POINT
- 広報誌作成では、目先のデザインばかりに気を取られず、目的・読者設定から企画・構成・原稿・デザイン・校正・印刷までを一つの工程として捉え、一貫した方針で進めることが大切です
「広報誌を作ることになったものの、何から始めればよいかわからない」
「毎回似たような誌面になってしまう」
「テンプレートを使っているのに、どうしても素人っぽく見えてしまう」
広報誌の制作では、このような悩みが少なくありません。
広報誌は、いきなり原稿やデザインから始めるのではなく、目的・読者、発行条件、企画・ページ構成を固めてから進めることが大切です。
この記事では、広報誌の作り方を7つのSTEPに分け、企画・構成から取材・原稿作成、デザイン、校正、印刷・製本まで、実際の制作の流れに沿って解説します。
広報誌は、企業・学校・自治体などが、顧客や地域社会、社員などとの関係を深めるために情報を発信する媒体です。継続して発行する場合は、毎号の情報発信を通じて、読者との信頼や共感を育てていく役割もあります。
広報誌は7つの工程で作る
広報誌の作り方を大きく分けると、次の7つの工程があります。
- 目的・読者を決める:誰に、何を伝えるのか
- 条件・仕様を決める:発行日・サイズ・ページ数・部数・予算など
- 企画・ページ構成を決める:何を、何ページに掲載するのか
- 取材・原稿・写真を準備する:誰が、何を、いつまでに用意するのか
- デザインする:情報をどのように見せるのか
- 校正する:内容・表記・写真・デザインを確認する
- 印刷・製本する:用紙・部数・印刷方法・製本方法などを最終確認する
- 現在通院している患者
- 患者の家族
- 病院を利用したことのない地域住民
- 医療・介護関係者
- 自社や組織への理解を深めてほしい
- 新しい制度やサービスを知ってほしい
- 健康について行動を変えてほしい
- イベントへ参加してほしい
- 商品やサービスに興味を持ってほしい
- 組織を身近に感じてほしい
- 誰に読んでもらうのか
- 何を伝えるのか
- 読んだ後にどう感じ、どうなってほしいのか
- どこで読むのか
- 持ち帰ってもらうのか
- 郵送するのか
- 文章を中心に読ませたいのか、写真を大きく見せたいのか
広報誌というと、「どんなデザインにするか」「どの用紙で印刷するか」に目が向きやすいかもしれません。
制作をスムーズに進めるうえで、特に丁寧に考えておきたいのは上記1~3の準備段階です。
誰に何を伝えるのか。そのために何を掲載するのか。何ページを使って、どの順番で見せるのか。
ここまで決めてから制作に入れば、その後の取材・原稿作成・デザイン・校正も進めやすくなります。
まずは、広報誌の土台となる「目的」と「読者」を決めましょう。

STEP1
広報誌の目的と読者を決める
広報誌づくりで最初に決めるのは、デザインではありません。「誰に・何を伝え・読んだ後にどうなってほしいか」です。
この3点が明確になると、掲載する企画、情報の優先順位、文章の詳しさ、写真やイラストの使い方、デザインの方向性を判断しやすくなります。
発行目的を明確にする
まず、何のために広報誌を発行するのかを明確にします。
「情報を発信する」「会社や組織のことを知ってもらう」だけでは、掲載内容を判断する基準としてはまだ曖昧です。
もう一段掘り下げて、誰に、何を知ってもらい、その結果どうなってほしいのかまで考えます。たとえば病院が地域向けの広報誌を発行する場合、「地域の人へ病院の情報を発信する」よりも、「地域の人に健康や医療について分かりやすく伝え、病院をより身近に感じてもらう」とした方が、企画や誌面の方向性を判断しやすくなります。
この目的なら、専門的な医療情報をそのまま並べるのではなく、日常生活に役立つ健康情報にする、専門用語を分かりやすく説明する、医師やスタッフの顔が見える企画を入れる、といった判断ができます。
企業の広報誌でも同じです。
会社の取り組みを紹介したいのか、商品・サービスへの理解を深めてもらいたいのか、社員や関係者とのつながりを強くしたいのか。
広報誌に何を載せるか迷ったときに立ち返る基準が、発行目的です。
想定する読者を具体的にする
発行目的とあわせて、誰に読んでもらう広報誌なのかも具体的にします。
「お客様」「地域住民」「社員」のような大きなくくりだけでなく、実際に誌面を読む人を想像してみましょう。
たとえば病院の広報誌でも、
では、知りたい情報も、分かりやすいと感じる文章も異なります。
