページ分になるため、冊子の総ページ数は4の倍数にするのが基本です。ページ数を決める段階からこれを想定しておくようにします。

無線綴じは、本文の背側を糊で固め、表紙でくるむ製本方法です。ページ数が多く、ある程度の厚みがある広報誌や、保管して繰り返し読んでもらう冊子で選ばれます。背表紙を設けられるため、本棚に並べたときにも冊子を判別しやすくなります。
一方、ページ数が少なく冊子に十分な厚みがない場合は、綴じの強度や背幅を確保しにくいことがあります。ページ数が多いと中央部分が開きにくくなる場合があることに配慮し誌面を制作するようにします。

スクラム製本は、二つ折りにした用紙を重ね、針金や糊を使わずにまとめる製本方法です。新聞のように開いて読むことができ、比較的ページ数の少ない広報誌で選択肢になります。

広報誌の用紙(種類と厚さ)は、写真や文字の見え方、冊子の手触り、厚みや重さを左右します。代表的な広報誌の用紙には、コート紙、マットコート紙、上質紙があります。

コート紙は、表面に塗工が施された用紙です。最もよく使われる王道の用紙の一つです。光沢があるため人物、商品、料理、施設、イベントなど、写真を多く使う広報誌に適しています。その光沢が媒体の雰囲気に合うかどうかも確認すると良いでしょう。

マットコート紙は、コート紙より光沢を抑えた用紙です。上品な雰囲気に仕上がります。光を反射しにくいため文字が読みやすいのが特徴です。

上質紙は、表面に塗工をしていない印刷用紙です。光沢を抑えたい場合や、紙そのものの質感を生かしたい広報誌で候補になります。

用紙特徴向いている内容
コート紙光沢がある塗工紙写真や色を鮮やかに見せたい
マットコート紙光沢を抑えた塗工紙上品な仕上がり、読みやすい
上質紙表面を塗工していない文章中心、紙の質感を生かしたい

紙の厚さは、手に持ったときの感触、冊子全体の厚みや重さに影響します。表紙に本文より厚い用紙を使う方法もあります。
紙はコート紙A2/90kgなどと名称・厚さの数値で表現されますが、それでは仕上がりを想像しにくいため、迷った場合は用紙サンプルや実際の印刷見本を手に取って比較する方法が確実です。

広報誌では、まずカラー(4色)印刷、もしくはモノクロ(通常は墨1色)印刷から検討します。
人物や活動風景、商品などを写真で見せる広報誌ではカラー印刷、文章や資料が中心で色による情報伝達をあまり必要としない媒体ではモノクロ印刷も選択肢になります。

担当

なお、通常の印刷で使用するCMYKの4色インキ以外に、特別に調合したインキ(特色)を使用する方法もあります。
特色は、墨+特色の2色印刷や、企業ロゴ・ブランドカラーなど指定された色をより正確に再現したい場合などに使用されます。

印刷部数は、配布・設置・保管・予備数を含めて考えます。
また、いつも同じ部数をそのまま発注するのではなく、定期的に、配布先ごとの必要数と前号の余部・不足を確認するようにします。

印刷方法とは、実際に印刷する際の方式のことです。広報誌ではオフセット印刷やデジタル印刷が使われます。
デジタル印刷は、版を作らず、データから直接印刷する方法です。少部数の印刷や、印刷物ごとに内容を変えるバリアブル印刷などに対応しやすい特徴があります。

担当

ゼンリンプリンテックスではデジタル印刷設備も備えています。オフセット印刷とデジタル印刷の両方を扱えるため、部数や仕様を確認したうえで印刷方法を検討できます。

色校正は、本番印刷の前に色の見え方を確認する工程です。パソコンなどの画面と印刷物では色を表現する仕組みが異なるため、画面上の見え方がそのまま紙に再現されるとは限りません。特に、商品写真やコーポレートカラーなど、色の再現を重視する場合は色校正を検討します。

色校正には複数の方法があり、確認できる内容、精度、費用、必要な日数も異なります。
「写真の色を確認したい」「冊子全体の色をシビアに確認したい」など確認したい対象を印刷会社へ伝え必要な色校正について相談するとよいでしょう。

入稿とは、印刷会社へ印刷用のデータを渡すことです。自社や制作会社でデザインデータを用意する場合は、見た目が完成しているかだけでなく、依頼する印刷会社の入稿条件に合っているかを確認します。
デザイン上は完成していても、印刷会社の入稿条件に合っていなければ、そのまま印刷工程へ進めないことがあります。
印刷会社がデザイン制作から行う場合は、依頼者が印刷用データ作成について意識する必要はありません。

広報誌の納期は、印刷を始める日ではなく、発行する日から逆算します。
発行日が決まっている広報誌では、印刷・製本だけでなく、仕分け、配送、社内での配布準備まで含めて日程を組みます。
例えば「4月1日発行」でも、4月1日に自社へ届けばよいとは限りません。
その前に各拠点へ発送したり、封入・配布準備を行ったりする場合は、さらに前の納品が必要です。

担当

ゼンリンプリンテックスでは、自治体の広報紙32万部を約4,500種類に仕分け・帯封して納品する業務に30年以上対応してきました。大量に配布する広報誌では、「何部印刷するか」だけでなく、「どこへ何部届けるか」「どの単位で仕分けるか」まで発注時に決めておくと、印刷後の工程まで計画を立てやすくなります。

広報誌の印刷費用は、サイズや部数だけでなく、ページ数、用紙、印刷色、製本方法、色校正、納期、納品条件などの組み合わせで変わります。複数の印刷会社へ見積もりを依頼する場合は、できるだけ同じ条件を伝えて比較します。

