
- パンフレットを制作する担当者
- どこに依頼するか迷っている方
- パンフレットとは何かを知りたい方
- 販促・宣伝、広報のご担当者
パンフレットを制作する際は「何から始めればいいのか」「どこに依頼すべきか」など悩みは尽きません。
本記事ではパンフレットのプロとして蓄積したノウハウをもとに制作の流れ・業者選び・費用の目安・デザインのポイントまで具体的な手順をわかりやすくまとめました。
この記事を読めば迷わずパンフレット制作を進められるようになります。
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冊子印刷の基礎知識|綴じ方・用紙・発注などはじめてでも失敗しない
パンフレットとは何か?
リーフレット・カタログとの違いを知る
パンフレットとは?
パンフレットは英語のpamphletから来ており、小冊子のことを表しています(実際にはbrochureという表現が多く用いられる)。
また、パンフレットは、「数ページから数十ページと、ページ数が少なく、針金などの簡易な方法で綴じた(中綴じ冊子)、または折った紙を綴じずに重ねた、おもに宣伝用に用いられる小冊子」と認識されています。
リーフレットとの違い
パンフレットと混同されやすいものにリーフレットがあります。
リーフレットは「一枚の紙を折って冊子の形状にした宣伝などに使用する印刷物」とされています。
情報量が少なく、短く端的な案内や告知、持ち運びやすさが重視されます。
パンフレットはより多くの情報を掲載し、冊子としての体裁をとる点が異なります。
※詳しくは、「パンフレットとリーフレットの違いとは?特徴・用途をわかりやすく解説」をご覧ください。
リーフレットを作りたい方はこちらの記事が参考になります
リーフレットの作り方-デザインや作成のコツを解説
カタログとの違い
カタログは、複数の商品や製品などを網羅的に紹介するものを指します。
比較検討しやすくするために、価格や仕様などを一覧比較できるよう設計されているのが特徴です。
掲載する商品が多い場合は、カタログが数百ページにおよぶこともあります。
一方でパンフレットは、「知ってもらう・興味を引く」「共感を促す」など感情的な訴求を重視することが多く、印象的なビジュアルやストーリー性のある構成が好まれます。
印刷物によっては両者の中間的な役割を担うものもありますので、呼称にこだわる必要はありません。
そもそも何のためにその冊子を作るのか、その目的を見失わないようにすることが大切です。

「情報をカタログ化する」と言うことがあります。
これは、情報を体系的・網羅的に整理し、すぐに情報が探せる状態にすることを意味します。
これを踏まえると、パンフレットとの役割の違いも自然と見えてきます。
カタログを作りたい方にはこちらの記事がおすすめです
カタログの作り方|カタログ作成の基本とコツー目的・役割・デザイン・作成の流れがわかる

情報伝達・認知・販売・信頼…
4つのパンフレットの主な役割、効果

〈情報伝達〉
情報を正確に伝えることができる
パンフレットは会社やサービスの「概要・特徴・内容」を届ける手段です。販売促進や採用活動、ブランド価値向上など多岐にわたる目的で活用されます。
紙面で伝えられるため、読み手が落ち着いて確認できます。
- 会社や団体の概要や特徴、提供するものについて伝える
- 製品仕様やサービス内容を説明する
- イベントの内容やスケジュールなど詳細を知らせる
〈認知促進〉
認知度を高めブランド価値を伝える
潜在層への認知拡大や、見込み顧客へブランド価値を伝えるなどの用途で使われます。
ロゴ・キャッチコピー・デザインを通じてのイメージ形成にも効果的です。
- 新商品や新サービスのプロモーション
- ブランドの認知やイメージアップ
- 顧客接点を創出
- 特定のテーマに関する知識を広める
〈販売促進〉
販売活動をサポート、行動を促す
パンフレットは営業活動の際のツールとして、店頭に設置するツールとして使われ、顧客の行動を後押しします。
比較検討の材料として役立ちます。
- 商品・サービス購入の意思決定を後押し
- 営業ツール:顧客との商談をスムーズに進めるサポート