企業広報誌でも、既存顧客、取引先、将来の顧客、社員やその家族では、企画の優先順位が変わります。
すべての人に向けて作ろうとすると、結果的に誰にも強く届かない誌面になりかねません。まず中心となる読者を決め、その人が「これは自分に関係のある情報だ」と思える内容を考えます。
読んだ後にどうなってほしいかを決める
広報誌では、読んでもらうこと自体をゴールにしないこともポイントです。読後にどのような変化が起きてほしいのかを考えます。
といったゴールが考えられます。
例えば、イベントを紹介するページなら、日時や会場を掲載するだけではなく、「参加してみたい」と思ってもらうには何が必要かまで考えます。
会場の雰囲気が分かる写真が必要なのか。過去の参加者の様子を紹介した方がよいのか。申込方法を目立たせるべきなのか。
読後の行動まで決めると、誌面に必要な情報が具体的になります。
広報誌を作り始める前に、少なくとも次の3点を言葉にしておきましょう。
STEP2
発行条件・基本仕様を決める
広報誌の目的と読者が決まったら、発行日・サイズ・ページ数・部数・製本方法・予算など、制作の前提となる条件を整理します。
サイズやページ数、製本方法は、掲載できる情報量やレイアウトにも影響します。そのため、デザインを始めてから決めるのではなく、企画やページ構成を考える前に、基本的な仕様を決めておきます。ただし、この段階ですべてを細かく確定する必要はありません。まずは、企画・ページ構成や制作スケジュールを具体的に考えられる程度まで、広報誌の「枠」を固めていきます。
発行日から制作スケジュールを逆算する
制作スケジュールは、広報誌を発行する日から逆算して決めます。
発行日だけを決めるのではなく、納品・発送、印刷・製本、校正、デザイン、取材・原稿作成など、必要な工程にかかる期間を順にさかのぼって考えます。
特に、複数の部署や関係者から原稿や写真を集める広報誌では、素材の収集や社内確認にも時間がかかります。
「原稿が予定どおり集まらない」「数字や役職名の確認に時間がかかる」といったケースもあるため、印刷に必要な日数だけでなく、原稿収集や社内確認にかかる時間も含めてスケジュールを組むことが大切です。
制作期間は、ページ数、取材の有無、校正回数、印刷・製本方法などによって変わります。発行日が決まっている場合は、早い段階で制作会社や印刷会社に相談し、無理のない進行スケジュールを確認しておきましょう。
ページ数・サイズ・部数を決める
サイズ・ページ数・製本方法は、企画やデザインを始める前に基本仕様を決めておきます。
これらは、誌面に掲載できる情報量やレイアウトに直接関わるためです。例えばA4判とB5判では、同じ内容でも1ページに入る文字量や、写真を見せられる大きさが変わります。ページ数も同様です。8ページなのか16ページなのかによって、掲載できる企画の数や、一つの特集に使えるページ数が変わります。
製本方法についても、ページ数だけでなく、見開きの使い方や綴じ側の余白などデザインに関わるため、早めに方向性を決めておきます。仕様の判断が難しい場合は、掲載したい内容や配布方法を制作会社・印刷会社に伝え、適した組み合わせを相談するとよいでしょう。
ページ数
情報量が多いのにページ数を抑えすぎると、文字や写真を詰め込むことになり、読みづらい誌面になりがちです。
反対に、掲載内容に対してページ数が多すぎれば、必要のない情報まで増やすことになりかねません。
サイズ
サイズも、「A4が一般的だから」といった理由だけで決めるのではなく、次のような用途から考えます。
部数と納品・発送条件を決める
印刷部数は、「前回と同じ」「きりのよい部数だから」と決めるのではなく、どこへ何部配布・設置するのかを整理して決めます。
| 配布・設置先 | 部数 |
|---|---|
| イベント、プロモーション用 | 1,000部 |
| 顧客・取引先 | 800部 |
| 公共施設など | 2,500部 |
| 自社の各拠点 | 150部 |
| 予備 | 50部 |
| 合計 | 4,500部 |
このように用途別に整理しておけば、「何となく5,000部」と決めるよりも、必要な印刷部数を把握しやすくなります。
印刷物は、仕様や印刷方法によって、部数を少し減らしても費用が同じ割合では下がらない場合があります。そのため、予備を含めて多めに印刷するケースもあります。
ただし、余った広報誌を使わないまま廃棄するのは、コストだけでなく資源の無駄にもなります。実際の配布予定数に、必要な予備部数を加えて決めるのが基本です。
