新卒採用パンフレットはデザインで差をつける!選ばれる企業になるために知っておくべき知識

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よくある課題-採用担当者が抱えるデザインの悩み

新卒採用で使用する「採用パンフレット(リクルート用の会社案内)」は、インターンや就職イベント、面接時などに求職者(学生)に渡されます。
企業のビジョンやミッション、大切にしている価値観だけでなく、働く姿をリアルに伝えられるため、採用活動における重要なツールの一つとして、多くの企業が制作に力を入れています。

しかしながら、デザインには主観的な要素が多く関わるため、企業の担当者はその「良し悪し」を判断しづらいものです。
特にこの採用パンフレットにおいては、「デザインをどのように改善すればよいのかが分からない」といったご相談をいただきます。
もしかするとあなたも、次のような課題をお持ちなのではないでしょうか。

  • 消費者向けの事業ではないため、一般的に馴染みがなく、第一印象で関心を持ってもらいにくい
  • 事業内容が分かりにくく、学生に「どんな仕事ができるのか」が伝わりにくい
  • 「地味そう」「難しそう」というイメージが先行、仕事の魅力が十分に伝わらない
  • 企業の個性を「歴史」「技術力」以外に何をどう表現すればよいか分からない

この記事の目的

もし、採用パンフレットの内容を充実させるだけでなく、デザインの力を活用することで、企業の魅力を最大限に引き出し直感的に伝えられるとしたらどうですか?
この記事では、効果的な新卒採用パンフレットを制作するためにデザインに焦点を当て、ターゲット層の考え方や、ターゲットに響くデザインのポイントを新卒学生(求職者)の目線もまじえて解説していきます。

“はたらく未来”を想像させる

採用パンフレット作成

なぜ採用パンフレットのデザインが重要なのか

「誰に対してどのような価値を提供するか」「それをどのようにして発信するか」
デザインは、この基本的な考え方に基づき、成果を最大化する手法のひとつです。

採用パンフレットにおいても、単なる装飾ではなく、企業の魅力を適切に伝え、ターゲットとなる求職者に響く構成やビジュアルを設計することが重要です。デザインの力を活用することで、企業の価値を直感的に伝え、より効果的な採用活動につなげることができます。
また、採用パンフレットのデザインは、第一印象を決定づけ、企業のイメージを大きく左右します。どれだけ優れた内容が書かれていても、デザインが見づらかったり、印象に残らなかったりすると、情報が十分に伝わりません。
適切なデザインによって情報が整理され、視覚的に伝わることで、企業のブランドイメージが向上し、優秀な人材の獲得競争において優位に立つことができます。

担当より

企業の雰囲気などは、言葉だけでは伝わりにくいことを、デザインによって補完することもできます。
例えば、「社員同士のつながりが深い…」と伝えてもいまいち説得力に欠けるところ、温かみのある色使いやフォント、社員が交流している写真を活用することで、視覚的にその雰囲気を伝えられます。

“効果的な”デザインで実現できること

それでは、デザインを効果的に改善すると、どのような利点があるか考えてみましょう。

第一印象で差をつけられる

数多くの企業情報に触れる中で、最初に目にするデザインによって、その企業に対する興味や関心を判断します。
第一印象で好感を持ってもらうことができれば、その後の情報伝達もスムーズに進み、企業への理解を深めてもらうことができます。競合他社との差別化を図り、優秀な人材を引き寄せるためには、第一印象を意識したデザイン戦略が不可欠です。

企業文化を視覚的に表現できる

採用パンフレットのデザインは、企業文化を視覚的に表現する有効な手段です。
言葉だけでは伝わりにくい企業文化を、デザインを通して視覚的に表現することで、求職者は企業への共感を深め、入社後のイメージを具体的に描くことができます。

記憶に残るパンフレットにできる

独自性のあるデザイン、印象的なキャッチコピー、心に響くストーリーなど、様々な要素を組み合わせ、求職者の共感を呼び企業への親近感を高めることができます。

ある就活生に聞いた“採用パンフレットのデザイン”