〈信頼構築〉
顧客とのコミュニケーションツール
既存顧客や取引先との継続的な関係性を築くためのツールとしても有効です。
- 新しい情報を常に丁寧に伝えられる
- 顧客や関係者との信頼関係を構築する
種類と目的別にパンフレットを使い分ける
会社案内パンフレット|企業の信頼感と第一印象を左右する営業ツール
会社案内パンフレットは、企業の理念や事業内容、ビジョンなどをまとめた、企業の“顔”ともいえるツールです。
商談や展示会での配布、訪問時の手渡しなど、初対面の相手に会社を知ってもらう場面で活躍します。
第一印象は企業イメージを左右しますし、渡した後にも手元に長く残るため、内容構成・デザイン・印刷品質のすべてにおいて、企業のブランドイメージと一貫した訴求が求められます。
また、特に新規顧客獲得の場面では、「自社に対する不安を払拭し、信頼性や企業価値の向上につなげる」ことが重要です。
<目的・役割>
- 会社の第一印象を伝え、信頼感を形成する
- 商談や展示会で企業の情報を的確に伝える
- 顧客に渡した後も残るツールとして、企業理解を促進する
<作成の基本ポイント>
- 目的・ターゲットに応じて必要な情報を絞り、読みやすく構成する
- ロゴや配色など、ブランドイメージに合わせ、信頼を感じさせるデザインにする
- 紙質や表紙加工を工夫し、手に取った瞬間の印象を高める
会社案内を作りたい方はこちらの記事がおすすめです
会社案内パンフレットの作り方-会社案内の種類と役割、デザインや作成のポイント、紙の選び方まで解説
ところで、会社案内とホームページの相互連携を考えることで、より効果的にプロモーションを展開することが可能になります。会社案内とホームページを同時にリニューアルすることは、企業にとって多くのメリットがあります。
もっと詳しく知りたい方は、お役立ち記事「ホームページがあれば会社案内は不要?会社案内リニューアル時にはホームページも検討すべき理由」もあわせてご覧ください。
商品パンフレット|魅力を伝えて購買意欲を高める販売促進ツール
なぜ商品パンフレットが必要なのか?
それは、商品の魅力を視覚や言語で伝え、購買を後押しする役割があるからです。
新商品など自社の製品やサービスを説明するためのBtoBの営業ツールとして、商談やイベント・展示会など様々な場面で使用されます。
またBtoC企業においても、小売店や飲食店では取り扱う商品やメニュー・コースを紹介するもの、メーカーは商品の魅力をアピールするために作成します。
特に、新商品や注力する製品などでは、カタログのように網羅的ではなく“伝えたいポイント”をしっかり打ち出すことが重要です。
<目的・役割>
- 商品の魅力や強みを視覚的に訴求する
- 商談や展示会、店頭などで顧客の理解と関心を高める
- 競合商品との差別化やブランド訴求を図る
<作成の基本ポイント>
- 特徴やメリットを端的に表現し、使い方をわかりやすく説明する
- 写真やイラストで視覚的な訴求力を高める
- ターゲットに合わせた構成・トーンを意識する
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「商品パンフレット」の作り方-成功の架け橋となる重要ポイントを解説
サービス紹介パンフレット|無形の魅力を“見える化”し、理解と共感を生む営業ツール
サービス紹介パンフレットは、無形のサービスを紹介するパンフレットです。
サービスには「実物」が存在しないため、機能やメリットを可視化し、顧客に具体的なイメージを持ってもらうことが重要になります。Webだけでは伝わりにくい信頼性や導入効果を、図解や事例、比較表などで明確に伝えることで、商談の成功率を高めたり、社内稟議を後押しする役割も果たします
<目的・役割>
- サービスの特徴・導入メリットを可視化する
- 顧客の疑問や不安を解消する
- 営業・展示会での資料やフォロー資料として活用する
- 顧客の社内稟議用資料として意思決定をサポート
<作成の基本ポイント>
- 抽象的にならないよう、数値・図解・事例で説得力を高める
- 導入前後の比較や導入フロー、FAQなどなるべく具体的な構成にする
