会社案内制作費用の相場-内訳や費用を抑えるコツ

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会社案内の制作費用を比較する際には、まず制作にかかる費用の相場を知り、費用の項目について理解することが大切です。
それぞれの費用が持つ役割を把握することで、見積書の内容を正確に理解でき、契約後のトラブルを防ぐことにもつながります。
本記事では、各費用項目の詳細と費用を抑えるためのポイントについて解説します。

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会社案内制作にかかる費用の内訳

企画・構成費

会社案内作成における企画・構成費は、会社案内の基盤となるコンセプトを策定し、目的やターゲット層を明確化した上で、それらに沿った最適な構成を作成するために必要な費用です。
企画・構成は、会社案内の方向性を決定づける重要な要素であり、この段階での検討が不十分だと、その後のデザインや原稿作成に影響を及ぼします。
会社の強みや特徴を効果的にアピールする構成をしっかりと検討することで、会社案内の役割を最大限に発揮することができます。

原稿作成・取材費

原稿作成費用は、会社案内で使用する文章を作成する際に発生する費用です。
原稿作成の費用は、文章量やページ数、専門性、取材の有無、修正回数などによって変わります。

会社案内の文章は、企業の情報を正確に伝えるだけでなく、読者の興味を引きつけ、理解を深める役割も担います。
そのため、単なる情報の羅列ではなく、企業の魅力を効果的に表現することが求められます。
プロのライターに依頼することで、会社の情報を分かりやすく整理するだけでなく、ターゲット層に合わせた表現や言葉選びを行い、より魅力的で説得力のある文章を作成することができます。

また、原稿作成の際に取材を行えば、現場の声や具体的なエピソードなどの生の情報が得られます。これを活かせば、テンプレート的な内容では表現できない独自性を文章に持たせることができます。
そして、企業の価値観やビジョンがよりリアルに読者に伝わり、強い共感を生み出す効果も期待できます。

さらには、取材を通じて第三者の目線で見た自社の姿から、自分たちが気づいていない新たな強みや魅力を発見できる場合もあります。自社のことを客観視するのは意外と難しいものですから、取材を活用してみるのも一つの手です。

担当より

会社案内制作の打ち合わせで、「御社の強みは何だと思いますか?」と尋ねると、「特許技術があるわけでもないので、特にありません」と返ってくることがあります。
しかし、客観的な視点で見ると、例えば長年培った専門知識を活かした顧客への提案、迅速かつ丁寧な従業員の対応、地域貢献活動への積極的な取り組み、さらには継続的な社員教育による高いスキルの維持など、他社と比べて優れている点や独自性が見えてくるとも少なくありません。

写真撮影・イラスト制作費

写真撮影やイラスト制作費用は、会社案内に使用するビジュアル要素を制作する際に発生する費用です。
新たに写真撮影を行う場合やオリジナルのイラスト制作を依頼する場合、この費用が必要となります。

プロのカメラマンによる撮影では、クオリティの高い写真が得られ、会社案内全体の印象を大きく向上させることができます。
例えば、社内の様子や従業員の姿、製品やサービスの利用シーンなどを撮影することで、読者にリアルで信頼感のあるイメージを伝えることが可能です。
また、オリジナルのイラストは、わかりやすく説明する場合や、ブランドの個性やメッセージを表現する際に効果的です。
会社案内のビジュアル要素は、文章だけでは伝えきれない情報や感情を補完したり、読者に強く印象付ける役割を果たします。

デザイン制作費

デザイン制作費用は、会社案内の紙面をデザインするための費用です。
制作するページ数やデザインの複雑さ、修正回数などによって変動します。

会社のイメージを視覚的に表現するデザインは、会社案内の印象を大きく左右する重要な要素のひとつです。
デザインは単なる「見た目の美しさ」を追求するものではなく、企業の価値を表現し、信頼感を高めるとともに、情報を的確に読者に届ける手段です。
例えばカラーやフォント、レイアウト、情報整理などをターゲット層に応じて制作したデザインは、企業のメッセージをより効果的に読者に伝わりやすくします。