例えば、同じA4・1,000部でも、8ページと24ページでは使用する紙の量や印刷・製本工程が異なります。用紙や製本方法が違う見積もりを、総額だけで比べても同じ条件での比較にはなりません。

部数を半分にしても、費用が単純に半分になるとは限りません。オフセット印刷では、刷版や印刷機の準備など、部数に比例しない工程があるためです。まとまった部数になると、1部あたりの費用が下がる場合もあります。

デザインやデータ修正まで依頼する場合は、印刷・製本費とは別に制作費やデータ調整費が発生することもあります。見積もりを比較するときは、金額だけでなく、どこまでの作業が含まれているかも確認します。

仕様がまだ決まっていない場合は、すべてを確定してから見積もりを依頼する必要はありません。現在わかっているサイズ、ページ数、部数、発行時期などを伝え、用紙や製本方法を相談しながら条件を固めることもできます。

ここまで紹介したサイズ、用紙、印刷色、製本方法、部数などは、それぞれを別々に決めるのではなく、一つの印刷仕様として組み合わせます。実際の広報誌では、例えば次のような仕様になります。

例1

サイズA4(210×297mm)
ページ数20ページ
用紙マット紙70kg
印刷色4色
印刷方式オフセット印刷
製本中綴じ
部数50,000

例2

サイズAB判(210×257mm)
ページ数16ページ
用紙コート紙(光沢)73kg
印刷色4色
印刷方式オフセット印刷
製本中綴じ
部数15,000

例3

サイズD5(仕上がり)
ページ数12ページ
用紙上更紙 42.5kg
印刷色4色
印刷方式オフセット印刷
製本スクラム
部数20万部以上

印刷会社へ相談するときは、サイズやページ数などの印刷仕様だけでなく、広報誌の用途や配布方法、現在困っていることも伝えます。仕様が決まっていない場合でも、使い方や希望がわかれば、用紙や製本方法を検討する材料になるためです。

伝える内容の例
広報誌の用途社外向け広報誌、社内報、会報など
配布方法手渡し、郵送、施設への設置など
発行頻度毎月、年4回など
部数3,000部、10,000部など
希望する仕上がり写真をきれいに見せたい、軽くしたい、保管しやすくしたいなど
データの状況完成済み、制作途中、デザインから依頼したいなど
現在困っていること印刷費を見直したい、紙を変更したい、仕分け作業を減らしたいなど
納品条件1か所へ一括納品、複数拠点へ仕分けして納品など

すでに広報誌を発行している場合は、前号などの実物や現在の印刷データも用意しておくと、用紙の厚さや製本方法、情報量などを確認しながら相談できます。

「紙を少し軽くしたい」「写真の色を改善したい」「複数拠点への仕分けまで任せたい」といった要望があれば、それも具体的に伝えます。

サイズ、ページ数、部数などが未定でも問題ありません。決まっていることと未定のことを分けて伝えれば、印刷会社と相談しながら仕様を詰められます。

Q
広報誌にはどの用紙を使えばよいですか?
A

写真の量、文章量、求める質感などから選びます。写真や色を見せたい場合はコート紙、写真と文章を両方扱いたい場合はマットコート紙、光沢を抑えたい場合や紙の質感を生かしたい場合は上質紙などが候補です。

同じ種類の紙でも銘柄や厚さによって仕上がりは異なります。迷う場合は、用紙サンプルや実際の印刷見本を確認して決めます。

Q
広報誌は少部数でも印刷できますか?
A

デジタル印刷など、少部数に対応しやすい印刷方法があります。

ただし、少部数だから必ずデジタル印刷になるわけではありません。サイズ、ページ数、用紙、必要な品質、納期などを含めて印刷方法を決めます。

Q
広報誌の印刷にはどのくらいの日数がかかりますか?
A

ページ数、部数、製本方法、用紙、色校正の有無、加工、納品方法などによって必要な期間が変わります。

発行日が決まっている場合は、まず希望する納品日を伝え、そこから入稿・校正・印刷・製本・配送の日程を確認します。

Q
デザインデータが完成していなくても相談できますか?
A

相談できます。

サイズやページ数、部数がまだ確定していなくても、発行時期、想定するページ数、配布方法など、わかっている条件から印刷仕様を検討できます。

Q
毎号同じ広報誌を印刷する場合も、毎回仕様を決め直す必要がありますか?
A

基本仕様に変更がなければ、毎号すべてを決め直す必要はありません。

サイズ、用紙、製本方法などを共通仕様として決め、部数やページ数など変更がある項目を号ごとに確認します。

入稿方法、校了日、納品先、仕分け方法まで運用を決めておけば、担当者が変わった場合にも引き継ぎやすくなります。

まとめ

広報誌の印刷では、サイズ、ページ数、用紙、製本方法、部数、印刷方法などを組み合わせて最適な印刷仕様を決めていきます。掲載する情報量、写真や文章の見せ方、配布方法、保管方法、予算まで含めて考えることが大切です。
もちろん、すべての仕様を最初から決めておく必要はありません。発行時期、想定するページ数、部数、配布方法など、決まっている条件を印刷会社へ伝え、用紙や製本方法、印刷方法を相談しながら決めていくこともできます。

ゼンリンプリンテックスでは、広報誌の企画・構成から、取材、原稿作成、デザイン、印刷、製本までそれぞれのプロがご相談にお応えします。

まずはプロに無料で相談するのが近道です

関連記事

社名株式会社ゼンリンプリンテックス
URLhttps://zpx.co.jp/
設立1947年 9月
事業所東京、福岡、熊本
関係会社株式会社ゼンリン、株式会社ゼンリンデータコム、株式会社ゼンリンマーケティングソリューションズ、株式会社ゼンリンジオ技術研究所など-関係会社一覧
当社は、株式会社ゼンリン(東京証券取引所プライム市場)のグループ会社です