サービス紹介をお考えの方にはこちらの記事がおすすめです
サービス紹介パンフレットの作り方|デザインや作成手順などポイントを解説
採用パンフレット|共感と信頼を生む“リクルート用”会社案内
採用パンフレットは、企業の文化や価値観、働きがいを伝えることで、求職者の共感や志望意欲を高める“リクルートの会社案内”です。会社の基本情報や事業内容、福利厚生、社風などをわかりやすくまとめることで、求職者が「ここで働く姿」を具体的に想像できるようになります。求人票やホームページだけでは伝えきれない「雰囲気」や「人の魅力」を紙面で丁寧に表現することによって、企業理解を深め、ミスマッチを防ぎ、質の高い応募を獲得することができます。

<目的・役割>
- 自社に対する共感・関心を喚起する
- 経営理念や社風、先輩社員の声を通じて“顔の見える会社”にする
- 入社後の仕事やキャリアパスを具体的に伝え、不安を解消する
<作成の基本ポイント>
- 求職者視点で「何が知りたいか」を考えた構成にする
- 写真・デザインで企業の雰囲気を直感的に伝える
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【採用パンフレット作成】作り方やメリット、活用方法などポイントを解説
学校案内パンフレット|志望校選びに影響、学校の印象を決める重要なツール
学校案内パンフレットは、学校の魅力や価値を視覚的・感覚的に伝え、生徒と保護者の関心・行動を引き出すためのツールです。
ただ情報を詰め込むだけでは、読み進めてもらえず印象にも残りません。
入学希望者に「ここに通いたい」と思ってもらうには、デザイン・写真・コピー表現、印刷物としての高いクオリティを通して、学校の雰囲気や方針、教育の特色を伝えることが欠かせません。
<目的・役割>
- 学校の教育理念・方針、環境、特色ある活動などを伝える
- 生徒・保護者に「この学校なら自分に合いそう」と思ってもらう
- 志願動機の形成や、説明会・オープンスクールへの誘導を促す
- 比較・検討する際の判断材料として機能させる
<作成の基本ポイント>
- 進学実績や施設だけでなく、先生や生徒の声、日常の学校生活を丁寧に表現
- 学校説明会や資料請求で手元に残り、あとから見返しても魅力が伝わるようにする
学校案内でお悩みの方には、こちらの記事が参考になります。
魅力的な学校案内をつくる方法-掲載内容やデザイン・印刷を解説
病院案内パンフレット|「安心感」「信頼感」だけでなく、病院独自の魅力を伝える
病院案内は、“安心できる医療機関である”という信頼を届け、「ここに行こう」と思ってもらうきっかけとなる重要なツールです。患者向け・医療連携・採用など、用途やターゲットに応じた構成・表現にすることで、効果的に伝わり、行動喚起につながります。
<目的・役割>
- 病院の理念・診療方針・専門性・設備などをわかりやすく伝える
- 紹介や連携を促す対外的な広報物として機能
- 求職者(医師・看護師など)に向けてのリクルート資料
- 院内外でのブランディングに寄与し、差別化につなげる
<作成の基本ポイント>
- 患者向け・紹介医向け・採用向けなどターゲットを明確に
- 清潔感・温かみのある配色や写真選定
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病院・医療機関のパンフレットーデザイン・作成のポイントを解説
パンフレット掲載内容は目的とターゲットで決まる
パンフレットに載せる情報の選び方
パンフレットには「誰に」「何を伝えたいか」によって、掲載すべき情報が変わります。基本情報+ターゲットに響く内容を厳選しましょう。読者の関心に応える内容を、過不足なく・わかりやすく・印象に残る形で掲載することが、行動喚起(資料請求・応募・購入など)につながります。
掲載情報の例
- 商品パンフレット:製品の特徴・スペック・活用例
- サービス紹介:導入メリット・成功事例・料金体系
- 採用パンフレット:企業理念・職場環境・社員インタビュー
- 学校案内:教育理念・カリキュラム・学校生活の様子

パンフレットをたくさん準備すればカタログは必要ない?
