広報誌のデザイン・レイアウトのコツ|読みやすい誌面を作るポイント

POINT

  • 広報誌のデザインでは、見た目を整える前に、誰に何を伝えるのか、どの情報を優先するのかを整理する
  • 情報の強弱、余白、色、フォント、写真などに共通するルールを設け、読みやすい誌面をつくる
  • 定期発行する広報誌では、毎号変えない部分と変える部分を決め、媒体としての統一感と変化を両立する

この記事では、「なぜかデザインがまとまらない」「毎号同じような誌面になってしまう」「情報量が多くて読みにくくなってしまう」といった悩みを解決するために、広報誌のデザインの基本について解説します。

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広報誌のデザインを始める前に、「誰に何を伝えるのか」「各ページで何を最も伝えたいのか」「原稿や写真はどのくらいあるのか」を確認しておきます。

目的や掲載内容が曖昧なままでは、文字や写真の大きさ、配置などを判断しにくくなります。冊子全体のページ構成や各ページの役割が決まった状態でデザインに入ると、情報に強弱をつけやすくなります。

読みやすい広報誌にするには、読者がぱっと見たときに「どこから読めばよいか」「何が重要なのか」を迷わないように設計することが大切です。そのためには、飾りを増やすことよりも、情報の強弱、配置、余白、色、フォント、写真の使い方に配慮し、誌面全体で共通するルールとして決めておきます。

広報誌では、見出しなど重要な情報ほど目に入りやすくし、読者に見てほしい順番が伝わるように強弱をつけます。すべてを同じ大きさ・強さにすると、どこから読めばよいのかがわかりにくくなります。まず見出しで興味を引き、本文へ自然に誘導するためにも、文字の大きさや太さ、写真のサイズなどに差をつけます。

関係する情報を近くにまとめ、文字や写真の位置を揃えると、情報同士の関係を理解しやすくなります。毎回感覚だけで配置するのではなく、「どこに揃えるか」を決めておくことがポイントです。

余白は、情報のまとまりや区切りを伝えるためのデザイン要素です。
見出しと本文の間、写真と文章の間、企画と企画の境目などに適切な余白があると、どこまでが一つの情報なのかを判断しやすくなります。
誌面に空いている場所があると、「何か入れた方がよいのでは」と考えたくなるかもしれません。しかし、必要以上に文字や写真で埋めてしまうと、情報同士の境界がわかりにくくなります。

広報誌では、色やフォントをいくつも使用するのではなく、それぞれの役割を決めて使い分けるようにします。

  • 広報誌全体の基本色
  • 見出しなどに使う色
  • 特に強調したい部分に使う色

企業や団体にブランドカラーがある場合は、その色を基準に誌面全体を組み立てる方法もあります。
見出しを目立たせようとして、文字を斜めにする、影を付ける、立体的にする、縁取りを付けるといった装飾はおすすめしません。

広報誌に複数の写真を掲載するときは、すべてを同じ大きさで並べるのではなく、見せたい写真と内容を補足する写真に分けて考えます。
なお、Webサイトなどで使用している画像は、画面上では問題なく見えても、印刷すると粗さが目立つ場合があります。できるだけ撮影時の元画像など、印刷に適したデータを用意するようにします。

  • 最も見せたい写真はどれか
  • 写真の構図は縦・横のどちらか
  • トリミングしても必要な部分が残るか
  • 似た写真ばかりになっていないか
  • 印刷に使用できる画像品質か

原稿が入りきらない時は、文字サイズを小さくする、字間を詰めるなどして押し込む前に、掲載する情報量を見直します。
デザインは、決められた原稿をすべて誌面に押し込む作業ではありません。それでも情報量を減らせない場合は、構成を見直す必要があるかもしれません。

意外と見過ごされやすいのが、一冊を通した際に統一感がなくなってしまうことです。
ページごとにルールが変わると、個々のページは成立していても、一冊を通して見たときに別々の制作物を集めたように見えてしまいます。
共通ルールをベースに全体のデザインを整えるようにします。

誌面がまとまらないときは、「近接・整列・反復・対比」というデザインの基本4原則に当てはめると、どこを見直せばよいのか整理しやすくなります。

原則広報誌での使い方
近接関係する情報を近くにまとめる
整列文字や写真の位置を揃える
反復色・書体・形などのルールを繰り返す
対比大小や濃淡などに差をつけ、重要度を示す

広報誌は、ページによって企画やテーマ、読者に伝えたい内容が異なるはずです。一冊としてのデザインルールは共通させながら、表紙、目次、特集、インタビュー、お知らせなど、それぞれの役割に合わせて組み立てます。

広報誌のタイトルや発行号数に加えて、特集タイトル、メインビジュアル、その他の記事紹介など、掲載する内容をピックアップします。そのうえで、表紙だけを見て中心となるテーマを把握でき、興味を引く状態を目指します。