部数とあわせて、納品先や発送方法も整理しておきます。
複数の拠点へ納品する場合は、「どこへ何部届けるのか」「何部単位で梱包するのか」「各拠点へ直送するのか、一度自社へ納品するのか」などを決めます。こうした仕分け・発送条件は、費用や納期にも関わるため、印刷後ではなく、見積もりや発注の段階までに印刷会社へ伝えておくことが大切です。
予算は印刷費だけで考えない
広報誌の費用は、印刷代だけでは決まりません。内容や制作体制によって変わります。
自社で対応する工程が多ければ、外注費は抑えやすくなります。一方で、担当者の作業時間や、社内での原稿回収・確認・調整にかかる負担は増えます。
そのため予算を考えるときは、「印刷にいくらかかるか」だけでなく、「どこまで自社で行い、どこから外部へ依頼するか」まで含めて考えることが大切です。
この段階で細かな金額まで確定する必要はありません。自社で対応できる工程と、外部へ相談したい工程を整理しておくと、見積もりを取りやすくなります。
STEP3
企画とページ構成を決める
企画とページ構成は、「掲載候補を出す→整理する→優先順位をつける→ページに割り振る」の順で考えると決めやすくなります。いきなり「1ページ目には何を載せる?」「4ページ目が空いているから何か入れよう」と考え始めると、広報誌全体の構成がまとまりにくくなります。まずはページを意識せず、今回伝えたい内容を整理します。
掲載したい内容を一度すべて洗い出す
最初に、今回の広報誌に載せたい内容を書き出します。
例えば、今号の特集、事業や活動の紹介、インタビュー記事、お客様や利用者の声、イベントレポート、コラムなどが候補になります。この段階では、ページ数を気にする必要はありません。最初から候補を減らしながら考えるより、一度洗い出してから選ぶ方が、企画全体を俯瞰しやすくなります。
定番企画と今号ならではの企画に分ける
定期的に発行する広報誌では、毎号掲載する企画と、その号ならではの企画に分けると構成を考えやすくなります。
今号ならではの企画とは、季節に合わせた特集、特別インタビュー、新サービスの特集などです。
毎号すべてをゼロから考える必要がなくなり、制作担当者の負担を抑えられます。
定番企画が読者に定着すれば、「このコーナーを毎号楽しみにしている」と継続して読んでもらう理由にもなります。
発行目的と読者を基準に優先順位をつける
候補を出したら、すべてを掲載するのではなく優先順位をつけます。
判断基準になるのが、STEP1で決めた発行目的と読者です。
ここで注意したいのは、「社内として載せたい情報」と「読者が知りたい情報」は必ずしも同じではないことです。
各部署から、「これも載せてほしい」「この情報も重要だ」と要望が集まり、情報を詰め込みすぎるケースがあります。
そんなときは、「この情報は誰のために載せるのか」「今回の発行目的を達成するために必要なのか」という基準に戻ります。
重要度に合わせてページ数にメリハリをつける
広報誌のすべての企画を、同じ大きさで扱う必要はありません。
今号で一番伝えたい特集なら2ページを使い、補足的なお知らせなら1ページの一部にするなど、内容の重要度に応じてページ数を変えます。
すべての企画を均等に配置すると、一見整っていても、「今号で何を一番伝えたいのか」が分かりにくい誌面になりがちです。ページ構成の段階から、情報に強弱をつけましょう。
台割を作って広報誌全体を見える化する
掲載内容が決まったら、台割(だいわり)を作ります。
台割とは、どのページに何を掲載するのかを一覧にした、広報誌全体の設計図です。
例えば、8ページの広報誌なら、次のような構成が考えられます。
| ページ | 掲載内容 |
|---|---|
| 1 | 表紙 |
| 2~3 | メイン特集 |
| 4~5 | インタビュー・コラム |
| 6 | 活動・サービス紹介 |
| 7 | お知らせ・イベント |
| 8 | 次号案内・お知らせなど |
台割を作っておけば、広報誌一冊単位で、どの企画に何ページ使うのか、順番は自然か、情報量のバランスはよいか、原稿や写真準備の必要性を俯瞰して確認できます。
各ページで「何を伝えるか」を一文で決める
台割ができたら、各ページで一番伝えたいことを一文にします。
「新しい施設によって、利用者にどのようなメリットが生まれたのかを伝える」
「現場で働く人の姿を通して、会社の考え方や仕事への姿勢を伝える」といったように、なるべく具体的に表します。