パンフレットが複数あっても、一覧性の高いカタログがないとユーザーが迷ってしまいます。
パンフレットを棚から一つひとつ取り出して、その中から目的の商品・サービスを見つけ出さなければならないでしょう。
取り扱う商品やサービスは増えてきた時は、お客様の手元に残り利便性の高いカタログが効果を発揮します。
パンフレットは前述のような特徴がありますが、一方でカタログは、取り扱っている商品を一覧として見せ、探しやすいように作られます。そして、自社商品やサービスのスペックや特徴、価格を中心に網羅的に掲載し、商品・サービスを比較・検討、選択してもらい注文につなげることを目的としています。
もっと詳しく
カタログの作り方|カタログ作成の基本とコツがわかる
成果を左右するパンフレットのデザイン
パンフレットのデザインは「伝わるかどうか」を決める最重要要素と言えます。
読者がスムーズに理解し、興味を持ち、行動につながる設計を目指すことは非常に重要です。
ところが実際は、おしゃれで格好よくて一目置かれるものにしたいと、デザインへの個人的なこだわりが前面に出てくることがあります。
本来、デザインは、目的達成や課題解決に向けて、ビジュアルを通じてわかりやすく伝えるためのもの。
パンフレットのデザインでも、制作の目的やターゲットユーザー、伝えたいことを予め明確にしておき、そこから逸脱することのないようにしなければなりません。

パンフレットのデザインで意識すべき基本要素
パンフレットを作る上で意識したいデザインの基本をいくつか紹介します。
知っておくことで、デザイナーと打合せを行う際に、デザイン意図の理解などで役立ちます。
ブランドイメージに合ったトーン
- フォントや色、写真のテイストは、企業・団体のブランドイメージに直結
- 信頼感・誠実さ・先進性・親しみやすさなど、伝えたい印象に合わせてトーンを統一
配色の基本
- 同系色でまとめ、強調したいところにアクセントカラーを加えメリハリを出す
視線の流れとレイアウト
- Z型・F型など、視線の動きに沿った配置で情報を自然に読ませる
- 強調すべき要素(見出し、キャッチコピー、図版)を配置して、視覚的なメリハリをつける
適切な余白
- 「余白」はデザインの一部として情報をまとめ、読みやすくする
写真やイラスト
- 何を伝えたいかを明確にして写真を選ぶ
- 写真のクオリティ・配置も十分に配慮する
伝わるデザインに仕上げるための工夫
さらに読みやすくする、伝えるためのデザインのポイントもいくつか紹介します。
- 書体の選択や文字間・行間を意識
読みやすさや与える印象に影響、ターゲットや与えたいイメージを考慮して決める - ユニバーサルデザインの視点を取り入れる
読者の多様性を考慮し、特定の人とその他の人を含めたすべての人が見やすいデザインを意識し、見やすく誤読しにくいUD(ユニバーサルデザイン)フォントを使用、色の見え方を理解し色使いにも配慮する(カラーユニバーサルデザイン) - ベースカラー70%、メインカラー(タイトルなど)25%、アクセントカラー(注目させたい部分)5%の割合を意識する
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イメージ通りのパンフレットに仕上げるには、指示の伝え方がカギ
当社にご相談いただくお客様から、パンフレットのデザインを依頼した際、「思っていたイメージと違った」「修正を依頼しても伝わらなかった」といった悩みを聞くことがあります。
その理由は主に次の通りです。
よくある失敗の理由
- イメージを言語化できず、あいまいなまま伝えてしまう
- 制作会社任せにしすぎて目的が共有されていない
- 依頼者とデザイナーの間で指示内容の齟齬が生じている
- 修正依頼を重ねすぎて、全体のバランスが崩れる

私の経験上、デザイナーにイメージを伝えるには、以下のようなポイントを意識することが重要です。
伝えるための4つのポイント
- パンフレットの目的・ターゲット・使用シーンを共有する
何のために・誰に・どのような場面で使うのかを明確に伝えると、方向性が共有できるから - 参考デザインや見本を用意して具体的に伝える
「このイメージに近づけたい」という情報があるとイメージを共有しやすくなるから - 指示を出す時は「なぜそうしたいのか」という理由も添える
意図を共有すれば、デザイナーはプロとして最適な提案をできるから - 直接伝える機会を持つ(メールやチャットだけで済ませない)
メールやチャットでは伝わりにくいニュアンスが、対話の中で補いやすから
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印刷品質もパンフレットの印象を左右する
印刷の仕上がりで伝わる印象が変わる
- 写真の美しさ、細部の色の再現性など、印刷品質はパンフレット全体の「説得力」や「信頼感」に直結する
- 高価格帯商品やサービスを扱う企業、信頼感が重要な医療・教育機関では、印刷の質がそのままブランド評価に影響する
印刷品質を高めるためのポイント
- 印刷方式(オフセット印刷・デジタル印刷)の違いを理解して選ぶ
- 色校正を行い、ブランドカラーや写真の発色を事前確認する
- 印刷会社と「仕上がりの質」へのこだわりを共有する