担当より

採用パンフレットを受け取る側の学生は、実際どのように感じているのでしょうか。ある大学生に聞いてみましたので参考にしてください。

Q
就職活動中、採用パンフレットをもらいましたか?
A

理系の大学院(修士)で学び技術職を目指して就職活動をはじめました。数社から内定をもらい、そのうち1社への入社が決まっています。
採用パンフレットは、就活を進める中で、就職イベントやインターン、面接の際に受け取りました。

Q
採用パンフレットのデザインは、就職活動に影響しましたか?
A

企業の雰囲気や価値観が伝わり、会社のイメージをより具体的に持つことができました。
視覚的にもわかりやすいと、その企業の印象が良かった気がします。
ただ、実際のインターンや面接で、パンフレットで受けた印象とのギャップを感じ戸惑ったこともありました。

このように、洗練されたデザインが必ずしも最良とは限らず、企業のリアルな姿を適切に表現することが求められています。

どのように使う?

採用戦略において採用パンフレットはどのような役割を持たせていますか?
採用プロセスにおいて採用パンフレットをどのように使用しますか?

これらは、パンフレットのデザインや仕様に影響するため、じっくりと検討し、あらかじめ明確にしておく必要があります。
例えば、官公庁の採用パンフレットでは、「まずは手に取ってもらう」ことを最優先に考慮する場合が多いです。
官公庁の存在自体は広く認知されていますが、そこで働くという選択肢を意識していない学生や求職者も多いため、まずは興味を持ってもらい、読んでもらうことが重要になります。

目的に応じて変わるデザインや仕様

デザインや仕様は、使用目的によって適した形が異なります。
例えば、説明会や合同企業説明会で配布する場合は、まずは目を引き、持ち帰りたくなるようなデザインや仕様が求められます。視覚的なインパクトやコンパクトなサイズ感が重要になり、気軽に手に取ってもらえることが目的となります。
一方で、インターンシップ参加者や面接で渡す場合には、企業理念や業務内容をより深く理解できるような情報量が豊富で、具体的な仕事内容や社風が伝わるデザインが求められます。

このように、採用パンフレットのデザインや仕様は、「どのフェーズで」「どのような目的で」使用するかによって最適な形が変わるため、ターゲットと目的を明確にしたうえで設計することが重要です。

ターゲットは本当に「学生」?

採用パンフレットを作成する上で、ターゲットを「学生」と大まかに捉えるのではなく、より具体的に絞り込むことが重要です。
学生と言っても、修士課程修了、学部卒、専攻、スキル、価値観、キャリア志向など、様々な属性が存在します。
ターゲットを絞り込むことで、デザイン、コンテンツ、メッセージなど、パンフレットのあらゆる要素を、より効果的に訴求することができます。

求める人物像の解像度を上げる方法

求める人物像の解像度を上げるためには、まず、どのようなスキル、経験、価値観を持つ人材が、自社で活躍できるのかを明確にする必要があります。
そのためには、現場の社員へのヒアリング、過去の採用者の分析などが必要です。
また、求める人物像を具体的に記述した「ペルソナ」を作成することも有効です。
ペルソナとは、年齢、性別、学歴、スキル、価値観、ライフスタイルなどを詳細に設定した、架空の人物像のことです。
ペルソナを作成することで、採用担当者だけでなく、パンフレット制作に関わるすべての人が、共通のイメージを持ってターゲットを捉えることができます。
求める人物像の解像度を上げることで、より効果的な採用戦略を立てることができ、ミスマッチを防ぐことにもつながります。

ターゲットの視点で考える

採用パンフレットを作成する際には、常にターゲットとする学生の視点に立って考えることが重要です。
どのような情報を求めているのか、どのような表現であれば理解しやすいのか、どのようなデザインであれば興味を持つのかなどを考慮する必要があります。
そのためには、最近入社した社員に意見を聞くことが有効です。
ターゲットの視点を取り入れることで、より効果的なパンフレットを作成し、採用活動の成功に繋げることができます。
自分たちの伝えたいことだけでなく、相手が知りたいことは何かを意識しましょう。

ターゲットに響くデザインのポイント

採用パンフレットのデザインは、ターゲット層に響くものでなければ意味がありません。
ターゲット層の視点に立ち、どのようなデザインであれば興味を持ち、読み進めてくれるかを常に意識することが、成功するパンフレット制作の鍵となります。