目次は、冊子にどんな記事が載っているのかをひと目で見せ、読みたい記事のページへ案内するためのものです。記事数が多い場合は「特集」「定番企画」「お知らせ」など、内容のまとまりごとに分けます。

特集は、その号の中心となるテーマを扱うことが多く、定番のページより大きく変化をつけやすい部分です。例えば、大きな写真から始める、タイトルを見開きで扱うなど、内容に合わせてレイアウトを考えます。
もちろん、装飾を増やすことが目的ではありません。特集で何を最も伝えたいのかを決め、その内容が最初に目に入る誌面にします。

インタビューでは、誰が話しているのか、どこが質問でどこが回答なのかを迷わず追えることが基本です。
質問をただ並べるのではなく、「きっかけ」「現在の取り組み」「苦労したこと」「今後」といったように話題の流れを意識するとわかりやすくなります。回答が長い場合は、印象的な発言やキーワードを抜き出して見せると、本文を読むきっかけにもなります。
その際、質問と回答の違いがひと目でわかるように文字の大きさや色、余白で差をつけたり、印象的な発言を抜き出したり、人物写真を効果的に配置したりすると、誌面にリズムが生まれ、読み進めやすくなります。

活動報告やニュースページでは、記事ごとに見出し・写真・本文をひとまとまりにして、記事同士の間に余白を取ります。複数の記事を載せる場合も、どこからどこまでが一つの記事なのかがひと目でわかるように区切ります。

イベントや募集などのお知らせでは、文章を最初から最後まで読まなくても、日時、場所、対象者、申込方法など、必要な情報を確認できるようにします。

広報誌は、印刷・製本された状態で読みやすいことが重要です。
見開きの中央、ページの端などは、実際の仕上がりを想定して設計する必要があります。

特集などでは、左右2ページを一つの誌面として使うことで、見開き全体を使った表現ができます。

冊子では、中央の綴じ側が見えにくくなることがあります。
本文や人物の顔、重要な数字などを中央へ寄せすぎると、読みづらくなることがありますので、印刷・製本条件を確認しながらレイアウトを調整します。

ページの端ぎりぎりに文字やロゴなどを配置すると、窮屈に見えるだけでなく、断裁時のわずかなずれによって一部が切れてしまうおそれがあります。文字やロゴなどの重要な要素は、仕上がり位置ぎりぎりではなく、内側に余裕を持たせて配置します。写真や背景色をページの端まで見せる場合は、仕上がり位置より外側まで絵柄を伸ばす「塗り足し」も必要です。画面上で問題なく見えていても、そのまま印刷物として仕上がるとは限りません。実際の断裁位置を想定して確認します。

広報誌で使う写真は、印刷に必要な画像品質を確保できるデータを用意します。Webサイトなどで使用している画像は、画面上では問題なく見えても、印刷用のデータとして扱う場合には粗さが目立つ場合があります。できるだけ撮影時の元画像などを使用し、トリミングや拡大後も必要な品質を保てるか確認します。

定期発行する広報誌では、共通させるデザインと、その号の内容に合わせて変える部分を分けておきます。

毎号共通させるもの変化をつけるもの
誌名・ロゴメインビジュアル
基本フォント特集タイトルの見せ方
見出しの基本ルール特集ページのレイアウト
ページ番号テーマカラー
定番コーナー写真の見せ方
基本的な余白や配置ルール企画に合わせた図版や装飾

テンプレートを使うと、見出しの位置やフォント、色、余白など、毎号共通させたいデザインを保ちやすくなります。担当者や制作会社が変わった場合にも、誌面のルールを引き継ぎやすくなります。

ただし、テンプレートは、原稿や写真を決められた枠にそのまま入れるためのものではありません。記事によって原稿量や写真の点数、伝えたい内容は異なります。見出し、フォント、色、余白などの共通ルールは残しながら、写真の大きさや本文の配置などは内容に合わせて調整します。

広報誌のデザインが何となくまとまらないときは、まずは以下を参考に原因を探ってみましょう。

よくある状態問題点見直すポイント
色やフォントが多い何を強調したいのかわからない用途ごとにあらかじめ決めておく
文字を小さくして詰め込む読みにくくなる原稿量やページ配分を見直す
余白を埋める情報の区切りがわかりにくい内容のまとまりごとに余白を取る
ページごとにデザインが全く違う一冊としてまとまりにくい共通するルールを決める
すべてのページが同じ単調になりやすい特集と定番ページでデザインに変化をつける
テンプレートに無理に入れ込む内容とレイアウトが合わない掲載内容に合わせて調整する