パンフレット制作の進め方を段階ごとに理解する
- 制作会社の選定:目的や予算に合ったパートナーを選ぶ
- 打ち合わせ:目的・掲載内容・予算・デザイン方向性を共有
- 企画・提案:構成案・デザイン方針を確認
- 制作作業:必要に応じて写真撮影・取材も実施
- 校正作業:内容・表記の確認、修正
- 色校正:本番印刷前の色確認
- 印刷・納品:最終確認後に納品
パンフレット制作は、企画から納品まで段階的に進みます。目的やターゲットを明確にした上で、各ステップで適切な判断をすることで、納得のいく仕上がりが得られます。
1.制作会社の選定:目的や予算に合ったパートナーを選ぶ
信頼できる制作会社を選ぶことが成功の第一歩です。
まずはコミュニケーションがとりやすいこと、そして制作実績、提案力、得意ジャンルなど目的に合った会社を選びましょう。
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2.制作会社との打ち合わせ:伝えたいこと・ターゲットを共有する
パンフレットの目的・訴求したい相手・掲載したい内容・デザインの方向性・予算感などを丁寧に伝えましょう。
この段階での共有が、その後の企画・制作の精度を高めます。
3.企画・提案・デザイン打合せ:方向性をすり合わせる
制作会社から提案されるラフ案(構成案・ビジュアル案)をもとに、デザインイメージや構成について打合せを行い、全体の方向性を決定します。
4.デザイン制作:必要に応じて撮影・取材を実施
デザイン制作がスタートします。写真撮影やライター取材を行うこともあります。
5.校正(初校〜最終校):内容・デザインをチェック
デザインを出力紙やPDFで確認し、内容や表記のチェックを行います。校正の専門スタッフが在籍する会社であれば校正を依頼することができます。
6.色校正:大切なパンフレットには必須
実際の印刷での色を確認するために「色校正」を行います。特に色にこだわる製品やブランドカラーなどでは、色校正を行わないとトラブルの原因になります。
色校正の基礎知識
【色校正とは】本当に必要?種類と違い・修正指示の方法も解説
7.印刷・加工・納品
最終チェックを終えたら、印刷・製本・加工(表紙のPP加工など)、納品となります。
印刷方式によっても仕上がりが変わるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
デジタル印刷やオフセット印刷の違いを知りたい方
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パンフレット制作にかかる費用の目安
費用は内容や仕様で変動する
ここでは、パンフレット制作にかかるデザイン費用や印刷費用の相場をご案内します。
パンフレットの制作にかかる費用は、企画構成費、デザイン費、原稿作成費、写真撮影費、印刷費などに分かれ、その内容によって決まります。
※本記事に記載している費用は、料金を公開している会社や当社の場合を想定したものです。目安としてご覧ください。
パンフレット制作費用の内訳
パンフレット制作にかかる費用は、その規模や仕様、デザインの複雑さ、印刷部数によって異なります。
主な費用項目には次のようなものがあります。
- 企画・構成費用
パンフレットの目的やターゲットを明確にし、内容を構成するための費用 - デザイン費用
パンフレットのデザインを制作するための費用。ページ数やデザインの複雑さにより異なる - 原稿作成費用
文章やキャッチコピーをプロに依頼する場合に発生する費用 - 写真撮影・イラスト制作費用
写真撮影やイラストをオリジナルで用意する場合の費用 - 印刷費用
用紙の種類、加工方法、印刷部数によって変動する
これらの費用は、制作会社によって異なりますが、単に安価、もしくは高価であれば良いというわけではありません。
パンフレットは既製品を購入するのとは異なり、企業や団体の目的達成に向けてオーダーメイドで制作されるものです。
そのため、いくら費用を抑えたとしても、目的を達成できない内容や品質では、本来の役割を果たすことができません。
費用対効果を意識しつつ、適切なバランスを考えることが求められます。
パンフレットの費用を抑えるためには、自社内でデザイン制作を行う、適切な制作会社を選ぶ、印刷のやり直しにならないようにするなどの方法があります。
詳しくは、「パンフレット作成費用を安くおさえる6つの視点|デザイン制作や印刷費用を安くする方法を解説」をご覧ください。

デザイン費用の相場
A4サイズ8ページのデザインで、12万円~60万円程度です。
パンフレットのデザインはページ数やデザインの内容、依頼先によって大きく変わります。
また、デザインを修正する際に、追加料金が発生する場合があります。
デザインを発注する際には、あらかじめ修正可能な回数を確認するようにしましょう。
印刷費用の相場
たとえば、A4サイズ8ページ・中綴じ・カラー印刷の場合、500部で、3万円~6万円前後です。
これも、あくまで一例です。印刷会社や紙質などの条件によって異なります。
なお、印刷費用は、印刷部数が2倍になると、印刷料金も2倍になるというわけではありません。
その都度、見積もりを依頼するようにしましょう。
冊子印刷の見積もりを依頼前に読みたい!