ターゲット層のニーズを理解する

ターゲット層のニーズを理解することは、効果的な採用パンフレットを作成するために不可欠です。
どのような情報を求めているのか、どのような企業文化に魅力を感じるのか、どのようなキャリアパスを望んでいるのかなどを把握することで、パンフレットの内容を最適化することができます。
インターンシップや会社説明会など、直接学生と接する場は情報収集の機会となります。
ターゲット層のニーズを深く理解することで、彼らが本当に求めている情報を提供し、入社意欲を高めるパンフレットを作成することができます。

ターゲット層のニーズを理解にはペルソナの設定、自社社員へのヒアリングが有効

写真の選び方

採用パンフレットにおける写真は、企業の雰囲気を伝え、求職者の共感を呼ぶための重要な要素です。
社員の笑顔や活気あふれるオフィス、実際の製品など、企業の魅力を最大限に表現できる写真を選びます。
写真のクオリティは、パンフレット全体の印象を大きく左右するため、慎重に選ぶ必要があります。

フォントと色の使い方

フォントと色の使い方は、採用パンフレットのデザインにおいて、重要な役割を果たします。
フォントは、企業の個性やブランドイメージを表現し、読みやすさを左右します。ゴシック体は力強く、明朝体は上品な印象を与えます。ターゲット層やパンフレットの目的に合わせて、適切なフォントを選びます。
色は、視覚的なインパクトを与え、感情に訴えかける効果がありますし、企業のコーポレートカラーを効果的に使用することで、ブランド認知度を高めることができます。
ただし、色の使いすぎは、パンフレット全体の見やすさを損なう可能性があるため、注意が必要です。

力強さを表現したい場合に最適なフォントはどれ?

力強さを表現する際にはゴシック体をよく使用します

力強さを表現する際には、ゴシック体(Type1)をよく使用します。ゴシック体はそのシャープで直線的なラインが特徴で、重厚感や力強さを感じさせることができます。
Type2の明朝体は、ゴシックに比べると力強さとは異なる印象を受けるのではないでしょうか。
Type3のような細めのゴシックは、シャープで直線的なため、洗練された印象やモダンな雰囲気を感じさせるため、この場合はあまり使用しません。

上品な印象を与えたい場合に最適なフォントはどれ?

上品な印象を与えたいなら細めの明朝が最適

上品な印象を与えたいときには、Type1のような細めの明朝体が適しています。明朝体は、繊細な線と太く強調された部分のバランスが特徴で、細部にこだわったデザインが上品さを引き立てます。
一方、Type2のようなポップな書体や、Type3のように太めの明朝体は、上品さを演出するには適していません。ポップな書体はカジュアルで親しみやすさを重視し、太い明朝体は重厚感が強調され、力強さや存在感が優先されます。

リアルな様子を伝える

採用パンフレットでは、社員のリアルな働く様子を伝えることも有効です。
1日のスケジュール、仕事のやりがい、苦労話、キャリアパスなど、具体的なエピソードを盛り込むことで、求職者は入社後のイメージを具体的に描くことができます。
また、社員インタビューや座談会などを掲載すると、企業の雰囲気をよりリアルに感じてもらうことができます。

成功する採用パンフレットデザイン制作の流れ

採用パンフレットのデザイン制作は計画的に進めなければなりません。
ターゲットの明確化、コンセプトの決定、制作会社の選定、デザイン制作、印刷、配布など、各ステップにおいて適切な対応を行うことで、効果的なパンフレットを作成することができます。

ステップ1:ターゲットの明確化

採用パンフレット作成の最初のステップは、ターゲットの明確化です。
どのような人材に自社の魅力を伝えたいのか、具体的に定義する必要があります。
ターゲットを明確にすることで、パンフレットのコンセプト、デザイン、コンテンツなどを、より効果的に訴求することができます。ターゲットの明確化は、採用活動全体の成功を左右する重要なステップであることを認識しましょう。