編集作業に追われると、誌面の見た目や文章、写真を整えることに意識が向き、そのページで本来伝えたかったことを見失いやすくなります。
各ページの目的を一文にしておけば、誰に取材するのか、何を質問するのか、どのような原稿や写真が必要なのかを判断する基準になります。
STEP4
取材・原稿・写真を準備する
企画とページ構成が決まったら、各ページに必要な取材・原稿・写真を準備します。
取材前に質問項目を準備する
取材を行う場合は、事前に質問項目を作ります。誌面で伝えたい内容から質問を逆算します。「新サービスについて教えてください」と大きく聞くだけでは、記事に必要な情報を聞き漏らすことがあります。事前に取材のテーマや質問の概要を伝えておけば、取材相手にも必要な資料や数字を準備してもらいやすくなります。
原稿には必要な情報を選んで載せる
取材で集めた情報を、すべて誌面に入れる必要はありません。「せっかく聞いたから」「この話も重要だから」と詰め込みすぎると、文字量が増え、かえって主題が伝わりにくくなります。STEP3で決めた「このページでは何を伝えるのか」に照らし、必要な情報を選びます。専門的な内容を扱う場合は、読者に合わせて専門用語を言い換える、補足を付ける、図やイラストで示すなど、理解しやすい表現に変えることも検討します。
写真は先に決める
原稿ができた後になって「ここに入れる写真がない」とならないよう、台割や原稿を考える段階で必要な写真も整理します。顔が分かる人物写真、実際に仕事をしている様子、周囲の環境が分かる写真、手元や道具などの細部といったものが考えられます。
「○○さんの写真を撮る」ではなく、その写真で何を伝えたいのかまで考えて撮影します。写真は誌面を飾るためだけのものではありません。人物の表情、現場の雰囲気、施設や商品の特徴など、文章だけでは伝えにくい情報を補う役割があります。
担当者と締切を決める
複数人で制作する場合は、誰が何を、いつまでに準備するのかを明確にします。原稿の遅れは、その後のデザイン・校正・印刷にも影響します。素材を準備する段階から、提出状況を把握できるようにしておきましょう。
STEP5
広報誌を読みやすくデザインする
広報誌のデザインで大切なのは、装飾を増やすことではありません。情報に優先順位をつけ、一冊を通してルールを統一することです。「テンプレートを使っているのに、何となくまとまりがない」「色や写真を変えても、あまり良くならない」という場合、テンプレートそのものではなく、情報整理やデザインルールに原因があるかもしれません。
情報の優先順位を見直す
読みやすい広報誌では、情報の重要度によって見せ方に差があります。
例えば、タイトル→リード→小見出し→本文→注釈のように、情報の役割に合わせて文字の大きさや太さを変えます。
使用する色やフォントを増やしすぎない
色やフォントは、多く使うほど華やかになるわけではありません。
種類が増えすぎると、どの色や書体に意味があるのか分かりにくくなり、一冊としての統一感も失われます。企業や病院、団体などにブランドカラーがある場合は、その色を基準に誌面全体を設計します。
余白をデザインの一部として使う
誌面に空いている場所があると、「もったいないから何か入れよう」と考えたくなるかもしれません。
しかし、余白は情報を整理し、読みやすくするためのデザイン要素です。
見出しの周囲、写真と本文の間、企画と企画の境目などに適切な余白があると、どこまでが一つの情報なのかを理解しやすくなります。「空いているから埋める」のではなく、情報を分けるために空けるという考え方を持つと、誌面を整理しやすくなります。
誌面を整理するときに役立つのが、「近接・整列・反復・対比」というデザインの基本原則です。
日時・場所・申込方法は一つのまとまりとして配置する。見出しの開始位置はそろえる。同じ種類のコーナーでは見出しのデザインを統一する。重要なタイトルと本文には大きさの差をつける、といった使い方です。
| 近接 | 関係する情報を近くにまとめる |
| 整列 | 文字や写真の位置をそろえる |
| 反復 | 色・書体・形などのルールを繰り返す |
| 対比 | 大小や濃淡などに差をつけ、重要度を示す |
このデザインの4原則については、別記事で詳しく解説しています。
デザインの基本4原則|印刷で失敗したくない人のために!デザインのコツを基礎からわかりやすく解説
一冊を通してデザインを統一する
広報誌は、1ページずつ独立した制作物ではありません。また、定期的に発行する場合は、毎号がまったく別の冊子にならないよう、媒体としての統一感も意識します。