冊子印刷の見積もり方法をわかりやすく解説
見積もりを依頼する際の注意点
パンフレットの制作を依頼する際、納得のいく成果物を得るためには、やはり見積もり段階での情報共有も重要です。
以下のポイントを意識して依頼することで、不要なトラブルや誤解を防ぎ、精度の高い見積もりが可能になります。
パンフレット制作費用の内訳を伝える
- 想定する仕様をできるだけ具体的に伝える
サイズ、ページ数、部数、印刷用紙、綴じ方、印刷加工の有無、納期など
例)A4サイズ・8ページ・3,000部・コート135kg・中綴じ・表紙PP加工 - 掲載内容の準備状況を伝える
原稿や写真の有無(自社で用意 or 制作会社に依頼)、撮影・取材の必要性 - 予算感を伝える
「〇〇万円の予算内で制作したい」などといった希望があれば伝えておくと、現実的な提案や代替案の提示が期待できる - パンフレットの目的・ターゲット、現状とゴールを伝える
誰に向けて何のために配布するのかを伝える
パンフレットで何を実現するのか、現状と理想を共有する
これらのポイントを押さえつつ、なるべく具体的に情報を伝えることで、希望通りのパンフレット制作に必要な費用の見積もりを手に入れることができるでしょう。
もちろん、専門的な内容もありますので、わからないところは制作会社に相談すれば問題ありません。
見積もりを受け取った時の注意点を把握しておく
パンフレット制作の見積書を受け取った際は、金額だけでなく、項目の内訳や対応範囲をしっかりと確認しておくことが大切です。以下のポイントを押さえておくと、想定外の追加費用やトラブルを未然に防げます。
- デザイン修正の回数と追加費用
何回まで修正対応してもらえるのか、それ以降は別料金になるのかを確認しておく - 取材や写真撮影が必要な場合の費用
必要な作業がすべて見積もりに含まれているか確認し、不足があれば事前に相談する - 色校正が含まれているか
簡易校正か本機校正か、またその費用が含まれているかをチェックする - 校正回数とその範囲
初校・再校・念校など、どこまでの校正作業が含まれるか、修正指示の方法に制限があるかも確認する - 納期や納品場所
希望納期が見積もりに反映されているか、納品先が複数ある場合は別途費用がかかるかなども確認しておく
パンフレットの用紙選びも印象や効果に関わる要素
用紙選びはデザインと同じくらい重要
パンフレット制作の見積書を受け取った際は、金額だけでなく、項目の内訳や対応範囲をしっかりと確認しておくことが大切です。
パンフレットによく使用される印刷用紙は、コート紙やマットコート紙です。
コート紙は紙の表面に顔料を塗布した塗工紙の一つで、平滑性や光沢性、インキに対する適性が向上するなどの特徴がありカラー印刷に最適です。
パンフレット以外にもチラシやカタログ、ポスターなど多岐にわたって使用されています。
ちなみに、塗工紙(上質紙を原料とする塗工紙)には、顔料の塗工量の順でアート紙>コート紙>軽量コート紙などがあります。コート紙はこの通り中間に位置しており、使用しやすい用紙の一つです。
また塗工紙には、光沢のないマット系のものもあります。
マット系のコート紙(マットコート紙)を使用した印刷物は、光沢が抑えられており、反射が少ないため上品な仕上がりになります。こちらもパンフレットをはじめ様々な用途で使用されています。
- コート紙:カラー印刷に最適
コート紙は表面が平滑で光沢があり、写真やグラフィックを鮮やかに見せるのに適しています。チラシ・ポスター・パンフレットなど幅広く使用されており、最も一般的な選択肢です。 - マットコート紙:光沢を抑えた上品な質感
沢を抑えたマット仕上げの塗工紙です。反射が少なく、しっとりとした手触りで、落ち着いた雰囲気や高級感を演出したい場合におすすめです。
用紙の厚さも用途で選ぶ
同じ紙でも厚さによって印象や扱いやすさが異なります。手に取った時の重厚感やめくりやすさ、折りやすさなどを考慮し、仕様に合わせて厚みを選ぶことが大切です。
用紙の相談はプロに