ステップ2:コンセプトの決定

コンセプトとは、パンフレットを通じて求職者に伝えたいメッセージと考えてください。
コンセプトを明確にすることで、デザインを含めたパンフレット全体の方向性が定まり、一貫性のあるメッセージを届けることができます。
コンセプトは、パンフレット制作の羅針盤となる重要な要素です。
これがあやふやなまま制作を進めると、メッセージがぼやけ、ターゲットに十分な訴求力を持たないパンフレットになってしまう可能性があります。
「どのような求職者に、どんな魅力を伝えたいのか」 を明確にし、それを軸にコンテンツやデザインを設計することが、効果的な採用パンフレットを作るために不可欠です。

ステップ3:制作会社の選定

採用パンフレットの制作には、信頼できる制作会社を選ぶことが重要です。
制作会社の選定においては、ただ「デザインが制作できる」というだけでなく、採用という課題解決に向けて共に考え、それを高いデザインのクオリティで表現できる会社かを考慮するようにします。
さらに、担当者の対応が丁寧で、コミュニケーションがスムーズに行えることも重要なポイントです。

デザイン改善は誰に相談すべきか?

デザインを中心に採用パンフレットを改善する際は、一般的にディレクターに相談するのが適切です。
ディレクターは、クライアントからヒアリングを行い、パンフレット全体の構成やコンセプト設計、方向性を決定し、最終的なデザインのクオリティを管理する役割を担います。
デザイナーは、ディレクターの指示のもと、具体的なデザインを制作します。

担当より

ここでは「ディレクター」を役割として捉えています。制作会社では、クリエイティブディレクターなどが役職の一つとして位置付けられることがあります。一方で、プロジェクトごとに営業やデザイナー、プランナーなどがチームを組み、その中で全体の進行管理や意思決定を担う役割を持つケースが多く見られます。本記事では、役職としての「ディレクター」ではなく、役割としての意味あいで使用しています。

デザインは、単なる「見た目の美しさ」ではなく、メッセージやコンテンツと一体となることで、最大の効果を発揮します。
そのため、いきなりデザイナーに「もっとカッコよくしたい」と伝えても、表面的な変更にとどまり、コンセプトやターゲットとズレた方向に進んでしまう可能性があります。

また、「ディレクター」と名乗りながらも、単にビジュアルの改善に終始し、本来の課題解決に踏み込めない場合も同様です。
パンフレットの本質的な目的を見失わないためには、デザインだけでなく、ターゲットやメッセージの設計を重視するディレクターを選ぶことが重要です。

こんな担当者は要注意

以前、あるお客様から、アサインするスタッフを選定する際に「〇〇なディレクターは避けてほしい」と要望をいただいたことがあります。
その際に挙げられたのは、次のようなタイプのスタッフでした。

  • 自分の考えばかり話して、相手の話は聞かない(考えを押し付ける)
  • 話が長い・顧客より長く話す
  • 自分の知識を誇示する(マウントを取ろうとする)
  • 過去の実績を自慢話のように語る

この話を聞いた時、私はある記事で読んだ、「話すとイライラする人」の特徴に似ていると感じました。
しかし、このお客様が指摘したのは、単なる感情的な問題ではありませんでした。
詳しく伺うと、「このような担当者は、クライアントの課題解決よりも自分の考えや理想を優先し、実質的な結果について責任を持たないからだ」とのことでした。
このお客様の経験から導き出された教訓は、実際のプロジェクトの成功に大きく関わる視点です。
ぜひ参考にしてみてください。

まとめ:デザインで採用を成功に導く

採用パンフレットのデザインは、企業の魅力を伝え、求職者の興味を引くための重要な要素です。
単に情報を並べるのではなく、ターゲットに合わせたメッセージやビジュアルを設計することで、企業の価値を直感的に伝え、採用成功へとつなげることができます。
ターゲットを明確にし、求職者の視点を意識しながら、デザインとコンテンツを最適化することで、他社と差別化し、効果的な採用活動を実現しましょう。

この記事が採用パンフレット制作のお役に立てば幸いです。

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このお役立ち記事は、私がこれまでにお客様のプロモーション課題に取り組んできた経験や、お客様からお寄せいただいた質問をもとに執筆しています。印刷をデザインやマーケティングの観点も交えながら、読者の方に少しでも分かりやすくお伝えする事を心掛けています。