校正費用

校正費用は、会社案内を制作する際に、誤字や脱字などをチェックするために必要な費用です。

原稿を作成する際には、誤入力や誤変換がどうしても起こりやすいものです。
そのため、誤りを修正する工程が必要となりますが、長時間の作業や何度も原稿を見直すうちに目が慣れ、自分が書いた文章や見慣れたフレーズの誤りを見逃してしまうことも少なくありません。
こうした理由から、第三者に校正を依頼することは非常に有用です。
誤字脱字だけでなく、文法の誤りや表記ゆれ(同じ意味を表す言葉の表記が統一されていない状態)もチェックしてもらえる場合があります。

印刷費

印刷費用は、作成した会社案内を印刷・製本に関わる費用です。
印刷費用は、印刷部数や用紙の種類、サイズ、印刷加工の方法によって変わります。

例えば、厚手の用紙や特殊な加工を施す場合は費用が高くなります。
また、印刷部数が増えるほど全体の印刷費用は高くなりますが、一部あたりの単価は安くなる傾向があります。

ただし、大切な会社案内です。いくら価格が安くても、印刷物としての仕上がり品質が低いものはおすすめできません。
企業のイメージを損なわないためにも、品質に十分配慮した選択を心がけましょう。

会社案内の制作費用の例

A4サイズ、8ページ・中綴じ、デザイン制作ありの場合

A4サイズ、8ページ・中綴じ、カラー印刷、500部、デザイン制作込みで会社案内制作を依頼する場合の費用を見てみます。
費用は20万円~90万円ほどと、幅広い価格帯になりますが、ボリュームゾーンは35万円~50万円です。

この価格は、一般的なデザイン制作費や印刷費を基に算出したものですが、デザインの複雑さや用紙の種類、印刷加工、依頼する制作会社によって価格は変動します。
特に安価な場合はデザインテンプレートを使用して制作する場合などがありますので、事前によく話を聞いてみるようにしましょう。
※企画費用、原稿作成、撮影、イラスト制作、取材等に関する費用は含んでいません。

このように制作会社によっても価格が異なるため、複数社から見積もりを取得し比較することをおすすめします。

会社案内制作費用を抑えるためのコツ

自社でできることは自社で行う

会社案内制作費用を抑えるためには、自社でできることは自社で行う方法があります。
例えば、原稿を自社で用意することで、制作会社に依頼する費用を削減できます。
しかし、デザイン制作や写真撮影など、専門的な工程を自社で対応しようとすると、かえって全体の完成度が低下してしまうリスクもあります。
費用削減とクオリティのバランスを見極め、専門性が必要な部分はプロに依頼し、自社で対応可能な部分は効率よく進めることが、コストを抑えながら高品質な会社案内を作るポイントです。

仕様を変更する

会社案内の制作費用を抑える方法の一つとして、仕様の見直しが挙げられます。
仕様とは、会社案内の形状やページ数、用紙の種類などの条件のことです。
例えば、形状を、中綴じ8ページのパンフレットから巻き三つ折りリーフレットに変更する場合、デザイン制作面は8面から6面に減ります。
また、用紙を厚手の紙から薄くすることで、印刷費用を抑えることも可能です。

ただし、仕様を変更する際には、会社案内の用途や目的を明確にした上で判断することが重要です。
安易にコストを削減するためだけに仕様を変更すると、用途や企業イメージに悪影響を及ぼす可能性もあるため、注意が必要です。仕様の変更を検討する際は、制作会社に相談しながら最適な選択肢を見つけるとよいでしょう。

