デザインはどこに依頼（外注）する？広告代理店・デザイン会社・印刷会社を徹底比較

はじめに

「会社案内をリニューアルするんだけど、どこに頼むのが一番良いの?」

先日、私の知人Mさんからこのような相談を受けました。
Mさんの勤め先（医薬品卸業）は、会社案内をリニューアルすることにしたそうですが、
Mさんはその責任者を任されたとの事でした。
それまでは、広告代理店に会社案内のデザイン制作から印刷の手配まですべてを任せていたそうですが、
Mさんは、これを機に依頼先を再検討しようと考えたそうです。

パンフレットやチラシ、ポスターなどの印刷物、ロゴのデザインを依頼する際、広告代理店・デザイン会社・印刷会社のうちどこが最適かという質問に対して、一概に「〇〇がいい」とは言えません。
なぜなら、依頼者が何を求めているか、また条件によっても最適な依頼先は異なるからです。

本記事では、印刷物のデザインを依頼する際の選択肢である「広告代理店」「デザイン会社」「印刷会社」について、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。

あなたがデザインの依頼先を検討する際のヒントになれば幸いです。

なお本記事に記載する内容は、一般的な考え方や執筆者のこれまでの経験に基づき構成しており、ある特定の事業者、またはすべての事業者に当てはまる訳ではありません。実際に依頼先を検討する場合は記事の内容を参考に、それぞれの事業者に確認し、自社または依頼する案件に合った事業者を選ぶことをおすすめします。

広告代理店に依頼するメリット・デメリット

一般的に広告代理店は、広告戦略の提案、マーケティング支援、広告枠の提案・提供、広告の管理・分析をサービスとして提供します。また社内外のクリエイティブ制作スタッフと連携し、広告キャンペーンのプランニングやデザイン制作なども行います。

広告代理店にはデザイン制作だけでなく、マーケティング戦略の立案から、WEBやテレビCMを活用したキャンペーンプロモーションの展開など、総合的な広告戦略全般をお願いすることが出来ます。
また、依頼者はデザインだけでなく印刷の手配や広告運用まで、一括して広告代理店に依頼出来るため、手間や労力を減らすことも可能となります。
ただし一般的に、パンフレットなどの印刷物のデザインだけを考えた場合は、コストが割高に感じられることがあります。

ところで、社内にデザイナーが在籍していない広告代理店では、外部の制作会社にデザイン制作を委託することになります。
その場合、案件にあった制作会社に委託することで、よりクオリティの高いデザインを提供することが出来ます。
反面、広告代理店とデザイン制作の委託先との間で連携が取れていない場合は、満足のいくデザインに仕上がることは難しいでしょう。

デザイン会社に依頼するメリット・デメリット

デザイン会社は、主にチラシやポスター、パンフレットなどのグラフィックデザインの制作を行う会社です。
デザイン会社に在籍するデザイナーが、依頼者の目的達成に向けて要望を聞きながら、オリジナルのデザインを制作してくれます。
また、医療関係など特定の分野に特化したデザイン会社もあります。

しかし、デザイン会社は小規模なところが多いこともあり、対応してきた案件（実績）が限られている、文章作成などの幅広い対応が出来ない、マーケティング知識がない等のデメリットが考えられます。
また、印刷は印刷会社に依頼することになりますが、デザイン会社が印刷品質をコントロールすることは難しいため、せっかくのデザインが台無しになってしまうケースも見受けられます。
そのような事が起きないように、印刷品質（印刷物の仕上がり）まで請け合う会社に依頼することをおすすめします。

印刷会社に依頼するメリット・デメリット

多くの印刷会社では、印刷物のレイアウトを行う組版と呼ばれる作業を行うことが出来ます。
組版は主に文字や図表の配置を行いますが、“デザイン”と“組版”は基本的には異なるものです。
組版は、デザインの一部であり、デザインに基づいて、印刷物のレイアウトを作成する作業と考えると分かりやすいのではないでしょうか。
ここでは「デザイン部門がある印刷会社」、「社内でデザインを制作することが出来る印刷会社」を想定して話を進めます。

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デザイナーやディレクター、ライターなどが在籍し、社内にデザイン部門（クリエイティブ制作チーム）がある印刷会社では、前述のデザイン会社と同様にクオリティの高いデザインを制作することが可能です。
印刷会社の特徴のひとつは、多岐にわたる業種・規模の顧客の多様な印刷物を取り扱っている事です。
印刷会社のデザイナーはその経験をもとに、お客様にとって最適なデザインを提供します。
印刷会社はデザインが活きる印刷表現や仕上がりまでを考えて、完成物（印刷物）を作る事が得意です。

ちなみに、デザイン部門を持たない印刷会社でも、デザイン会社や広告代理店と連携しているところは多く、その場合は、デザインから印刷物作成を依頼することが可能です。
しかしその場合、上記の一部または全てのメリットを享受できないことがあるため、印刷会社選びは慎重に行う必要があります。

ネット印刷について

ネット印刷でもデザイン制作から依頼することが可能な場合があります。
ただしデザインはオプション扱いとなったり、提携するデザイン会社を紹介してもらうなどとなる事が多いようです。
また、前述の一般的な印刷会社とは異なり、デザインや印刷の用紙選び、製本方法の選択、加工方法の選択などの提案やアドバイスをもらえない事が多く、ある程度の専門知識や経験が必要となる場合があります。

一口にネット印刷と言っても事業者によってサービスの内容や範囲は様々ですので、依頼する前にはよく確認することをおすすめします。

まとめ

印刷物のデザイン制作を依頼する場合、広告代理店・デザイン会社・印刷会社の選択肢があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
価格の安さ、デザインのクオリティ、提案やアドバイスが必要か、印刷物としての品質はどうかなどの観点から、あなたに合った依頼先を検討しましょう。
また、この記事の内容を参考にして、候補となる事業者に実際に話を聞いて、自社または依頼する案件に最適な会社に依頼することをおすすめします。

	デザイン	印刷	特徴
広告代理店	〇※1	×※2	総合的なプロモーションが可能
デザイン会社	〇	×※2	質の高いデザインを期待できる
印刷会社	〇※3	〇	デザインから印刷まで任せられる
ネット印刷	×※4	〇	印刷の価格が割安に感じられる

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