見出しのデザイン、本文の文字サイズ、色、写真、図表、余白、ページ番号などの基本ルールを決め、一冊を通して統一感を持たせます。
ページや号ごとに自由にデザインすると、個々のページは成立していても、全体では別々の制作物を集めたような印象になりかねません。
毎号・各ページを個別にデザインするのではなく、媒体全体のデザイン指針に沿って誌面を作ると考えましょう。
STEP6
校正は「確認項目」と「確認する人」を決めて行う
広報誌のデザインができたら、印刷前に校正を行います。
校正では、全員が何となく誌面を見るのではなく、「何を」「誰が」確認するのかを決めておくことが重要です。
文章・事実・写真・デザインを分けて確認する
校正では、確認項目を分けて考えます。氏名、役職、日付、電話番号、金額、数値などは、文章として違和感がないかを見るだけでは不十分です。資料や原稿と照合して、誤字がないか、事実として正しいかなどを確認します。
必要なタイミングで確認する
原稿段階で内容を確認→デザインがひと通りできた段階で確認する(初校)→印刷前の最終校正で確認する、というように段階を分けます。最終校正で初めて関係者に見せると、内容そのものの修正が発生した場合、ページ構成やデザインまで作り直すことになり、予定していたスケジュールに影響するおそれがあります。誰が、どの段階で、何を確認するのかをあらかじめ決めておきましょう。
修正指示は一か所に集約する
複数人が校正する場合でも、制作担当者や制作会社へ指示を出す窓口は一つにします。複数人から直接指示が届くと、同じ箇所に異なる修正が入ったり、どの指示が最新なのか分からなくなったりすることがあります。社内で意見をまとめてから伝えることで、こうした行き違いを防ぎやすくなります。
最終承認者をあらかじめ決めておく
「誰の確認が終われば印刷へ進めるのか」は、制作開始時に決めておくべきです。「最後に役員にも見てもらおう」となると、最終段階で大きな修正が入る可能性があります。最終的に誰が承認するかまで事前に決めておくことで、制作を進めやすくなります。
印刷直前に大量修正が出る場合は工程見直しのサイン
印刷直前に大量の修正が発生する場合、工程に原因があることがあります。「校正回数を増やせば解決する」とは限りません。
| トラブル例 | 原因 | 対処方法の例 |
|---|---|---|
| ページごと作り直しになる | 台割確定前にデザインを開始している | ページ構成を固めてからデザインに入る |
| 原稿を大幅に変更する | 確認のタイミングが遅い | 原稿段階で担当部署へ確認する |
| 修正が何度も発生する | 複数人が直接指示する | 修正窓口を一つにし内容を精査する |
| 最後に大きな変更が入る | 承認者の確認が遅い | 承認者と確認時期を先に決める |
STEP7
印刷仕様を最終確認して印刷・製本する
校正が終わったら、STEP2で決めた基本仕様と完成したデータを最終確認し、印刷・製本へ進みます。
印刷・製本仕様を最終確認する
印刷へ進む前に、STEP2で決めた基本仕様と、制作途中で確定した内容に食い違いがないか確認します。
制作途中でページ数や部数が変わった場合は、用紙や製本方法、費用などにも影響することがあります。
必要に応じて色校正を行う
画面で見ている色と、実際に印刷した色は完全に同じになるとは限りません。
特に、商品写真や人物写真、企業・ブランドのイメージカラーなど、色の再現が重要な場合は、印刷前に色校正を行うか検討します。色校正にはいくつか方法があり、確認したい内容や求める精度によって適した方法が異なります。色の再現性をどこまで重視するか、予算やスケジュールも含めて判断します。
色校正の種類や違いについては、別記事で詳しく解説しています。
色校正はなぜ必要なのか?その意味や色校正の種類と違い・修正指示の方法を印刷会社が解説
印刷前に最終データを確認する
実際に印刷へ進めるデータに問題がないか最終確認します。
ページ数・ページ順、発行日、氏名・役職名、電話番号・住所、URL・QRコード、写真や図版、ページ番号など、見落とすと影響の大きい箇所を重点的に確認します。氏名や役職名は、漢字や表記まで元資料と照合します。
URLやQRコードは、表記を見るだけでなく、実際にアクセス・読み取りできるかまで確認しておきます。
確認が終わったら校了とし、印刷・製本へ進みます。
広報誌は自社で作る?制作会社へ依頼する?