自社制作は、すでに基本フォーマットが整っていて、毎号の変更が比較的少ない広報誌に向いています。

  • 毎号使えるテンプレートがある
  • デザインルールが決まっている
  • DTPを扱える担当者がいる
  • 毎号のデザイン制作が負担になっていない

ただし、広報誌制作ではデザインだけでなく、企画、原稿整理、写真選定、社内確認、校正なども必要です。制作費だけではなく、担当者が毎号どれくらいの時間を使っているかも含めて判断します。

次のような場合は、制作会社へ相談する方法があります。

  • 広報誌をリニューアルしたい
  • 毎号デザインがまとまらない
  • 特集ページに変化をつけたい
  • 誌面をより読みやすくしたい
  • 担当者の制作負担が大きい

制作会社やデザイナーへ依頼するときは、「明るくしたい」「おしゃれにしたい」といったなんとなくのイメージだけでなく、デザインを制作するための情報を共有するようにします。

  • 広報誌を発行する目的、コンセプト
  • 想定する読者
  • 今号で最も伝えたい内容
  • 原稿・写真などの支給素材
  • サイズ・ページ数
  • 発行頻度と発行予定日
  • 過去に発行した広報誌
  • 参考にしたいデザイン
  • 残したい部分と変えたい部分
  • ロゴやブランドカラーなどのデザインルール

参考となる広報誌やWebサイトを見せる場合も、「このデザインが好き」とだけ伝えるのではなく、この写真の使い方を参考にしたい、このくらいの情報量にしたい、この色使いは自社のイメージに近いというように、どこを参考にしたいのかまで伝えます。

ゼンリンプリンテックスでは、自社でも地域情報誌「北九州探訪録シリーズ」を発行しています。

ゼンリンプリンテックス発行の北九州探訪録シリーズの実際の写真

地域の歴史や文化など、取り上げるテーマに合わせて誌面を構成しながら、シリーズとしてのまとまりも意識して制作しています。定期的・継続的に発行する媒体では、各号に変化をつけながら、その媒体らしさをどう残すかもデザインの一部です。

ゼンリンプリンテックスでは、そのほかにもお客様の広報誌を制作しています。

Q
広報誌をおしゃれに見せるにはどうすればよいですか?
A

装飾を増やすより、色、フォント、写真、余白の使い方にルールを設けることから始めます。色や書体を増やしたり、空いている場所へ装飾を追加したりすると、かえってまとまりにくくなることがあります。何を目立たせるのかを決め、不要な要素を減らすことも誌面を整える方法の一つです。

Q
フォントは何種類くらい使えばよいですか?
A

種類を増やすことより、見出し・本文・キャプションなど役割ごとのルールを決めることが大切です。ページごとに書体を変えるのではなく、同じ役割の文字には同じ書体や文字サイズを使うと、一冊としてまとまりやすくなります。

Q
テンプレートを使って広報誌を作っても問題ありませんか?
A

テンプレートは、見出し、フォント、色、余白などの共通ルールを維持するために役立ちます。ただし、毎号同じ枠へ原稿と写真を無理に入れるのではなく、掲載内容に合わせてレイアウトを調整します。

Q
広報誌のデザインだけ制作会社へ依頼できますか?
A

制作会社によって対応範囲は異なりますが、デザインのみを依頼できる場合があります。依頼する際は、原稿や写真をどこまで自社で用意するのか、台割は決まっているのか、校正や印刷まで依頼するのかを確認します。企画やページ構成から迷っている場合は、デザインだけを切り分けるより、前工程から相談する方法もあります。

Q
パソコンで見た色と印刷した色は同じになりますか?
A

まとめ

広報誌のデザインでは、見た目を整えることだけでなく、読者に何をどの順番で伝えるのかを整理し、読みやすい誌面へ落とし込むことが基本です。

まず、目的と読者、掲載する情報の優先順位を整理します。そのうえで、情報の強弱、余白、色、フォント、写真などにルールを設け、一冊としてまとまりのある誌面をつくります。紙の広報誌では、画面上のデザインだけでなく、見開き、綴じ側、ページの端、画像品質など、印刷・製本後の見え方まで確認します。

定期発行する場合は、一冊の中でデザインを統一するだけでなく、号をまたいで共通させる部分と変化をつける部分を決めておくと、媒体らしさを保ちながら毎号の内容に合わせた誌面をつくれます。

ゼンリンプリンテックスでは、広報誌の企画・構成から、取材、原稿作成、デザイン、印刷、製本までそれぞれのプロがご相談にお応えします。

まずはプロに無料で相談するのが近道です

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社名株式会社ゼンリンプリンテックス
URLhttps://zpx.co.jp/
設立1947年 9月
事業所東京、福岡、熊本
関係会社株式会社ゼンリン、株式会社ゼンリンデータコム、株式会社ゼンリンマーケティングソリューションズ、株式会社ゼンリンジオ技術研究所など-関係会社一覧
当社は、株式会社ゼンリン(東京証券取引所プライム市場)のグループ会社です