パンフレットのデザインや用途に最適な用紙を選ぶには、印刷会社などプロに相談するのが安心です。「どんな印象を与えたいか」「どこで使うか」など目的を伝えると、適した用紙を提案してもらえます。
パンフレット制作の依頼先の選び方-制作会社の比較
デザインだけで選んでいませんか?成果を左右する依頼先の見極め方
パンフレットはコンセプト設計・デザイン・印刷等、それぞれに精通していなければいけません。
どうしてもデザインだけに着目してしまいがちですが、実は印刷する紙の選択や印刷加工などもパンフレットにおいては大切な要素なのです。
パンフレット制作を請け負う会社の業態にはいくつかあります。
デザイン会社・広告代理店・印刷会社、このうちどこに頼むのがあなたの会社にとってベストなのでしょうか。
ここでは、それぞれの依頼先のメリットについて説明します。
※それぞれの依頼先について一般的な特徴を説明するもので、すべての会社や個人にあてはまるわけではありません
【デザイン会社】完成度の高いビジュアル
デザインの専門家であるデザイナーがいるため、パンフレットを実際に制作する人と直接話ができ、依頼者の要望が齟齬なく伝わる、細かいことも相談しやすいなどのメリットがあります。
ただし結局、印刷は印刷会社に依頼する事になるため、印刷の事まで考えてくれる会社であればなお良いです。
【広告代理店】戦略立案から任せたい場合に
広告代理店は、テレビCMやメディア広告のイメージが強いと思いますが、パンフレット制作も依頼できるところが多くあります。広告代理店はマーケティング戦略から考えるのが得意な場合が多いのですが、実際の制作はデザイン会社などに外部委託する場合も多いため、きちんとコントロールしてもらえるか、要望が齟齬なく伝わるか等を見定める必要があります。
【印刷会社】品質とコストのバランス
印刷会社は印刷のプロですので、パンフレット制作を依頼するかを決める際に注目すべきポイントのひとつは、デザイン部門が社内にあるかどうかです。
印刷会社:社内にデザイン部門がある場合
社内にデザイン部門あるということは、デザイナーやディレクターが在籍しており、デザインに関する知識と技術、経験があるということです。そのため、デザイン会社と変わらず直接プロのデザイナーに相談することができます。
また印刷会社に在籍する営業・ディレクター・デザイナーは、いずれも印刷に関する知識・経験も豊富なため、印刷用紙や表紙加工、印刷の仕上がりまで含めた提案が可能です。
また、デザインから印刷まで一貫して請け負うために費用を抑えられる場合が多いのも特徴です。
- 社内にデザイナーやディレクターが在籍しており、専門的な提案が可能
- 印刷の知見を活かした紙選び・加工提案に強い
- 一貫対応のためコストを抑えやすく、修正もスムーズ
印刷会社:デザイン部門がない場合
自社内にデザイン部門がない印刷会社の場合は、主に外部のデザイン会社やフリーランスのデザイナーに外部委託することになります。依頼者の要望をそのままデザイナーに伝えるだけ」でなく、制作物の内容によってその分野が得意なデザイナーを選択し、デザイン制作全体を適切にコントロール出来れば問題ないでしょう。
ただしそれを依頼する側が見極めるのは難しいので注意が必要です。
- 外部デザイナーとの連携体制によって仕上がりが左右される
- 担当者が的確なディレクションを行えるかが成否の分かれ目
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デザインはどこに依頼する?広告代理店・デザイン会社・印刷会社を徹底比較
【会社案内パンフレット】制作会社の選び方
よくある質問
パンフレット制作に関して、お客様からよくいただくご質問とその回答をまとめました。
パンフレット制作の期間に関すること
デザインの内容、ページ数、修正回数、原稿が準備できているかなどによって異なります。一般的には、8ページで1.5ヶ月~2ヶ月程度が目安とされます。ただし、取材が必要な場合やマンガを使用する場合などは、かなりの時間を要することがありますので、早めのご依頼をおすすめします。
フリーランスデザイナーへの依頼について