広報誌は、すべてを自社で作るか、すべてを制作会社へ任せるかの二択ではありません。
まず、自社で対応できる工程と、負担になっている工程を整理します。そのうえで、必要な部分だけ外部へ依頼するか、企画から印刷までまとめて任せるかを判断します。
| 自社で制作しやすい | 外部への依頼を検討したい |
|---|---|
| 広報誌制作の経験がある | はじめて広報誌を担当する |
| 企画・ページ構成が決まっている | 企画やページ構成から相談したい |
| デザインのルールが決まっている | デザインを見直したい |
| 印刷仕様を判断できる | 用紙や製本方法も相談したい |
自社制作では担当者の工数も考える
自社で制作すれば、外注費を抑えられる場合があります。
ただし、広報誌制作には、原稿の依頼・回収、写真の準備、誌面作成、社内確認、修正管理、印刷会社とのやり取りなど、多くの作業が発生します。
そのため、費用だけでなく、担当者が制作に使える時間や社内で対応できる人員も含めて判断する必要があります。
困っている工程を中心に依頼することを検討する
制作会社へ依頼する場合も、すべての工程を任せる必要はありません。もちろん、企画・原稿は自社で用意し、デザインだけ依頼するということも可能です。
困っている場合はまとめて相談する
「企画が決まらない」「デザインも改善したい」「印刷会社との調整にも時間がかかっている」など、複数の工程に課題がある場合は、企画から印刷までまとめて対応できる制作会社へ相談する方法もあります。
一つの窓口で進めれば、企画の意図や誌面の目的を、取材・原稿・デザイン・印刷まで共有しやすくなります。
ただし、どこまで対応してもらえるかは制作会社によって異なるため、相談する前に対応範囲を確認しておくとよいでしょう。
広報誌の制作会社へ相談するときに伝えること
制作会社へ相談するときは、すべての条件が決まっている必要はありません。ただし、現在分かっていることや困っていることを整理して伝えると、必要な制作体制や見積もりの前提を共有しやすくなります。
| 項目 | 伝える内容の例 |
|---|---|
| 発行目的 | 自社の活動を地域の人に伝えたい |
| 想定読者 | 地域住民・来訪者 |
| 発行時期・頻度 | 4月・8月・12月 |
| サイズ・ページ数 | A4・8ページ程度 |
| 部数 | 約5,000部 |
| 困っていること | デザインが見にくい、もっと読みやすくしたい |
| 自社で準備できるもの | 原稿・写真など |
もちろん「どこを改善すればよいか分からない」「企画から相談したい」という段階でも問題ありません。
すでに広報誌を発行している場合は、前号や現在使っている誌面も用意しておくと、情報量、デザイン、制作方法など、どこを見直すべきか相談しやすくなります。
広報誌の作り方についてよくある質問
誰に、何を伝え、読んだ後にどう感じてほしいか、どうなってほしいのかを決めます。
いきなり原稿作成やデザインから始めると、途中で掲載内容やページ構成が変わり、修正が増えやすくなります。
発行目的と読者を整理したうえで、発行日・サイズ・ページ数・部数などの基本条件を決め、企画・ページ構成へ進むのが基本です。
まず、掲載したい内容を一度すべて洗い出します。他の広報誌を参考にするのもよいでしょう。そのうえで、「毎号掲載する定番企画」と「今号ならではの企画」に分け、発行目的と読者を基準に優先順位をつけます。
掲載する内容が決まったら、台割を作り、どの企画に何ページ使うのかを整理すると全体像が見えやすくなります。
テンプレートそのものではなく、情報の優先順位やデザインルールが整理されていないことが原因の場合があります。文字の大きさや太さ、余白、色、フォント、写真の大きさなどを確認し、何を最初に見てもらいたいのかが分かる誌面になっているか見直してみましょう。また、ページごとにデザインのルールが変わっていないか、一冊を通した統一感も確認します。