複数の制作会社から見積もりをもらう

会社案内の制作費用を抑えるためには、複数の制作会社から見積もりを取ることが重要です。費用だけで判断するのではなく、サービス内容をしっかりと比較検討し、価格に見合った価値が提供されるかどうかを確認しましょう。
特に注目すべき点は、料金が安いだけでなく、実績や信頼性も考慮することです。実績豊富な制作会社であれば、予算内で効果的な会社案内を制作してくれる可能性が高くなります。
また、担当者とのコミュニケーションも重要なポイントです。会社案内の制作は、制作会社との密なやり取りが必要な共同作業です。担当者が親身になって対応してくれるか、意図を的確に汲み取って反映できるかを見極めましょう。

見積もり書を比較する時の注意点

複数の制作会社の見積もりを比較する際、もっとも重要なことのひとつは、「見積もりの条件が本当に同じかどうか」を確認するという点です。
どういうことか、具体的に見ていきましょう。

印刷用紙の厚さについて

見積書に「コート ○○kg」などと記載されていることがあります。
この「○○kg」は、主に四六判(788mm×1091mm)サイズの用紙を1,000枚重ねたときの重さ(kg)を示すものです。
この数値が高いほど用紙は厚くなります。
この○○kgは連量(れんりょう)と呼ばれ、見積書で印刷用紙の厚さを表わすために使用されます。

では、A社の見積書には「コート110kg」、B社の見積書には「コート93.5kg」、と記載されている場合、どちらの紙が厚いのでしょうか?

答えは、B社93.5kgの方が厚い紙です
一見すると、110kgの方が数値が大きいので厚いのではないかと思いがちですが、そうではありません。

下の図をご覧ください。
同じ厚さの用紙であってもサイズによって連量は異なります。
実は、A社の110kgは四六判の連量で、B社93.5kgは菊判の連量で記載されていたのです。(四六判には93.5kgという連量は存在しないので、93.5kgは菊判と判断できる)

このような場合は、両者のサイズを揃えて考えます。
B社の菊判93.5kgを、四六判に換算すると135kgです。
つまり、四六判で考えた場合、A社の110kgに対して、B社は135kgとなりますので、B社の方が厚い紙ということがわかります。

四六判(788×1091mm)菊判(636×939mm)1m²当たりの重量(坪量)
70kg48.5kg81.4g/㎡
73kg50.5kg84.9g/㎡
90kg62.5kg104.7g/㎡
110kg76.5kg127.9g/㎡
135kg93.5kg157.0g/㎡
連量換算:菊判の連量の四六判の連量への換算は1.44倍が目安です


見積もり書には、四六判の連量で記載されることが多いのですが、このようなケースがあることを念頭に置くことが大切です。

その他、見積もりで確認すべき制作項目

例えば、デザイン修正回数、画像の色調整に対応する点数、色校正の有無などは、見積もりに含まれているのかという点も確認しておくと安心です。
もしかすると、コストを抑えた見積もりを提示するために、無理にこれらの項目を削減したり、別途料金が発生するオプション扱いとなっているかもしれません。
思いがけない追加料金の発生を避けるためにも、必要な項目を含んだ条件で揃えて、見積もりを比較することも大切です。

まとめ:費用を抑えつつ効果的な会社案内を

会社案内の費用は、依頼内容や依頼先によって異なります。
会社案内制作を検討する際は、事前に予算を明確にし、その範囲内で効果的な会社案内を制作するための計画を立てましょう。また、費用を抑えるには、自社でできる作業を工夫し、複数の会社から見積もりを取って比較検討することが重要ですが、そのために、どのような費用がかかるのかを理解しておかなければなりません。
会社案内は企業の顔とも言える重要なツールです。
無理に自社だけで対応せず、プロのサポートを活用する選択肢も検討しましょう。

費用を抑えつつも、会社の魅力を最大限に引き出す会社案内を作成するために、この記事を参考にしてください。

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この記事を書いた人

このお役立ち記事は、私がこれまでにお客様のプロモーション課題に取り組んできた経験や、お客様からお寄せいただいた質問をもとに執筆しています。印刷をデザインやマーケティングの観点も交えながら、読者の方に少しでも分かりやすくお伝えする事を心掛けています。