フリーランスのデザイナーは、自身のスタイルを持ち、独自性のあるデザインを提案してくれる可能性があります。
一方で、デザイナーごとに対応力に差があったり、デザインの得手不得手、印刷に関する知識が少ない場合もあります。
そのため、発注者にある程度の知識や経験があるのであれば、上手に活用できるのではないでしょうか。
原稿や写真に関すること
当社の場合は可能です。ヒアリングをもとに構成や文章作成、写真撮影までサポートいたします。
※依頼先の制作会社への事前確認をおすすめします。
印刷の依頼に関すること
もちろん印刷会社の場合は可能です。デザイン会社や広告代理店の場合も可能な場合がありますが、結局印刷会社で印刷することになるでしょう。直接印刷会社に依頼することをおすすめします。
デジタルパンフレットと紙のパンフレットの使い分け
近年はWeb上で紙のパンフレットを見ているような見せ方ができるデジタルパンフレットの活用が広がっています。
デジタルパンフレットはeBookまたはデジタルブックと呼ばれるツールを利用して作ります。パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスでパンフレットなどを、紙媒体と同じような感覚でページをめくるように閲覧できるようになるので大変便利です。
紙のパンフレットの特徴
- 手元に残る安心感があり、展示会や商談での配布に適しています
- じっくり読んでもらえるため、高い情報伝達力があります
- 印刷用紙や加工によってさらなる効果も期待できます
デジタルパンフレットの特徴
- スマホ・PCから閲覧できるため、URLひとつで簡単に共有可能
- 修正や差し替えが容易
- 紙面上で動画やリンクなども利用可能
デジタルブックは、WEBブラウザで閲覧でき、デジタルならではの利点を享受できます。
しかしその一方で、紙媒体(印刷物)の方が優れている部分があるのも事実です。
ターゲットや用途で使い分ける、もしくは併用するなど上手に活用すると良いでしょう。
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紙媒体の種類や効果メリットデメリット
デジタルブックの種類・用途やメリットを解説
環境・SDGsを意識したパンフレットを検討する
パンフレットなどの印刷物で、CO2排出・森林破壊・石油資源の枯渇や水危機、有害物質排出などに貢献するという選択肢があります。その選択肢として、印刷する用紙を通常の紙から森林認証紙や、石灰石を主原料とするLIMEXにすることなどが挙げられます。
官公庁だけでなく企業にも環境配慮への配慮やSDGs推進が求められる今、比較的容易に取り組めるため、環境への取り組みの第一歩として活用がますます広がっています。
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環境・SDGsに貢献する簡単な方法3選
最後に
パンフレット制作は、単なる「紙の印刷物」ではなく、伝える力・共感を得る力・行動を促す力を備えたツールです。 目的やターゲットに応じて最適な構成・デザイン・印刷方法を選ぶことで、企業や商品の魅力を最大限に伝えることができます。
パンフレット制作を成功させるためには、基本とコツをおさえた上で、信頼できるパートナーを選ぶことが第一歩です。
弊社がお役に立てること
当社では、お客様のメッセージを伝えお客様の目的を達成するお客様らしいデザイン、そしてそのデザインが活きる品質で印刷物を提供しています。お気軽にご相談ください。
企画デザインから印刷まで|ゼンリンプリンテックスのパンフレット作成

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このお役立ち記事は、私がこれまでにお客様のプロモーション課題に取り組んできた経験や、お客様からお寄せいただいた質問をもとに執筆しています。印刷をデザインやマーケティングの観点も交えながら、読者の方に少しでも分かりやすくお伝えする事を心掛けています。