はい。制作会社や印刷会社の対応範囲によりますが、必要な工程だけを依頼することもできます。例えば、原稿と写真は自社で準備してデザインだけ依頼する、完成データを用意して印刷・製本だけ依頼するといった方法があります。自社で対応できる工程と、外部へ任せたい工程を整理してから相談すると、依頼範囲を決めやすくなります。
広報誌制作から見る「読まれるための工夫」
広報誌では、正確な情報を載せるだけでなく、読者が手に取り、ページをめくり、内容を理解しやすい誌面にすることも欠かせません。ここでは、ゼンリンプリンテックスが制作する広報誌と、自社で発行する地域情報誌を例に、読んでもらうための工夫を紹介します。
地域情報誌「北九州探訪録シリーズ」を発行

ゼンリンプリンテックスでは、お客様の広報誌を制作するだけでなく、自社でも地域情報誌「北九州探訪録シリーズ」を企画・制作・発行しています。
地域の歴史や文化、人物、地域での取り組みなどを取り上げ、北九州市内の公共施設などを中心に設置しています。
自社で媒体を発行する際も、作り手が伝えたい情報を載せるだけではなく、何を取り上げるのか、誰に読んでもらうのか、どこに設置すれば手に取ってもらえるのかを考えながら企画しています。
特集テーマとデザインの軸をぶらさない
継続して発行する情報誌では、毎号目新しいものを作ることよりも、媒体としてのテーマやデザインの軸を保つことを大切にしています。
「北九州探訪録シリーズ」では、地域の歴史・文化・人物・地域での取り組みというテーマを軸に、その中から読者に興味を持ってもらえる題材を選び、誌面を組み立てます。
デザインも、単にその時々の「流行」や「格好よさ」を追うのではなく、取り上げる内容や媒体の雰囲気に合っているか、読みやすいか、一冊を通して統一感があるかにこだわっています。
毎号の企画や誌面は変わっても、「この媒体は何を伝えるものなのか」という軸を変えないことが、継続して発行する広報誌や情報誌では大切です。
広報誌制作事例
ゼンリンプリンテックスでは、そのほかにもお客様の広報誌を制作しています。
【事例】広報誌|健康情報誌の制作|クリエイティブ・印刷の事例
まとめ|広報誌づくりは、企画から印刷まで一つの工程として考える
広報誌は、次の7つの工程で制作します。中でも、その後の工程に大きく影響するのが、制作前の準備です。
誰に何を伝えるのかが曖昧なら、掲載する企画を選べません。サイズやページ数などの基本仕様が決まっていなければ、台割やデザインも固めにくくなります。
また、企画や原稿の確認を後回しにすると、デザインが完成してから大きな修正が発生することもあります。
広報誌づくりでは、それぞれの工程を別々に考えるのではなく、最初に決めた目的や基本条件を、企画・原稿・デザイン・印刷までつなげていくことが大切です。
広報誌のことで悩んだら
ゼンリンプリンテックスでは、広報誌の企画・構成から、取材、原稿作成、デザイン、印刷、製本まで一貫してご相談いただけます。
まずはプロに無料で相談するのが近道です

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| 社名 | 株式会社ゼンリンプリンテックス |
| URL | https://zpx.co.jp/ |
| 設立 | 1947年 9月 |
| 事業所 | 東京、福岡、熊本 |
| 関係会社 | 株式会社ゼンリン、株式会社ゼンリンデータコム、株式会社ゼンリンマーケティングソリューションズ、株式会社ゼンリンジオ技術研究所など-関係会社一覧 当社は、株式会社ゼンリン(東京証券取引所プライム市場)のグループ会社です |




















